742 / 801
第三部 宰相閣下の婚約者
751 始めたことは最後まで
しおりを挟む
どうやらこの先のことは見せない、聞かせない、ということで私とシャルリーヌは軍神の間を出なくてはならないらしい。
「なに、必要に応じて必要な者が誓約の間を訪れるだろうよ。それまではゆるりと食事を楽しむといい」
私はともかくとして、シャルリーヌにとっては、茶会参加者と言葉を交わす要素などないだろうにと思ったものの、既に誓約の間だと移動先まで指定している陛下の内心など、誰に推し量れようはずもない。
単にこのまま〝アンブローシュ〟の料理を、ほとんど口にせず帰ることになるのはあんまりだと思っただけなのかも知れない。
きっと、深く考えるだけ無駄なんだろう。
「レイナちゃん。後でエリィと義弟レンナルトを行かせるよ。私とダリアン侯爵は確約出来ないけどね。それまではボードリエ伯爵令嬢と、食事の続きをするといいよ」
茶会の前までは、エリィ義母様とダリアン侯爵兄弟とで、イル義父様の執務室で改めて顔合わせをするはずだった。
けどイル義父様はこの茶会の惨状を考えるに、エリィ義母様と義弟を移動させる方が現実的だと判断したように見えた。
「あと、カプート子爵やフラーヴェク子爵あたりもユングベリ商会絡みでレイナちゃんと話をした方がいいんだろうけど、こればかりはまだ何とも言えない。もしかしたら私かイデオン公爵が連れて行くかも知れない――くらいでいてくれた方がいいのかもね」
数があろうとなかろうと、問答無用で全員牢屋行きになるなら、とても商売の話なんかしていられないからだ。
軍務・刑務担当のシクステン長官や司法・公安担当のヘルマン長官らとも話し合って、行動の自由の有無、その度合いを判断するんだろう。
今は迂闊な約束は出来ないと言っているイル義父様の言葉は、至極真っ当だった。
チラッとエドヴァルドを見れば、イル義父様の隣で微かに頷いている。
「それと、たとえ日頃から王宮の奥にあって不審者の入りにくい誓約の間と言えど、完全ではない。誰が訪ねたとしても、私かフォルシアン公爵が同行をしていない限りは中に招き入れるな。二人は食事以外のことには感知しないくらいでいて欲しい」
「わ、分かりました」
その深刻な声に、私は気圧されながらも頷いていたけど、どうやらイル義父様とシャルリーヌは、別に思うところがあったらしかった。
「本当は私でも認めたくはないんだろうがね」
「過保護の末に私も一緒に守って頂けるのでしたら僥倖ですわ」
「なるほど」
そう言う考え方もあるのか、と呟くイル義父様とシャルリーヌが、意外に友好的だ。
私やエドヴァルドがギーレンにいて不在だった間、それなりに顔を合わせていて、以降は世間話が出来る程度に会話も成立しているようなのだ。
「ボードリエ伯爵令嬢は、もう私の妻とも顔を合わせているのだろう? 後で誓約の間に彼女がお邪魔させて貰っても大丈夫かな?」
「ええ、喜んで。私がその場に残って、聞かない方が良い話があるのでしたら、失礼させて頂きますけれど」
「この茶会の場に私の義娘と共に招かれている時点で、そんな話はないだろうね。まあ多少ダリアン侯爵家の恥を晒すことになるのかも知れないが、軽蔑されるのは侯爵家であって私ではないしね」
わあ。
イル義父様、義兄弟と言えど容赦無い!
鉱山の管理が甘くなっていて、結果として投資詐欺の土壌づくりに一役買っていたなどと、よほど腹に据えかねていたのかも知れない。
コデルリーエ男爵家もダリアン侯爵家も〝痺れ茶〟とは関係がないようだけど、鉱山の管理の甘さは第二、第三のアルノシュト伯爵領を生む危険だってある。もしも今でもそれを分かっていないようなら、多分ちょっとやそっとの叱責では済まないんじゃないかとさえ思える。
「なので気にせず、義娘と二人、食事を楽しまれるといい」
そのくらい、言葉とは裏腹にイル義父様の目は笑ってはいなかった。
「それと申し訳ないが、この状況では私もイデオン公爵もエスコートが難しい。誓約の間へは王宮護衛騎士に先導、案内させることを許して貰えるかな」
それこそこの空気の中で、拒否権があるとは思えない。
シャルリーヌが「イエスでいいのか」と言った表情でこちらを見てくるので、私は無言で首を縦に振った。
それを受けたシャルリーヌが、にこやかな貴族淑女の微笑みで「もちろんでございますわ、フォルシアン公爵様」と答えることで、二人の会話もそこで終了した。
「すまぬな姉君、ボードリエ伯爵令嬢。何なら私の身体は空いているぞと自己申告したのだが、どこぞの狭量な宰相が王ですらダメだと宣うのでな」
それらの会話を横目で見ていた国王陛下が、軽い笑い声と共にそう口を開いたものの、これにはエドヴァルドが片眉を跳ね上げた。
「学園入学前の子供じゃないのですから、自分で始めたことの後始末くらいはなさっていただけますか。私が狭量である点は否定いたしませんが、今回はそれ以前の問題です」
「「…………」」
否定しないのか、と確実に陛下とイル義父様の顔には書いてある。
『重いわぁ……』
ここで聞こえたら困るようなことを小声でシャルリーヌが言っているのは、多分日本語なんだろうなと、なんとなく私はあたりをつけた。
それも口元を扇で覆っているから間違いないだろう。
『レイナ以外がその辺の石ころっていうあの目。拍車かかってない?』
『シャーリー……』
『まあ、重すぎて疲れたらボードリエ伯爵邸においでよ。息抜きは必要よ?』
いつぞやギーレンでもコニー夫人に似たようなことを言われた気がする。
『……そうね』
私は何の気なしに答えたし、少し離れたテーブルのエドヴァルドの耳に届いたとはとても思えないのだけれど、足元を冷たい風が吹き抜けたのはどういうことだろう……。
「まあ、そんな狭量な宰相のためにも、案内する護衛騎士は顔見知りにしておいてやろう。二人は、もう動けるのか?」
そう言って片手を上げる国王陛下に、広間の中でそれぞれの持ち場にいたらしいトーカレヴァとノーイェルがこちらに向かってくるのが見えた。
私とシャルリーヌは頷いて立ち上がることにしたけど、同じ様に動いてこちらに来たファルコだけは、私が片手を上げて止めた。
「……残っていいよ。アナタは最後まで見届けるべきだと、私は思うよ」
「!」
お嬢さん、と言いかけたファルコが慌てて自分の手を口元にあてている。
「レヴとノーイェルさんとで大丈夫でしょ。どうせ他にも〝鷹の眼〟は内部にいるだろうし」
念のため制止役にフィトくらいはこの場に残しておいた方がいいだろうけど、多分それ以外にも〝鷹の眼〟が公認で王宮護衛騎士の服を着て紛れているはずだ。
「何もかもが今日で終わりというわけじゃないし、枯れた土壌の改良や、もしまだ見つかっていないだけで同じ症状の人がいると仮定しての薬の開発とか、考えることは色々とあるけど……それはユングベリ商会として、放り出すようなことはしないから。とりあえずは、自分の中での区切りをつけておいでよ」
アルノシュト伯爵をどうにかしたところで、お姉さんが戻って来るわけではないのだけれど。
もう一発殴って気が済むのならエドヴァルドも止めないだろうし、姉の代わりにせめてカトル・アルノシュトを何とかしたいと言うのであれば、王宮の医局やギーレンの王立植物園に協力を仰いだっていい。
「契約はまだ終わりじゃないよ、ファルコ」
「……っ」
どうしたい。どうすべき。
決めるのは当事者の権利であって、私も、エドヴァルドも、何も強いることは出来ないし、強いてはいけないのだ。
「……いいのか」
「もちろん。だって宰相閣下も言ってたでしょ。子供じゃないんだから、自分で始めたことの後始末は自分でしなさい、って。あれは私にだって言えることだからね」
アルノシュト伯爵はもちろん裁かれるべき人ではあるけれど。
だからと言ってそれで全てが終わるわけじゃないのだ。
「…………分かった」
そう長くはない沈黙の後で、何かを噛みしめるかのように目を閉じたファルコは「そうさせて貰う」とだけ呟いて、最後、頭を下げた。
「うん。じゃあ行こうかレヴ、ノーイェルさん」
私は敢えて明るくそう言って、ファルコの感傷には気が付かないフリを通すことにした。
「なに、必要に応じて必要な者が誓約の間を訪れるだろうよ。それまではゆるりと食事を楽しむといい」
私はともかくとして、シャルリーヌにとっては、茶会参加者と言葉を交わす要素などないだろうにと思ったものの、既に誓約の間だと移動先まで指定している陛下の内心など、誰に推し量れようはずもない。
単にこのまま〝アンブローシュ〟の料理を、ほとんど口にせず帰ることになるのはあんまりだと思っただけなのかも知れない。
きっと、深く考えるだけ無駄なんだろう。
「レイナちゃん。後でエリィと義弟レンナルトを行かせるよ。私とダリアン侯爵は確約出来ないけどね。それまではボードリエ伯爵令嬢と、食事の続きをするといいよ」
茶会の前までは、エリィ義母様とダリアン侯爵兄弟とで、イル義父様の執務室で改めて顔合わせをするはずだった。
けどイル義父様はこの茶会の惨状を考えるに、エリィ義母様と義弟を移動させる方が現実的だと判断したように見えた。
「あと、カプート子爵やフラーヴェク子爵あたりもユングベリ商会絡みでレイナちゃんと話をした方がいいんだろうけど、こればかりはまだ何とも言えない。もしかしたら私かイデオン公爵が連れて行くかも知れない――くらいでいてくれた方がいいのかもね」
数があろうとなかろうと、問答無用で全員牢屋行きになるなら、とても商売の話なんかしていられないからだ。
軍務・刑務担当のシクステン長官や司法・公安担当のヘルマン長官らとも話し合って、行動の自由の有無、その度合いを判断するんだろう。
今は迂闊な約束は出来ないと言っているイル義父様の言葉は、至極真っ当だった。
チラッとエドヴァルドを見れば、イル義父様の隣で微かに頷いている。
「それと、たとえ日頃から王宮の奥にあって不審者の入りにくい誓約の間と言えど、完全ではない。誰が訪ねたとしても、私かフォルシアン公爵が同行をしていない限りは中に招き入れるな。二人は食事以外のことには感知しないくらいでいて欲しい」
「わ、分かりました」
その深刻な声に、私は気圧されながらも頷いていたけど、どうやらイル義父様とシャルリーヌは、別に思うところがあったらしかった。
「本当は私でも認めたくはないんだろうがね」
「過保護の末に私も一緒に守って頂けるのでしたら僥倖ですわ」
「なるほど」
そう言う考え方もあるのか、と呟くイル義父様とシャルリーヌが、意外に友好的だ。
私やエドヴァルドがギーレンにいて不在だった間、それなりに顔を合わせていて、以降は世間話が出来る程度に会話も成立しているようなのだ。
「ボードリエ伯爵令嬢は、もう私の妻とも顔を合わせているのだろう? 後で誓約の間に彼女がお邪魔させて貰っても大丈夫かな?」
「ええ、喜んで。私がその場に残って、聞かない方が良い話があるのでしたら、失礼させて頂きますけれど」
「この茶会の場に私の義娘と共に招かれている時点で、そんな話はないだろうね。まあ多少ダリアン侯爵家の恥を晒すことになるのかも知れないが、軽蔑されるのは侯爵家であって私ではないしね」
わあ。
イル義父様、義兄弟と言えど容赦無い!
