32 / 201
side ダイス
しおりを挟む
俺は王国の第一王子だ。
生まれた時からスキルを獲得していたようで、皆から時期国王として期待されていた。
あの事件が起きるまでは……
俺には妹と腹違いの弟がいる。
王族の血を残すために、国王が正妻とは別の女性に子供を産ませるのは珍しくない。
俺に不慮の事故が起きた場合、代わりに国王になる人物が必要だからだ。
俺も国王になれば同じことをすることになるのだろう。
しかし、産ませた女性に問題がだった。
あろうことか、自分が産んだ子どもを国王にしたいがために、父上に毒を盛ったのだ。
母上がやったように偽装したうえで…
あの日は俺の5歳の誕生日で、料理が趣味だった母上は自らが料理を準備した。
父上は食事の際に、母上が用意したワインを飲んで倒れた。
すぐに治療されたことと強い毒ではなかったことから回復はした。
しかし、母上は否定したが、聞いてもらえず犯人にされてしまった。
不幸中の幸いか、証拠も不十分だったので処刑は免れたが、母上は軟禁されてしまった。
すぐに緘口令が敷かれたが、貴族の耳にはしっかりと入ってしまった。
俺と妹も城には居づらくなり、母上の実家で暮らすことになった。
俺達兄妹が出て行く時のあの女の顔を見て俺は確信した。どうやったかはわからないが、毒を持って母上を陥れたのはこいつだと。
表向きは俺が第一継承権を持っているが、このままでは弟が国王になるだろう。
それから俺は今まで以上に努力した。国王に俺がなるために。
別に国王になりたいわけではない。
あいつらにはこの国を任せられないだけだ。
それに俺がこくになれば母上を助け出すことも出来るだろう。
そのためには力がいる。
誰にも有無を言わせない力が。
俺は学校で常に上位の成績を収め続けた。
でもまだ足りない。もっと力が、もっと功績が必要だ。
初等部6年の時に化け物のように強い女の子が学校に編入して来た。
その強さに正直嫉妬した。
俺にあの力があればなんでも出来るのに…
しかし、嫉妬したところで何も好転しないので、俺は彼女に協力を求めるべく接触しようとした。だがそれは叶わなかった。彼女が中等部に行ってしまったからだ。
会おうと思えば会うことは出来ただろう。でも目立つ訳にはいかない。
俺はグッと堪えることにする。来年になれば俺も中等部に行くのだから。
しかし、俺が中等部に入ると彼女は高等部に行ってしまった。神は俺を見放したのだと思った。
でも違った。同じクラスに彼女と同じように中等部に飛び級してきた子供がいた。エルクだ。
俺は神に感謝し、どうにかしてエルクの力を借りれないか思案する。
幸いなことにエルクは俺の事は何も知らないようだ。王子だということも知らなかったのには驚いたが…
俺は自分の為に、利用しようとエルクに近づいたが、エルクと話しているうちに自分が最低な人間だと気づいてしまった。
こんな子供を継承権のドタバタに巻き込むべきではない。
だが、母上のことを諦めたくはない。期限は刻々と迫ってきている。父上が正式に後継者を発表するまで遅くてもあと5年だ。5年で弟が15歳になる。
本来であれば3年後、俺が15歳になった時に、俺が後継者として発表されるはずだったのに……。
発表されなければおかしく思われるから、早ければ3年後に発表されるかもしれない。
俺は迷っていた。巻き込むべきではないけど、やらなければいけないと。
少なくても、何か功績を立てるのに協力してくれないかと。
俺が悩んでいる間にエルクはローザ達と冒険者パーティを組んでしまった。
功績を立てるならエルクと依頼を受けるのが一番手っ取り早かった。
エルクを巻き込まなくて、これで良かったのかも知れない。しかし本当にこれで良かったのか?
他人よりも母上の方が大事だ。
それに妹もだ。俺が皆から腫れ物を扱うように扱われているのと変わらず、妹も同じ扱いを受けているだろう
そして今日、クラスでチーム分けが始まった。
誰も俺には近寄ってこない。
当然だ。平民は王子である俺に声は掛けづらいし、貴族の子どもは俺の母上の事を知っているだろう。
エルクを使って功績を上げるなら、これが最後のチャンスかも知れない。
クラスの皆も既にエルクの異常な強さには気づいている。早く引き込まなければ……
そう思ったが、俺はギリギリの所で踏みとどまった。
自分の為に、誰かを犠牲にしようとするなんてあの女と変わらない。
俺が自分と葛藤している間にラクネがエルクに話しかけていた。少し前から2人は仲が良さそうだ。
エルクはラクネとチームを組むようだ。
さて、俺はどうしようか。このままだと最後まであぶれて、人が足りないチームに無理矢理入ることになるな。
「はぁ」
俺はため息を吐きながらボーと周りを眺めていた。
すると、何故かエルクの方から声を掛けてきた。
少し前に俺が王子だと気づいてるような空気を出していたから、多分ローザ辺りから聞いたんだろう。多分、母上の事も。
俺を哀れんで声を掛けたなら結構だ。
俺は断ろうと思った。
でもエルクは母上の事は本当に知らないようだ。
隠してる事には前から気づいていたようだから、意を決して聞いたら王子なのを隠してると思ってたみたいだ。
しかも隠したい事があるなら話す必要はないと。
こいつ本当に6歳かよ。俺よりも人間が出来てやがる。
なんとラクネも俺とチームを組んでもいいらしい。
平民は皆、貴族と関わるのを嫌がるのに…しかも俺は王子だぞ。母上の事は知らないだろうが普通は嫌がるだろう。リスクしかないだろうに。
こうして俺はエルクとラクネとチームを組んだ。
俺の人生はここから大きく動き出した。
良くも悪くも……
生まれた時からスキルを獲得していたようで、皆から時期国王として期待されていた。
あの事件が起きるまでは……
俺には妹と腹違いの弟がいる。
王族の血を残すために、国王が正妻とは別の女性に子供を産ませるのは珍しくない。
俺に不慮の事故が起きた場合、代わりに国王になる人物が必要だからだ。
俺も国王になれば同じことをすることになるのだろう。
しかし、産ませた女性に問題がだった。
あろうことか、自分が産んだ子どもを国王にしたいがために、父上に毒を盛ったのだ。
母上がやったように偽装したうえで…
あの日は俺の5歳の誕生日で、料理が趣味だった母上は自らが料理を準備した。
父上は食事の際に、母上が用意したワインを飲んで倒れた。
すぐに治療されたことと強い毒ではなかったことから回復はした。
しかし、母上は否定したが、聞いてもらえず犯人にされてしまった。
不幸中の幸いか、証拠も不十分だったので処刑は免れたが、母上は軟禁されてしまった。
すぐに緘口令が敷かれたが、貴族の耳にはしっかりと入ってしまった。
俺と妹も城には居づらくなり、母上の実家で暮らすことになった。
俺達兄妹が出て行く時のあの女の顔を見て俺は確信した。どうやったかはわからないが、毒を持って母上を陥れたのはこいつだと。
表向きは俺が第一継承権を持っているが、このままでは弟が国王になるだろう。
それから俺は今まで以上に努力した。国王に俺がなるために。
別に国王になりたいわけではない。
あいつらにはこの国を任せられないだけだ。
それに俺がこくになれば母上を助け出すことも出来るだろう。
そのためには力がいる。
誰にも有無を言わせない力が。
俺は学校で常に上位の成績を収め続けた。
でもまだ足りない。もっと力が、もっと功績が必要だ。
初等部6年の時に化け物のように強い女の子が学校に編入して来た。
その強さに正直嫉妬した。
俺にあの力があればなんでも出来るのに…
しかし、嫉妬したところで何も好転しないので、俺は彼女に協力を求めるべく接触しようとした。だがそれは叶わなかった。彼女が中等部に行ってしまったからだ。
会おうと思えば会うことは出来ただろう。でも目立つ訳にはいかない。
俺はグッと堪えることにする。来年になれば俺も中等部に行くのだから。
しかし、俺が中等部に入ると彼女は高等部に行ってしまった。神は俺を見放したのだと思った。
でも違った。同じクラスに彼女と同じように中等部に飛び級してきた子供がいた。エルクだ。
俺は神に感謝し、どうにかしてエルクの力を借りれないか思案する。
幸いなことにエルクは俺の事は何も知らないようだ。王子だということも知らなかったのには驚いたが…
俺は自分の為に、利用しようとエルクに近づいたが、エルクと話しているうちに自分が最低な人間だと気づいてしまった。
こんな子供を継承権のドタバタに巻き込むべきではない。
だが、母上のことを諦めたくはない。期限は刻々と迫ってきている。父上が正式に後継者を発表するまで遅くてもあと5年だ。5年で弟が15歳になる。
本来であれば3年後、俺が15歳になった時に、俺が後継者として発表されるはずだったのに……。
発表されなければおかしく思われるから、早ければ3年後に発表されるかもしれない。
俺は迷っていた。巻き込むべきではないけど、やらなければいけないと。
少なくても、何か功績を立てるのに協力してくれないかと。
俺が悩んでいる間にエルクはローザ達と冒険者パーティを組んでしまった。
功績を立てるならエルクと依頼を受けるのが一番手っ取り早かった。
エルクを巻き込まなくて、これで良かったのかも知れない。しかし本当にこれで良かったのか?
