20 / 27
20.何だそれ?!
しおりを挟む
「な、何に怒ってる…?」
ルキは恐る恐る俺に問いかけて来る。
「俺が城を出た日。ルキは何してた?」
「何って…。あっ…」
ルキの顔がさらに青ざめていく。あの日の事を思い出したのだろう。
「あの日、ルキは外出したはずだよね?」
「あ…いや…その…」
「出掛けてたんだよね?」
真っ青を通りこして白くなっていく顔に汗が流れ出ている。この目では見ていないけど、この耳ではしっかりと聞いたんだから、さっさと白状しろよな。
「出掛けて…ない…」
「うん、だよね。俺、あの部屋でルキとジークさんの声聞いたから」
「っ!!」
項垂れていた顔を上げたルキ。しかし、その顔は真っ赤になっていた。はぁ?
「…何その顔?俺にバレたくなかったら城の中でしないでくれる?」
「いや、城の中でないと…」
「はぁぁぁ?!」
「いや、あの、アレはジルが思ってるのとは違っていて…!」
「ふざけんな!あんなの、どう聞いても浮気の…!」
怒りで大声を出したところで、ジルに力いっぱい抱きしめられた。
「ちょっ!離せよ!!」
「違う、違うんだジル!あ、あれは…」
「あれは、魔物達に魔力供給してたんだ!!」
はぁ…???
ルキが言うには、この世界を征服するにあたり大量の魔物を送り出した。人々の恐れる気持ち、恐怖心が魔物達の糧になり魔力を補っていく予定だったんだけど、俺と言う番を手に入れ、その計画は無くなった。しかし、魔物達の糧となる恐怖心が無くなってしまったため、ルキがその魔力を送っていたのだという。ただ、ルキはその魔力を送るのが苦手で毎回ジークさんに怒られながらしていた為、俺に知られたくなくて、出掛けると嘘を言っていたとの事だ。
「嘘ついてごめてん…。ジルに情けない姿見せたくなくて」
「あの日、無理とかこれでもとか聞こえたんだけど、あれは?」
「あ、あれは…」
「あれは?」
「もう、魔力を抽出するのがしんどくて、ジークに無理って言ったら…」
「言ったら?」
「…ジ、ジルの…」
「俺の??」
「…ジルの入浴中の写真を出されて、頑張ったらくれるって言うから!!」
「はぁぁぁぁ?!」
何だそれ?しかも、いつそんなの撮ったんだ??てか、ジークさん盗撮じゃねぇ????
「それ、出して」
「い、嫌だ!俺の宝物だ!」
いや、本物毎日生で見てたのに写真いる?
「だ・し・て」
「うっ…」
しぶしぶ、ルキは服のポケットから今迄手にした俺の写真を出してきた。その数ざっと100枚。これって、ほぼ番になってからの日数と変わらないじゃん。どの写真も顔のアップや上半身だけだったので、一先ず安心したが、着替えや風呂なんていつ撮ったんだか…。
てか、ルキ俺の事好き過ぎだろ。
ルキは恐る恐る俺に問いかけて来る。
「俺が城を出た日。ルキは何してた?」
「何って…。あっ…」
ルキの顔がさらに青ざめていく。あの日の事を思い出したのだろう。
「あの日、ルキは外出したはずだよね?」
「あ…いや…その…」
「出掛けてたんだよね?」
真っ青を通りこして白くなっていく顔に汗が流れ出ている。この目では見ていないけど、この耳ではしっかりと聞いたんだから、さっさと白状しろよな。
「出掛けて…ない…」
「うん、だよね。俺、あの部屋でルキとジークさんの声聞いたから」
「っ!!」
項垂れていた顔を上げたルキ。しかし、その顔は真っ赤になっていた。はぁ?
「…何その顔?俺にバレたくなかったら城の中でしないでくれる?」
「いや、城の中でないと…」
「はぁぁぁ?!」
「いや、あの、アレはジルが思ってるのとは違っていて…!」
「ふざけんな!あんなの、どう聞いても浮気の…!」
怒りで大声を出したところで、ジルに力いっぱい抱きしめられた。
「ちょっ!離せよ!!」
「違う、違うんだジル!あ、あれは…」
「あれは、魔物達に魔力供給してたんだ!!」
はぁ…???
ルキが言うには、この世界を征服するにあたり大量の魔物を送り出した。人々の恐れる気持ち、恐怖心が魔物達の糧になり魔力を補っていく予定だったんだけど、俺と言う番を手に入れ、その計画は無くなった。しかし、魔物達の糧となる恐怖心が無くなってしまったため、ルキがその魔力を送っていたのだという。ただ、ルキはその魔力を送るのが苦手で毎回ジークさんに怒られながらしていた為、俺に知られたくなくて、出掛けると嘘を言っていたとの事だ。
「嘘ついてごめてん…。ジルに情けない姿見せたくなくて」
「あの日、無理とかこれでもとか聞こえたんだけど、あれは?」
「あ、あれは…」
「あれは?」
「もう、魔力を抽出するのがしんどくて、ジークに無理って言ったら…」
「言ったら?」
「…ジ、ジルの…」
「俺の??」
「…ジルの入浴中の写真を出されて、頑張ったらくれるって言うから!!」
「はぁぁぁぁ?!」
何だそれ?しかも、いつそんなの撮ったんだ??てか、ジークさん盗撮じゃねぇ????
「それ、出して」
「い、嫌だ!俺の宝物だ!」
いや、本物毎日生で見てたのに写真いる?
「だ・し・て」
「うっ…」
しぶしぶ、ルキは服のポケットから今迄手にした俺の写真を出してきた。その数ざっと100枚。これって、ほぼ番になってからの日数と変わらないじゃん。どの写真も顔のアップや上半身だけだったので、一先ず安心したが、着替えや風呂なんていつ撮ったんだか…。
てか、ルキ俺の事好き過ぎだろ。
50
お気に入りに追加
102
あなたにおすすめの小説
gotcha!
あこ
BL
この世界には、稀ではあるが生まれた時に『ギフト』を授けられる人間がいるしかし、この『ギフト』は本当に神からの“些細な小さな贈り物”であった。
例えば『歌が誰かよりも上手くなる』とか、『人より少し視力がいい』とか。
ギフトがあれば便利で将来の展望が開けるだろうけれど、ギフトを持たない人間は努力でなんとか、ギフトを持っている人間に僅差まで追いつけるかもしれない、というような、その程度のもの。
しかしこの物語の主人公の『ギフト』は真実、彼の人生を左右するとんでもなく爆弾のような、まさに『神から与えられたギフト』であった。
▷ 公爵家次男で、年々重くなる愛情で片想い爆進中の攻め。
▷ 侯爵家長男で、本当は楽観的なのにギフトのせいで情緒不安定になりがちな受け。
▷ 両家は仲良し、兄弟仲も良好。
▷ 同性婚しても後取り問題は(受けの知らないところで)解決してる。
▷ シリアスゼロ(だと私は胸を張ってます!)で、気軽な感じで読める話です。
台風の目はどこだ
あこ
BL
とある学園で生徒会会長を務める本多政輝は、数年に一度起きる原因不明の体調不良により入院をする事に。
政輝の恋人が入院先に居座るのもいつものこと。
そんな入院生活中、二人がいない学園では嵐が吹き荒れていた。
✔︎ いわゆる全寮制王道学園が舞台
✔︎ 私の見果てぬ夢である『王道脇』を書こうとしたら、こうなりました(2019/05/11に書きました)
✔︎ 風紀委員会委員長×生徒会会長様
✔︎ 恋人がいないと充電切れする委員長様
✔︎ 時々原因不明の体調不良で入院する会長様
✔︎ 会長様を見守るオカン気味な副会長様
✔︎ アンチくんや他の役員はかけらほども出てきません。
✔︎ ギャクになるといいなと思って書きました(目標にしましたが、叶いませんでした)
浮気を許せない僕は一途な彼氏を探しています
Q.➽
BL
雄々しい訳アリ女系家族に囲まれて、それなりに大切にされながら育ち、綺麗な顔立ちに物腰柔らかな美青年に育った早霧。
当然のように男女問わずモテるのだが、何故か半年以上続かない。
その理由は、早霧が告白されてつき合う時の条件
『浮気したら別れるね』
を守れた人間がいなかったから。
だが、最近告白して来た彼は少し違う、かもしれない?
※浮気やグレー描写ありなので潔癖さんには向きません。
前、中、後編+R18実践編(甘々)での構成です。
つぎはぎのよる
伊達きよ
BL
同窓会の次の日、俺が目覚めたのはラブホテルだった。なんで、まさか、誰と、どうして。焦って部屋から脱出しようと試みた俺の目の前に現れたのは、思いがけない人物だった……。
同窓会の夜と次の日の朝に起こった、アレやソレやコレなお話。
神獣の僕、ついに人化できることがバレました。
猫いちご
BL
神獣フェンリルのハクです!
片思いの皇子に人化できるとバレました!
突然思いついた作品なので軽い気持ちで読んでくださると幸いです。
好評だった場合、番外編やエロエロを書こうかなと考えています!
本編二話完結。以降番外編。
悪役令嬢の兄、閨の講義をする。
猫宮乾
BL
ある日前世の記憶がよみがえり、自分が悪役令嬢の兄だと気づいた僕(フェルナ)。断罪してくる王太子にはなるべく近づかないで過ごすと決め、万が一に備えて語学の勉強に励んでいたら、ある日閨の講義を頼まれる。
【完結】なぜ、王子の僕は幽閉されてこの男に犯されているのだろう?
ひよこ麺
BL
「僕は、何故こんなに薄汚い場所にいるんだ??」
目が覚めた、僕は何故か全裸で拘束されていた。記憶を辿るが何故ここに居るのか、何が起きたのかが全く思い出せない。ただ、誰かに僕は幽閉されて犯されていたようだ。ショックを受ける僕の元に見知らぬ男が現れた。
なぜ、王子で最愛の婚約者が居たはずの僕はここに閉じ込められて、男に犯されたのだろう?
そして、僕を犯そうとする男が、ある提案をする。
「そうだ、ルイス、ゲームをしよう。お前が俺にその体を1回許す度に、記憶のヒントを1つやろう」
拘束されて逃げられない僕にはそれを拒む術はない。行為を行う度に男が話す失われた記憶の断片。少しずつ記憶を取り戻していくが……。
※いままでのギャクノリと違い、シリアスでエロ描写も割とハード系となります。タグにもありますが「どうあがいても絶望」、メリバ寄りの結末の予定ですので苦手な方はご注意ください。また、「※」付きがガッツリ性描写のある回ですが、物語の都合上大体性的な雰囲気があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる