3 / 40
【Case.1】狙われた竜の卵
3 ある日の依頼
しおりを挟む
アンヘル・ザイフリート軍団長は、ギルさんが「親父っさん」と呼ぶことからも分かるように、僕の父さん、母さんの年代に近い人だ。
そして、火竜騎獣軍の軍団長。つまりはギルさんの上司にあたる人でもある。
特徴と言うか、パッと見、僕が今からどう鍛えても、ああはならないだろうな、と言うくらいに体格が良い。
なるべくして、騎獣軍の軍人になったと、十人中十人が考える人だ。
リュート叔父さんも「竜を堕とす者」なんて言われているけど、剣と魔力のなせる業だと本人が言うように、叔父さんの見た目は間違いなく今の「資料室の司書」の方がしっくりきている。
本気か冗談か、軍団長さんは叔父さんと対局の位置に立つみたいな二つ名「竜も避けて通る男」なんて言われたりしているらしい。
ギルさんがあっけらかんと「堕としたり、避けて通ったり、竜にとっちゃ、二人とも疫病神だろうよ」なんて笑うから、僕は今更叔父さんも軍団長さんも、怖いと思うことがないんだけど。
そんな話を笑ってするギルさんも、実は結構度量の大きな人だろうと思うだけだ。
リュート叔父さんはいつも「無駄にギルフォードを褒めるな。調子に乗って、あとが面倒くさい」なんて言っているから、僕は叔父さんを優先して、心の中でそれは思っているだけだけど。
いずれにせよ、ザイフリートさんは軍人たちどころか、冒険者たちの間でだって、顔も名前も知られた人なのだ。
頼みがあると言われれば、叔父さんだって断りにくいに違いなかった。
僕は資料室の扉に「来客中。閲覧希望者は呼び鈴を」と書かれた札をかけて、資料室の奥にある叔父さんの仕事部屋に、ギルさんを案内した。
「珈琲、入れてきますね」
「酒でもいいぞ」
「いいわけあるか、この不良軍人。ハルト、水でいい」
僕の「珈琲」に対して、間髪入れずにこの返答。
うん、やっぱり仲が良い。
僕もこんな風に気楽に話せる友達を、いつか作りたいな。
そう思いながら、僕が部屋の隅で珈琲の用意を始めていると、ギルさんも、別に僕がこの部屋にいて聞いている分には問題ないと思ってくれているのか「早速で悪いんだが」と、応接ソファに腰を下ろすなり、話し始めていた。
「今回はどうやら、ザイフリート家のお家事情が絡んでいるみたいでな」
「軍団長の個人依頼なのか」
「はいでもあり、いいえでもある。親父っさんの実家が辺境伯家だってコトは、おまえも知っているだろう」
確認をしているかの様に、リュート叔父さんをギルさんはジッと見ていた。
叔父さんは口元に手をやりながら、一瞬だけ天井に視線を投げていた。
「……おい、リュート」
「……俺が貴族事情に疎いのは、おまえだって分かっているだろう」
「まあ……それは、そうだが」
叔父さんの出身がこの国じゃなくて、ましてや誰も知らない「異世界」と呼ばれる場所である事を知っているのは、僕と僕の亡くなった両親、あとはこの目の前のギルさんだけだ。
僕の両親に行き倒れ状態で拾われるまで色々大変だったらしく、本来であれば異世界からの訪問者は研究対象として王都王宮での滞在を余儀なくされるところ、絶対にイヤだと言い張って、結果として僕の両親も口を噤んだんだそうだ。
ギルさんにバレたのは、一緒に魔獣狩りの現場に出くわしたときに「ちょっとしたトラブル」があった結果だとかで、そこで何があったのかは、両親が叔父さんを「拾った」理由と同様に、僕は知らない。
僕にとってリュート叔父さんは、尊敬出来る冒険者。
〝竜を堕とす者〟
それで良いと思ってる。
そんなだから叔父さんは、王家や貴族の名前や力関係なんかには、まるで詳しくない。
何なら学校で最低限は習った、僕以下じゃないかと思うくらいだ。
僕とギルさんの何とも言えない視線を受けた叔父さんは、ちょっとバツが悪そうに、咳払いをしていた。
「と、とは言え、辺境伯家の何たるかは、今、思い出したぞ」
「思い出さなきゃ分からねぇのかよ」
呆れたと言わんばかりに、ギルさんが眉を顰めている。
「辺境伯は、貴族の称号の一種。よく『田舎の貧乏貴族』と勘違いされているが、実際には軍事上重要な辺境地域に置かれた長官職、侯爵とほぼ同等の扱いを受けている。親父さんは、東部にあるザイフリート辺境伯家の三男。三男じゃ家は継げねぇから、領館を出て火竜騎獣軍に入った。思い出したか?」
「火竜に限らず、国を守護するあらゆる騎獣軍の軍団長は、高位貴族家の中から選ばれる……だったよな。いざと言う時に理不尽な命令を振りかざされたり、命令を聞かない連中が出て来ないようにと」
「まあ、たまに家柄だけで選ばれて、実力も人望もないヤツもいたりするけど、親父さんは別格。王宮の王子たちさえ頭が上がらんと、もっぱらの噂だ」
そうだった、とリュート叔父さんが頷いているところからして、多分この段階でようやく、思い出したっぽかった。
僕ですらそう思うくらいだから、きっとギルさんは最初から気付いていただろうな。
「そ、それで、軍団長が何に困っているんだ。話が思い切り逸れていたぞ」
本題に戻せと言わんばかりの叔父さんに、ギルさんは一瞬目を細めていたけど、それ以上の愚痴も解説も、今は言うまいと思ったみたいだった。
「まあ、俺も話が逸れたのは本意じゃない。おまえが、あまりに覚えていないものだからビックリしただけだ。――で、本題なんだが」
「あ、ああ」
形勢不利とばかりに表情を痙攣らせているリュート叔父さんに、ギルさんはテーブル越しにグイっと顔を近付けていた。
「今、火竜に限らず各騎獣軍の間で、卵や幼体の不正取引が噂されているんだ。しかも、容疑者の一角にザイフリート辺境伯家が上がっている」
「⁉」
「公の機関とは別に、公平な目で探っては貰えないかと言うのが、親父さんの要望だ」
頼まれてくれねぇか?
そんなギルさんの真摯な声に、リュート叔父さんは一瞬、言葉を失っていた。
そして、火竜騎獣軍の軍団長。つまりはギルさんの上司にあたる人でもある。
特徴と言うか、パッと見、僕が今からどう鍛えても、ああはならないだろうな、と言うくらいに体格が良い。
なるべくして、騎獣軍の軍人になったと、十人中十人が考える人だ。
リュート叔父さんも「竜を堕とす者」なんて言われているけど、剣と魔力のなせる業だと本人が言うように、叔父さんの見た目は間違いなく今の「資料室の司書」の方がしっくりきている。
本気か冗談か、軍団長さんは叔父さんと対局の位置に立つみたいな二つ名「竜も避けて通る男」なんて言われたりしているらしい。
ギルさんがあっけらかんと「堕としたり、避けて通ったり、竜にとっちゃ、二人とも疫病神だろうよ」なんて笑うから、僕は今更叔父さんも軍団長さんも、怖いと思うことがないんだけど。
そんな話を笑ってするギルさんも、実は結構度量の大きな人だろうと思うだけだ。
リュート叔父さんはいつも「無駄にギルフォードを褒めるな。調子に乗って、あとが面倒くさい」なんて言っているから、僕は叔父さんを優先して、心の中でそれは思っているだけだけど。
いずれにせよ、ザイフリートさんは軍人たちどころか、冒険者たちの間でだって、顔も名前も知られた人なのだ。
頼みがあると言われれば、叔父さんだって断りにくいに違いなかった。
僕は資料室の扉に「来客中。閲覧希望者は呼び鈴を」と書かれた札をかけて、資料室の奥にある叔父さんの仕事部屋に、ギルさんを案内した。
「珈琲、入れてきますね」
「酒でもいいぞ」
「いいわけあるか、この不良軍人。ハルト、水でいい」
僕の「珈琲」に対して、間髪入れずにこの返答。
うん、やっぱり仲が良い。
僕もこんな風に気楽に話せる友達を、いつか作りたいな。
そう思いながら、僕が部屋の隅で珈琲の用意を始めていると、ギルさんも、別に僕がこの部屋にいて聞いている分には問題ないと思ってくれているのか「早速で悪いんだが」と、応接ソファに腰を下ろすなり、話し始めていた。
「今回はどうやら、ザイフリート家のお家事情が絡んでいるみたいでな」
「軍団長の個人依頼なのか」
「はいでもあり、いいえでもある。親父っさんの実家が辺境伯家だってコトは、おまえも知っているだろう」
確認をしているかの様に、リュート叔父さんをギルさんはジッと見ていた。
叔父さんは口元に手をやりながら、一瞬だけ天井に視線を投げていた。
「……おい、リュート」
「……俺が貴族事情に疎いのは、おまえだって分かっているだろう」
「まあ……それは、そうだが」
叔父さんの出身がこの国じゃなくて、ましてや誰も知らない「異世界」と呼ばれる場所である事を知っているのは、僕と僕の亡くなった両親、あとはこの目の前のギルさんだけだ。
僕の両親に行き倒れ状態で拾われるまで色々大変だったらしく、本来であれば異世界からの訪問者は研究対象として王都王宮での滞在を余儀なくされるところ、絶対にイヤだと言い張って、結果として僕の両親も口を噤んだんだそうだ。
ギルさんにバレたのは、一緒に魔獣狩りの現場に出くわしたときに「ちょっとしたトラブル」があった結果だとかで、そこで何があったのかは、両親が叔父さんを「拾った」理由と同様に、僕は知らない。
僕にとってリュート叔父さんは、尊敬出来る冒険者。
〝竜を堕とす者〟
それで良いと思ってる。
そんなだから叔父さんは、王家や貴族の名前や力関係なんかには、まるで詳しくない。
何なら学校で最低限は習った、僕以下じゃないかと思うくらいだ。
僕とギルさんの何とも言えない視線を受けた叔父さんは、ちょっとバツが悪そうに、咳払いをしていた。
「と、とは言え、辺境伯家の何たるかは、今、思い出したぞ」
「思い出さなきゃ分からねぇのかよ」
呆れたと言わんばかりに、ギルさんが眉を顰めている。
「辺境伯は、貴族の称号の一種。よく『田舎の貧乏貴族』と勘違いされているが、実際には軍事上重要な辺境地域に置かれた長官職、侯爵とほぼ同等の扱いを受けている。親父さんは、東部にあるザイフリート辺境伯家の三男。三男じゃ家は継げねぇから、領館を出て火竜騎獣軍に入った。思い出したか?」
「火竜に限らず、国を守護するあらゆる騎獣軍の軍団長は、高位貴族家の中から選ばれる……だったよな。いざと言う時に理不尽な命令を振りかざされたり、命令を聞かない連中が出て来ないようにと」
「まあ、たまに家柄だけで選ばれて、実力も人望もないヤツもいたりするけど、親父さんは別格。王宮の王子たちさえ頭が上がらんと、もっぱらの噂だ」
そうだった、とリュート叔父さんが頷いているところからして、多分この段階でようやく、思い出したっぽかった。
僕ですらそう思うくらいだから、きっとギルさんは最初から気付いていただろうな。
「そ、それで、軍団長が何に困っているんだ。話が思い切り逸れていたぞ」
本題に戻せと言わんばかりの叔父さんに、ギルさんは一瞬目を細めていたけど、それ以上の愚痴も解説も、今は言うまいと思ったみたいだった。
「まあ、俺も話が逸れたのは本意じゃない。おまえが、あまりに覚えていないものだからビックリしただけだ。――で、本題なんだが」
「あ、ああ」
形勢不利とばかりに表情を痙攣らせているリュート叔父さんに、ギルさんはテーブル越しにグイっと顔を近付けていた。
「今、火竜に限らず各騎獣軍の間で、卵や幼体の不正取引が噂されているんだ。しかも、容疑者の一角にザイフリート辺境伯家が上がっている」
「⁉」
「公の機関とは別に、公平な目で探っては貰えないかと言うのが、親父さんの要望だ」
頼まれてくれねぇか?
そんなギルさんの真摯な声に、リュート叔父さんは一瞬、言葉を失っていた。
0
お気に入りに追加
350
あなたにおすすめの小説

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

「魔王のいない世界には勇者は必要ない」と王家に追い出されたので自由に旅をしながら可愛い嫁を探すことにしました
夢幻の翼
ファンタジー
「魔王軍も壊滅したし、もう勇者いらないよね」
命をかけて戦った俺(勇者)に対して魔王討伐の報酬を出し渋る横暴な扱いをする国王。
本当ならばその場で暴れてやりたかったが今後の事を考えて必死に自制心を保ちながら会見を終えた。
元勇者として通常では信じられないほどの能力を習得していた僕は腐った国王を持つ国に見切りをつけて他国へ亡命することを決意する。
その際に思いついた嫌がらせを国王にした俺はスッキリした気持ちで隣町まで駆け抜けた。
しかし、気持ちの整理はついたが懐の寒かった俺は冒険者として生計をたてるために冒険者ギルドを訪れたがもともと勇者として経験値を爆あげしていた僕は無事にランクを認められ、それを期に国外へと向かう訳あり商人の護衛として旅にでることになった。
といった序盤ストーリーとなっております。
追放あり、プチだけどざまぁあり、バトルにほのぼの、感動と恋愛までを詰め込んだ物語となる予定です。
5月30日までは毎日2回更新を予定しています。
それ以降はストック尽きるまで毎日1回更新となります。
ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果
安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。
そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。
煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。
学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。
ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。
ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は……
基本的には、ほのぼのです。
設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる