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肝試し
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夜になってしまい、肝試しが始まる。
行きたくないけど、怖くないと見栄を張ってしまったので仕方ない
まだ良かったのは、護衛の事もあり1人で行かなくて良いことだ。
クジを引いて2組に分かれる。
僕は1組目になった。
一緒に行くのはローザとエミリーである
昼のうちに祠に何かを置いてきてあるらしい。
それを取って戻ってくるのが与えられたミッションである
うぅ、怖い……
僕達は祠に向かって進む
「エルク、怖いのかしら?」
ローザに聞かれる
「……怖くなんてないよ」
どうせ行くのだから僕は見栄を張り続ける
「怖そうにしてるように見えたから、みんなで手でも繋ごうと思ったんだけど、必要はなさそうね」
見栄なんて張るんじゃなかったとまた後悔するけど、よく考えたら怖がってクラスメイトの女の子に手を繋いでもらうのも恥ずかしいな。
「ひっ!」
「やっぱり怖いんじゃない」
ローザが急に僕の肩を叩き、僕は変な声が出てしまった
「お、驚いただけだよ」
「…………。」
ローザは何も言わずに進んで行ってしまった
僕はへっぴり腰でついていく
ガサっ!
「ひゃぁ!」
恐る恐る音のした方を見ると、ウサギっぽいのがいた。
暗くてよく見えなかったけど……
前を見たら、ローザとエミリーが笑いを堪えていた
むぅ
2人にムッとしながらも僕は付いていくしかない
ビクビクしながら進むと、やっと祠に着いた。
着いてしまった……
「エルク、取ってきてもらえるかしら?」
ローザがひどい事を言った。
実際には怖がっている事に気づいているはずなのに……
僕はローザを睨んでからゆっくりと祠に近づく。
何か起こるわけもなく、祠に置いてあったコインを取って戻る
ふぅ、なんとか取ってこれた
後は帰るだけだ
何度か叫びつつも、なんとか別荘まで帰ってこれた。
もう肝試しなんてやらないと心に誓う
「帰ってきたわね。お疲れ様!その様子だとなかなか楽しめたようね」
フレイがそんな事を言った。怖かっただけで楽しくなんてなかった。
ローザとエミリーは僕の反応を楽しんでたみたいだけどねっ!
「次は私たちだな!行くか」
アメリを先頭に2組目が進んで行った。
2組目はアメリ、フレイ、セイラ、ラクネの4人である。
怖いのはどうなんだろうか?アメリと発案者のフレイは大丈夫そうだけど、心配なのはラクネかな……
しばらくして戻ってきたけど、様子がおかしい。
人数が少ない
フレイが途中でいなくなったようだ
祠まで行って帰ってくる時、ふと目を離した瞬間にいなくなっていたと。
今、護衛として付いていた人が分かれて探しているとのこと
僕達も探そうとしたけど、危ないので別荘の中で待機するように言われた。
しばらくして、フレイが帰ってきた。
見つけたのではなく、1人で帰ってきた
「どこに行ってたの?」
ローザが慌ててフレイに駆け寄り問いただす
「道に迷っていただけよ」
フレイが答える
なにか違和感を感じた。気のせいかな
「そんなことよりも、お腹が空いたわ。なにか持ってきて」
フレイは側にいたメイドさんに言った
やっぱりおかしい。お腹が空いてイライラしてるのかな?
そうだとしても、これはよくない。
みんなフレイの事を心配してたのに、そんなことなんて言ったらダメだ。
僕がフレイに良くないと言おうとしたけど、先にローザがフレイに向かっていってしまった
「フレイ!いい加減にしなさい!みんな心配してたのにその態度は何?そこに座りなさい!」
「……これで満足かしら?」
フレイは言われた通り座るけど、言動はローザに油を注いでいるだけだ
これには流石にローザもキレてしまった。
取っ組み合いが始まる
僕は2人を引き離さないといけないと思ったけど、2人の間に入る勇気が出てこない。
僕があたふたしていると、アメリが近くにあった花瓶の水を2人に花ごとぶっかけた
「2人とも頭を冷やせ!」
とりあえず、ローザは頭を冷やして少し落ち着いたようだ
「何するのよ!せっかくの綺麗な服が汚くなったじゃない」
フレイは変わらずだ。
服が汚くなったことに怒っているなら、服がキレイになれば落ち着いてくれるのだろうか?
お腹も減っているようだし、余計イライラしているのかもしれない
ローザも汚れてしまっているので僕は2人に浄化魔法を掛ける
2人の汚れがキレイになった
「服はキレイになったし、少しは落ち着いた?」
僕は恐る恐るフレイに聞く
「…………え?」
フレイはキョロキョロと辺りを見ている。
さっきまでと雰囲気が変わった気がする
「どうしたのよ?」
ローザがフレイに聞く。
「さっきまで肝試ししてたはずなんだけど……」
フレイの様子がさっきとは違う意味でおかしい
「……覚えてないの?」
「何をかしら?」
「私と喧嘩したことは?」
「そんな昔の事、良く覚えてないわよ。なんでそんなこと聞くのかしら?それよりも、もしかして私、肝試し中に気絶した?怖いのは得意な方だと思ってたのに……」
フレイはさっきまでの記憶が無いように見える
「フレイは肝試し中にはぐれたのよ。しばらくして帰ってきたと思ったら、すごいわがままになってたから私が怒って喧嘩になったのよ。覚えてないの?」
「何を言っているのかわからないわ」
「……どこまで覚えてるの?」
「肝試しで祠の前に行ったところから覚えてないわ」
背筋が凍る。え、怖いんだけど……
「今はいつものフレイよね?」
「よくわからないんだけど、私は私だよ」
「とりあえずもう休みましょう」
ローザは困惑するフレイを無理矢理部屋まで連れて行った
えっと、結局さっきまでのフレイは…………
今日、寝れるかな……
――――――――――――――――
???視点
私はロザリー。
生前は霊媒師をやっていた。
霊媒師といっても、実際に霊を憑依させていたわけではない。私には魔法陣を描く才能があったので、それを使って演出していただけだ。
そもそも私は霊なんて信じていなかった。
今は成仏出来ずに自分が霊になっているのだから笑えない。
私は無実の罪をなすりつけられて処刑された。
死んで霊になってすぐは、怒りから周りに迷惑をかけてしまったが、今はそんなつもりはない。
怒りは少しづつ消えていった
なんで成仏できないのかはわからない。
何か未練でもあったのかもしれないけど、わからない
霊になってから時間の感覚はあまりない。気づいたらかなりの時間が過ぎていたりする。
特にやることもないので、普段は祠の中で寝ている。
暇なので、たまに近くを通りかかった人の身体を借りて遊びに行く。
今夜も私の祠にお客が来た。
まだ小さい男の子だ。
すごく怯えながら祠に近づいてくる
さすがにこんな子供の身体を借りるのは良くないと思い、そのまま見送った。
少しして、今度は女の子が4人やってきた。
お嬢様だろうか?キレイな服を着てるな
私はその中の1人の身体を借りることにした
身体を完全に乗っ取るには時間が掛かるので、身体に入った後、無理矢理身体を動かして木の影に隠れる。
身体の主は抵抗してるけど、長年色んな人の身体を行き来している私にかかれば完全に支配することは動作もない
しばらくして完全に身体を乗っ取った
格好からして、近くにある屋敷の関係者だろう。
私は屋敷に赴く
屋敷に入ると女の子が駆け寄ってきてどこに行ってたか聞かれる。
私は迷子になっていたことにする。
それよりも、なんだかいい匂いがする。
霊になってからお腹は空かないけど、食欲がないわけではない。美味しいものを食べたい。
多分貴族の子供の身体を借りてるはずだ。
私は近くにいたメイドに食事を用意するように言う
そしたらさっきの女の子が怒り出して、座れと言う。
私は食事を食べたり、お風呂に入ったりして楽しめたらそれでいいので、とりあえず従って座ることにする
私が座る時に言った言葉が悪かったみたいで、女の子が掴みかかってきた
私が悪い気はするけど、黙ってやられるのも癪だ。私も女の子に掴みかかる。
しばらく組み合っていたら急に水をかけられた。
せっかくキレイな服を着てる子を選んで身体を借りたのになんてことするのよ!
私は文句を言った。
そしたら少しして急に体が暖かくなった。なんだか私の中の悪いものが消えていく気がする。そして私の意識はここで途切れた
行きたくないけど、怖くないと見栄を張ってしまったので仕方ない
まだ良かったのは、護衛の事もあり1人で行かなくて良いことだ。
クジを引いて2組に分かれる。
僕は1組目になった。
一緒に行くのはローザとエミリーである
昼のうちに祠に何かを置いてきてあるらしい。
それを取って戻ってくるのが与えられたミッションである
うぅ、怖い……
僕達は祠に向かって進む
「エルク、怖いのかしら?」
ローザに聞かれる
「……怖くなんてないよ」
どうせ行くのだから僕は見栄を張り続ける
「怖そうにしてるように見えたから、みんなで手でも繋ごうと思ったんだけど、必要はなさそうね」
見栄なんて張るんじゃなかったとまた後悔するけど、よく考えたら怖がってクラスメイトの女の子に手を繋いでもらうのも恥ずかしいな。
「ひっ!」
「やっぱり怖いんじゃない」
ローザが急に僕の肩を叩き、僕は変な声が出てしまった
「お、驚いただけだよ」
「…………。」
ローザは何も言わずに進んで行ってしまった
僕はへっぴり腰でついていく
ガサっ!
「ひゃぁ!」
恐る恐る音のした方を見ると、ウサギっぽいのがいた。
暗くてよく見えなかったけど……
前を見たら、ローザとエミリーが笑いを堪えていた
むぅ
2人にムッとしながらも僕は付いていくしかない
ビクビクしながら進むと、やっと祠に着いた。
着いてしまった……
「エルク、取ってきてもらえるかしら?」
ローザがひどい事を言った。
実際には怖がっている事に気づいているはずなのに……
僕はローザを睨んでからゆっくりと祠に近づく。
何か起こるわけもなく、祠に置いてあったコインを取って戻る
ふぅ、なんとか取ってこれた
後は帰るだけだ
何度か叫びつつも、なんとか別荘まで帰ってこれた。
もう肝試しなんてやらないと心に誓う
「帰ってきたわね。お疲れ様!その様子だとなかなか楽しめたようね」
フレイがそんな事を言った。怖かっただけで楽しくなんてなかった。
ローザとエミリーは僕の反応を楽しんでたみたいだけどねっ!
「次は私たちだな!行くか」
アメリを先頭に2組目が進んで行った。
2組目はアメリ、フレイ、セイラ、ラクネの4人である。
怖いのはどうなんだろうか?アメリと発案者のフレイは大丈夫そうだけど、心配なのはラクネかな……
しばらくして戻ってきたけど、様子がおかしい。
人数が少ない
フレイが途中でいなくなったようだ
祠まで行って帰ってくる時、ふと目を離した瞬間にいなくなっていたと。
今、護衛として付いていた人が分かれて探しているとのこと
僕達も探そうとしたけど、危ないので別荘の中で待機するように言われた。
しばらくして、フレイが帰ってきた。
見つけたのではなく、1人で帰ってきた
「どこに行ってたの?」
ローザが慌ててフレイに駆け寄り問いただす
「道に迷っていただけよ」
フレイが答える
なにか違和感を感じた。気のせいかな
「そんなことよりも、お腹が空いたわ。なにか持ってきて」
フレイは側にいたメイドさんに言った
やっぱりおかしい。お腹が空いてイライラしてるのかな?
そうだとしても、これはよくない。
みんなフレイの事を心配してたのに、そんなことなんて言ったらダメだ。
僕がフレイに良くないと言おうとしたけど、先にローザがフレイに向かっていってしまった
「フレイ!いい加減にしなさい!みんな心配してたのにその態度は何?そこに座りなさい!」
「……これで満足かしら?」
フレイは言われた通り座るけど、言動はローザに油を注いでいるだけだ
これには流石にローザもキレてしまった。
取っ組み合いが始まる
僕は2人を引き離さないといけないと思ったけど、2人の間に入る勇気が出てこない。
僕があたふたしていると、アメリが近くにあった花瓶の水を2人に花ごとぶっかけた
「2人とも頭を冷やせ!」
とりあえず、ローザは頭を冷やして少し落ち着いたようだ
「何するのよ!せっかくの綺麗な服が汚くなったじゃない」
フレイは変わらずだ。
服が汚くなったことに怒っているなら、服がキレイになれば落ち着いてくれるのだろうか?
お腹も減っているようだし、余計イライラしているのかもしれない
ローザも汚れてしまっているので僕は2人に浄化魔法を掛ける
2人の汚れがキレイになった
「服はキレイになったし、少しは落ち着いた?」
僕は恐る恐るフレイに聞く
「…………え?」
フレイはキョロキョロと辺りを見ている。
さっきまでと雰囲気が変わった気がする
「どうしたのよ?」
ローザがフレイに聞く。
「さっきまで肝試ししてたはずなんだけど……」
フレイの様子がさっきとは違う意味でおかしい
「……覚えてないの?」
「何をかしら?」
「私と喧嘩したことは?」
「そんな昔の事、良く覚えてないわよ。なんでそんなこと聞くのかしら?それよりも、もしかして私、肝試し中に気絶した?怖いのは得意な方だと思ってたのに……」
フレイはさっきまでの記憶が無いように見える
「フレイは肝試し中にはぐれたのよ。しばらくして帰ってきたと思ったら、すごいわがままになってたから私が怒って喧嘩になったのよ。覚えてないの?」
「何を言っているのかわからないわ」
「……どこまで覚えてるの?」
「肝試しで祠の前に行ったところから覚えてないわ」
背筋が凍る。え、怖いんだけど……
「今はいつものフレイよね?」
「よくわからないんだけど、私は私だよ」
「とりあえずもう休みましょう」
ローザは困惑するフレイを無理矢理部屋まで連れて行った
えっと、結局さっきまでのフレイは…………
今日、寝れるかな……
――――――――――――――――
???視点
私はロザリー。
生前は霊媒師をやっていた。
霊媒師といっても、実際に霊を憑依させていたわけではない。私には魔法陣を描く才能があったので、それを使って演出していただけだ。
そもそも私は霊なんて信じていなかった。
今は成仏出来ずに自分が霊になっているのだから笑えない。
私は無実の罪をなすりつけられて処刑された。
死んで霊になってすぐは、怒りから周りに迷惑をかけてしまったが、今はそんなつもりはない。
怒りは少しづつ消えていった
なんで成仏できないのかはわからない。
何か未練でもあったのかもしれないけど、わからない
霊になってから時間の感覚はあまりない。気づいたらかなりの時間が過ぎていたりする。
特にやることもないので、普段は祠の中で寝ている。
暇なので、たまに近くを通りかかった人の身体を借りて遊びに行く。
今夜も私の祠にお客が来た。
まだ小さい男の子だ。
すごく怯えながら祠に近づいてくる
さすがにこんな子供の身体を借りるのは良くないと思い、そのまま見送った。
少しして、今度は女の子が4人やってきた。
お嬢様だろうか?キレイな服を着てるな
私はその中の1人の身体を借りることにした
身体を完全に乗っ取るには時間が掛かるので、身体に入った後、無理矢理身体を動かして木の影に隠れる。
身体の主は抵抗してるけど、長年色んな人の身体を行き来している私にかかれば完全に支配することは動作もない
しばらくして完全に身体を乗っ取った
格好からして、近くにある屋敷の関係者だろう。
私は屋敷に赴く
屋敷に入ると女の子が駆け寄ってきてどこに行ってたか聞かれる。
私は迷子になっていたことにする。
それよりも、なんだかいい匂いがする。
霊になってからお腹は空かないけど、食欲がないわけではない。美味しいものを食べたい。
多分貴族の子供の身体を借りてるはずだ。
私は近くにいたメイドに食事を用意するように言う
そしたらさっきの女の子が怒り出して、座れと言う。
私は食事を食べたり、お風呂に入ったりして楽しめたらそれでいいので、とりあえず従って座ることにする
私が座る時に言った言葉が悪かったみたいで、女の子が掴みかかってきた
私が悪い気はするけど、黙ってやられるのも癪だ。私も女の子に掴みかかる。
しばらく組み合っていたら急に水をかけられた。
せっかくキレイな服を着てる子を選んで身体を借りたのになんてことするのよ!
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