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決着②
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リュート視点
王都の学院の学院長から魔術の存在を知った主人は、神と対抗すべき手段として魔術の習得を目指し、魂が魔術の使用により穢れ、闇に飲まれていくことを知ることになった。
ルフさんが主人に魔術の存在を教えなかったのは、忘れていたからではなく、魔術を使用することの代償を理解していたからだと今ならわかる。
多分主人も気付いているだろう。
それでも止まるという道を選ばない主人が闇に飲まれないようにするのが、僕の役目だ。
先程ノルンという神に、神を恨んではいないと答えたけど、あれは半分本当で、半分は嘘だ。
地獄の底で僕はこんな世界に連れてきた神を恨み続けていた。
負の感情のまま暴れて世界を壊さなかったのは、僕が勇者だったから。
どれだけ神を恨もうと、勇者としての僕の魂が、僕の意思とは関係なく魂を浄化し続けた。
そして、地獄の底から救い出されたことで神への恨みは完全に消えた。
神を恨んでいたことは覚えている。
しかし、怒りは全く湧いてこない。
これはもはや呪いだ。
そんな呪いのような力だけど、僕を地獄の底から救い、真実まで教えてくれたあの人の為にもう一度、今度は僕の意志で使う。
ノルンという神に忠告した後、僕は主人の魂に手を置いて、主人の魂の一部を取り込む。
取り込んだ魂は、僕の魂の中を循環させすことで浄化させてから元に戻す。
このサイクルを永遠と繰り返していく。
ノルンという神に忠告する為に循環を一時的に止めたことで、想定していたよりも早く魂が闇に飲まれているが、まだ対処するには余裕がある。
だけどこれ以上の遅れは許されない。
相手が神だろうと、これ以上邪魔するなら容赦は出来ない。
─────────
『ルナエルを解放する。肉体に戻ったら主神の所に来るように伝えてくれ。それから、まだ浄化は終わっていないと思うが、これ以上魂の牢獄の魔術を使う予定はない。悪魔にならずに済んだのはリュートのおかげだ。感謝する』
俺の魂を浄化し続けてくれているリュートに伝言を頼み、感謝も伝える。
『わかったよ。これで少しは恩を返せたかな』
『体を借りている時点で恩は返してもらっている。既に借りの方が大きくなっている』
少しして、リュートから伝言を伝えたと連絡をもらってからルナエルを魂の牢獄から解放する。
「ルナエルを解放した。すぐにここにくるだろう。言わなくともわかっていると思うが、ハマトに移っている力もルナエルに渡せよ。一度移した力を戻すことも許さない」
念の為釘を刺しておく。
「わかっておる。そのようなお主を騙すようなことをするつもりはない」
「ならいい」
「お待たせしました」
魂の牢獄から解放され、目を覚ましたルナエルが入ってくる。
ひどく疲れた様子だが、肉体から魂が抜けていた影響だろう。
「急なことでそなたには理解の追いつかないことだろうが、そなたに主神の座を譲ることにした。何があったかはハマトかその者から聞くがよい。後のことは任せた」
主神の体が光り輝き、ハマトからも溢れた光りを巻き込みながらルナエルへと流れる。
鑑定を使わなくとも莫大な力が流れたと肌で感じる。
説明する時間くらいくれてやるつもりだったんだかな……。
「……説明していただけるのでしょうか?」
主神の力を手に入れたルナエルが、急激に力を失った反動で気絶した元主神に視線を向けた後、鋭い視線を俺に向ける。
「ちゃんと答えてやる。だがその前にハマトに聞くことがある」
「今更何が聞きたいんだ」
「お前の小さな頭で計画し実行した行いの結果で主神の座が移り、元主神様はこれから死ぬわけだが、庇われ助けられたお前は今何を思う?」
挑発という意味合いが大きいが、実際何を考えているのか知りたいとも思っている。
「自身への憤り。それだけだ」
「俺に対する憎しみは無いと、そういうことか?」
「無い。貴様がここに乗り込んできたことも全て俺自身が招いたことだ。全ては俺が始めたこと。貴様を恨む理由はない」
「つまらない答えだな……アクセル!」
俺は目を逸らすことなく言い切ったハマトの前へと高速移動する。
そして、ハマトの顔に拳を叩き込んだ。
ハマトは地面を何度も跳ねながら壁にぶつかり、意識を失う。
「待たせて悪かったな。あいつが起きたらそれで勘弁してやると言っておいてくれ」
「…………わかりました。それでは説明をしてください」
あまりの出来事に一瞬呆けていたルナエルが再度説明を求める。
「もちろんだ。嘘偽りなく真実を話そう」
ルナエルに俺が強奪を使うことになった一部始終から、エルクの中に閉じめられたこと、その責を負って主神が死ぬことを選んだことまで順を追って説明する。
「あなたの事情は理解しました。しかし、あなたの魂は完全に闇に飲み込まれる寸前だったことは理解していますか?」
「リュートに任せた以上その心配はしていない。事実として俺は悪魔になっていない」
「その未来もあったという話です」
「そんな未来はない。例え完全に闇に飲まれ悪魔になろうとも、リュートは俺を引っ張り上げてくれる」
「そうですか。事情は理解しましたが、貴方が天界に侵入し、関係のない者にも危害を加えたのは事実です。決して許されることではありません」
ルナエルが小さな笑みを浮かべた後、俺を糾弾する。
「初めからお前ら神に許されたいとは思っていない。が、しかしだ、取引の結果によっては許されてやってもいい。俺としてもお前と争い、下界を余波で滅ぼすつもりはない。そもそも、お前と争うつもりなら力を渡すことを許していない」
「聞きましょう」
「面倒な駆け引きは不要だろう。ノルンを含め、俺が取り込んだ神を全て解放する。お前は今回起きたことの全てを水に流し、俺に手を出さないことを誓え。お前を取り込んだ際に記憶は覗いている。俺が言わなくとも、お前ならこの取引を持ち掛けたはずだ。申し出を受けるなら誓約を結んでくれ」
多くの神が不在の状況は困るだろうから、ルナエルは俺に人質の解放を求めるしかない。
俺としても神を取り込んだままでは下界に戻ることが出来ないので解放する必要があるのだが、取り込んだ全ての神を解放した場合、ルナエルの考え一つで俺は塵となる可能性があるので、俺の敵とならないことは誓わせなければならない。
取り込まれた神を解放してもらわなければならないルナエルと、取り込んだ神を解放しないと困るだけの俺、やりたいことは同じだが、ルナエルが折れるまで天界で暮らすという手段が取れる俺の方に優位性はある。
「概ね異論はありません。ただ、一つ加えさせてください」
即答で了承すると思っていたが、何が不満なんだ?
「私に主神として神々を統べる器はありません。主神様の命を奪うのはおやめ下さい」
「こいつの命を奪わなければ、主神の座をこいつに返すつもりか?」
「その通りです」
「それなら断らせてもらう。俺はこいつに力が戻ることを許していない」
「あくまで主神様の命を奪うと、そういうことですか?」
ルナエルが哀しそうな目で俺に訴える。
主神が死ぬことを悲しんでいるのではなく、俺を哀れんでいるのだろう。
「いや、命を奪うつもりはない。自身の命か、ハマトの命か、選択をさせただけだ。力の譲渡を認めたのも、俺の想定していた範囲で事が進んだからに過ぎない」
「……一体何をしようとしているのですか?」
「こいつも下界に連れていく。神の力を失ったこいつが下界に降りても天変地異が起きることはない」
「…………わかりました。遠い未来、その時が来ると信じて主神としての役割を全うします」
聡いルナエルには俺の考えがわかったようだ。
俺にはこいつよりもルナエルのほうが優秀に思えるのだが、主神として統括し続けていた実績以外に、俺の知らない何かがあるのだろう。
ルナエルと再度誓約を結び、取り込んでいた神々を解放する。
「扉を開けてくれるか?今の俺に扉を開ける鍵はない」
元主神の襟を掴んで引きずりながらルナエルに頼む。
「貴方のこれからの人生に幸せが訪れることを願います」
ルナエルによって開かれた扉を通り、下界へと帰ってくる。
「お待ちしておりました。無事でなによりです」
ルフが未だに気を失っている元主神に視線を送った後、俺を出迎える言葉を口にする。
「今まで世話になったな。これ以上力を求める必要もなくなった。契約はここまでだ。天界に行く前にも言ったが、これからはエルクを支えてやってくれ」
「かしこまりました。エルク様に仕えます。しかし、この分身体の1つは貴方様の命が尽きるその時までお仕え致します」
「そうか。これからは友として支えてくれ。俺もお前の力になろう」
完
あとがき
ご愛読ありがとうございます。
アフターストーリーを書く予定ではいますが、本編はこれにて完結となります。
この作品は作者の第二作品目となり、途中で主人公が変わるという異色の作品です。
そして、カクヨムにて日間、週間、月間のランキングにて1位になった記念すべき作品でもあります。
嬉しい反面、『無自覚無双系』の化けの皮を被った作品が、『無自覚無双系』として人気が出てしまったことに、内心複雑な気持ちになったことを覚えています。
このまま『無自覚無双系』として完結させた方がいいのかと迷いながらも、初志貫徹の精神で最後まで書きたいように書き切りました。
当然のように読者はガクッと減りましたが、後悔はしていないので判断は間違っていなかったと思ってます。
この作品を書くに当たって、エルクには時折……ちょくちょく……頻繁に?アホの子になってもらいました。
大人の記憶を持ってはいるが、思考能力は6歳というキャラクターをイメージしていたのですが、作者がポンコツだということも相まって、当初の予定よりも大分アホよりな印象のキャラクターになってしまいました。
作者としてはそんなエルクが可愛く思えるのですが、読者の皆さんにはどう写ったのか気になるところ……。
他にはない作品を書きたいというコンセプトの元書き上げた異色の今作、なんでもいいので感想を頂けるとそれが作者の書く意欲となります。
他にも作品を投稿していますので、アフターストーリー含め、今後とも応援よろしくお願いします!
※アフターストーリーは書いたら順次投稿しますので、不定期更新になります。
他の連載中の作品を優先して書くことになりますのでペースはだいぶ遅くなりますが、気長にお待ちいただければ幸いです。
王都の学院の学院長から魔術の存在を知った主人は、神と対抗すべき手段として魔術の習得を目指し、魂が魔術の使用により穢れ、闇に飲まれていくことを知ることになった。
ルフさんが主人に魔術の存在を教えなかったのは、忘れていたからではなく、魔術を使用することの代償を理解していたからだと今ならわかる。
多分主人も気付いているだろう。
それでも止まるという道を選ばない主人が闇に飲まれないようにするのが、僕の役目だ。
先程ノルンという神に、神を恨んではいないと答えたけど、あれは半分本当で、半分は嘘だ。
地獄の底で僕はこんな世界に連れてきた神を恨み続けていた。
負の感情のまま暴れて世界を壊さなかったのは、僕が勇者だったから。
どれだけ神を恨もうと、勇者としての僕の魂が、僕の意思とは関係なく魂を浄化し続けた。
そして、地獄の底から救い出されたことで神への恨みは完全に消えた。
神を恨んでいたことは覚えている。
しかし、怒りは全く湧いてこない。
これはもはや呪いだ。
そんな呪いのような力だけど、僕を地獄の底から救い、真実まで教えてくれたあの人の為にもう一度、今度は僕の意志で使う。
ノルンという神に忠告した後、僕は主人の魂に手を置いて、主人の魂の一部を取り込む。
取り込んだ魂は、僕の魂の中を循環させすことで浄化させてから元に戻す。
このサイクルを永遠と繰り返していく。
ノルンという神に忠告する為に循環を一時的に止めたことで、想定していたよりも早く魂が闇に飲まれているが、まだ対処するには余裕がある。
だけどこれ以上の遅れは許されない。
相手が神だろうと、これ以上邪魔するなら容赦は出来ない。
─────────
『ルナエルを解放する。肉体に戻ったら主神の所に来るように伝えてくれ。それから、まだ浄化は終わっていないと思うが、これ以上魂の牢獄の魔術を使う予定はない。悪魔にならずに済んだのはリュートのおかげだ。感謝する』
俺の魂を浄化し続けてくれているリュートに伝言を頼み、感謝も伝える。
『わかったよ。これで少しは恩を返せたかな』
『体を借りている時点で恩は返してもらっている。既に借りの方が大きくなっている』
少しして、リュートから伝言を伝えたと連絡をもらってからルナエルを魂の牢獄から解放する。
「ルナエルを解放した。すぐにここにくるだろう。言わなくともわかっていると思うが、ハマトに移っている力もルナエルに渡せよ。一度移した力を戻すことも許さない」
念の為釘を刺しておく。
「わかっておる。そのようなお主を騙すようなことをするつもりはない」
「ならいい」
「お待たせしました」
魂の牢獄から解放され、目を覚ましたルナエルが入ってくる。
ひどく疲れた様子だが、肉体から魂が抜けていた影響だろう。
「急なことでそなたには理解の追いつかないことだろうが、そなたに主神の座を譲ることにした。何があったかはハマトかその者から聞くがよい。後のことは任せた」
主神の体が光り輝き、ハマトからも溢れた光りを巻き込みながらルナエルへと流れる。
鑑定を使わなくとも莫大な力が流れたと肌で感じる。
説明する時間くらいくれてやるつもりだったんだかな……。
「……説明していただけるのでしょうか?」
主神の力を手に入れたルナエルが、急激に力を失った反動で気絶した元主神に視線を向けた後、鋭い視線を俺に向ける。
「ちゃんと答えてやる。だがその前にハマトに聞くことがある」
「今更何が聞きたいんだ」
「お前の小さな頭で計画し実行した行いの結果で主神の座が移り、元主神様はこれから死ぬわけだが、庇われ助けられたお前は今何を思う?」
挑発という意味合いが大きいが、実際何を考えているのか知りたいとも思っている。
「自身への憤り。それだけだ」
「俺に対する憎しみは無いと、そういうことか?」
「無い。貴様がここに乗り込んできたことも全て俺自身が招いたことだ。全ては俺が始めたこと。貴様を恨む理由はない」
「つまらない答えだな……アクセル!」
俺は目を逸らすことなく言い切ったハマトの前へと高速移動する。
そして、ハマトの顔に拳を叩き込んだ。
ハマトは地面を何度も跳ねながら壁にぶつかり、意識を失う。
「待たせて悪かったな。あいつが起きたらそれで勘弁してやると言っておいてくれ」
「…………わかりました。それでは説明をしてください」
あまりの出来事に一瞬呆けていたルナエルが再度説明を求める。
「もちろんだ。嘘偽りなく真実を話そう」
ルナエルに俺が強奪を使うことになった一部始終から、エルクの中に閉じめられたこと、その責を負って主神が死ぬことを選んだことまで順を追って説明する。
「あなたの事情は理解しました。しかし、あなたの魂は完全に闇に飲み込まれる寸前だったことは理解していますか?」
「リュートに任せた以上その心配はしていない。事実として俺は悪魔になっていない」
「その未来もあったという話です」
「そんな未来はない。例え完全に闇に飲まれ悪魔になろうとも、リュートは俺を引っ張り上げてくれる」
「そうですか。事情は理解しましたが、貴方が天界に侵入し、関係のない者にも危害を加えたのは事実です。決して許されることではありません」
ルナエルが小さな笑みを浮かべた後、俺を糾弾する。
「初めからお前ら神に許されたいとは思っていない。が、しかしだ、取引の結果によっては許されてやってもいい。俺としてもお前と争い、下界を余波で滅ぼすつもりはない。そもそも、お前と争うつもりなら力を渡すことを許していない」
「聞きましょう」
「面倒な駆け引きは不要だろう。ノルンを含め、俺が取り込んだ神を全て解放する。お前は今回起きたことの全てを水に流し、俺に手を出さないことを誓え。お前を取り込んだ際に記憶は覗いている。俺が言わなくとも、お前ならこの取引を持ち掛けたはずだ。申し出を受けるなら誓約を結んでくれ」
多くの神が不在の状況は困るだろうから、ルナエルは俺に人質の解放を求めるしかない。
俺としても神を取り込んだままでは下界に戻ることが出来ないので解放する必要があるのだが、取り込んだ全ての神を解放した場合、ルナエルの考え一つで俺は塵となる可能性があるので、俺の敵とならないことは誓わせなければならない。
取り込まれた神を解放してもらわなければならないルナエルと、取り込んだ神を解放しないと困るだけの俺、やりたいことは同じだが、ルナエルが折れるまで天界で暮らすという手段が取れる俺の方に優位性はある。
「概ね異論はありません。ただ、一つ加えさせてください」
即答で了承すると思っていたが、何が不満なんだ?
「私に主神として神々を統べる器はありません。主神様の命を奪うのはおやめ下さい」
「こいつの命を奪わなければ、主神の座をこいつに返すつもりか?」
「その通りです」
「それなら断らせてもらう。俺はこいつに力が戻ることを許していない」
「あくまで主神様の命を奪うと、そういうことですか?」
ルナエルが哀しそうな目で俺に訴える。
主神が死ぬことを悲しんでいるのではなく、俺を哀れんでいるのだろう。
「いや、命を奪うつもりはない。自身の命か、ハマトの命か、選択をさせただけだ。力の譲渡を認めたのも、俺の想定していた範囲で事が進んだからに過ぎない」
「……一体何をしようとしているのですか?」
「こいつも下界に連れていく。神の力を失ったこいつが下界に降りても天変地異が起きることはない」
「…………わかりました。遠い未来、その時が来ると信じて主神としての役割を全うします」
聡いルナエルには俺の考えがわかったようだ。
俺にはこいつよりもルナエルのほうが優秀に思えるのだが、主神として統括し続けていた実績以外に、俺の知らない何かがあるのだろう。
ルナエルと再度誓約を結び、取り込んでいた神々を解放する。
「扉を開けてくれるか?今の俺に扉を開ける鍵はない」
元主神の襟を掴んで引きずりながらルナエルに頼む。
「貴方のこれからの人生に幸せが訪れることを願います」
ルナエルによって開かれた扉を通り、下界へと帰ってくる。
「お待ちしておりました。無事でなによりです」
ルフが未だに気を失っている元主神に視線を送った後、俺を出迎える言葉を口にする。
「今まで世話になったな。これ以上力を求める必要もなくなった。契約はここまでだ。天界に行く前にも言ったが、これからはエルクを支えてやってくれ」
「かしこまりました。エルク様に仕えます。しかし、この分身体の1つは貴方様の命が尽きるその時までお仕え致します」
「そうか。これからは友として支えてくれ。俺もお前の力になろう」
完
あとがき
ご愛読ありがとうございます。
アフターストーリーを書く予定ではいますが、本編はこれにて完結となります。
この作品は作者の第二作品目となり、途中で主人公が変わるという異色の作品です。
そして、カクヨムにて日間、週間、月間のランキングにて1位になった記念すべき作品でもあります。
嬉しい反面、『無自覚無双系』の化けの皮を被った作品が、『無自覚無双系』として人気が出てしまったことに、内心複雑な気持ちになったことを覚えています。
このまま『無自覚無双系』として完結させた方がいいのかと迷いながらも、初志貫徹の精神で最後まで書きたいように書き切りました。
当然のように読者はガクッと減りましたが、後悔はしていないので判断は間違っていなかったと思ってます。
この作品を書くに当たって、エルクには時折……ちょくちょく……頻繁に?アホの子になってもらいました。
大人の記憶を持ってはいるが、思考能力は6歳というキャラクターをイメージしていたのですが、作者がポンコツだということも相まって、当初の予定よりも大分アホよりな印象のキャラクターになってしまいました。
作者としてはそんなエルクが可愛く思えるのですが、読者の皆さんにはどう写ったのか気になるところ……。
他にはない作品を書きたいというコンセプトの元書き上げた異色の今作、なんでもいいので感想を頂けるとそれが作者の書く意欲となります。
他にも作品を投稿していますので、アフターストーリー含め、今後とも応援よろしくお願いします!
※アフターストーリーは書いたら順次投稿しますので、不定期更新になります。
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