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第三部 宰相閣下の婚約者
755 その鳥、アートになる
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「――お嬢様方、宜しければ、どうぞこちらを」
私とシャルリーヌが、リファちゃんを真ん中に盛り上がっていたところに、コティペルト支配人からの声がかかった。
「⁉」
通常のカップよりも小ぶりなデミタスカップが、私とシャルリーヌの前にそれぞれ置かれ、そこで二人して思わず息を吞んでしまった。
「リファちゃん!」
「いやいや、レイナ! そこじゃなく、ラテアートの技術に驚こうよ!」
そう。
シャルリーヌの言う通り、目の前に出されたのは、デミカップの上に絶妙に広がっているミルクの泡に描かれたシマエナガ――つまりは、リファちゃんのラテアートなのだ。
「お気に召していただけましたか?」
勢いよく首を縦に振る私達に、コティペルト支配人は満足げに目元を緩めた。
「絵柄自体は初めてなのですが、牛乳ベースで作る泡に絵を描くと言うのは、以前から時々行っていることではあるのですよ」
特に予約客が子供連れだったり、予め動物を飼っていることが分かっている場合などに、こう言ったラテアートを提供することがあるらしい。
「我が国は紅茶文化ですが、厨房にはバリエンダール出身の者もいましてね。直火式抽出器具も仕入れてあって、時折こうやって珈琲もお出ししています」
そう言えばバリエンダールは、北方遊牧民を含めて紅茶よりも珈琲の消費量の方が多いと聞いた気がする。
だからこそ、ミルテ王女の肝いりで新しい紅茶がブレンドされようとしているのだ。
「この絵柄は本日の記念に、きちんと特許を取って、お二方だけの絵柄とさせて頂きますので、ぜひ今度は〝アンブローシュ〟の店舗の方にもいらして下さい」
「!」
私かシャルリーヌ、あるいは二人で行く時にしか、このラテアートは提供しない。
そして、特許を取る。
一見、店舗への誘導と見せかけつつ、先ほどまでの会話を汲んで、リファちゃん――ヘリファルテ種を大々的に宣伝に使うことはしないと、さりげなく仄めかせてきている。
さすが王都一、かつては王族専用だったレストランの現役支配人の采配と言うべきだろう。
「ええっと……夕食ではなく、昼間のお茶会とかでもお願いは出来るのかしら?」
今更感が漂ってはいるものの、少しだけ淑女の仮面を残したシャルリーヌが問う。
確かに、と私も思った。
怖くて聞けないままだけど、どうやらレストランの貸切で、私の感覚でも有名どころの高級外車が即金で買えそうな費用がかかっているようなのだ。
王都の経済を回すと言われて、ハイそうですかと頷ける額じゃない。
首元の〝青の中の青〟やらドレス、ピアス等々……考えれば気が遠くなりそうだ。
きっと、シャルリーヌも「一見さんお断り」の〝アンブローシュ〟に自分達が行くとすれば、ティータイムですら危ういと思ったに違いない。
伯爵令嬢とは言え、シャルリーヌにも日本人で女子大生だった頃の感覚が残っているだろうから。
「――ええ、もちろんでございます、お嬢様」
そして恐らく、そんな女子二人の葛藤すら察しているであろうコティペルト支配人は、あくまで穏やかに微笑んでいた。
多分支配人の中では既にシャルリーヌも重要人物扱いになっているに違いない。
どう言う思惑があろうと、何せこの国の国王陛下から「ドレスを贈る」とまで言われている、次期聖女予定者なのだから。
「可能な限りのご要望にお応えするのが、当レストランの誇りであり矜持でございます。夜以外の時間に場所をご提供することくらい、造作もございません」
従業員ごとの貸切という前代未聞の要請に応じて王宮に来ているくらいなのだから、確かに「造作もない」んだろう。
「で……では、その時は宜しくお願い致しますわ」
ほほほ……と笑いながらも、シャルリーヌの声はしっかり上ずっている。
「お待ちしております。ではもうしばらくは、どうぞごゆるりとお寛ぎ下さいませ」
私どものレストランではございませんが、と最後はちょっと軽めの言い方をして、コティペルト支配人は部屋の隅へと下がって行った。
「ふふ……リファちゃんには残念ながら飲ませてあげられないなぁ……」
