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別れ
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しばらく馬車で進み、日が沈み始めたので、開けた場所を見つけそこで野営することになった。
もう少し先に村があるらしいが、今回は訓練の為に村の外で野営をするようにライオネットさんに言われている
僕達はテントを張り、少し離れた丘に焚き火を起こして夕食を食べる。
丘で焚き火をするのは、この後見張りをするのに遠くまで見えるからだ。
そして、就寝の時間になる
見張りは僕、ダイスくん、ラクネの順番でおこなう。
ここでもダイスくんに1番負担を掛けてしまっている
僕が順番を代わると言ったけど、「エルクはそんな時間だと寝てしまうだろ?」と言われてしまった。
正直、自信を持って大丈夫といえないので、結局ダイスくんに任せてしまった。
僕は焚き火の側に石を置いて座り、周りを警戒する。
そして辺りを囲むように結界を張る。襲われた時にどれだけ壊れずに保ってくれるかはわからないけど、何かが結界を壊そうとすれば音で気づけるはずだ。
暇だなぁと思っていたら、お姉ちゃんがテントから出てきて僕の横に座った。
「お姉ちゃん、眠れないの?」
僕は問いかける
「そんなことはないけど、エルクともう少し話したいなって思って」
「そっか。お姉ちゃんが村を出てからもう1年以上経つもんね」
「うん。あ、さっきはごめんね。みんなの前で何が出来るようになったかなんて聞いて。みんなの前だと言いにくかったよね…」
お姉ちゃんは手をあわせて頭を下げる
「大丈夫だよ。お姉ちゃんはご飯ちゃんと食べれてる?王都のご飯は美味しいけど、やっぱり高いからね」
「うん、大丈夫だよ」
「王都の生活は、村とは違いすぎて困惑するよね。村にいた時は毎日3食食べれるなんて考えられなかったもん」
「そうね、毎日お腹を空かせてたわ」
「お姉ちゃん、覚えてる?村で初めてつくったイモを食べた時のこと」
「もちろん覚えてるわよ」
「1つしかつくれなかったから、分けて食べたんだよね。お腹は膨れたけど、塩みたいな高級品はなかったから、今思うとちょっと味気なかったね」
「美味しかったわよ。それに村だとイモはつくれても塩なんて手に入らないもの。塩を買うお金があったら他のお腹が膨れるものを買うわ」
「そうだよね。そういえば村で使ってた僕のつくったバッグはもう使ってないの」
「あのバッグね。せっかくエルクがつくってくれたんだから、今は部屋に大切に仕舞ってあるわよ」
「そう――――」
ドンッ!!!
思い出話をしていたら、後ろからとてつもなく大きい音がした。
振り向くと虎がいた。真っ黒の虎。ただ、虎にしては大きさがおかしい。家くらいある。それに背中から鳥の羽が生えてる。
なにあの化け物?体が震える
僕はパニックになったまま風魔法を刃のようにして放つ
風刃は虎?に爪で弾かれた。まったく効いていないようだ
「エルク、何やってるの?早く助けを呼んできて!」
「う、うん」
あまりの出来事にパニックになっていたけど、言われたことでハっとする。そしてライオネットさんに助けを求めに行く。
呼びに行きながら僕は不思議に思った。なんであんなに大きな音がしたのに誰も起きてこないのだろう
そう思いながらもライオネットさんがいるテントに飛び込む
テントの中には誰もいなかった
ライオネットさんはどこに行ったの?
もしかしてあの音を聞いた時に起きて、あの化け物を見て僕達を置いて逃げたのかな?
でもあの化け物を見たら逃げるのはしょうがないかもしれない。
僕はどうしたらいいかわからなくなる。
ダイスくん達を呼びにいく?呼んでどうする?人数が増えたところであの化け物に勝てるとは思えない。
ダイスくん達はまだ寝てるのかな?それとも起きて逃げたのかな?
お姉ちゃんは………。あの化け物がまだいるかもしれない所に行くのは怖い。行きたくない。流石にあそこに1人で残ってるなんて事はないよね……?
