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行いの結果
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僕達はローザとフレイが戻って来たところで子猫を女の子に届けにいく
ローザとフレイの足元には猫がかわるがわるやってきてはスリスリと体を擦り付けている。
マタタビを付けすぎたかもしれない。
女の子に子猫を渡して、ギルドに報告をしに行く。
ギルドの中はなんだか空気がおかしかった。
僕達が中に入るとギルド員の目がギラリとこちらを向いた。
え、怖いんだけど?
僕は後退り、ギルドを出ようとする。
逃げられなかった。ギルド員の男性に腕を掴まれる。
「どうされましたか?依頼報告ですよね?クラリスさんならあちらにいますよ」
クラリスさんがいる受付に並んでいる冒険者の人達も異様な空気を察してか列を開ける。
「……。ちゃんと並びますので大丈夫ですよ」
「…………いえいえ、お先にどうぞ」
クラリスさんと話をしていたガタイのいい男性に順番を譲られる
僕はローザ達を見る
「良くわからないけど、良いって言ってるなら報告してしまいましょう」
ローザが答える。こうゆう時、ローザはたくましい。
「……そうだね」
僕達はクラリスさんに子猫探しの報告をする
「お疲れ様でした。無事見つかって良かったです。それではギルド証を出して下さい」
僕達はギルド証を渡す。
「はい、達成になります。報酬は始めに説明した通りありませんので以上になります」
お、問題なく終わった。もしかして僕の勘違いだったかな?
「……エルクくんはこの後、ギルドで預かりますのでローザちゃん達は帰っても大丈夫よ」
勘違いではなかった。しかも用があるのは僕だけのようだ。
「えっと、なにかありましたか?」
「エルクくん、ごめんね。私の力不足だったわ。」
クラリスさんに謝られる
もしかして、高等部を凍らせた件がバレてしまったのだろうか……
「……えっと、なんで謝ってるんですか?」
「私にもっと力があればエルクくんを守ってあげれたわ。私はエルクくんを売ったのよ」
何かまずい事になっているみたいだけど、勝手に僕を売らないで欲しい
「えっと、用事を思い出したので帰ったらダメですか?」
僕は逃げるを選択する。
「それはやめて。私が耐えられないわ。エルクくんは何も悪く無いけど、私達を助けると思って話を聞いて」
私……達?
「クラリスさんだけではないんですか?僕を売ったのは」
「ギルマスとカッシュさんも共犯よ」
あの2人も僕を売ったのか……
でも、今日の出来事で3人が関係している事はなんとなくわかった。売られた理由はわからないけど……
「わかりました。話を聞きます。僕が悪いわけではないんですよね?」
「ええ、エルクくんは何も悪くないわ。全ては調子に乗った私達が悪いのよ。でも私達ではどうしようもなかったの」
ギルマスまでいて解決できないことを僕がどうにか出来るのだろうか
「それでなんですか?」
「朝に焼きそばを作ったじゃない?」
やっぱり朝の件だ。
「はい、作りましたよ」
「あの匂いのせいでギルドのみんなが限界なのよ」
ん?
「えっと、どうゆうことですか?」
「エルクくんが出て行った後も3人で焼肉と焼きそばを作って食べてたのよ」
「そのつもりで材料を置いていきましたよ。それがどうかしたんですか?」
「私達が焼いてる間、ずっとあの焼きそばの匂いがギルドの中に充満してたみたいなの。その匂いの中で仕事をし続けていたみんなの不満が爆発したの。俺達にも食わせろってね」
「分けてあげればよかったじゃないですか?」
もしかして、断ったのか?さすがにそこまでじゃないと信じたいけど……
「その時には、既に食べ終えた後だったのよ。材料はなにも残ってなかったわ」
結構な量を置いていったのに、本当に食べ切るとは思わなかった……
「……それはどうしようもないですね。」
「一応、材料を買ってこようと思ったのよ。でも揃わなかったわ。あの黒い液体がどこにも売ってなかったの。後、お肉もあんなに美味しいのは見つからなかったわ。まあ、お肉に関しては、みんなは実物を見てないからどうとでもなるけどね」
「それで出所を聞かれて僕を売ったわけですね」
「そうです……」
クラリスさんはしょんぼりしながら答える
これはソースを追加で渡すまでは返してもらえなさそうだ。
「わかりました。材料を寮に取りに行ってきます」
「エルクくん、ありがとう」
僕はまた寮に行くフリをして時間を潰してから、ギルドに戻ってクラリスさんに材料を渡す。
「わざわざありがとうね。これはギルマスからよ。代金として受け取ってね。コンロとかはまた後日に返すわ」
「わかりました。また明日依頼を受けに来ますのでその時にもらいます」
焼きそばを作っただけでこんなに大事になるとは思ってなかったな。
翌日、僕は1人で依頼を受けにギルドに来た。
ギルドに入ってすぐにクラリスさんに呼ばれた。
昨日の焼きそばの件かな……
「エルクくん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど…」
ん?なんだか様子がおかしいな。クラリスさんは神妙な顔をしている
「なんですか?」
「昨日の子猫探しなんだけど、何かした?」
焼きそばではなく、猫探しの方らしい
「なにかあったんですか?」
「昨日の夜に依頼が2件入ったんだけど、どっちも猫探しなのよ。しかも2件とも近所に住んでいる人よ。偶然とは思えないから、もしかしてエルクくんが何かしたのかと思ってね」
そんな事言われても猫を探しただけで、逃したわけではない
「なんで逃げたかわかりますか?」
「2件とも家の中で猫を飼ってたらしいんだけど、急に窓から逃げたらしいわ。普段は窓を開けてても逃げることなんてないそうなんだけど……」
たまには猫だって外に行きたいこともあるんじゃないかな……
「昨日どうやって子猫を見つけたか教えてもらってもいいかしら?」
昨日見つけた方法は、マタタビを焚いて……マタタビに釣られて家の外に出たんだ
僕は子猫を1匹見つけるために猫を2匹逃したらしい。
「その顔は何か心当たりがありそうね。」
「はい……そうですね」
「それじゃあ、猫探しを今日もしてもらっていいかしら。今度は周りに気をつけてね」
「はい、わかりました」
「それと、これありがとうね。助かったわ。洗ってあるからね」
コンロ等を受け取る
この後僕は、昨日と同じ猫の溜まり場に行って、近くの家の猫を飼っている人に窓を閉めてもらうようにお願いしてからマタタビを焚いて、無事猫を確保した。
ちなみに逃げ出した猫はもう1匹いたので、実際に逃げていたのは3匹だった。
創造で創ったマタタビは効果が普通より強いのかもしれない……
元々は僕の所為なので報酬は辞退する。今日も依頼達成の実績だけが付いた。
2日続いてタダ働きである。いや、焼きそばの代金をギルマスから貰ったのでお金は増えてはいるのか……
僕は複雑な気持ちのままギルドを後にした
ローザとフレイの足元には猫がかわるがわるやってきてはスリスリと体を擦り付けている。
マタタビを付けすぎたかもしれない。
女の子に子猫を渡して、ギルドに報告をしに行く。
ギルドの中はなんだか空気がおかしかった。
僕達が中に入るとギルド員の目がギラリとこちらを向いた。
え、怖いんだけど?
僕は後退り、ギルドを出ようとする。
逃げられなかった。ギルド員の男性に腕を掴まれる。
「どうされましたか?依頼報告ですよね?クラリスさんならあちらにいますよ」
クラリスさんがいる受付に並んでいる冒険者の人達も異様な空気を察してか列を開ける。
「……。ちゃんと並びますので大丈夫ですよ」
「…………いえいえ、お先にどうぞ」
クラリスさんと話をしていたガタイのいい男性に順番を譲られる
僕はローザ達を見る
「良くわからないけど、良いって言ってるなら報告してしまいましょう」
ローザが答える。こうゆう時、ローザはたくましい。
「……そうだね」
僕達はクラリスさんに子猫探しの報告をする
「お疲れ様でした。無事見つかって良かったです。それではギルド証を出して下さい」
僕達はギルド証を渡す。
「はい、達成になります。報酬は始めに説明した通りありませんので以上になります」
お、問題なく終わった。もしかして僕の勘違いだったかな?
「……エルクくんはこの後、ギルドで預かりますのでローザちゃん達は帰っても大丈夫よ」
勘違いではなかった。しかも用があるのは僕だけのようだ。
「えっと、なにかありましたか?」
「エルクくん、ごめんね。私の力不足だったわ。」
クラリスさんに謝られる
もしかして、高等部を凍らせた件がバレてしまったのだろうか……
「……えっと、なんで謝ってるんですか?」
「私にもっと力があればエルクくんを守ってあげれたわ。私はエルクくんを売ったのよ」
何かまずい事になっているみたいだけど、勝手に僕を売らないで欲しい
「えっと、用事を思い出したので帰ったらダメですか?」
僕は逃げるを選択する。
「それはやめて。私が耐えられないわ。エルクくんは何も悪く無いけど、私達を助けると思って話を聞いて」
私……達?
「クラリスさんだけではないんですか?僕を売ったのは」
「ギルマスとカッシュさんも共犯よ」
あの2人も僕を売ったのか……
でも、今日の出来事で3人が関係している事はなんとなくわかった。売られた理由はわからないけど……
「わかりました。話を聞きます。僕が悪いわけではないんですよね?」
「ええ、エルクくんは何も悪くないわ。全ては調子に乗った私達が悪いのよ。でも私達ではどうしようもなかったの」
ギルマスまでいて解決できないことを僕がどうにか出来るのだろうか
「それでなんですか?」
「朝に焼きそばを作ったじゃない?」
やっぱり朝の件だ。
「はい、作りましたよ」
「あの匂いのせいでギルドのみんなが限界なのよ」
ん?
「えっと、どうゆうことですか?」
「エルクくんが出て行った後も3人で焼肉と焼きそばを作って食べてたのよ」
「そのつもりで材料を置いていきましたよ。それがどうかしたんですか?」
「私達が焼いてる間、ずっとあの焼きそばの匂いがギルドの中に充満してたみたいなの。その匂いの中で仕事をし続けていたみんなの不満が爆発したの。俺達にも食わせろってね」
「分けてあげればよかったじゃないですか?」
もしかして、断ったのか?さすがにそこまでじゃないと信じたいけど……
「その時には、既に食べ終えた後だったのよ。材料はなにも残ってなかったわ」
結構な量を置いていったのに、本当に食べ切るとは思わなかった……
「……それはどうしようもないですね。」
「一応、材料を買ってこようと思ったのよ。でも揃わなかったわ。あの黒い液体がどこにも売ってなかったの。後、お肉もあんなに美味しいのは見つからなかったわ。まあ、お肉に関しては、みんなは実物を見てないからどうとでもなるけどね」
「それで出所を聞かれて僕を売ったわけですね」
「そうです……」
クラリスさんはしょんぼりしながら答える
これはソースを追加で渡すまでは返してもらえなさそうだ。
「わかりました。材料を寮に取りに行ってきます」
「エルクくん、ありがとう」
僕はまた寮に行くフリをして時間を潰してから、ギルドに戻ってクラリスさんに材料を渡す。
「わざわざありがとうね。これはギルマスからよ。代金として受け取ってね。コンロとかはまた後日に返すわ」
「わかりました。また明日依頼を受けに来ますのでその時にもらいます」
焼きそばを作っただけでこんなに大事になるとは思ってなかったな。
翌日、僕は1人で依頼を受けにギルドに来た。
ギルドに入ってすぐにクラリスさんに呼ばれた。
昨日の焼きそばの件かな……
「エルクくん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど…」
ん?なんだか様子がおかしいな。クラリスさんは神妙な顔をしている
「なんですか?」
「昨日の子猫探しなんだけど、何かした?」
焼きそばではなく、猫探しの方らしい
「なにかあったんですか?」
「昨日の夜に依頼が2件入ったんだけど、どっちも猫探しなのよ。しかも2件とも近所に住んでいる人よ。偶然とは思えないから、もしかしてエルクくんが何かしたのかと思ってね」
そんな事言われても猫を探しただけで、逃したわけではない
「なんで逃げたかわかりますか?」
「2件とも家の中で猫を飼ってたらしいんだけど、急に窓から逃げたらしいわ。普段は窓を開けてても逃げることなんてないそうなんだけど……」
たまには猫だって外に行きたいこともあるんじゃないかな……
「昨日どうやって子猫を見つけたか教えてもらってもいいかしら?」
昨日見つけた方法は、マタタビを焚いて……マタタビに釣られて家の外に出たんだ
僕は子猫を1匹見つけるために猫を2匹逃したらしい。
「その顔は何か心当たりがありそうね。」
「はい……そうですね」
「それじゃあ、猫探しを今日もしてもらっていいかしら。今度は周りに気をつけてね」
「はい、わかりました」
「それと、これありがとうね。助かったわ。洗ってあるからね」
コンロ等を受け取る
この後僕は、昨日と同じ猫の溜まり場に行って、近くの家の猫を飼っている人に窓を閉めてもらうようにお願いしてからマタタビを焚いて、無事猫を確保した。
ちなみに逃げ出した猫はもう1匹いたので、実際に逃げていたのは3匹だった。
創造で創ったマタタビは効果が普通より強いのかもしれない……
元々は僕の所為なので報酬は辞退する。今日も依頼達成の実績だけが付いた。
2日続いてタダ働きである。いや、焼きそばの代金をギルマスから貰ったのでお金は増えてはいるのか……
僕は複雑な気持ちのままギルドを後にした
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