人間向けと同じ味付けのモノを食べさせるなどと、ヘリファルテ種だろうと何だろうと、多分狂気の沙汰だ。
「ぴ……」
ちょっと残念そうにリファちゃんも膨らんでいるけれど、どちらかと言えば「仕方ないなぁ……」と私に向かって言っているように見えた。
「うん、私たちのゴハンが終わったら、レヴにリファちゃんのゴハン持って来て貰おうか? 最近なかなか食べさせてあげられてないしね?」
「ぴぴっ‼」
よろしく! と、多分答えている。
トーカレヴァが嘆息しながら頭を振っているくらいだから、それほど大きく外してはいないだろう。
「……ねえ、レイナ」
「うん?」
扇を取り出して口元を覆いながら、そっとこちらに身体を傾けるシャルリーヌに、つられた私も顔を寄せた。
「私もユングベリ商会で働けないかしら?」
「……はい?」
思いがけない申し出に、私は軽く目を瞠る。
「伯爵令嬢が王都中心街の商会で働くとでも?」
「今や公爵令嬢の商会長サマが何を言って――じゃなくて、さすがに店員になって店頭に立つのは無理かな、とは思ってるわよ? ただほら、仕入れとか商品開発とか契約書の清書とか……事務的裏方的なところで何か役に立てないかな、と」
「どうして急に、また」
「いや、だって大きな声じゃ言えないけど、たまに王宮に行くだけ、ボードリエ伯爵家暮らしの非正規雇用状態の私じゃ、大手を振って〝アンブローシュ〟なんて行けないじゃない。いくらなんでも意味もなくイデオン公爵家やフォルシアン公爵家の財布にだって集れないし」
「えぇ……」
仮にも聖女代理などと言う、なかなかに替えのきかない役目を担っていて、実家暮らしのフリーターはないと思うけど、シャルリーヌにしてみれば、自分でお金を稼いでいるという意識が持てないでいるのかも知れない。
これはいつか、バリエンダールの当代聖女、宝石療法で女伯爵の地位を得た彼女と引き合わせをした方がいいんだろうな……と思いつつも、今はそうじゃないと私は慌てて頭を振った。
「要は自分の自由になるお金が欲しい、と?」
「自活のメドを立てたかったレイナなら分かってくれると思うんだけど?」
「……まぁねぇ……」
立てたかった、と過去形で語られてしまったところに何となく釈然としない思いはあるものの、否定をしきれないところもまた確かで、何となく眉間に皺を寄せてしまう。
今でも公爵家の財産に、おんぶに抱っこで生活をしたいわけじゃないし、自分で自分の居場所は作りたいと思っているのだから。
「今までの聖者、聖女って、王宮内あるいは後見貴族を付けて衣食住を保証されていたんじゃなかった? それ以外に何かをすることが許されるのかどうか、上層部に確認した方が良い気がするわ……」
聖女ブランドで木綿製品を売り出すと言うところでも、とりあえずエドヴァルドに話は通した。
なんとなく国王陛下であれば面白がって許可しそうだけど、確認は必要だろう。
あるいはいつだったか、エドヴァルドが「婚約破棄の話がある程度知られることを許容できるのであれば」との前提で、新たな聖女としてのプロパガンダを打ってはどうかと口にしていたことに、今なら納得ずくで頷くような気もする。
「レイナ?」
「ああ、ごめんごめん、ちょっと考え事。うん、色々と落ち着いたらエドヴァルド様と話してみる」
「ホントに? そうして貰えたら嬉しいかな」
そう言って微笑んだシャルリーヌは、そこで目の前のデミタスカップに手を伸ばした。
「……違う意味で飲みづらいわね、コレ」
「…………」
ラテアートとは言え、リファちゃんが崩れる。
そう思うと、私もシャルリーヌもなかなか口をつけることが出来なかったのだった。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
いつも読んでいただき、感想&エールありがとうございます……!
近況ボードにも本日upさせていただきましたが、いよいよ第2巻が4月下旬に発売されることが決まり、本日書影も公開となりました!!
ぜひそちらのURLから、甘塩コメコ先生のキラキラなイラストをご覧下さいませ!m(_ _)m
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「……ねえ、レイナ」
「うん?」
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