他人よりも母上の方が大事だ。
それに妹もだ。俺が皆から腫れ物を扱うように扱われているのと変わらず、妹も同じ扱いを受けているだろう
そして今日、クラスでチーム分けが始まった。
誰も俺には近寄ってこない。
当然だ。平民は王子である俺に声は掛けづらいし、貴族の子どもは俺の母上の事を知っているだろう。
エルクを使って功績を上げるなら、これが最後のチャンスかも知れない。
クラスの皆も既にエルクの異常な強さには気づいている。早く引き込まなければ……
そう思ったが、俺はギリギリの所で踏みとどまった。
自分の為に、誰かを犠牲にしようとするなんてあの女と変わらない。
俺が自分と葛藤している間にラクネがエルクに話しかけていた。少し前から2人は仲が良さそうだ。
エルクはラクネとチームを組むようだ。
さて、俺はどうしようか。このままだと最後まであぶれて、人が足りないチームに無理矢理入ることになるな。
「はぁ」
俺はため息を吐きながらボーと周りを眺めていた。
すると、何故かエルクの方から声を掛けてきた。
少し前に俺が王子だと気づいてるような空気を出していたから、多分ローザ辺りから聞いたんだろう。多分、母上の事も。
俺を哀れんで声を掛けたなら結構だ。
俺は断ろうと思った。
でもエルクは母上の事は本当に知らないようだ。
隠してる事には前から気づいていたようだから、意を決して聞いたら王子なのを隠してると思ってたみたいだ。
しかも隠したい事があるなら話す必要はないと。
こいつ本当に6歳かよ。俺よりも人間が出来てやがる。
なんとラクネも俺とチームを組んでもいいらしい。
平民は皆、貴族と関わるのを嫌がるのに…しかも俺は王子だぞ。母上の事は知らないだろうが普通は嫌がるだろう。リスクしかないだろうに。
こうして俺はエルクとラクネとチームを組んだ。
俺の人生はここから大きく動き出した。
良くも悪くも……
15
お気に入りに追加
567
あなたにおすすめの小説
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
加護とスキルでチートな異世界生活
どど
ファンタジー
高校1年生の新崎 玲緒(にいざき れお)が学校からの帰宅中にトラックに跳ねられる!?
目を覚ますと真っ白い世界にいた!
そこにやってきた神様に転生か消滅するかの2択に迫られ転生する!
そんな玲緒のチートな異世界生活が始まる
初めての作品なので誤字脱字、ストーリーぐだぐだが多々あると思いますが気に入って頂けると幸いです
ノベルバ様にも公開しております。
※キャラの名前や街の名前は基本的に私が思いついたやつなので特に意味はありません
異世界召喚失敗から始まるぶらり旅〜自由気ままにしてたら大変なことになった〜
ei_sainome
ファンタジー
クラスメイト全員が異世界に召喚されてしまった!
謁見の間に通され、王様たちから我が国を救って欲しい云々言われるお約束が…始まらない。
教室内が光ったと思えば、気づけば地下に閉じ込められていて、そこには誰もいなかった。
勝手に召喚されたあげく、誰も事情を知らない。未知の世界で、自分たちの力だけでどうやって生きていけというのか。
元の世界に帰るための方法を探し求めて各地を放浪する旅に出るが、似たように見えて全く異なる生態や人の価値観と文化の差に苦悩する。
力を持っていても順応できるかは話が別だった。
クラスメイトたちにはそれぞれ抱える内面や事情もあり…新たな世界で心身共に表面化していく。
※ご注意※
初投稿、試作、マイペース進行となります。
作品名は今後改題する可能性があります。
世界観だけプロットがあり、話の方向性はその場で決まります。
旅に出るまで(序章)がすごく長いです。
他サイトでも同作を投稿しています。
更新頻度は1〜3日程度を目標にしています。
ゴミスキルでもたくさん集めればチートになるのかもしれない
兎屋亀吉
ファンタジー
底辺冒険者クロードは転生者である。しかしチートはなにひとつ持たない。だが救いがないわけじゃなかった。その世界にはスキルと呼ばれる力を後天的に手に入れる手段があったのだ。迷宮の宝箱から出るスキルオーブ。それがあればスキル無双できると知ったクロードはチートスキルを手に入れるために、今日も薬草を摘むのであった。
チュートリアル場所でLv9999になっちゃいました。
ss
ファンタジー
これは、ひょんなことから異世界へと飛ばされた青年の物語である。
高校三年生の竹林 健(たけばやし たける)を含めた地球人100名がなんらかの力により異世界で過ごすことを要求される。
そんな中、安全地帯と呼ばれている最初のリスポーン地点の「チュートリアル場所」で主人公 健はあるスキルによりレベルがMAXまで到達した。
そして、チュートリアル場所で出会った一人の青年 相斗と一緒に異世界へと身を乗り出す。
弱体した異世界を救うために二人は立ち上がる。
※基本的には毎日7時投稿です。作者は気まぐれなのであくまで目安くらいに思ってください。設定はかなりガバガバしようですので、暖かい目で見てくれたら嬉しいです。
※コメントはあんまり見れないかもしれません。ランキングが上がっていたら、報告していただいたら嬉しいです。
Hotランキング 1位
ファンタジーランキング 1位
人気ランキング 2位
100000Pt達成!!
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる