実家に帰らせていただきます！

18.どうしたらいい？～ルキアルド視点

「…ジルが楽しそうに笑ってる…」


ジークがジルの元に向かわせた監視目玉の映像を見ながら、俺は元気そうなジルを見て落ち込む。

先日、ジルとフェルが無事に実家に着いたのは良かったのだが、城を出た理由を知って自分の行動を省みる。

（はぁ～…確かに俺何にも手伝ってなかったかも…）

フェルの授乳が終わったら残りの乳飲んで、下の乳飲んで、俺がイクまでジルをイカせて…。
夜は、まだ産後だからと我慢しつつも、毎晩後ろからお尻と脚の間で素股して…。これも俺がイクまで擦りつけて…。
たまにジルがお口でしてくれて、これがまた至福の時で、長く味わいたくてイクの我慢して…。

「あぁ～～～～！！俺、自分の快楽しか求めてない～～～～～！！！！」

今更ながら、自分の情けなさに涙が出て来る。

「フェルの事、何にもしてない…。おむつ替えすら…」
「育児もせず、性奴扱いならジル様も出て行きますね」
「せ、性奴などと…！！」
「いや、やってる事変わらないでしょ」
「…」

ジークの指摘に反論すらできず、自分の愚かさに唯々後悔するばかり。

確かに、昔いたよ。たくさんいたよ。若かったのもあるけど、向こうから迫ってきて気持ち良くされたらするしかないでしょ。確かに四六時中してたよ。なんなら、複数相手もしてたよ。でも、単なる性処理で愛情なんて全くなかったし、愛を囁いたことも無かったよ。女には常に避妊魔法かけてたし、男も番にしたい奴なんていなかったし。ほんとにジルだけなんだ。番いにしたいのも愛してるのも…。なのに、俺、どこで間違っちゃったのかな…。

「で、どうするんですか？離縁ですか？」
「り、離縁なんて嫌だ！！」
「なら、ジル様に誠心誠意誤って許してもらうしかないのでは？」
「…会ってくれるかな？」
「そこは会ってもらえるまで頑張るしかないでしょ。誠意ですよ、誠意」
「わかった。行ってくる！！」
「あ、その前に魔力のストックしといてくださいね。いつまでかかるか分からないんですから」
「わかったよ！！」

全く、人魔王使いの荒い奴だ。俺の事なんだと思ってるんだか。




～ジーク視点～

はぁ。まったく、ジル様の事になるとポンコツなんだから。
魔族同士なら、魔王様の寵愛は嬉しい限りだろうし、求められることに至福を感じるだろうけど、相手は人間のジル様だ。おそらく、幸せな家庭で育っただろうジル様に、育児任せっきりのうえ、毎日毎日体を求められらたそりゃあ不満も爆発するだろう。
まぁ、俺も助言しなかったから同罪かもだが、そこは夫婦間の事だしな～…。
しっかし、ジル様も思い切ったな～実家に帰るなんて。それにジル様の家族もなかなかだな。赤ちゃん連れた息子を普通に受け入れるなんて。まぁ、今度は魔王様が現れるんだけど…うん、あの家族なら受け入れそうだわ。
頑張れ、魔王様ルキアルド。