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side 国王
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我が執務室で書類仕事をしていると、大臣が慌てて入ってきた。
「騒々しい。何事だ?」
「国王様、失礼しました。すぐにお耳に入れていただけなければいけない事があります」
大臣のこの慌てようを見て、我は重大な何かが起きたことを察する
「世辞はいい。早く要件を言え!」
「はい、長年行方不明になっていた勇者の装備品が見つかりました。勇者本人は未だ不明です。」
「なんだと…あの、忌々しい勇者の装備がか。間違い無いのか?」
文献によると、数千年前、勇者は突如現れたらしい。
勇者は何を血迷ったのか魔王を殺害し、姿を眩ませた。
魔族達は勇者が人間だった為に、王国と帝国に戦を仕掛け、人間側に多くの被害が出た。
幸いなことに魔王を継いだ者が聡明だった為、戦は収まったが、人間と魔族の間に大きな溝が出来た。
長い時を得てやっと溝が埋まってきたというのに……
「間違いありません。王都の学校の学院長が確認しました。」
「……何故、学院長が確認する事になった?学院長が見つけたのか?」
勇者の存在は秘匿され、一部の人間にだけ語り継がれている。
学院長が知っているのは良いとして、学院長に見せたのは誰だ?
「それが、見つけたのはダイス様です。現在所有しているのもダイス様になります」
ダイスなら勇者のことを知っていても不思議ではないか…
厄介な事になったな
「装備はどこで見つけたのだ?」
「中等部が所有するダンジョンの隠し部屋からだそうです」
「装備品以外には何かなかったのか?」
「隠し部屋には宝箱が3つあっただけだそうです。その中に、剣、兜、鎧がそれぞれ入っていたと」
「そうか、勇者自体は見つかっていないのだな」
勇者は尋常ではない魔力を有しており、数多のスキルを使いこなしていたと聞く。
数千年経った今でも生きている可能性がある。
勇者について書かれた文献の最後には必ず、見つけたら速やかに処刑せよと書かれていた。
語り継がれた話でもそうだ。勇者は厄災でしかないと
「見つかっていません。そもそも生きているのですか?」
「死んでいると思うが、確証はない。死体をこの目で見るまでは安心は出来ない。いや、死体を見た所で安心は出来ない存在だ」
「正に厄災ですね」
「それで、その装備にはまだ力が残っているのか?」
「学院長が言うには、比較は出来ないが当時のままだろうと」
「なんとか装備品を回収することは出来んのか?」
「他の者が所持していたならば可能だったかと思いますが、ダイス様が所有しているとなると難しいかと。ダイス様はあの一件以降、国王様に良い感情は抱いておりません。」
「我への感情など関係なしにあれは個人が持っていて良い代物ではない」
「わかりました。ダイス様には私から話をしておきますが、期待はしないでください。」
大臣はそう言って部屋から出て行く
うまく説得してくれればいいが…
翌日、大臣が報告にきた
「ダイス様に話をしてきました」
「どうだった?」
大臣の顔を見て結果はわかっていたが、聞かなければならない
「断られました。国に献上しないといけない理由がないと」
「危険性はしっかりと説明したのか?」
「しましたよ。そしたら、国王様に息子が信用ならないのかと言っておけと言われました」
「何度も言うが、あれは個人で管理するような代物ではない。お主もわかるだろ?」
個人が悪に染まれば、誰も制御が出来なくなる。それは危険だ
「わかります。国で厳重に保管する必要があるとも説明しました……」
「それでも拒否されたと言うことか」
「はい。ダイス様から伝言を預かっています」
「なんだ?」
「話があるなら自分で来いと……。それと、装備に関しては国王になるんだから俺が持ってても問題ないだろとの事です」
確かに表向きはダイスが次期国王だ。
しかし、実際の所は違う。
我はダイスの方が国王に向いていると思っているが、ダイスを国王に指名すれば、他の貴族からの信用が得られないだろう。
「よかろう。我自ら話をしてくることにする。今日の予定は全てキャンセルしといてくれ」
「かしこまりました」
ダイスと会うのはいつぶりだろうか……
我は中等部に赴く
「息子のダイスを呼んでくれ」
学院長の部屋に行き、ダイスを呼んでもらう
しばらくするとダイスが現れた
「しばらくぶりだな」
「何のようだ?」
ダイスは不快感を隠そうとしない
「わかっているだろう?」
「ちゃんと言ってくれないとわからんな」
「勇者の装備品の話に決まってるだろ!」
挑発するような態度につい声を荒げてしまった
「そうか……。渡すつもりはない。話は終わりだ」
ダイスは少し悲しそうな顔をした後、強く我を拒絶した。
「どうすれば渡してくれる?」
「俺の望みがわからないのか?どうして渡さないのかが、本当にわからないのか?」
何を言っている?我を脅して継承の指名を受ける為だろ?
「国王になりたいからだろ?」
「違う!お前は俺のことを何もわかっちゃいねぇ。これ以上話す事は無い。答えが出るまで顔を見せるな」
ダイスは出て行ってしまった。
「学院長、我の何が間違っていたんだ?ダイスは国王になりたかったんじゃないのか?」
「ダイス君が可哀想ですね。確かにダイス君は国王を目指していましたよ。しかしそれは国王になってやりたいことがあるからです。国王という名が欲しいわけではないんですよ」
学院長にたしなめられる
「それはどう言う意味だ?」
「私からはこれ以上はお答えできません。ご自身で気づかれた方がよろしい問題かと」
「そんな悠長な事を言っている場合ではないのだよ。お主もあの装備品の危険性はご存知でしょう?」
「持つ人によっては危険でしょう。しかしダイス君が待っている分には私は問題ないと思いますけどね」
何を根拠にそのようなことを言っているのだ?
「その根拠はなんだ?」
「私はダイス君が悪いことをする人間には見えないと言っただけですよ。国王は自分の息子を信じることが出来ませんか?」
信じるも何もあいつは我のことを憎んでいるだろうし、ずっと会っていなかった。
どうやって信じればいいのだ
「…………。」
「はぁ、残念な国王に私からアドバイスを差し上げます。何故ダイス君は国王になりたいのか、もう一度ゆっくりと考えて下さい。それでもわからないならダイス君の立場になって考えて下さい。」
こやつ、昔からの腐れ縁だからって、言いたい放題言いやがる。
ダイスが国王になって何がやりたかったのか考えるか……。
いや、考えるまでも無い。目を背けていただけだ。
「学院長、我が毒を盛られた時のことは覚えているか?」
「もちろんです」
「あの時の毒は本当に彼女が盛ったのだろうか…?」
「盛ったと結論付けたのでしょう?」
学院長に冷たい目を向けられる
「状況的にはそうなのだが……確証がないのだ。」
「私の知る限り、あの方があなたに毒を盛るとは到底考えられませんでしたよ」
「……ダイスは母親を助けたいから国王になりたかったんだな。」
「それでは赤点ですね。やっと向き合い始めたのだから最後まで覚悟を決めるべきです。ダイスくんが国王にならないならこの国はどうなりますか?」
「……衰退していくといいたいのか?」
「及第点ですね。この後の頑張りに期待します。まずやらないといけない事はわかっていますよね?城に戻ったらすぐに実行してください。勇者の装備に関しては私が注意して見ておきますのでご安心を」
「ありがとう。息子のことをこれからもよろしく頼む」
「騒々しい。何事だ?」
「国王様、失礼しました。すぐにお耳に入れていただけなければいけない事があります」
大臣のこの慌てようを見て、我は重大な何かが起きたことを察する
「世辞はいい。早く要件を言え!」
「はい、長年行方不明になっていた勇者の装備品が見つかりました。勇者本人は未だ不明です。」
「なんだと…あの、忌々しい勇者の装備がか。間違い無いのか?」
文献によると、数千年前、勇者は突如現れたらしい。
勇者は何を血迷ったのか魔王を殺害し、姿を眩ませた。
魔族達は勇者が人間だった為に、王国と帝国に戦を仕掛け、人間側に多くの被害が出た。
幸いなことに魔王を継いだ者が聡明だった為、戦は収まったが、人間と魔族の間に大きな溝が出来た。
長い時を得てやっと溝が埋まってきたというのに……
「間違いありません。王都の学校の学院長が確認しました。」
「……何故、学院長が確認する事になった?学院長が見つけたのか?」
勇者の存在は秘匿され、一部の人間にだけ語り継がれている。
学院長が知っているのは良いとして、学院長に見せたのは誰だ?
「それが、見つけたのはダイス様です。現在所有しているのもダイス様になります」
ダイスなら勇者のことを知っていても不思議ではないか…
厄介な事になったな
「装備はどこで見つけたのだ?」
「中等部が所有するダンジョンの隠し部屋からだそうです」
「装備品以外には何かなかったのか?」
「隠し部屋には宝箱が3つあっただけだそうです。その中に、剣、兜、鎧がそれぞれ入っていたと」
「そうか、勇者自体は見つかっていないのだな」
勇者は尋常ではない魔力を有しており、数多のスキルを使いこなしていたと聞く。
数千年経った今でも生きている可能性がある。
勇者について書かれた文献の最後には必ず、見つけたら速やかに処刑せよと書かれていた。
語り継がれた話でもそうだ。勇者は厄災でしかないと
「見つかっていません。そもそも生きているのですか?」
「死んでいると思うが、確証はない。死体をこの目で見るまでは安心は出来ない。いや、死体を見た所で安心は出来ない存在だ」
「正に厄災ですね」
「それで、その装備にはまだ力が残っているのか?」
「学院長が言うには、比較は出来ないが当時のままだろうと」
「なんとか装備品を回収することは出来んのか?」
「他の者が所持していたならば可能だったかと思いますが、ダイス様が所有しているとなると難しいかと。ダイス様はあの一件以降、国王様に良い感情は抱いておりません。」
「我への感情など関係なしにあれは個人が持っていて良い代物ではない」
「わかりました。ダイス様には私から話をしておきますが、期待はしないでください。」
大臣はそう言って部屋から出て行く
うまく説得してくれればいいが…
翌日、大臣が報告にきた
「ダイス様に話をしてきました」
「どうだった?」
大臣の顔を見て結果はわかっていたが、聞かなければならない
「断られました。国に献上しないといけない理由がないと」
「危険性はしっかりと説明したのか?」
「しましたよ。そしたら、国王様に息子が信用ならないのかと言っておけと言われました」
「何度も言うが、あれは個人で管理するような代物ではない。お主もわかるだろ?」
個人が悪に染まれば、誰も制御が出来なくなる。それは危険だ
「わかります。国で厳重に保管する必要があるとも説明しました……」
「それでも拒否されたと言うことか」
「はい。ダイス様から伝言を預かっています」
「なんだ?」
「話があるなら自分で来いと……。それと、装備に関しては国王になるんだから俺が持ってても問題ないだろとの事です」
確かに表向きはダイスが次期国王だ。
しかし、実際の所は違う。
我はダイスの方が国王に向いていると思っているが、ダイスを国王に指名すれば、他の貴族からの信用が得られないだろう。
「よかろう。我自ら話をしてくることにする。今日の予定は全てキャンセルしといてくれ」
「かしこまりました」
ダイスと会うのはいつぶりだろうか……
我は中等部に赴く
「息子のダイスを呼んでくれ」
学院長の部屋に行き、ダイスを呼んでもらう
しばらくするとダイスが現れた
「しばらくぶりだな」
「何のようだ?」
ダイスは不快感を隠そうとしない
「わかっているだろう?」
「ちゃんと言ってくれないとわからんな」
「勇者の装備品の話に決まってるだろ!」
挑発するような態度につい声を荒げてしまった
「そうか……。渡すつもりはない。話は終わりだ」
ダイスは少し悲しそうな顔をした後、強く我を拒絶した。
「どうすれば渡してくれる?」
「俺の望みがわからないのか?どうして渡さないのかが、本当にわからないのか?」
何を言っている?我を脅して継承の指名を受ける為だろ?
「国王になりたいからだろ?」
「違う!お前は俺のことを何もわかっちゃいねぇ。これ以上話す事は無い。答えが出るまで顔を見せるな」
ダイスは出て行ってしまった。
「学院長、我の何が間違っていたんだ?ダイスは国王になりたかったんじゃないのか?」
「ダイス君が可哀想ですね。確かにダイス君は国王を目指していましたよ。しかしそれは国王になってやりたいことがあるからです。国王という名が欲しいわけではないんですよ」
学院長にたしなめられる
「それはどう言う意味だ?」
「私からはこれ以上はお答えできません。ご自身で気づかれた方がよろしい問題かと」
「そんな悠長な事を言っている場合ではないのだよ。お主もあの装備品の危険性はご存知でしょう?」
「持つ人によっては危険でしょう。しかしダイス君が待っている分には私は問題ないと思いますけどね」
何を根拠にそのようなことを言っているのだ?
「その根拠はなんだ?」
「私はダイス君が悪いことをする人間には見えないと言っただけですよ。国王は自分の息子を信じることが出来ませんか?」
信じるも何もあいつは我のことを憎んでいるだろうし、ずっと会っていなかった。
どうやって信じればいいのだ
「…………。」
「はぁ、残念な国王に私からアドバイスを差し上げます。何故ダイス君は国王になりたいのか、もう一度ゆっくりと考えて下さい。それでもわからないならダイス君の立場になって考えて下さい。」
こやつ、昔からの腐れ縁だからって、言いたい放題言いやがる。
ダイスが国王になって何がやりたかったのか考えるか……。
いや、考えるまでも無い。目を背けていただけだ。
「学院長、我が毒を盛られた時のことは覚えているか?」
「もちろんです」
「あの時の毒は本当に彼女が盛ったのだろうか…?」
「盛ったと結論付けたのでしょう?」
学院長に冷たい目を向けられる
「状況的にはそうなのだが……確証がないのだ。」
「私の知る限り、あの方があなたに毒を盛るとは到底考えられませんでしたよ」
「……ダイスは母親を助けたいから国王になりたかったんだな。」
「それでは赤点ですね。やっと向き合い始めたのだから最後まで覚悟を決めるべきです。ダイスくんが国王にならないならこの国はどうなりますか?」
「……衰退していくといいたいのか?」
「及第点ですね。この後の頑張りに期待します。まずやらないといけない事はわかっていますよね?城に戻ったらすぐに実行してください。勇者の装備に関しては私が注意して見ておきますのでご安心を」
「ありがとう。息子のことをこれからもよろしく頼む」
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