イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で最強に・・・(旧:学園最強に・・・)

こたろう文庫

文字の大きさ
上 下
73 / 201

山登り

しおりを挟む
翌日、予定より1日遅れて山に登る。

僕達の目の前には道が2つある。どちらの道を行っても頂上に繋がっているらしい。
AコースとBコース。

2つがどういったコースかは事前に聞いていた。

Aコースは簡単に言うとハイキングコースである。時間は掛かるけど、整備された道を景色を楽しみながらゆっくりと進む。

片やBコースは登山コースである。頂上までほぼ最短距離で、短時間で頂上まで着くけど険しい道のりである。

僕は勝手にAコースを進むのだと思っていたのだが、まさか意見が分かれるとは思わなかった。

フレイが「どっちに進むか多数決で決めましょう」と言い出したのだが、アメリがBコースに行きたがるのはなんとなく予想は付いていた。しかし、フレイとエミリーもそっちを選んだのは予想外だ。

そして、僕とセイラとローザはAコースを推した。
最後に残ったラクネ次第になったけど、これがいけなかった。
多分、ラクネは普通ならAコースを選んでくれただろう。
しかし、意見がキレイに分かれたことで決定権を得てしまったラクネは悩み出してしまった。

どちらを選ぶことも出来ないラクネをローザが「企画者のフレイがBコースを推しているならBコースに行きましょう」と言って助けてしまった。
多分ローザ自身はどちらでも良かったのだろう。

そして過酷な登山が始まってしまった。

獣道のような道を進んでいく。この山には凶暴な魔物は住みついていないみたいだけど、いきなり何か出てきそうで怖い。

登り始めてすぐに僕は身体強化魔法を掛けた。
子供にはこの道のりを進み続けるのは無理だと気づいたからだ。

強化したおかげで普通に進めるようになる。

Bコースを選んだ3人は大丈夫なんだろうけど、残りの3人は大丈夫なのだろうか?

僕は確認することにする

「僕は無理そうだから身体強化魔法を使うことにしたけど、みんなにも掛けようか?」

セイラとラクネが掛けて欲しいと言ったので、僕は2人に魔法を掛ける。

「「ありがとう」」

セイラは楽に登れるならその方がいいとの理由で、ラクネは遅れてみんなの足を引っ張りたくないと言っていた。

残りの4人は自力で頑張るそうだ。

僕は荷物を持ってくれている使用人の男性と同行しているメイドさんにも身体強化魔法を掛ける。

「大分運ぶのが楽になりました。ありがとうございます」
使用人の男性からお礼を言われる

身体強化魔法を使っても体力が増えて疲れにくくなるわけではないので、僕は回復魔法で疲れを取りながら進む。

みんなは足場の悪い道をサクサクと進んでいく。
なんでそんなに歩き慣れているのか聞いたら、初等部の時に、何度もこういった山など、足場が悪いところでも戦えるように訓練したそうだ。

僕とは経験が違うようだ。

それにしても暑い。木で影になっている時はいいけど、日光が直射されている時は焼けるように暑い。

僕は耐えられなくなり、水を全身に被る。こうゆう時に水魔法は便利だ。

ふぅ、冷たくて気持ちいい。

そんな僕をみんなが見てるけど、女の子だからだろうか自分にも水をかけて欲しいとは言わない。

「いいな、私にもかけてくれ」
アメリを除いて……

僕はアメリに水をかける

「あー、これは気持ちいいな!」

みんながアメリを羨ましそうに見ている。さすがに勝手に水をかける訳にはいかないので、素直に言ってくれるといいんだけど。

「タオル濡らそうか?それだけでも大分気持ちいいと思うよ」
僕はそんなみんなに提案する。

「うん、お願い」
ラクネがタオルを出したので僕は濡らす。

「はぁ~、気持ちいい」
ラクネはタオルを首にかけて身体を冷やしている。

他のみんなも続いてくれたので、順番に水魔法で濡らしていく

暑さ対策もしながら進んでいき、半分は登ったであろう時にフレイが休憩しようと言い出した。

僕達は近くにある適当な岩に座って休憩する。

フレイが「少し向こうに行ってくるわ」と言って歩いていった。
お花を摘みにいったのかもしれないし、何をしに行くかなんてわざわざ聞かない。

フレイがしばらくして戻ってきたので、もう少し休憩してから登山を再開する。

暑さと闘いながら登り続けて遂に山頂に到着した

山頂で昼食を食べる。

使用人の男性が荷物から弁当を人数分取り出す。
あの量の弁当を持って、よくあの道を登ったと僕は感心する。

頑張って登ったので、頂上で食べる弁当は一段と美味しく感じた

食べ終わってから、しばらく休み下山することになる。
あの過酷な道を今度は下るのかと思ったけど、今度はアメリ以外ハイキングコースで帰ろうと言った。

みんな、さすがに疲れたようだ。

僕達はゆっくりと自然を楽しみながら山を降りて行く。

見たことない鳥や動物を見て僕は癒される。
ゆったりとした時間の中で過ごすのはやっぱりいいな。

登りはあんなに大変だったのに、下りはあっという間に感じた。実際には下りの方が時間は倍くらい掛かっているのに……

そのくらい楽しかったということか。

別荘に戻ってきた後、部屋でくつろいでいるとフレイがやってきた。

「お願いがあるのですけれど、このペンダントをキレイにしてもらえないかしら?」
フレイに年代物と思われるペンダントを見せられながら頼まれる。拭いた後はあるけど、汚れが落ちないのだろう。

「うん、いいよ」

断る理由も特にない為、僕はペンダントに浄化魔法を掛ける

ペンダントにこびり付いていた汚れがキレイに無くなった。

「ありがとうございます。喜びますわ」
フレイはそう言って部屋から出て行った

フレイのペンダントではないようだ。当たり前か、見た感じかなり古い物だったからね

その後、浴室を借りて湯船に浸かる。
浄化魔法で汚れは取れているし、回復魔法で疲れもないはずだけど、やっぱりお風呂に入るのは気持ちいい。
こんなに大きいお風呂を独り占めする機会なんて普通はないから、余計気持ちよく感じるのかもしれない。

そういえば、別荘にあるって聞いてた温泉には入ってないなぁ。後で聞いてみよう

お風呂から出て少ししてから夕食を頂き、就寝する。

色々あったけど、明日には帰らないといけないのか……

すごく楽しかったから誘ってくれたフレイに感謝しないと

翌日、僕は朝早くに起きて温泉に入っていた。
別荘から5分くらい歩いた所に天然の温泉がある事を教えてもらったので、出発する前に入っているのである。
露天である。しかも目の前には海が広がっていて絶景だ。

さすがに1人では行かせてくれなかったので、護衛としてルドガーさんが付いてきている。

「ルドガーさんも入りませんか?」

僕は誘うけど、入らないようだ

僕は温泉を十分に堪能してから出る。

別荘に戻って朝食を食べたら、帰らないといけない。

そう思っていたけど、僕が温泉に入っていたことを知ったみんなが入りたいと言い出した為、出発はもう少し後になった。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。 スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。 だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。 それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。 色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。 しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。 ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。 一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。 土曜日以外は毎日投稿してます。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

スキル【僕だけの農場】はチートでした~辺境領地を世界で一番住みやすい国にします~

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
旧題:スキル【僕だけの農場】はチートでした なのでお父様の領地を改造していきます!! 僕は異世界転生してしまう 大好きな農場ゲームで、やっと大好きな女の子と結婚まで行ったら過労で死んでしまった 仕事とゲームで過労になってしまったようだ とても可哀そうだと神様が僕だけの農場というスキル、チートを授けてくれた 転生先は貴族と恵まれていると思ったら砂漠と海の領地で作物も育たないダメな領地だった 住民はとてもいい人達で両親もいい人、僕はこの領地をチートの力で一番にしてみせる ◇ HOTランキング一位獲得! 皆さま本当にありがとうございます! 無事に書籍化となり絶賛発売中です よかったら手に取っていただけると嬉しいです これからも日々勉強していきたいと思います ◇ 僕だけの農場二巻発売ということで少しだけウィンたちが前へと進むこととなりました 毎日投稿とはいきませんが少しずつ進んでいきます

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

僕だけレベル1~レベルが上がらず無能扱いされた僕はパーティーを追放された。実は神様の不手際だったらしく、お詫びに最強スキルをもらいました~

いとうヒンジ
ファンタジー
 ある日、イチカ・シリルはパーティーを追放された。  理由は、彼のレベルがいつまでたっても「1」のままだったから。  パーティーメンバーで幼馴染でもあるキリスとエレナは、ここぞとばかりにイチカを罵倒し、邪魔者扱いする。  友人だと思っていた幼馴染たちに無能扱いされたイチカは、失意のまま家路についた。  その夜、彼は「カミサマ」を名乗る少女と出会い、自分のレベルが上がらないのはカミサマの所為だったと知る。  カミサマは、自身の不手際のお詫びとしてイチカに最強のスキルを与え、これからは好きに生きるようにと助言した。  キリスたちは力を得たイチカに仲間に戻ってほしいと懇願する。だが、自分の気持ちに従うと決めたイチカは彼らを見捨てて歩き出した。  最強のスキルを手に入れたイチカ・シリルの新しい冒険者人生が、今幕を開ける。

異世界人生を楽しみたい そのためにも赤ん坊から努力する

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は朝霧 雷斗(アサギリ ライト) 前世の記憶を持ったまま僕は別の世界に転生した 生まれてからすぐに両親の持っていた本を読み魔法があることを学ぶ 魔力は筋力と同じ、訓練をすれば上達する ということで努力していくことにしました

処理中です...