鉱山の管理が甘くなっていて、結果として投資詐欺の土壌づくりに一役買っていたなどと、よほど腹に据えかねていたのかも知れない。
コデルリーエ男爵家もダリアン侯爵家も〝痺れ茶〟とは関係がないようだけど、鉱山の管理の甘さは第二、第三のアルノシュト伯爵領を生む危険だってある。もしも今でもそれを分かっていないようなら、多分ちょっとやそっとの叱責では済まないんじゃないかとさえ思える。
「なので気にせず、義娘と二人、食事を楽しまれるといい」
そのくらい、言葉とは裏腹にイル義父様の目は笑ってはいなかった。
「それと申し訳ないが、この状況では私もイデオン公爵もエスコートが難しい。誓約の間へは王宮護衛騎士に先導、案内させることを許して貰えるかな」
それこそこの空気の中で、拒否権があるとは思えない。
シャルリーヌが「イエスでいいのか」と言った表情でこちらを見てくるので、私は無言で首を縦に振った。
それを受けたシャルリーヌが、にこやかな貴族淑女の微笑みで「もちろんでございますわ、フォルシアン公爵様」と答えることで、二人の会話もそこで終了した。
「すまぬな姉君、ボードリエ伯爵令嬢。何なら私の身体は空いているぞと自己申告したのだが、どこぞの狭量な宰相が王ですらダメだと宣うのでな」
それらの会話を横目で見ていた国王陛下が、軽い笑い声と共にそう口を開いたものの、これにはエドヴァルドが片眉を跳ね上げた。
「学園入学前の子供じゃないのですから、自分で始めたことの後始末くらいはなさっていただけますか。私が狭量である点は否定いたしませんが、今回はそれ以前の問題です」
「「…………」」
否定しないのか、と確実に陛下とイル義父様の顔には書いてある。
『重いわぁ……』
ここで聞こえたら困るようなことを小声でシャルリーヌが言っているのは、多分日本語なんだろうなと、なんとなく私はあたりをつけた。
それも口元を扇で覆っているから間違いないだろう。
『レイナ以外がその辺の石ころっていうあの目。拍車かかってない?』
『シャーリー……』
『まあ、重すぎて疲れたらボードリエ伯爵邸においでよ。息抜きは必要よ?』
いつぞやギーレンでもコニー夫人に似たようなことを言われた気がする。
『……そうね』
私は何の気なしに答えたし、少し離れたテーブルのエドヴァルドの耳に届いたとはとても思えないのだけれど、足元を冷たい風が吹き抜けたのはどういうことだろう……。
「まあ、そんな狭量な宰相のためにも、案内する護衛騎士は顔見知りにしておいてやろう。二人は、もう動けるのか?」
そう言って片手を上げる国王陛下に、広間の中でそれぞれの持ち場にいたらしいトーカレヴァとノーイェルがこちらに向かってくるのが見えた。
私とシャルリーヌは頷いて立ち上がることにしたけど、同じ様に動いてこちらに来たファルコだけは、私が片手を上げて止めた。
「……残っていいよ。アナタは最後まで見届けるべきだと、私は思うよ」
「!」
お嬢さん、と言いかけたファルコが慌てて自分の手を口元にあてている。
「レヴとノーイェルさんとで大丈夫でしょ。どうせ他にも〝鷹の眼〟は内部にいるだろうし」
念のため制止役にフィトくらいはこの場に残しておいた方がいいだろうけど、多分それ以外にも〝鷹の眼〟が公認で王宮護衛騎士の服を着て紛れているはずだ。
「何もかもが今日で終わりというわけじゃないし、枯れた土壌の改良や、もしまだ見つかっていないだけで同じ症状の人がいると仮定しての薬の開発とか、考えることは色々とあるけど……それはユングベリ商会として、放り出すようなことはしないから。とりあえずは、自分の中での区切りをつけておいでよ」
アルノシュト伯爵をどうにかしたところで、お姉さんが戻って来るわけではないのだけれど。
もう一発殴って気が済むのならエドヴァルドも止めないだろうし、姉の代わりにせめてカトル・アルノシュトを何とかしたいと言うのであれば、王宮の医局やギーレンの王立植物園に協力を仰いだっていい。
「契約はまだ終わりじゃないよ、ファルコ」
「……っ」
どうしたい。どうすべき。
決めるのは当事者の権利であって、私も、エドヴァルドも、何も強いることは出来ないし、強いてはいけないのだ。
「……いいのか」
「もちろん。だって宰相閣下も言ってたでしょ。子供じゃないんだから、自分で始めたことの後始末は自分でしなさい、って。あれは私にだって言えることだからね」
アルノシュト伯爵はもちろん裁かれるべき人ではあるけれど。
だからと言ってそれで全てが終わるわけじゃないのだ。
「…………分かった」
そう長くはない沈黙の後で、何かを噛みしめるかのように目を閉じたファルコは「そうさせて貰う」とだけ呟いて、最後、頭を下げた。
「うん。じゃあ行こうかレヴ、ノーイェルさん」
私は敢えて明るくそう言って、ファルコの感傷には気が付かないフリを通すことにした。
804
お気に入りに追加
12,965
あなたにおすすめの小説
戦いに行ったはずの騎士様は、女騎士を連れて帰ってきました。
新野乃花(大舟)
恋愛
健気にカサルの帰りを待ち続けていた、彼の婚約者のルミア。しかし帰還の日にカサルの隣にいたのは、同じ騎士であるミーナだった。親し気な様子をアピールしてくるミーナに加え、カサルもまた満更でもないような様子を見せ、ついにカサルはルミアに婚約破棄を告げてしまう。これで騎士としての真実の愛を手にすることができたと豪語するカサルであったものの、彼はその後すぐにあるきっかけから今夜破棄を大きく後悔することとなり…。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
この度、双子の妹が私になりすまして旦那様と初夜を済ませてしまったので、 私は妹として生きる事になりました
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
*レンタル配信されました。
レンタルだけの番外編ssもあるので、お読み頂けたら嬉しいです。
【伯爵令嬢のアンネリーゼは侯爵令息のオスカーと結婚をした。籍を入れたその夜、初夜を迎える筈だったが急激な睡魔に襲われて意識を手放してしまった。そして、朝目を覚ますと双子の妹であるアンナマリーが自分になり代わり旦那のオスカーと初夜を済ませてしまっていた。しかも両親は「見た目は同じなんだし、済ませてしまったなら仕方ないわ。アンネリーゼ、貴女は今日からアンナマリーとして過ごしなさい」と告げた。
そして妹として過ごす事になったアンネリーゼは妹の代わりに学院に通う事となり……更にそこで最悪な事態に見舞われて……?】
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
山に捨てられた令嬢! 私のスキルは結界なのに、王都がどうなっても、もう知りません!
甘い秋空
恋愛
婚約を破棄されて、山に捨てられました! 私のスキルは結界なので、私を王都の外に出せば、王都は結界が無くなりますよ? もう、どうなっても知りませんから! え? 助けに来たのは・・・
【完結】返してください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
ずっと我慢をしてきた。
私が愛されていない事は感じていた。
だけど、信じたくなかった。
いつかは私を見てくれると思っていた。
妹は私から全てを奪って行った。
なにもかも、、、、信じていたあの人まで、、、
母から信じられない事実を告げられ、遂に私は家から追い出された。
もういい。
もう諦めた。
貴方達は私の家族じゃない。
私が相応しくないとしても、大事な物を取り返したい。
だから、、、、
私に全てを、、、
返してください。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。