イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で最強に・・・(旧:学園最強に・・・)

こたろう文庫

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side 俺②

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ある日、エルクの姉のエレナが今の村を出ていくことになった。
なんでも王都に行くらしい。

王都か……。
俺も行きたいな。

創造のスキルとは関係なく、エルクが魔力を使うだけで俺の魔力は増えることがわかった。
その結果、色々とスキルを創って出来る事は増えたけど、エルクがこの村にいる限りは代わり映えしない毎日だ。

食べ物に関しては毎日美味いものが食えるようになったので満足しているが、なんとかエルクをこの村から出す事は出来ないだろうか……。
エルクに王都に行くように念を送りまくれば行く気になるのでは?と思ったけど、こんな子供を親から離れさせるのは流石に気が引けるな。
やるなら家族ごと王都に行かせる方法を考えるか。

俺は千里眼のスキルを使い、外の様子を見る。
今日も平和だな。

千里眼は遠くまで見ることの出来るスキルだが、見れるのはエルクを中心とした50kmくらいだ。
千里が何kmかは知らないが、ここからでは基本的に山や森しか見えない。
日が増すごとに見える範囲は広がっているが、満足出来る景色が見られるのは当分先のようだ。

千里眼のように俺が情報を得るだけで、何も影響がないものは外にも発動出来るが、雷魔法を外に発動して雷を落としたりする事は出来ない。発動出来るのは、俺が今いるよくわからない空間だけだ。
よくわからないと言っても、多分エルクの体の中にある亜空間みたいなものだろうけど……

それから半年ほど経った頃、俺は村の近くに魔物が大量に集まっていることに気づいた。
村の方に向かってきているが、村の様子は平和そのものだ。
俺はエルクに魔物討伐をさせるべく、街の外を見に行くように念を飛ばす。
俺とエルクとで魔力量の差が多くなってきたからか、以前よりもエルクが俺の意思で動くようになった気がする。
それでも主導権はエルクにあるのだが……。

エルクは見張り台に登り、狙い通り魔物の群れを見つけた。
ここの村の見張り台には日頃から誰も立っていない。今のエルクのように子供が登っていても誰もなんとも思わないくらいだ。
平和ボケしているわけではなく、見張り台に立つ余裕がない。見張り台に立つ時間があったら畑の世話をするからだ。

俺はさらに魔物を討伐するように念を飛ばす。
千里眼越しに魔物の鑑定はしてある。
エルクが負ける要素はどこにもない。

エルクは行くのをためらっているけど、このままだと村が壊滅するぞ!魔物なんて魔法が使えるなら楽勝だ!と念を飛ばしたら討伐しに向かった。

村から離れた所に冒険者らしき人達がおり、エルクが討伐すると騒ぎになりそうだけど、このままだとこの村が滅びるので仕方ない。
あの冒険者達は魔物にやられる程ではないけど、エルクに比べると明らかに弱い。

エルクが化け物のように強いのか、それともあの冒険者が弱いのか……
普通に考えたら前者だろう。
さらに奥の森にいる冒険者らしき人達と比べても、明らかにエルクの方が強いのだから。

エルクが問題なく魔物を倒した後、そのまま放置して帰ろうとしたので、魔物を回収するように念を飛ばす。

エルクは思い出したかのように振り返り、魔物をアイテムボックスに回収した。
騒ぎにはなるかもしれないけど、出来るだけ証拠は隠した方がいいだろう。

その後、冒険者が魔物が倒された地点に到着して、困惑したまま離れていった。
もしかして騒ぎにならずに済んだか?
そう思っていたけど、考えが甘かったようだ。

しばらくして、なんだか偉そうな格好をしたカッシュという人が村にやってきた。
先日の魔物について調査に来たらしい。

俺はエルクに黙っているように念を飛ばす。
騒ぎになったとしても、こんな子供がやったとは思わないだろう。

念を何度も飛ばしたけど、役人っぽい人が帰った後に母親に問い詰められて話してしまった。
エルクが母親には話すと決めてしまったのだから仕方ない。

その後、エルクが役人と模擬戦をすることになった。
元Aランクの冒険者らしいが、エルクと戦えるほどではない。エルクが本気を出したら一瞬で死ぬだろう。

俺はエルクに手加減しろと念を飛ばそうと思ったが、手加減したところで殺してしまいそうだ。
なので拘束しろ!と念を飛ばす。

エルクは土魔法で冒険者を閉じ込めた。
拘束とは少し違うがこれでいい。殺してないなら大丈夫だ。

よく考えたら、何も出来ないフリをすれば良かったんじゃ……と思ったけど、気づかなかったことにした。
それをすると母親が嘘をついていたことになってしまうし、結局はこうなった気もするからな。

1ヶ月程経った後、エルクにやられた元冒険者のカッシュから入学の案内が届いたようだ。
エルクも王都の学院に通うことになったらしい。

俺としては王都にエルクが行く事は嬉しい事だが、なんとも複雑な気分だ。

それから3ヶ月後にエルクは馬車に乗って王都へと向かった。
王都に着いた後、エルクが迷子扱いされ冒険者ギルドに行くことになったので、俺は冒険者ギルドにいる人を鑑定する。
奥の部屋で高そうな椅子に座っている人が多分ここで1番偉い人だろう。
なかなかの魔力量でスキルの練度も高いけど、こんなものか。

王都に来れば、エルクくらいの強者が普通にいるのではと思ったがそうではないようだ。

数日後、学院の入学式になった。
講堂でエルクは学院長の話を聞いている。

俺は学院長を鑑定して驚いていた。なんだこいつ?
魔力量とスキルが桁外れに多いのも気になるが、なんで名前がいくつもあるんだ?
ルーカス?クリス?
鑑定では偽名を名乗っていたとしても、本名が表示されるはずだが……?

要注意人物として覚えておこう。

入学式が終わり、教室に向かっている際に誰かがエルクにスキルを使った。
精神干渉系のスキルのようだ。
誰が使ったのかを調べる方法はないが、多分あの学院長だろう。
エルクに干渉出来る時点で、相当な強者のはずだ。

エルクは干渉されている事に気づいていないようなので、代わりにレジストしておいた。

エルクと俺は一心同体だ。
もう少し周りに気をつけて欲しいものだな。

それから俺は、誤って周りの人を手に掛けないようにだったり、危ないことに首を突っ込もうとするの止めさせる為に念を飛ばしはしたものの、基本的にはエルクの好きなようにやらせて傍観することとした。

俺が閉じ込められてから結構経つのに、相変わらず何のためにこんなことになっているのかわからないままだ……
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