175 / 201
一軒目
しおりを挟む
帝都での学院生活が始まって7日経ち、少しこの生活にも慣れてきた。
お姉ちゃんはコレットさんと距離を縮めており、コレットさんもお姉ちゃんの事をエレナちゃんと呼ぶようになった。
お姉ちゃんはコレットさんという友達をつくったわけだけど、僕にはまだ友達はできていない。
カムイ君が放課後に一緒に訓練をしようと誘ってはくれるけど、誘っているのは僕だけではなく、仲良くなろうというよりは、戦い方を学んで自身がもっと強くなりたいという感じだ。
だから、友達というわけではない。
仲良くはなっていると思うけど……。
スレッド君ともあれから話していない。
距離をとられているというのもあるし、正直何を話せばいいかもわからない。
だから、お姉ちゃんとコレットさんの話によくお邪魔している。
スレッド君から継承権争いの話を聞いた以外は、特に変わったことは起きず、他にやることもないので訓練に励んだり、回復魔法の可能性についてお姉ちゃんと検証していたけれど、問題が発生する。
「知っている者もいると思うが、皇帝陛下に対する抗議が激化している。戦を望まないセレイユ皇女を女帝とすれば、スキルを消されることはないという噂が広まったこともあり、各地で暴動にまで発展している。これに伴い、争いが飛び火して生徒の安全が確保出来ない可能性を考慮し、しばらくの間学院は休みとすることになった。学生寮に残るのも、家に帰るのも自由とするが、むやみに外出はしないように。また、以前から言っているとおり、抗議には参加しないようにすること。今日の訓練も中止だ」
朝のホームルームでガルド先生が連絡事項を話す。
徴兵から逃れる為に帝都の学院に来たわけだけど、こっちの学院で学べないのに、それを理由に帰らずにいていいのだろうか……?
「休みの間、訓練場を使うことは出来ませんか?」
カムイ君が質問する。
「学院の門は全て閉める。学生寮を除き、学院の敷地に入ることは出来ない。自室で出来ることをしなさい」
「部屋の中で火魔法なんて使えません。ボヤ騒ぎになってしまいます」
「気持ちはわかるが、これは決定事項だ。私に言っても結論が変わることはない。どうしてもと言うなら学院長に言うしかない。諦めなさい」
「……わかりました」
1人許せば、何人も人が集まってしまうだろう。
そうなると、休みにした意味がなくなってしまう。
これは仕方ないとして、カムイ君は諦めるしかない。
他に質問する人はおらず、ゾロゾロと教室から退出していく。
「俺達も屋敷に帰るか」
ロック君に言われて席を立つけど、頭を抱えているカムイ君のことが気になる。
「学生寮に寄ってもいいかな?」
「俺は構わないぜ。少しくらい寄り道したっていいだろ。どうせ屋敷に戻ってもやることはない」
「カムイ君。訓練が出来る場所が欲しいんだよね。許可が出るなら、学生寮の庭に簡単には壊れない建物を建てようか?激しい魔法の練習は出来ないと思うけど、土魔法で作るから燃えることはないと思うよ」
「そんな大変そうなことを頼んでいいのか?」
「大丈夫だよ。僕の訓練の成果を見せる時でもあるから」
「助かる。ありがとう」
カムイ君がマルクスさんに学生寮の横に訓練用の小さい建物を建ててもいいか直談判したところ、すんなりと許可が降りた。
建物が壊れて、他の生徒を危険に晒すようなことがないようにするという条件は付けられたけれど。
カムイ君の案内で学生寮へと行き、少し離れた所に土魔法で家を建てる。
倉庫のような、直方体の家だ。
カムイ君は火魔法をメインで使うので、中毒にならないように窓枠も作って、空気の通り道にする。
ガラスを土魔法で作ることが僕には出来ないので、窓枠には何も入っていない。
「こんな一瞬で……。土壁を積み上げていくのだと思っていた」
カムイ君が驚いている。
訓練の成果が出ているということかと、僕は少し満足するけど……
ギュギィィィ!バンっ!!
ドールハウスを作る時と同じように出入り口のドアも一緒に作った結果、ドアは力任せにしか動かすことが出来ず、動いたと思ったら蝶番が壊れてドアが倒れた。
まだ、僕の土魔法の熟練度は、そこまでの物を作れる程ではなかったようだ。
「……。」
自分の技量が足りていないことを自覚した僕は、無言のままパーツごとにドアを作り、先ほどの倉庫型の訓練場にはめ込む。
蝶番がどうしても耐久性に欠けるので、今回はスライド式のドアにした。
少し歪ではあるけど、ローラーも付けたのであまり力を入れなくても開閉が可能だ。
「出来たよ。試しに中で魔法を使ってもらえる?」
「あ、ああ」
カムイ君が中に入り、模擬戦の時に見た火の槍を壁に放つ。
壁が少しだけ崩れる。
「もう一回お願い」
崩れた壁を直してから硬化のスキルでさらに壁を硬くしてから、もう一度魔法を放ってもらう。
ヨシ!
キズが付くくらいで、崩れることはないな。
後は結界を張っておけば、当分は壊れないだろう。
「天井が崩れたら危ないから、壁が崩れたり、ヒビが入ったら使うのをやめてね」
「いつまでも壊れないような気がするが、これで訓練が続けられる。ありがとう」
「カムイ君はなんでそんなに強くなりたいの?」
「俺は親父が倒せなかったアイスドラゴンを倒したいんだ」
「カムイ君のお父さんはアイスドラゴンと戦ったことがあるの?」
「いや、親父は遠くから見ただけだ。あそこに雪山があるのが見えると思うが、あそこで親父はアイスドラゴンを見つけてしまった。親父はAランクの冒険者で、どんな危険な依頼でもこなす自慢の親父だった。でも、雪山から帰ってきた日から親父は変わってしまった。難しい依頼を受けなくなり、ただ金を稼ぐ為だけに冒険者を続けている。ドラゴンを見つけてしまったのだから、生きて帰ってきてくれただけで俺は嬉しい。親父が簡単な依頼しか受けなくなったのは、死んだら俺が悲しむことに気付いたからだとお袋から聞いている。でも、その時は逃げたとしても、次は倒せるように親父には挑戦し続けて欲しかった。もちろん、今の俺が親父が倒せなかったアイスドラゴンを倒せるとは思っていない。今後、倒せるようになる可能性も低いだろう。だから1分1秒を無駄にしたくないんだ」
やりたいことがあって、それに向かって努力しているカムイ君が眩しく見える。
「それじゃあ僕たちは帰るけど、このまま王都に帰ることになるかもしれないから言っておくね。お世話になりました。訓練に誘ってくれて嬉しかったよ。ありがとう」
「お礼を言うのは俺の方だ。俺は卒業したら冒険者になる。依頼で王都に行くこともあるだろう。その時に強くなった俺を見せにいく」
カムイ君とまた会う事を約束して握手する。
カムイ君とは友達になれていたんだなと思い直す。
「お前みたいな奴は嫌いじゃない。死ぬ覚悟があるならここに行け」
ロック君がカムイ君にメモと木彫りのメダルを渡す。
「ここに何かあるのか?」
「俺を鍛えた師匠がいる。それを見せればお前が鍛えるに値するかの審査はしてくれるだろう。師匠の修行から生きて帰ってこれたなら、アイスドラゴンくらい一撃で葬れる力を得ているはずだ。ただし、修行は地獄そのもので、途中で逃げる事は許されない。学院も退学することになるだろう。よく考えて決めろ」
「……君と同じくらい強くなれるのか?」
カムイ君は真剣な顔で聞く。
「それはお前と師匠次第だ。師匠には秘密が多い。その秘密を話してもいいと判断されたなら、俺以上に強くなれるかもしれないな。ただ、普通の幸せを送りたいなら、鍛えてはもらっても秘密は聞かない方がいい。聞くならそれ相応の覚悟が必要だ」
ロック君の師匠とはどんな人なのだろうか。
正直、気になる。
「よく考えて決める。ありがとな。次会った時は、少しでも苦戦させられるように成長してみせる」
「楽しみにしている」
なんだかんだでロック君とカムイ君も仲良くなっていたようだ。
用事も済んだので、コレットさんの家に挨拶をしてから屋敷へと帰る。
「帝国がこの様子だと、戦になることはないでしょう。王国の兵が進軍しているという話も聞かないので、ダイス君がうまくやったと期待して王都に帰りましょうか。何かやり残したことはありますか?」
屋敷で時間を潰していると、遅れて帰ってきた学院長に集められて、帰還することになった旨を伝えられる。
確かに王国がどれだけ戦をしたくても、帝国は迎え撃つという選択は取れないだろう。
戦になった時点で、勝っても負けても、帝国は民衆からの信頼を完全に失うことになる。
よほどのバカでない限り、皇帝はそんな決定をしないはずだ。
「コレットさんとカムイ君には別れの挨拶はしてきました」
「帝都から出られなくなると困りますので、急ではありますが、準備が出来次第出発します。ルフさん、出発の準備を手伝ってください」
「かしこまりました」
ルフにより、馬車と移動中の食料の準備が急ピッチで行われ、僕達はその日の内に帝都を出発した。
お姉ちゃんはコレットさんと距離を縮めており、コレットさんもお姉ちゃんの事をエレナちゃんと呼ぶようになった。
お姉ちゃんはコレットさんという友達をつくったわけだけど、僕にはまだ友達はできていない。
カムイ君が放課後に一緒に訓練をしようと誘ってはくれるけど、誘っているのは僕だけではなく、仲良くなろうというよりは、戦い方を学んで自身がもっと強くなりたいという感じだ。
だから、友達というわけではない。
仲良くはなっていると思うけど……。
スレッド君ともあれから話していない。
距離をとられているというのもあるし、正直何を話せばいいかもわからない。
だから、お姉ちゃんとコレットさんの話によくお邪魔している。
スレッド君から継承権争いの話を聞いた以外は、特に変わったことは起きず、他にやることもないので訓練に励んだり、回復魔法の可能性についてお姉ちゃんと検証していたけれど、問題が発生する。
「知っている者もいると思うが、皇帝陛下に対する抗議が激化している。戦を望まないセレイユ皇女を女帝とすれば、スキルを消されることはないという噂が広まったこともあり、各地で暴動にまで発展している。これに伴い、争いが飛び火して生徒の安全が確保出来ない可能性を考慮し、しばらくの間学院は休みとすることになった。学生寮に残るのも、家に帰るのも自由とするが、むやみに外出はしないように。また、以前から言っているとおり、抗議には参加しないようにすること。今日の訓練も中止だ」
朝のホームルームでガルド先生が連絡事項を話す。
徴兵から逃れる為に帝都の学院に来たわけだけど、こっちの学院で学べないのに、それを理由に帰らずにいていいのだろうか……?
「休みの間、訓練場を使うことは出来ませんか?」
カムイ君が質問する。
「学院の門は全て閉める。学生寮を除き、学院の敷地に入ることは出来ない。自室で出来ることをしなさい」
「部屋の中で火魔法なんて使えません。ボヤ騒ぎになってしまいます」
「気持ちはわかるが、これは決定事項だ。私に言っても結論が変わることはない。どうしてもと言うなら学院長に言うしかない。諦めなさい」
「……わかりました」
1人許せば、何人も人が集まってしまうだろう。
そうなると、休みにした意味がなくなってしまう。
これは仕方ないとして、カムイ君は諦めるしかない。
他に質問する人はおらず、ゾロゾロと教室から退出していく。
「俺達も屋敷に帰るか」
ロック君に言われて席を立つけど、頭を抱えているカムイ君のことが気になる。
「学生寮に寄ってもいいかな?」
「俺は構わないぜ。少しくらい寄り道したっていいだろ。どうせ屋敷に戻ってもやることはない」
「カムイ君。訓練が出来る場所が欲しいんだよね。許可が出るなら、学生寮の庭に簡単には壊れない建物を建てようか?激しい魔法の練習は出来ないと思うけど、土魔法で作るから燃えることはないと思うよ」
「そんな大変そうなことを頼んでいいのか?」
「大丈夫だよ。僕の訓練の成果を見せる時でもあるから」
「助かる。ありがとう」
カムイ君がマルクスさんに学生寮の横に訓練用の小さい建物を建ててもいいか直談判したところ、すんなりと許可が降りた。
建物が壊れて、他の生徒を危険に晒すようなことがないようにするという条件は付けられたけれど。
カムイ君の案内で学生寮へと行き、少し離れた所に土魔法で家を建てる。
倉庫のような、直方体の家だ。
カムイ君は火魔法をメインで使うので、中毒にならないように窓枠も作って、空気の通り道にする。
ガラスを土魔法で作ることが僕には出来ないので、窓枠には何も入っていない。
「こんな一瞬で……。土壁を積み上げていくのだと思っていた」
カムイ君が驚いている。
訓練の成果が出ているということかと、僕は少し満足するけど……
ギュギィィィ!バンっ!!
ドールハウスを作る時と同じように出入り口のドアも一緒に作った結果、ドアは力任せにしか動かすことが出来ず、動いたと思ったら蝶番が壊れてドアが倒れた。
まだ、僕の土魔法の熟練度は、そこまでの物を作れる程ではなかったようだ。
「……。」
自分の技量が足りていないことを自覚した僕は、無言のままパーツごとにドアを作り、先ほどの倉庫型の訓練場にはめ込む。
蝶番がどうしても耐久性に欠けるので、今回はスライド式のドアにした。
少し歪ではあるけど、ローラーも付けたのであまり力を入れなくても開閉が可能だ。
「出来たよ。試しに中で魔法を使ってもらえる?」
「あ、ああ」
カムイ君が中に入り、模擬戦の時に見た火の槍を壁に放つ。
壁が少しだけ崩れる。
「もう一回お願い」
崩れた壁を直してから硬化のスキルでさらに壁を硬くしてから、もう一度魔法を放ってもらう。
ヨシ!
キズが付くくらいで、崩れることはないな。
後は結界を張っておけば、当分は壊れないだろう。
「天井が崩れたら危ないから、壁が崩れたり、ヒビが入ったら使うのをやめてね」
「いつまでも壊れないような気がするが、これで訓練が続けられる。ありがとう」
「カムイ君はなんでそんなに強くなりたいの?」
「俺は親父が倒せなかったアイスドラゴンを倒したいんだ」
「カムイ君のお父さんはアイスドラゴンと戦ったことがあるの?」
「いや、親父は遠くから見ただけだ。あそこに雪山があるのが見えると思うが、あそこで親父はアイスドラゴンを見つけてしまった。親父はAランクの冒険者で、どんな危険な依頼でもこなす自慢の親父だった。でも、雪山から帰ってきた日から親父は変わってしまった。難しい依頼を受けなくなり、ただ金を稼ぐ為だけに冒険者を続けている。ドラゴンを見つけてしまったのだから、生きて帰ってきてくれただけで俺は嬉しい。親父が簡単な依頼しか受けなくなったのは、死んだら俺が悲しむことに気付いたからだとお袋から聞いている。でも、その時は逃げたとしても、次は倒せるように親父には挑戦し続けて欲しかった。もちろん、今の俺が親父が倒せなかったアイスドラゴンを倒せるとは思っていない。今後、倒せるようになる可能性も低いだろう。だから1分1秒を無駄にしたくないんだ」
やりたいことがあって、それに向かって努力しているカムイ君が眩しく見える。
「それじゃあ僕たちは帰るけど、このまま王都に帰ることになるかもしれないから言っておくね。お世話になりました。訓練に誘ってくれて嬉しかったよ。ありがとう」
「お礼を言うのは俺の方だ。俺は卒業したら冒険者になる。依頼で王都に行くこともあるだろう。その時に強くなった俺を見せにいく」
カムイ君とまた会う事を約束して握手する。
カムイ君とは友達になれていたんだなと思い直す。
「お前みたいな奴は嫌いじゃない。死ぬ覚悟があるならここに行け」
ロック君がカムイ君にメモと木彫りのメダルを渡す。
「ここに何かあるのか?」
「俺を鍛えた師匠がいる。それを見せればお前が鍛えるに値するかの審査はしてくれるだろう。師匠の修行から生きて帰ってこれたなら、アイスドラゴンくらい一撃で葬れる力を得ているはずだ。ただし、修行は地獄そのもので、途中で逃げる事は許されない。学院も退学することになるだろう。よく考えて決めろ」
「……君と同じくらい強くなれるのか?」
カムイ君は真剣な顔で聞く。
「それはお前と師匠次第だ。師匠には秘密が多い。その秘密を話してもいいと判断されたなら、俺以上に強くなれるかもしれないな。ただ、普通の幸せを送りたいなら、鍛えてはもらっても秘密は聞かない方がいい。聞くならそれ相応の覚悟が必要だ」
ロック君の師匠とはどんな人なのだろうか。
正直、気になる。
「よく考えて決める。ありがとな。次会った時は、少しでも苦戦させられるように成長してみせる」
「楽しみにしている」
なんだかんだでロック君とカムイ君も仲良くなっていたようだ。
用事も済んだので、コレットさんの家に挨拶をしてから屋敷へと帰る。
「帝国がこの様子だと、戦になることはないでしょう。王国の兵が進軍しているという話も聞かないので、ダイス君がうまくやったと期待して王都に帰りましょうか。何かやり残したことはありますか?」
屋敷で時間を潰していると、遅れて帰ってきた学院長に集められて、帰還することになった旨を伝えられる。
確かに王国がどれだけ戦をしたくても、帝国は迎え撃つという選択は取れないだろう。
戦になった時点で、勝っても負けても、帝国は民衆からの信頼を完全に失うことになる。
よほどのバカでない限り、皇帝はそんな決定をしないはずだ。
「コレットさんとカムイ君には別れの挨拶はしてきました」
「帝都から出られなくなると困りますので、急ではありますが、準備が出来次第出発します。ルフさん、出発の準備を手伝ってください」
「かしこまりました」
ルフにより、馬車と移動中の食料の準備が急ピッチで行われ、僕達はその日の内に帝都を出発した。
39
お気に入りに追加
702
あなたにおすすめの小説

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる
僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。
スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。
だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。
それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。
色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。
しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。
ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。
一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。
土曜日以外は毎日投稿してます。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
スキル盗んで何が悪い!
大都督
ファンタジー
"スキル"それは誰もが欲しがる物
"スキル"それは人が持つには限られた能力
"スキル"それは一人の青年の運命を変えた力
いつのも日常生活をおくる彼、大空三成(オオゾラミツナリ)彼は毎日仕事をし、終われば帰ってゲームをして遊ぶ。そんな毎日を繰り返していた。
本人はこれからも続く生活だと思っていた。
そう、あのゲームを起動させるまでは……
大人気商品ワールドランド、略してWL。
ゲームを始めると指先一つリアルに再現、ゲーマーである主人公は感激と喜び物語を勧めていく。
しかし、突然目の前に現れた女の子に思わぬ言葉を聞かさせる……
女の子の正体は!? このゲームの目的は!?
これからどうするの主人公!
【スキル盗んで何が悪い!】始まります!

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる