2 / 19
2.5月
しおりを挟む
学校にも慣れてきた頃、久しぶりに眼鏡野郎を見かけた。
相変わらずぶかぶかの服で、一人で歩いていた。
「翔、何見てんの?」
「ん?別に」
「あ、あいつ知ってる。いっつも一人なんだよね~」
「ふ~ん。ま、男に興味ないけど」
「だよね~」
そう言って、豊満な胸を俺の腕に押し付けてくる。大学に入ってからさらにセフレが増えた。今隣にいるのもその内の一人だ。
「あ、わりぃ。俺、次講義だから」
「え~さぼろうよ~」
「俺、見た目より真面目なんだよ。じゃあな」
「もう!」
そう、いくらセフレがいようと勉強を疎かにする気は無い。周りには話していないが、これでも特待生だ。有名大学程偏差値は高くないが、それなりの大学だ。キープするにも努力は必要だ。
(あ、またいた)
一度見かけると不思議なもので、また俺の視界に入ってきた。人通りの少ない奥のベンチに座って、お昼を食べているようだ。
(本当に一人でいるんだな)
そんな姿を視界から外し、俺は講義へと向かった。
帰り際、またまた眼鏡野郎を見かけた。今日はやけに見かけるな…。俺の視線に気が付いたのか、こっちを見て走ってきた。なんだ?
「あ、あの!この間はありがとうございました!」
そう言って、ペコリと頭を下げた。
「お礼を言いたかったんだけど、いっつも周りに大勢いるから近寄れなくて…」
目の辺りはわからないが、顔を真っ赤にしてお礼を言ってきた。案外、律儀な奴だな。
「いや、大したことしてないし気にしなくていいよ」
「あ、あの!僕、近藤 蒼生って言います」
「あ~、俺は皆藤 翔。じゃ、俺用事あるから、またな」
「あ、ごめんなさい呼び止めて!さ、さようなら」
そう言って、パタパタと走って行った。
「ま、もう関わることは無いだろ」
眼鏡野郎の後姿にそう呟き、俺は学校を出た。
相変わらずぶかぶかの服で、一人で歩いていた。
「翔、何見てんの?」
「ん?別に」
「あ、あいつ知ってる。いっつも一人なんだよね~」
「ふ~ん。ま、男に興味ないけど」
「だよね~」
そう言って、豊満な胸を俺の腕に押し付けてくる。大学に入ってからさらにセフレが増えた。今隣にいるのもその内の一人だ。
「あ、わりぃ。俺、次講義だから」
「え~さぼろうよ~」
「俺、見た目より真面目なんだよ。じゃあな」
「もう!」
そう、いくらセフレがいようと勉強を疎かにする気は無い。周りには話していないが、これでも特待生だ。有名大学程偏差値は高くないが、それなりの大学だ。キープするにも努力は必要だ。
(あ、またいた)
一度見かけると不思議なもので、また俺の視界に入ってきた。人通りの少ない奥のベンチに座って、お昼を食べているようだ。
(本当に一人でいるんだな)
そんな姿を視界から外し、俺は講義へと向かった。
帰り際、またまた眼鏡野郎を見かけた。今日はやけに見かけるな…。俺の視線に気が付いたのか、こっちを見て走ってきた。なんだ?
「あ、あの!この間はありがとうございました!」
そう言って、ペコリと頭を下げた。
「お礼を言いたかったんだけど、いっつも周りに大勢いるから近寄れなくて…」
目の辺りはわからないが、顔を真っ赤にしてお礼を言ってきた。案外、律儀な奴だな。
「いや、大したことしてないし気にしなくていいよ」
「あ、あの!僕、近藤 蒼生って言います」
「あ~、俺は皆藤 翔。じゃ、俺用事あるから、またな」
「あ、ごめんなさい呼び止めて!さ、さようなら」
そう言って、パタパタと走って行った。
「ま、もう関わることは無いだろ」
眼鏡野郎の後姿にそう呟き、俺は学校を出た。
3
お気に入りに追加
80
あなたにおすすめの小説

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話
あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハンター ライト(17)
???? アル(20)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後半のキャラ崩壊は許してください;;

家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!
灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。
何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。
仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。
思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。
みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。
※完結しました!ありがとうございました!

禁断の祈祷室
土岐ゆうば(金湯叶)
BL
リュアオス神を祀る神殿の神官長であるアメデアには専用の祈祷室があった。
アメデア以外は誰も入ることが許されない部屋には、神の像と燭台そして聖典があるだけ。窓もなにもなく、出入口は木の扉一つ。扉の前には護衛が待機しており、アメデア以外は誰もいない。
それなのに祈祷が終わると、アメデアの体には情交の痕がある。アメデアの聖痕は濃く輝き、その強力な神聖力によって人々を助ける。
救済のために神は神官を抱くのか。
それとも愛したがゆえに彼を抱くのか。
神×神官の許された神秘的な夜の話。
※小説家になろう(ムーンライトノベルズ)でも掲載しています。


ハイスペックストーカーに追われています
たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!!
と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。
完結しました。
お酒に酔って、うっかり幼馴染に告白したら
夏芽玉
BL
タイトルそのまんまのお話です。
テーマは『二行で結合』。三行目からずっとインしてます。
Twitterのお題で『お酒に酔ってうっかり告白しちゃった片想いくんの小説を書いて下さい』と出たので、勢いで書きました。
執着攻め(19大学生)×鈍感受け(20大学生)

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる