イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で最強に・・・(旧:学園最強に・・・)

こたろう文庫

文字の大きさ
上 下
88 / 201

魔力暴走

しおりを挟む
「お姉ちゃん!」
僕は呼びかけるけど、お姉ちゃんは目を覚さない。

息をしていないし、心臓も動いていない。

僕はお姉ちゃんに回復魔法を掛ける。

ダメだ。もどってきてくれない。

死んでしまった人が生き返らないなんてことは分かっている。でも諦めたくない

僕は魔力を溜める。体中の魔力を全て使い切るまで溜め続けるしかない。
しばらくして僕の意識は途切れた。

僕が目を覚ますと目の前にはラクネがいた。
ラクネが僕に抱きつく
「エルクくん、よかった。大丈夫?」

「う、うん。大丈夫だよ。……お姉ちゃんは?」
少しづつ頭が動き出す。そして死んでしまったお姉ちゃんの事を聞く。答えはわかっているのに……

「私はよくわからないんだけど、エルクくんの魔法で助かったみたいだよ」
覚悟をしていたけど、返ってきた言葉は嬉しいことに違っていた

「本当に?」
信じられないので、聞き返す。

「うん」

「お姉ちゃんは今どこにいるの?」

「安静にした方がいいからって、ライオネットさんが教会に連れて行ったみたい」
教会にお姉ちゃんがいるみたいだ。聞きたいこともあるし僕は起き上がって教会に行こうとする。
でも、起き上がれなかった

「無理したらダメだよ。ライオネットさんに聞いたけど、エルクくん魔力を暴走させたんでしょ?当分は動けないと思うよ」

あの時の事はあまり覚えていない。お姉ちゃんを助けようとして魔力を溜めたところまでは覚えている。
なんだかその後も誰かと話をしていた気がするんだけど……気のせいかな

「そうなんだね。訓練はどうなったの?」

「あんなことがあったんだから中止になったよ」
そうなるよね

「先生呼んでくるね。動いたらダメだからね」
ラクネは出て行く

動いたらダメって言ってたけど、そもそも動けない。

しばらくすると、大人の女性が入ってきた。治療所の先生だろう。
ラクネも一緒に戻ってくる

「目が覚めたのね。意識はハッキリしている?」

「大丈夫です」
僕は答える

「それはよかったわ。少し診させてね」
先生は僕を起き上がらせて、体を診ていく

「大丈夫そうね。いくつか質問するから答えてね」

「はい」

「名前は?」
「エルクです」

「年齢は?」
「6歳」

「どこに住んでる?」
「中等部の寮です」

「その前はどこに住んでた?」
「少し離れた村です」

「これは何本に見える?」
「3本」

…………僕は質問されたことに答えていく

「問題はなさそうね。普通に受け答え出来てるし、記憶が抜け落ちてるような事もなさそうね」
先生の診断結果に僕は安心する

「とりあえず、動けるようになるまではここで安静にしていてね」

「わかりました。お世話になります」

「大体2日くらいすれば普通に動けるようになるばすだからそれまでは我慢してね。あと、今は魔力が安定してないから1週間くらいは魔法を使ったらダメよ」

「はい」
魔力が安定してないって事だから、当分は創造のスキルも使わない方がいいよね。創造スキルに魔力を溜め込むのが習慣になってたけど、少しの間我慢しよう

「何かあったら呼んでね。隣の部屋に誰かしらはいるから、大声で呼んでくれれば気づくと思うわ」
そう言ってから先生は出て行った

「お姉ちゃんに回復魔法を掛けた後のことがよくわからないんだけど、知ってる範囲で教えてもらっていいかな」
僕はラクネに聞く。魔力を溜めている最中に気を失った気がするんだけど、魔法自体は発動していたのだろうか?

「ごめんね。私、ほとんど覚えてないの。テントから出て逃げた所までは覚えてるんだけど……」

「え、記憶が飛んでるってこと?大丈夫なの?」
ラクネが心配だ

「街道で倒れてたみたい。襲われてたわけではなかったみたいだから、多分逃げてる途中に転んで頭を打ったとかだと思う」

「そうなんだ。怪我はしてない?」

「うん、大丈夫だよ。でも起きたのは私も治療所だから何もわからないの」

「気にしないで。ラクネが無事でよかったよ」

「それじゃあ私帰るね。みんなにエルクくんが起きたって伝えておくね」

「うん、お願い……ちょっと待って。もしかして、僕ずっと目を覚さなかったの?」
ラクネを呼び止めて聞く。

「エルクくんは3日くらい目を覚さなかったよ」
思ったよりずっと寝ていたようだ。
気絶耐性があるはずなのに……。気絶と昏睡は違うのかな?それとも魔力を暴走させたから耐性がなくなってるのかな?

「心配かけたみたいだね。みんなによろしく言っておいて」

「うん。それじゃあお大事にね」

ラクネは帰って行った。

話し相手がいなくなって暇になる。動くことが出来ないので余計暇である。
寝る以外出来ないので寝ていると、ローザとフレイとアメリがお見舞いに来てくれた

「あ、起こしちゃったわね」

「やることなくて寝てただけだから大丈夫だよ」

「思ってたよりも元気そうで良かったわ」

「心配かけてごめんね。ローザ達のチームはもう訓練から帰ってきてたんだね」

「さっき帰ってきた所よ。学院に報告に来たら、エルクが動けなくなってるって聞いて驚いたわ。何があったの?」

僕はあったことを説明した

「うーん、そんな化け物みたいな魔物は知らないわ。暴走させたのが回復魔法でよかったわね。他の魔法だったら死んででもおかしくないわよ」
ローザの言葉でリーナさんの事を思い出した。

「そうだね。そう考えるとまだ良かったよ」

「生きてて良かったわ。早く学院に来なさいよ」

「うん、ありがとう」
ローザ達は帰っていく

翌日はエミリーがお見舞いに来てくれた。
ラクネは今日も来てくれて話し相手になってくれる。

まだ歩けないけど、大分体が動くようになってきた。

先生が明日には寮に帰れるだろうって言っていた

僕はこの2日間で心配な事が2つあった。
まずはお姉ちゃんの事だ。ラクネからは助かったって聞いたけど、ラクネ本人はお姉ちゃんを見ていないから本当に息を吹き返したのか自分で確認したい。

もう一つはダイスくんだ。忙しいだけかもしれないけど、ダイスくんが来てくれない事に違和感を感じる。
僕が知らないだけで、あの後ダイスくんに何かあったんじゃないかな?

僕はモヤモヤとしながらも、寝ることにした


お知らせ
新作の投稿を始めました
[クラス転移したひきこもり、僕だけシステムがゲームと同じなんですが・・・ログアウトしたら地球に帰れるみたいです]
応援の程よろしくお願いします
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う

たくみ
ファンタジー
 圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。  アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。  ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?                        それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。  自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。  このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。  それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。 ※小説家になろうさんで投稿始めました

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

転生前のチュートリアルで異世界最強になりました。 準備し過ぎて第二の人生はイージーモードです!

小川悟
ファンタジー
いじめやパワハラなどの理不尽な人生から、現実逃避するように寝る間を惜しんでゲーム三昧に明け暮れた33歳の男がある日死んでしまう。 しかし異世界転生の候補に選ばれたが、チートはくれないと転生の案内女性に言われる。 チートの代わりに異世界転生の為の研修施設で3ヶ月の研修が受けられるという。 研修施設はスキルの取得が比較的簡単に取得できると言われるが、3ヶ月という短期間で何が出来るのか……。 ボーナススキルで鑑定とアイテムボックスを貰い、適性の設定を始めると時間がないと、研修施設に放り込まれてしまう。 新たな人生を生き残るため、3ヶ月必死に研修施設で訓練に明け暮れる。 しかし3ヶ月を過ぎても、1年が過ぎても、10年過ぎても転生されない。 もしかしてゲームやりすぎで死んだ為の無間地獄かもと不安になりながらも、必死に訓練に励んでいた。 実は案内女性の手違いで、転生手続きがされていないとは思いもしなかった。 結局、研修が15年過ぎた頃、不意に転生の案内が来る。 すでにエンシェントドラゴンを倒すほどのチート野郎になっていた男は、異世界を普通に楽しむことに全力を尽くす。 主人公は優柔不断で出て来るキャラは問題児が多いです。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

没落貴族の異世界領地経営!~生産スキルでガンガン成り上がります!

武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生した元日本人ノエルは、父の急死によりエトワール伯爵家を継承することになった。 亡くなった父はギャンブルに熱中し莫大な借金をしていた。 さらに借金を国王に咎められ、『王国貴族の恥!』と南方の辺境へ追放されてしまう。 南方は魔物も多く、非常に住みにくい土地だった。 ある日、猫獣人の騎士現れる。ノエルが女神様から与えられた生産スキル『マルチクラフト』が覚醒し、ノエルは次々と異世界にない商品を生産し、領地経営が軌道に乗る。

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

処理中です...