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門
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「俺のスキルがまだ使える理由だが、大前提として魂の繋がりがあれば他人が習得しているスキルを使うことが出来る。一つの身体の中に魂が入っているかどうかは関係ないということだ」
「まだ僕とあなたは繋がっているということ?」
「そうだ。お前は鑑定のスキルを本当は使える。使えると信じて自身を鑑定してみろ。そうすればわかるだろう」
「鑑定したらスキルが消えるってスキル屋の人が言ってたけど……」
「スキル屋は俺の関係者だ。鑑定されると面倒だからそう言っていただけで、一部の者とは鑑定されてもスキルが消えるようにはしていない」
「うん……鑑定!…………えっ!?」
エルクが言葉に出しながら自身を鑑定し、驚く。
「創った覚えのないスキルまであるだろう?それが実際にお前が使えるスキルだ。そして、そのスキルはスキル屋と契約した者全てが使える。その中の1つを売ったということにしていただけだ。だから、エルクだけでなくエレナも鑑定のスキルは使える。創造のスキルもな。スキルは取得していることを自覚して初めて効果が発揮される。それを利用したわけだ」
「…………これはすごいわ。この事実が広まれば世界に混乱が起きるのも納得出来る」
エレナも自身に鑑定を使い、状況を確認する。
「一部を除いて、この仕組みに気付いた者とは魂の繋がりが切れるようになっている。混乱が起きるのは別の理由だ。魂に繋がりがある理由だが、お前がルフと名付けた悪魔がいるだろう?ルフとあの時契約したのは俺だ。ルフにはエルクと契約した演技をするように命令していた。そして、ルフを介して外の世界と関われるようになった俺は、ルフに命令してこの世界のほとんどの人間と契約を結ばせた。つまり、ルフを起点として魂は繋がっている」
「…………そうだったんだね」
エルクは少し悲しそうな表情をする。
「なんでルフにそんなことをさせたの?スキル屋の目的ってなんなの?」
エレナに聞かれる。
「魔法を使うと魔力量が増えるだろう?魂が繋がっている場合、誰かが魔法を使った時に魂のグループの中で一番力のある者の魔力も微力だが増す。俺は今こうしている間も、誰かが魔法を使う度に魔力が増え続けている。俺の力の秘密はそこにある。わかりやすく言えば、神と対峙する為にスキル屋という存在を生み出した」
「それだけあなたは神に恨んでいるということなのね」
「そうだ。その後にスキル屋を名乗ってルフはお前らとも契約したわけだが、問題はルフがこの世界に留まっている理由となっている契約を結んでいるのが俺だということだ。神との決着が着けば俺はルフを解放するつもりでいる。もちろん、俺が神に敗れて死んでも同じだ。そうなればルフは魔窟へと帰り、魂の繋がりはすべて無くなる。スキル屋から買ったスキルが使えなくなり、混乱が起きるだろう。極力混乱が大きくならないようにはしてあるが、覚悟だけしておけ。さて、俺は天界に行かなければならない理由を話した。協力して門を開けてくれる気にはなったか?」
話すことも終わったので、縛られている天使に答えを聞く。
「あなたの事情は分かりましたが、神に背くことは致しません」
天使はきっぱりと否定した。
「そうか。仕方ないな」
俺は天使の頭を掴み、魂の牢獄を発動する。
天使の魂は俺の中へと吸い込まれ、魂の抜かれた天使は動かなくなる。
「……殺したの?」
エルクに恐る恐る聞かれる。
「殺してはいない。肉体から魂を引き抜いただけだ。用が済んだら戻してやる」
「お師匠様、遂に決着をつける時が来ましたね」
最後のピースを手に入れた俺を見てルイナが嬉しそうに言う。
「……俺の選択は間違っていたかもしれないな。許せ」
「え?」
俺は魔法でルイナを眠らせる。
「悪いがこいつの面倒を頼む。心に傷を負っているが根はいいやつだ。帝国に行くことがあればカムイに渡してくれ」
「突然何を……あなたの仲間でしょ?」
「ルイナも理不尽な運命に対して強い憎しみを持っていた。だから俺の計画に加えることにしたが、考えが変わった。俺と一緒に破滅の道を進まなくてもいいだろう。目を覚ましたら足手まといはいらないから捨てていったとでも言っておいてくれ。……頼んだ」
エルクとエレナにルイナを預けて、天使の身体を亜空間に回収してから精霊の泉を出る。
「天使は予定通り確保した。これから天界へと乗り込むが、予定を変更した。ルイナは連れて行かない。お前も来なくていい。最後まで俺に付き合う必要はない」
ルフの本体のところへ転移して、まずは天使を確保したことを伝える。
そして、ルイナを連れて行かないことも説明し、ルフも連れて行かないことにする。
「微力ですが、私が抜けることで危険は増します。よろしいのですか?」
「ああ。天界に行けばお前は消滅させられるだろう。そこまで契約で縛るつもりはなくなった。それから、エルク達に真実を話してきた。お前についてもだ。頼みを聞いてくれるなら、俺が消された場合、その後も魔窟に帰らず手助けしてやって欲しい。これは命令じゃない。お前の判断に任せる。俺が生きて戻ってきたとしても、そこでお前を解放する。俺が死ぬまで魔窟には帰れないだろうが、お前が何をしていようと口を出さない」
「わかりました。元々エルク様に救われた命。悪魔にも礼儀はあります。これからはエルク様に仕え、恩を返します」
「世話になった。脅してばかりだったが感謝している。後のことは任せた」