僕はラクネとダイスくんを起こしにいく。
まずはラクネがいるはずのテントに入る
ラクネは寝ていた
「ラクネ起きて!」
僕はラクネを揺すって起こす
「う、ううん。もう交代の時間?」
ラクネは目を擦る
「化け物が出たんだよ。早く逃げて」
一緒に戦う為に起こしたわけではない。あんな化け物からは逃げるしかない。
「え、え?」
ラクネはまだ頭が起きていないのか、困惑しているけど僕は腕を引っ張ってテントの外に出す。
ラクネは虎?を見て動けなくなる
僕はラクネの体を揺する
「しっかりして!向こうに逃げて」
「う、うん」
ラクネは走っていく
僕は同じようにダイスくんを起こす。
ダイスくんとテントの外に出ると、虎?の姿がここから見えなくなっていた。
もしかして何処かに行ってくれたのかな?
「エルク、化け物は見えないけど姉ちゃんがまだいるかもしれないんだろ?動けなくなってるかもしれないから見に行くぞ」
ダイスくんは虎?がいる所に行くと言う
「う、うん」
僕とダイスくんは虎?がいた焚き火の方にゆっくりと戻る。丘を少し登ると横になった虎?が少しずつ見えてきた。
慎重に近づくと倒れた虎?がいてその横にはライオネットさんがいた
逃げたなんて疑ってしまったけど、あの化け物と戦って倒してくれたみたいだ。
「ライオネットさんすごいです。あの化け物倒したんですね!」
僕はライオネットさんの強さに感動する
あの化け物は人が1人で勝てるような存在には見えなかったから
「すまなかった。俺の力不足だ」
ライオネットさんが謝る。
初め何を謝っているのかわからなかった
でも、ライオネットさんの視線の先を追うと人が倒れているのが見えた。
僕はフラフラと近づく。
お姉ちゃんが倒れていた。ピクリとも動かない。
「ポーションで外傷は治ったんだが、息は戻らなかった。すまない」
ライオネットさんが何か言っていたようだけど僕には聞こえなかった……
もう少し先に村があるらしいが、今回は訓練の為に村の外で野営をするようにライオネットさんに言われている
僕達はテントを張り、少し離れた丘に焚き火を起こして夕食を食べる。
丘で焚き火をするのは、この後見張りをするのに遠くまで見えるからだ。
そして、就寝の時間になる
見張りは僕、ダイスくん、ラクネの順番でおこなう。
ここでもダイスくんに1番負担を掛けてしまっている
僕が順番を代わると言ったけど、「エルクはそんな時間だと寝てしまうだろ?」と言われてしまった。
正直、自信を持って大丈夫といえないので、結局ダイスくんに任せてしまった。
僕は焚き火の側に石を置いて座り、周りを警戒する。
そして辺りを囲むように結界を張る。襲われた時にどれだけ壊れずに保ってくれるかはわからないけど、何かが結界を壊そうとすれば音で気づけるはずだ。
暇だなぁと思っていたら、お姉ちゃんがテントから出てきて僕の横に座った。
「お姉ちゃん、眠れないの?」
僕は問いかける
「そんなことはないけど、エルクともう少し話したいなって思って」
「そっか。お姉ちゃんが村を出てからもう1年以上経つもんね」
「うん。あ、さっきはごめんね。みんなの前で何が出来るようになったかなんて聞いて。みんなの前だと言いにくかったよね…」
お姉ちゃんは手をあわせて頭を下げる
「大丈夫だよ。お姉ちゃんはご飯ちゃんと食べれてる?王都のご飯は美味しいけど、やっぱり高いからね」
「うん、大丈夫だよ」
「王都の生活は、村とは違いすぎて困惑するよね。村にいた時は毎日3食食べれるなんて考えられなかったもん」
「そうね、毎日お腹を空かせてたわ」
「お姉ちゃん、覚えてる?村で初めてつくったイモを食べた時のこと」
「もちろん覚えてるわよ」
「1つしかつくれなかったから、分けて食べたんだよね。お腹は膨れたけど、塩みたいな高級品はなかったから、今思うとちょっと味気なかったね」
「美味しかったわよ。それに村だとイモはつくれても塩なんて手に入らないもの。塩を買うお金があったら他のお腹が膨れるものを買うわ」
「そうだよね。そういえば村で使ってた僕のつくったバッグはもう使ってないの」
「あのバッグね。せっかくエルクがつくってくれたんだから、今は部屋に大切に仕舞ってあるわよ」
「そう――――」
ドンッ!!!
思い出話をしていたら、後ろからとてつもなく大きい音がした。
振り向くと虎がいた。真っ黒の虎。ただ、虎にしては大きさがおかしい。家くらいある。それに背中から鳥の羽が生えてる。
なにあの化け物?体が震える
僕はパニックになったまま風魔法を刃のようにして放つ
風刃は虎?に爪で弾かれた。まったく効いていないようだ
「エルク、何やってるの?早く助けを呼んできて!」
「う、うん」
あまりの出来事にパニックになっていたけど、言われたことでハっとする。そしてライオネットさんに助けを求めに行く。
呼びに行きながら僕は不思議に思った。なんであんなに大きな音がしたのに誰も起きてこないのだろう
そう思いながらもライオネットさんがいるテントに飛び込む
テントの中には誰もいなかった
ライオネットさんはどこに行ったの?
もしかしてあの音を聞いた時に起きて、あの化け物を見て僕達を置いて逃げたのかな?
でもあの化け物を見たら逃げるのはしょうがないかもしれない。
僕はどうしたらいいかわからなくなる。
ダイスくん達を呼びにいく?呼んでどうする?人数が増えたところであの化け物に勝てるとは思えない。
ダイスくん達はまだ寝てるのかな?それとも起きて逃げたのかな?
お姉ちゃんは………。あの化け物がまだいるかもしれない所に行くのは怖い。行きたくない。流石にあそこに1人で残ってるなんて事はないよね……?
僕はラクネとダイスくんを起こしにいく。
まずはラクネがいるはずのテントに入る
ラクネは寝ていた
「ラクネ起きて!」
僕はラクネを揺すって起こす
「う、ううん。もう交代の時間?」
ラクネは目を擦る
「化け物が出たんだよ。早く逃げて」
一緒に戦う為に起こしたわけではない。あんな化け物からは逃げるしかない。
「え、え?」
ラクネはまだ頭が起きていないのか、困惑しているけど僕は腕を引っ張ってテントの外に出す。
ラクネは虎?を見て動けなくなる
僕はラクネの体を揺する
「しっかりして!向こうに逃げて」
「う、うん」
ラクネは走っていく
僕は同じようにダイスくんを起こす。
ダイスくんとテントの外に出ると、虎?の姿がここから見えなくなっていた。
もしかして何処かに行ってくれたのかな?
「エルク、化け物は見えないけど姉ちゃんがまだいるかもしれないんだろ?動けなくなってるかもしれないから見に行くぞ」
ダイスくんは虎?がいる所に行くと言う
「う、うん」
僕とダイスくんは虎?がいた焚き火の方にゆっくりと戻る。丘を少し登ると横になった虎?が少しずつ見えてきた。
慎重に近づくと倒れた虎?がいてその横にはライオネットさんがいた
逃げたなんて疑ってしまったけど、あの化け物と戦って倒してくれたみたいだ。
「ライオネットさんすごいです。あの化け物倒したんですね!」
僕はライオネットさんの強さに感動する
あの化け物は人が1人で勝てるような存在には見えなかったから
「すまなかった。俺の力不足だ」
ライオネットさんが謝る。
初め何を謝っているのかわからなかった
でも、ライオネットさんの視線の先を追うと人が倒れているのが見えた。
僕はフラフラと近づく。
お姉ちゃんが倒れていた。ピクリとも動かない。
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