クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される

こたろう文庫

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奔走編

逃亡者、情報を得る

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やる事がなくなった僕が部屋でゴロゴロしていると、ギルドから連絡がきた。
情報が入ってきたのでギルドまで来て欲しいそうだ

ミアも連れてギルドに向かう

ギルドに着くと奥の部屋に通される

「こちらで少しお待ち下さい」

「はい」

しばらく待っていると、冒険者の女性が部屋に入ってきた

この人が情報を手に入れてくれたのかな?

「はじめまして、ハイト様、ミア様。私はサクヤと申します」

「はじめまして、サクヤさん。そんなに畏まらないでいいですよ。言葉も崩してもらって大丈夫です」

「ありがとうございます。慣れないので助かります」

「それで、ギルドから情報が入ったと聞いているんですが、サクヤさんが仕入れてきてくれたんですか?」

「えっと、仕入れてきたとは少し違うんですけど、そういう事です。魔王城へ行く方法を探しているんですよね?」

「そうですね」

「エルフや妖精以外でもいいですか?」

「可能性が少しでもあるなら大丈夫です。」

「魔王城の行き方がわかるかはわかりませんが、知っているかもしれない者と話す事が出来る人が、知り合いにいます」

「他の情報を持ってそうな種族と話せる人って事ですか?」

「…いえ、少し違います」
ん、違うの?

「えっと、どうゆうことですか?」

「あの、説明しづらいんですが、妖ってわかりますか?」

「妖怪ってこと?」

「そんな感じです。私は見えないので聞いた話ですけど」

「その妖と話が出来る人が知り合いにいるんだね?」

「そうです。ここからかなり離れてますけどどうしますか?行くのであれば私も同行させてもらおうかと思ってますが…」

「それは助かります。かなり離れているとはどの辺りですか?」

「ここから東に馬車で10日くらいです。」
思ったより遠いな。

「サクヤさんの日程的には大丈夫なんですか?」

「はい、実は私の故郷になるんです。元々、護衛依頼とかを受けながら一度帰ろうと思っていましたので。会いに行く知り合いは私の幼馴染になります」

「明日まで時間をもらっていいですか?明日の朝にまたここで会いましょう」

「わかりました。いい返事をお待ちしてます」

「どちらにしても、報酬は払いますので受付で受け取っていって下さいね」

「いいんですか?ありがとうございます」

サクヤさんは部屋から出て行く

僕も部屋を出て、ギルドの職員の方にサクヤさんに報酬を渡すようにお願いしておく。金額はお任せした

部屋に戻ってミアと相談する

「他に情報も無いし行ってもいいと思うんだけどどうかな?」

「私もいいと思うよ。今は特にやる事ないよね?」

「王国の方もしばらくは時間かかると思うし、ちょうどやることはないね」

「なら、決めちゃっていいと思うよ。」

「行くことにするよ。サクヤさん、まだ帰ってないはずだから呼んでくるよ。」

僕はサクヤさんを部屋に呼び戻した。
受付のお姉さんも一緒に来てもらう

「サクヤさん、すぐに呼び戻してごめんね。決めるのに時間かかると思ったんだけど、すぐに決まったよ。お願いします」

「こちらこそお願いします」

「一緒に同行したいってことだけど、ひとつだけ条件っていうか守って欲しい事があるんだかどいいかな?」
ダメなら現地集合にしてもらおう

「なんですか?」

「旅の途中で起きたことについては他言無用でお願いします」

「えっと、依頼主の秘密はちゃんと守ります」

「ありがとうございます。それじゃあ、依頼の詳細を決めましょうか。」

受付のお姉さんに依頼書を作成してもらい、内容を確認したのち、サクヤさんに受注してもらった

「出発はいつにしますか?」
サクヤさんに聞かれる

「僕らの方は特に準備はないので明日からでも大丈夫です。サクヤさんはどうですか?」

「食料の準備とかもありますので、数日は欲しいです」

「食事はこちらで準備しますので大丈夫ですよ。個人で使う物だけで大丈夫です。わかってるかもですが、護衛も必要ありませんので」

「いいんですか?報酬もかなり頂くのにそこまでしていただいて……」

「全然大丈夫ですよ、気にしないで下さい。長旅になりますからね、遠慮はなしでお願いします。気を使われてしまうと息が詰まりますので」

「わかりました。お言葉に甘えますね。ありがとうございます」

「では、明日出発でいいですか?」

「はい。大丈夫です」

「今日と同じ時間にギルドで待ち合わせしましょう」

「わかりました」

「明日からお願いします」

サクヤさんと別れる

「僕は皇帝の所に寄ってから帰るから、ミアは先に帰ってて」

「うん」

僕は皇帝の所に行く。

城の入り口にいる兵士にまた案内してもらう。同じ中年の人だ。

「本日は何の用だ?」
皇帝に聞かれる

「帝都を離れますので挨拶にきました」

「なんだと!?協力してくれるのではなかったのか?」
しまった!言い方が悪かった。僕はいつも言葉が足りない気がする。気をつけよう。

「しばらく離れるだけです。王国の件は忘れていません」

「ならいい。いつ頃帰ってくるんだ?」

「馬車で10日くらいのところにいくので、大体30日後くらいでしょうか?」

「どこにいくんだ?」
そういえば聞いてなかったな

「ここから東に10日くらいみたいです」

「お主は自分の行くところの地名も知らないのか?」

「……そうなりますね」
これは恥ずかしいな。

「まあよい。何しに行くのだ?」

「魔王城の行き方がわかるかもしれないので行ってきます。可能性は高くは無さそうですけど…」

「それを優先していいと言ったからな。承知した」

「何か緊急な事があれば呼んでください」
僕は皇帝に念話のスキルの事を教える

「お主は便利なスキルをもってるな。なにかあればお主に伝えるつもりで念じればいいんだな?」

「はい、そうです。便利だからってどうでもいい事で呼ばないでくださいね」

「そんなことせんわ」

「では明日離れますので、しばらく失礼します」

僕は城を後にする。

帰る前に適当に食材の補充をしておこうかな。
前に散歩してた時に、見たことのない食材とか料理があったからね

そして翌日、サクヤさんの故郷に向けて出発した
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