ルフに礼を言ってから、天空に隠された扉に手をかける。
本来通行が許可されていない俺だが、先程捕らえた天使の魂を持っていることで、予想通り門は開いた。
「まだ僕とあなたは繋がっているということ?」
「そうだ。お前は鑑定のスキルを本当は使える。使えると信じて自身を鑑定してみろ。そうすればわかるだろう」
「鑑定したらスキルが消えるってスキル屋の人が言ってたけど……」
「スキル屋は俺の関係者だ。鑑定されると面倒だからそう言っていただけで、一部の者とは鑑定されてもスキルが消えるようにはしていない」
「うん……鑑定!…………えっ!?」
エルクが言葉に出しながら自身を鑑定し、驚く。
「創った覚えのないスキルまであるだろう?それが実際にお前が使えるスキルだ。そして、そのスキルはスキル屋と契約した者全てが使える。その中の1つを売ったということにしていただけだ。だから、エルクだけでなくエレナも鑑定のスキルは使える。創造のスキルもな。スキルは取得していることを自覚して初めて効果が発揮される。それを利用したわけだ」
「…………これはすごいわ。この事実が広まれば世界に混乱が起きるのも納得出来る」
エレナも自身に鑑定を使い、状況を確認する。
「一部を除いて、この仕組みに気付いた者とは魂の繋がりが切れるようになっている。混乱が起きるのは別の理由だ。魂に繋がりがある理由だが、お前がルフと名付けた悪魔がいるだろう?ルフとあの時契約したのは俺だ。ルフにはエルクと契約した演技をするように命令していた。そして、ルフを介して外の世界と関われるようになった俺は、ルフに命令してこの世界のほとんどの人間と契約を結ばせた。つまり、ルフを起点として魂は繋がっている」
「…………そうだったんだね」
エルクは少し悲しそうな表情をする。
「なんでルフにそんなことをさせたの?スキル屋の目的ってなんなの?」
エレナに聞かれる。
「魔法を使うと魔力量が増えるだろう?魂が繋がっている場合、誰かが魔法を使った時に魂のグループの中で一番力のある者の魔力も微力だが増す。俺は今こうしている間も、誰かが魔法を使う度に魔力が増え続けている。俺の力の秘密はそこにある。わかりやすく言えば、神と対峙する為にスキル屋という存在を生み出した」
「それだけあなたは神に恨んでいるということなのね」
「そうだ。その後にスキル屋を名乗ってルフはお前らとも契約したわけだが、問題はルフがこの世界に留まっている理由となっている契約を結んでいるのが俺だということだ。神との決着が着けば俺はルフを解放するつもりでいる。もちろん、俺が神に敗れて死んでも同じだ。そうなればルフは魔窟へと帰り、魂の繋がりはすべて無くなる。スキル屋から買ったスキルが使えなくなり、混乱が起きるだろう。極力混乱が大きくならないようにはしてあるが、覚悟だけしておけ。さて、俺は天界に行かなければならない理由を話した。協力して門を開けてくれる気にはなったか?」
話すことも終わったので、縛られている天使に答えを聞く。
「あなたの事情は分かりましたが、神に背くことは致しません」
天使はきっぱりと否定した。
「そうか。仕方ないな」
俺は天使の頭を掴み、魂の牢獄を発動する。
天使の魂は俺の中へと吸い込まれ、魂の抜かれた天使は動かなくなる。
「……殺したの?」
エルクに恐る恐る聞かれる。
「殺してはいない。肉体から魂を引き抜いただけだ。用が済んだら戻してやる」
「お師匠様、遂に決着をつける時が来ましたね」
最後のピースを手に入れた俺を見てルイナが嬉しそうに言う。
「……俺の選択は間違っていたかもしれないな。許せ」
「え?」
俺は魔法でルイナを眠らせる。
「悪いがこいつの面倒を頼む。心に傷を負っているが根はいいやつだ。帝国に行くことがあればカムイに渡してくれ」
「突然何を……あなたの仲間でしょ?」
「ルイナも理不尽な運命に対して強い憎しみを持っていた。だから俺の計画に加えることにしたが、考えが変わった。俺と一緒に破滅の道を進まなくてもいいだろう。目を覚ましたら足手まといはいらないから捨てていったとでも言っておいてくれ。……頼んだ」
エルクとエレナにルイナを預けて、天使の身体を亜空間に回収してから精霊の泉を出る。
「天使は予定通り確保した。これから天界へと乗り込むが、予定を変更した。ルイナは連れて行かない。お前も来なくていい。最後まで俺に付き合う必要はない」
ルフの本体のところへ転移して、まずは天使を確保したことを伝える。
そして、ルイナを連れて行かないことも説明し、ルフも連れて行かないことにする。
「微力ですが、私が抜けることで危険は増します。よろしいのですか?」
「ああ。天界に行けばお前は消滅させられるだろう。そこまで契約で縛るつもりはなくなった。それから、エルク達に真実を話してきた。お前についてもだ。頼みを聞いてくれるなら、俺が消された場合、その後も魔窟に帰らず手助けしてやって欲しい。これは命令じゃない。お前の判断に任せる。俺が生きて戻ってきたとしても、そこでお前を解放する。俺が死ぬまで魔窟には帰れないだろうが、お前が何をしていようと口を出さない」
「わかりました。元々エルク様に救われた命。悪魔にも礼儀はあります。これからはエルク様に仕え、恩を返します」
「世話になった。脅してばかりだったが感謝している。後のことは任せた」
ルフに礼を言ってから、天空に隠された扉に手をかける。
本来通行が許可されていない俺だが、先程捕らえた天使の魂を持っていることで、予想通り門は開いた。
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