16 / 16
16.中野様!!
しおりを挟む
「…で?」
「いや…その…」
昼食後。俺は中野と自販機のある休憩スペースへと移動した。
「…神崎さんの事、黙ってろってとこか?」
「ち、ちがっ…いや、違わないけど…」
「言ったりしないよ。ま、口止め料は貰うけど」
「口止め料って…」
「晩飯奢りな」
「お、おう!任せとけ!!」
助かった~。晩飯くらいですんで。中野、良い奴だな~。
「今週末、朝までコースな」
「あ、朝まで?!」
「普通だろ?」
「わ、わかった」
「じゃ、よろしく。さて、そろそろ戻るか」
「あ、ああ」
朝までか…。湊に言っとかないとな。
「あ、店とか俺に任せてもらっても良い?」
「あ、うん。俺、まだよくわかんないし頼むよ」
「了解。…楽しみに待ってな」
「?うん」
何かよくわかんないけど、中野に任せとけば良いか。
家に帰り、玄関を開けたとたんにいい匂いが鼻腔をくすぐる。
「ただいま~」
「お帰りひろ兄!」
キッチンからパタパタと湊がこっちに向かってきた。…お尻に犬のしっぽが見える。
「お疲れ様!ご飯にする?お風呂にする?」
「飯かな」
「すぐ用意するね!」
「ああ。先に着替えるわ」
いつにもまして新婚の様な会話だな…。しかも超絶天使な笑顔で言われると湊が男だってことを忘れてしまいそうになる。…っと!何言ってんだ俺!湊はれっきとした男なんだから!!…俺よりでかいし。
リビングに行くとすでに夕食が並べられていた。焼き魚・肉じゃが・玉子焼き・ほうれん草のお浸し・味噌汁・ご飯。…旅館か?
「今日も美味そう~」
「今日は和食にしてみたんだ。バランスよく食べないとね!」
「「いただきます!」」
肉じゃがうまっ!玉子焼きも俺好みの甘い系だし。あ~箸が進む!!
「あ、そうだ。今度の金曜日、晩飯いらないから」
「了解。歓迎会?」
「いや、同僚と飲み会。朝までコース」
「…ふ~ん」
ん?なんか湊の雰囲気が変わったような?
「あんまり嵌め外し過ぎないようにね!」
「わ、分かってるって」
この前みたいに飲み過ぎて寝ない様にって言いたいんだろうな、きっと。俺だって、外でそんな飲み方はしないって。…たぶん。
「ごちそーさま!片づけは俺がやるよ」
「二人でした方が早いよ」
そう言って、湊が食器を洗い俺が拭く係となった。う~ん、やっぱり男二人が並ぶと狭いよな~。腕とかすぐぶつかるし。…これが神崎さんなら…って何考えてるんだ俺!
そして、中野との食事の日。中野に連れられて、少しお洒落な居酒屋に入るとそこには―――
「か、神崎さん?!と森下さん」
「あ、斎藤君お疲れ様」
「中野君が沙羅も一緒にって誘ってくれたの。同期会でもどうって」
「そ、そうなんだ。俺知らなかったからびっくりしたよ」
中野!お前って素晴らしい!!今日は中野様って呼ばせてもらうよ!!
「いや…その…」
昼食後。俺は中野と自販機のある休憩スペースへと移動した。
「…神崎さんの事、黙ってろってとこか?」
「ち、ちがっ…いや、違わないけど…」
「言ったりしないよ。ま、口止め料は貰うけど」
「口止め料って…」
「晩飯奢りな」
「お、おう!任せとけ!!」
助かった~。晩飯くらいですんで。中野、良い奴だな~。
「今週末、朝までコースな」
「あ、朝まで?!」
「普通だろ?」
「わ、わかった」
「じゃ、よろしく。さて、そろそろ戻るか」
「あ、ああ」
朝までか…。湊に言っとかないとな。
「あ、店とか俺に任せてもらっても良い?」
「あ、うん。俺、まだよくわかんないし頼むよ」
「了解。…楽しみに待ってな」
「?うん」
何かよくわかんないけど、中野に任せとけば良いか。
家に帰り、玄関を開けたとたんにいい匂いが鼻腔をくすぐる。
「ただいま~」
「お帰りひろ兄!」
キッチンからパタパタと湊がこっちに向かってきた。…お尻に犬のしっぽが見える。
「お疲れ様!ご飯にする?お風呂にする?」
「飯かな」
「すぐ用意するね!」
「ああ。先に着替えるわ」
いつにもまして新婚の様な会話だな…。しかも超絶天使な笑顔で言われると湊が男だってことを忘れてしまいそうになる。…っと!何言ってんだ俺!湊はれっきとした男なんだから!!…俺よりでかいし。
リビングに行くとすでに夕食が並べられていた。焼き魚・肉じゃが・玉子焼き・ほうれん草のお浸し・味噌汁・ご飯。…旅館か?
「今日も美味そう~」
「今日は和食にしてみたんだ。バランスよく食べないとね!」
「「いただきます!」」
肉じゃがうまっ!玉子焼きも俺好みの甘い系だし。あ~箸が進む!!
「あ、そうだ。今度の金曜日、晩飯いらないから」
「了解。歓迎会?」
「いや、同僚と飲み会。朝までコース」
「…ふ~ん」
ん?なんか湊の雰囲気が変わったような?
「あんまり嵌め外し過ぎないようにね!」
「わ、分かってるって」
この前みたいに飲み過ぎて寝ない様にって言いたいんだろうな、きっと。俺だって、外でそんな飲み方はしないって。…たぶん。
「ごちそーさま!片づけは俺がやるよ」
「二人でした方が早いよ」
そう言って、湊が食器を洗い俺が拭く係となった。う~ん、やっぱり男二人が並ぶと狭いよな~。腕とかすぐぶつかるし。…これが神崎さんなら…って何考えてるんだ俺!
そして、中野との食事の日。中野に連れられて、少しお洒落な居酒屋に入るとそこには―――
「か、神崎さん?!と森下さん」
「あ、斎藤君お疲れ様」
「中野君が沙羅も一緒にって誘ってくれたの。同期会でもどうって」
「そ、そうなんだ。俺知らなかったからびっくりしたよ」
中野!お前って素晴らしい!!今日は中野様って呼ばせてもらうよ!!
0
お気に入りに追加
46
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
犯されないよう逃げるけど結局はヤラれる可哀想な受けの話
ダルるる
BL
ある日目が覚めると前世の記憶が戻っていた。
これは所謂異世界転生!?(ちょっと違うね)
いやっほーい、となるはずだったのに……
周りに男しかいないししかも色んなイケメンに狙われる!!
なんで俺なんだぁぁぁ……
ーーーーーーー
うまくにげても結局はヤられてしまう可哀想な受けの話
題名についた※ はR18です
ストーリーが上手くまとまらず、ずっと続きが書けてません。すみません。
【注】アホエロ
考えたら負けです。
設定?ストーリー?ナニソレオイシイノ?状態です。
ただただ作者の欲望を描いてるだけ。
文才ないので読みにくかったらすみません┏○┓
作者は単純なので感想くれたらめちゃくちゃやる気でます。(感想くださいお願いしやす“〇| ̄|_)
何をされても起きない僕は弟の友達の美形くんに食われちゃいました
霧乃ふー 短編
BL
ベッドで寝るのが大好きな僕。
いつものようにぐうぐう寝ていると、だんだんと身体にいやらしい感覚がやって来て、、、
弟の友達の美形くん×寝るのが大好きな主人公
悪役の弟に転生した僕はフラグをへし折る為に頑張ったけど監禁エンドにたどり着いた
霧乃ふー 短編
BL
「シーア兄さまぁ♡だいすきぃ♡ぎゅってして♡♡」
絶賛誘拐され、目隠しされながら無理矢理に誘拐犯にヤられている真っ最中の僕。
僕を唯一家族として扱ってくれる大好きなシーア兄様も助けに来てはくれないらしい。
だから、僕は思ったのだ。
僕を犯している誘拐犯をシーア兄様だと思いこめばいいと。
こっそりバウムクーヘンエンド小説を投稿したら相手に見つかって押し倒されてた件
神崎 ルナ
BL
バウムクーヘンエンド――片想いの相手の結婚式に招待されて引き出物のバウムクーヘンを手に失恋に浸るという、所謂アンハッピーエンド。
僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。
だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。
子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。
ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。
指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。
あれから10年近く。
ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。
だけど想いを隠すのは苦しくて――。
こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。
なのにどうして――。
『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』
えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をご覧になるとより一層楽しめるかもしれません)
【報告】こちらサイコパスで狂った天使に犯され続けているので休暇申請を提出する!
しろみ
BL
西暦8031年、天使と人間が共存する世界。飛行指導官として働く男がいた。彼の見た目は普通だ。どちらかといえばブサ...いや、なんでもない。彼は不器用ながらも優しい男だ。そんな男は大輪の花が咲くような麗しい天使にえらく気に入られている。今日も今日とて、其の美しい天使に攫われた。なにやらお熱くやってるらしい。私は眉間に手を当てながら報告書を読んで[承認]の印を押した。
※天使×人間。嫉妬深い天使に病まれたり求愛されたり、イチャイチャする話。
獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加
執着系義兄の溺愛セックスで魔力を補給される話
Laxia
BL
元々魔力が少ない体質の弟──ルークは、誰かに魔力を補給してもらわなければ生きていけなかった。だから今日も、他の男と魔力供給という名の気持ちいいセックスをしていたその時──。
「何をしてる?お前は俺のものだ」
2023.11.20. 内容が一部抜けており、11.09更新分の文章を修正しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる