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ロック
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ダイス君にフランベルグ領での出来事を聞かれ、お礼を言われたりしながら休み明け1日目が終わり、帰る準備をしている時に転入生の男の人に声を掛けられる。
「君がエルク君か?」
「そうだよ」
「俺はロックだ。君に聞きたいことがあるんだが、時間はあるか?」
「大丈夫だよ。それで何を聞きたいの?」
「この学院の話を聞いた時、君と君の姉のことを耳にした。数年に一度あるかどうかの飛び級をしている生徒が2人もいて、そのどちらもがまだ子供なのに王国最強レベルだという話だ。しかも姉弟だというから、何か特別な訓練法でもあるのかと思ってな。もしもあるなら教えてくれないか?」
別に隠していることでも無いし、教えてもいいかな。
普通は耐えられないような苦痛を伴うから、続けられるかはわからないけど……。
「魔力を無くなるまで消費してから、さらに魔力を使おうとすると、魔力の伸びが普通に魔力を消費するよりもいいんだよ。ただ、学院長が魔力が無い時に使用する魔力は生命力を変換しているから危ないって言ってたよ。だから最近はやらないようにしてるんだ」
「確かに生命力を魔力に変換した時に魔力の最大量は大きく伸びるな。さらにその魔力を使えば微量でも魔力は増す。危険を度外視すれば悪くはない訓練だな」
「ロックさんは生命力を魔力に変換すると魔力の伸びが良いことを知ってたんですか?」
「ああ、君とはやり方が違うがな。それから俺のことはロックと呼び捨てで構わない」
やり方は違ったとしても、同じ効果のあることを知ってるということは、噂の信憑性が増してくるということだ。
もしかしたら本当に学院長より強いのかもしれない……。
いや、流石にそれはないかな。
あの学院長が負ける想像が出来ない。
「それじゃあロック君と呼ぶね。ロック君はどうやってるの?」
「スキルで魔力をつくる。魔力をつくる代償は生命力だ。生命の危機に陥る前に魔力をつくるのを止めて、回復魔法で生命力を回復させる。魔力も生命力もだが、回復させるよりも消費する方が大きいから、永久機関とならないのが残念だな」
魔力を作るって発想はなかった。
今度創造で創れるかやってみよう。
「そうなんだ。ロック君はなんでそんなに力を求めてるの?」
なんとなくで魔力を増やしていた僕とは違って、ロック君はさらに上を目指そうとしている。
なんでか気になった。
「やらないといけないことがあるからだ。ただ、君に話しかけた理由は力を求めてるからじゃない。力ある者同士仲良くしたいと思ったからだ。さっきのは話のきっかけとして聞いただけだ」
「そうだったんだね。これからよろしくね」
僕はロック君と握手をする。
「ああ、よろしく頼む」
僕は寮に戻り、さっきロック君が言っていたスキルで魔力をつくるというのを試してみる。
ロック君がどうやってやっているのかはわからないけど、とりあえず創造で魔力を作ってみる。
創ったら目の前が少し暖かくなった気がした。
魔力を創るのに必要な魔力は20だった。
僕の魔力は20減って1も増えてない。
僕の体内に魔力を創ったわけでは無いようだ。
目の前が暖かくなった気がしたので、どの程度なのかは分からないけど、目の前に魔力が創られたと思われる。
僕に魔力を感知する方法はないので、実際のところは分からないけど、これは失敗だ。
魔力を垂れ流しているのと変わらない。
垂れ流すくらいなら、創造のスキルの中に溜めたほうが絶対にいい。
直接魔力を創るのではなく、魔力を創造するスキルを創ればいいのかな?
ロック君はスキルで生命力を代償に魔力をつくっているって言ってたし……。
僕はそのイメージでスキルを創ることにする。
そして出来たのが『魔力創造』のスキルだ。
試しに創造スキルのボードを見ながら使ってみることにする。
魔力創造を創るのに消費した魔力が急速に回復していく。
その代わりにどんどんと頭がボーッとしてきて、意識が途切れそうになったので、スキルを使うのを止める。
実際には気絶耐性のスキルで意識は失わないと思うけど、これ以上は危ないという体からの危険信号だと判断する。
ちゃんと生命力を代償としているようだ。
魔力の最大値も少し増えているし、狙い通りだ。
魔力量が少しずつ減っているのは、体が自動的に、魔力を使って減ってしまった生命力を回復させようとしているのかな?
急激に魔力を使わないのは、体の機能的な問題なのだろうか……。
気にしてなかっただけで、今までも体の中では同じことが起きていたのかもしれない。
後は回復魔法でこのボーッとする感じがなくなれば完璧かな。
僕は自身に回復魔法を掛ける。
気持ち楽になった。
魔力を込めて再度回復魔法を掛ける。
かなり体が楽になる。
気持ちダルさが残っているくらいだ。
それももう一度回復魔法を掛けたらなくなったので、回復魔法で僕も生命力を回復させられるようだ。
生命力を使う微調整もききそうだから、気を失いそうになる前じゃなくて、少しボーッとしてきたら止めれば危険もほとんどなさそうだ。
お姉ちゃんの水のバリアを破るのに必要なのは、魔力量じゃなくて、その魔力を制御する為の熟練度の方だし、これ以上魔力量を増やす必要性は特に思いつかないけど、部屋の中で熟練度を上げる為に火魔法とか風魔法を高威力で連発させるわけにもいかないので、魔力量を増やしておこうかな。
まず創造のスキルに魔力をある程度貯めて、消費した魔力を魔力創造で回復させる。
その後、生命力を回復魔法で回復させて体の調子を整えた後、残った魔力を少し残して創造のスキルに貯め込んでから寝る。
とりあえず、毎日この流れを寝る前の日課にしようかな。
ロック君は永久機関とか言ってたけど、仮に出来たとしても1サイクルでいいや。
創造のスキルにも魔力を貯めたいし、魔力量を増やしてやりたいことがあるわけでもないからね。
「君がエルク君か?」
「そうだよ」
「俺はロックだ。君に聞きたいことがあるんだが、時間はあるか?」
「大丈夫だよ。それで何を聞きたいの?」
「この学院の話を聞いた時、君と君の姉のことを耳にした。数年に一度あるかどうかの飛び級をしている生徒が2人もいて、そのどちらもがまだ子供なのに王国最強レベルだという話だ。しかも姉弟だというから、何か特別な訓練法でもあるのかと思ってな。もしもあるなら教えてくれないか?」
別に隠していることでも無いし、教えてもいいかな。
普通は耐えられないような苦痛を伴うから、続けられるかはわからないけど……。
「魔力を無くなるまで消費してから、さらに魔力を使おうとすると、魔力の伸びが普通に魔力を消費するよりもいいんだよ。ただ、学院長が魔力が無い時に使用する魔力は生命力を変換しているから危ないって言ってたよ。だから最近はやらないようにしてるんだ」
「確かに生命力を魔力に変換した時に魔力の最大量は大きく伸びるな。さらにその魔力を使えば微量でも魔力は増す。危険を度外視すれば悪くはない訓練だな」
「ロックさんは生命力を魔力に変換すると魔力の伸びが良いことを知ってたんですか?」
「ああ、君とはやり方が違うがな。それから俺のことはロックと呼び捨てで構わない」
やり方は違ったとしても、同じ効果のあることを知ってるということは、噂の信憑性が増してくるということだ。
もしかしたら本当に学院長より強いのかもしれない……。
いや、流石にそれはないかな。
あの学院長が負ける想像が出来ない。
「それじゃあロック君と呼ぶね。ロック君はどうやってるの?」
「スキルで魔力をつくる。魔力をつくる代償は生命力だ。生命の危機に陥る前に魔力をつくるのを止めて、回復魔法で生命力を回復させる。魔力も生命力もだが、回復させるよりも消費する方が大きいから、永久機関とならないのが残念だな」
魔力を作るって発想はなかった。
今度創造で創れるかやってみよう。
「そうなんだ。ロック君はなんでそんなに力を求めてるの?」
なんとなくで魔力を増やしていた僕とは違って、ロック君はさらに上を目指そうとしている。
なんでか気になった。
「やらないといけないことがあるからだ。ただ、君に話しかけた理由は力を求めてるからじゃない。力ある者同士仲良くしたいと思ったからだ。さっきのは話のきっかけとして聞いただけだ」
「そうだったんだね。これからよろしくね」
僕はロック君と握手をする。
「ああ、よろしく頼む」
僕は寮に戻り、さっきロック君が言っていたスキルで魔力をつくるというのを試してみる。
ロック君がどうやってやっているのかはわからないけど、とりあえず創造で魔力を作ってみる。
創ったら目の前が少し暖かくなった気がした。
魔力を創るのに必要な魔力は20だった。
僕の魔力は20減って1も増えてない。
僕の体内に魔力を創ったわけでは無いようだ。
目の前が暖かくなった気がしたので、どの程度なのかは分からないけど、目の前に魔力が創られたと思われる。
僕に魔力を感知する方法はないので、実際のところは分からないけど、これは失敗だ。
魔力を垂れ流しているのと変わらない。
垂れ流すくらいなら、創造のスキルの中に溜めたほうが絶対にいい。
直接魔力を創るのではなく、魔力を創造するスキルを創ればいいのかな?
ロック君はスキルで生命力を代償に魔力をつくっているって言ってたし……。
僕はそのイメージでスキルを創ることにする。
そして出来たのが『魔力創造』のスキルだ。
試しに創造スキルのボードを見ながら使ってみることにする。
魔力創造を創るのに消費した魔力が急速に回復していく。
その代わりにどんどんと頭がボーッとしてきて、意識が途切れそうになったので、スキルを使うのを止める。
実際には気絶耐性のスキルで意識は失わないと思うけど、これ以上は危ないという体からの危険信号だと判断する。
ちゃんと生命力を代償としているようだ。
魔力の最大値も少し増えているし、狙い通りだ。
魔力量が少しずつ減っているのは、体が自動的に、魔力を使って減ってしまった生命力を回復させようとしているのかな?
急激に魔力を使わないのは、体の機能的な問題なのだろうか……。
気にしてなかっただけで、今までも体の中では同じことが起きていたのかもしれない。
後は回復魔法でこのボーッとする感じがなくなれば完璧かな。
僕は自身に回復魔法を掛ける。
気持ち楽になった。
魔力を込めて再度回復魔法を掛ける。
かなり体が楽になる。
気持ちダルさが残っているくらいだ。
それももう一度回復魔法を掛けたらなくなったので、回復魔法で僕も生命力を回復させられるようだ。
生命力を使う微調整もききそうだから、気を失いそうになる前じゃなくて、少しボーッとしてきたら止めれば危険もほとんどなさそうだ。
お姉ちゃんの水のバリアを破るのに必要なのは、魔力量じゃなくて、その魔力を制御する為の熟練度の方だし、これ以上魔力量を増やす必要性は特に思いつかないけど、部屋の中で熟練度を上げる為に火魔法とか風魔法を高威力で連発させるわけにもいかないので、魔力量を増やしておこうかな。
まず創造のスキルに魔力をある程度貯めて、消費した魔力を魔力創造で回復させる。
その後、生命力を回復魔法で回復させて体の調子を整えた後、残った魔力を少し残して創造のスキルに貯め込んでから寝る。
とりあえず、毎日この流れを寝る前の日課にしようかな。
ロック君は永久機関とか言ってたけど、仮に出来たとしても1サイクルでいいや。
創造のスキルにも魔力を貯めたいし、魔力量を増やしてやりたいことがあるわけでもないからね。
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