690 / 803
第三部 宰相閣下の婚約者
699 聞くべきか聞かざるべきか
しおりを挟む
「あの……お義兄様」
多分にエリィ義母様に煽られた結果とは言え、キヴェカス事務所に行って以降、どさくさに紛れたままずっと「お義兄様」呼びをしている。
王都商業ギルドに向かう馬車の中。
つまり二人で向かい合わせになっているこの状況で、何か反応をするだろうかと呼び掛けてみたものの、お義兄様はジロリとこちらを見ただけで特に抗議も不満も口にはしなかった。
これは、このまま話をして良いんだろうと私は判断することにした。
「ナルディーニ卿のご子息の学園見学は、恙なく終わったんですか?」
現ナルディーニ侯爵の弟の息子であるティスト君は、純粋に学園の見学を楽しみに領地から出て来ており、誰からも何も知らされずにいた状態だった。
それを抜きにしても、さすがに予定をドタキャンしてしまっては、何も知らない学園内の令息たちの間にまでいらぬ猜疑心を植え付けかねないと、アストリッド・カッレ侯爵令息をヒース・コンティオラ公爵令息の代理として、案内して貰う話になっていたのだ。
ヒース君からの依頼の手紙を持ってキヴェカス事務所に行き、アストリッド少年に実際にそれを依頼したお義兄様は、私の問いかけに「ああ……」と、思い出したかのように視線を和らげた。
「そうだな。アストリッドはそこまで詳しく今回のことを把握していない。あくまでカッレ侯爵家の直系として、必要があるまでは深く関わらないことにしているようだ。コンティオラ公爵令息が手紙で何を頼んでいたのかは知らないが、終始アストリッドがその立ち位置にいたのであれば、ナルディーニ卿の令息が何か知ろうとしたとしても難しかったはずだ」
そもそもが学園入学前の年齢で、貴族間の権謀術数をこれから学園で学んでいくのであれば、仮にコンティオラ公爵邸の空気が終始淀んでいて、母親の様子もおかしいと言うことは察せられても、それ以上身動きは取れないだろうと言うのがお義兄様の主張だった。
あくまで通常の学園見学の範囲に終始したはずだ、と。
「そうですか……」
ちなみに妹であるフリーダ嬢は、本来であれば母親と王都観光に出るはずだったそうだけど、何分母親の方がしでかしてしまっているため、一家に同行していた侍女が、コンティオラ公爵家の護衛を連れて予定をこなしてきたらしい。
そう言うことなら「カフェ・キヴェカス」に連れて行ってあげても良かったのかも知れないけれど、今更だ。
滞在が伸びるようなら選択肢の一つとして提案してみようかと思いながらも、ここはティスト君の話題のみに留めておいた。
そんな私の内心を察しているのかどうかはともかくとして、お義兄様は「今はまだ、それで良いだろう」と言葉を続けた。
「もしもこの先後継者に据えられでもすれば、また違った教育の必要も出て来るだろうが――いや、可能性が出て来ているのかも知れないが、それならば尚更この先学んでいけば良いことだ」
まだいくらでも取り返せる年齢だ、と。
「大体が、件の〝痺れ茶〟の話を聞かないことには何も始まらないだろう。あの子らに類が及ぶか及ばないかも含めて」
どうやらお義兄様も、直接目にしたわけでも実際に口にしてしまったわけでもないにせよ、ここ数日の周囲の慌ただしい動きの中に居合わせたことで、国内に流通していなかったはずの「物騒なお茶」の話はある程度把握をしてしまっているようだった。
キヴェカス事務所と王都商業ギルドとを行き来したりすれば、更にその情報には正確性も加味される。
さすがは現役高等法院職員、クロヴィス・オノレ次席法院長の薫陶よろしく、少ない情報からでもある程度の予測は立てているのだと思われた。
私としても、ここまできて今更巻き込むまいとするのも馬鹿馬鹿しい話なので、ここはため息交じりに肯定せざるを得ない。
「そうなんですよね……」
現代日本の常識から考えると、親世代の罪で子供が死に至るほどの連座をさせられることはまずないだろうけど、この世界は違うのだ。
既に私が伝え聞いているだけでも、スヴェンテ公爵家にまつわる前科が現王家にはある。
ナルディーニ侯爵の弟一家の行く末を、今の時点で思い描くことは出来なかった。
「私は王都商業ギルドにおいては何の資格も持たない、ただの置物だ。公爵家に籍を置く者として、よほどの非常識をしでかさない限りは口を挟むつもりはないから、そのつもりで己で対処をしてくれ」
馬車が王都商業ギルドに着く直前、お義兄様は私にそう言った。
王都商業ギルドが王以外の貴族に膝を折らない組織であることを、一連のやり取りの中で充分に理解したんだろう。
突き放しているようでいて、傍観者に徹して基本的にはこちらに任せてくれると、そう言ったのだ。
「……なんだ」
私がちょっと驚いた表情をしていたのに気付いてか、お義兄様が眉根を寄せている。
「……いえ、てっきりどこかのキヴェカス卿の如く『女が出しゃばるのも程々にしておけ』とでも言われるのかと思ったので」
「……どこかのキヴェカス卿……」
全く伏せていない私のぶっちゃけに、お義兄様は益々眉を顰めているけれど、私は敢えて撤回はしなかった。
根深い、大人げない、結構! まだヤンネからの「ぎゃふん」は聞いてないし!
「……事務所に次から次へと案件が持ち込まれるのは、むしろ嫌がらせか……」
「ふふふ。小娘がどこまでやれるのか。まだまだ思い知って貰いますよ?」
お義兄様? と、今気付いたのかとばかりに首を傾げて見せた私に、話しかけられた当人は明らかに怯んでいた。
「あの人は……なまじ案件をこなせてしまうから、永遠に頭なんて下げないんじゃないのか……」
あれ、と私は思った。
その言い方だと、自分は頭を下げるつもりがあるかの様に聞こえるのだけれど。
「お義兄様 ――――」
聞くべきか聞かざるべきか。
そんな誘惑にかられかけた、まさにそのタイミングで馬車が停止した。
「ユセフ様、レイナ様、王都商業ギルドに到着いたしました」
馭者席からのそんなゼイルスの声が、開きかけた私の口を再度閉じさせた。
「…………行くか」
恐らくは、そうとしか言いようがなかったであろうお義兄様に、私も頷かざるを得ない。
先に降りたお義兄様が差し出す手のひらに、私はそっと自分の手を乗せた。
多分にエリィ義母様に煽られた結果とは言え、キヴェカス事務所に行って以降、どさくさに紛れたままずっと「お義兄様」呼びをしている。
王都商業ギルドに向かう馬車の中。
つまり二人で向かい合わせになっているこの状況で、何か反応をするだろうかと呼び掛けてみたものの、お義兄様はジロリとこちらを見ただけで特に抗議も不満も口にはしなかった。
これは、このまま話をして良いんだろうと私は判断することにした。
「ナルディーニ卿のご子息の学園見学は、恙なく終わったんですか?」
現ナルディーニ侯爵の弟の息子であるティスト君は、純粋に学園の見学を楽しみに領地から出て来ており、誰からも何も知らされずにいた状態だった。
それを抜きにしても、さすがに予定をドタキャンしてしまっては、何も知らない学園内の令息たちの間にまでいらぬ猜疑心を植え付けかねないと、アストリッド・カッレ侯爵令息をヒース・コンティオラ公爵令息の代理として、案内して貰う話になっていたのだ。
ヒース君からの依頼の手紙を持ってキヴェカス事務所に行き、アストリッド少年に実際にそれを依頼したお義兄様は、私の問いかけに「ああ……」と、思い出したかのように視線を和らげた。
「そうだな。アストリッドはそこまで詳しく今回のことを把握していない。あくまでカッレ侯爵家の直系として、必要があるまでは深く関わらないことにしているようだ。コンティオラ公爵令息が手紙で何を頼んでいたのかは知らないが、終始アストリッドがその立ち位置にいたのであれば、ナルディーニ卿の令息が何か知ろうとしたとしても難しかったはずだ」
そもそもが学園入学前の年齢で、貴族間の権謀術数をこれから学園で学んでいくのであれば、仮にコンティオラ公爵邸の空気が終始淀んでいて、母親の様子もおかしいと言うことは察せられても、それ以上身動きは取れないだろうと言うのがお義兄様の主張だった。
あくまで通常の学園見学の範囲に終始したはずだ、と。
「そうですか……」
ちなみに妹であるフリーダ嬢は、本来であれば母親と王都観光に出るはずだったそうだけど、何分母親の方がしでかしてしまっているため、一家に同行していた侍女が、コンティオラ公爵家の護衛を連れて予定をこなしてきたらしい。
そう言うことなら「カフェ・キヴェカス」に連れて行ってあげても良かったのかも知れないけれど、今更だ。
滞在が伸びるようなら選択肢の一つとして提案してみようかと思いながらも、ここはティスト君の話題のみに留めておいた。
そんな私の内心を察しているのかどうかはともかくとして、お義兄様は「今はまだ、それで良いだろう」と言葉を続けた。
「もしもこの先後継者に据えられでもすれば、また違った教育の必要も出て来るだろうが――いや、可能性が出て来ているのかも知れないが、それならば尚更この先学んでいけば良いことだ」
まだいくらでも取り返せる年齢だ、と。
「大体が、件の〝痺れ茶〟の話を聞かないことには何も始まらないだろう。あの子らに類が及ぶか及ばないかも含めて」
どうやらお義兄様も、直接目にしたわけでも実際に口にしてしまったわけでもないにせよ、ここ数日の周囲の慌ただしい動きの中に居合わせたことで、国内に流通していなかったはずの「物騒なお茶」の話はある程度把握をしてしまっているようだった。
キヴェカス事務所と王都商業ギルドとを行き来したりすれば、更にその情報には正確性も加味される。
さすがは現役高等法院職員、クロヴィス・オノレ次席法院長の薫陶よろしく、少ない情報からでもある程度の予測は立てているのだと思われた。
私としても、ここまできて今更巻き込むまいとするのも馬鹿馬鹿しい話なので、ここはため息交じりに肯定せざるを得ない。
「そうなんですよね……」
現代日本の常識から考えると、親世代の罪で子供が死に至るほどの連座をさせられることはまずないだろうけど、この世界は違うのだ。
既に私が伝え聞いているだけでも、スヴェンテ公爵家にまつわる前科が現王家にはある。
ナルディーニ侯爵の弟一家の行く末を、今の時点で思い描くことは出来なかった。
「私は王都商業ギルドにおいては何の資格も持たない、ただの置物だ。公爵家に籍を置く者として、よほどの非常識をしでかさない限りは口を挟むつもりはないから、そのつもりで己で対処をしてくれ」
馬車が王都商業ギルドに着く直前、お義兄様は私にそう言った。
王都商業ギルドが王以外の貴族に膝を折らない組織であることを、一連のやり取りの中で充分に理解したんだろう。
突き放しているようでいて、傍観者に徹して基本的にはこちらに任せてくれると、そう言ったのだ。
「……なんだ」
私がちょっと驚いた表情をしていたのに気付いてか、お義兄様が眉根を寄せている。
「……いえ、てっきりどこかのキヴェカス卿の如く『女が出しゃばるのも程々にしておけ』とでも言われるのかと思ったので」
「……どこかのキヴェカス卿……」
全く伏せていない私のぶっちゃけに、お義兄様は益々眉を顰めているけれど、私は敢えて撤回はしなかった。
根深い、大人げない、結構! まだヤンネからの「ぎゃふん」は聞いてないし!
「……事務所に次から次へと案件が持ち込まれるのは、むしろ嫌がらせか……」
「ふふふ。小娘がどこまでやれるのか。まだまだ思い知って貰いますよ?」
お義兄様? と、今気付いたのかとばかりに首を傾げて見せた私に、話しかけられた当人は明らかに怯んでいた。
「あの人は……なまじ案件をこなせてしまうから、永遠に頭なんて下げないんじゃないのか……」
あれ、と私は思った。
その言い方だと、自分は頭を下げるつもりがあるかの様に聞こえるのだけれど。
「お義兄様 ――――」
聞くべきか聞かざるべきか。
そんな誘惑にかられかけた、まさにそのタイミングで馬車が停止した。
「ユセフ様、レイナ様、王都商業ギルドに到着いたしました」
馭者席からのそんなゼイルスの声が、開きかけた私の口を再度閉じさせた。
「…………行くか」
恐らくは、そうとしか言いようがなかったであろうお義兄様に、私も頷かざるを得ない。
先に降りたお義兄様が差し出す手のひらに、私はそっと自分の手を乗せた。
739
685 忘れじの膝枕 とも連動!
書籍刊行記念 書き下ろし番外編小説「森のピクニック」は下記ページ バックナンバー2022年6月欄に掲載中!
2巻刊行記念「オムレツ狂騒曲」は2023年4月のバックナンバーに、3巻刊行記念「星の影響-コクリュシュ-」は2024年3月のバックナンバーに掲載中です!
そして4巻刊行記念「月と白い鳥」はコミックス第1巻と連動!
https://www.regina-books.com/extra
今回から見方が変わりました。何か一話、アルファポリス作品をレンタル頂くことで全てご覧いただけますので宜しくお願いしますm(_ _)m
書籍刊行記念 書き下ろし番外編小説「森のピクニック」は下記ページ バックナンバー2022年6月欄に掲載中!
2巻刊行記念「オムレツ狂騒曲」は2023年4月のバックナンバーに、3巻刊行記念「星の影響-コクリュシュ-」は2024年3月のバックナンバーに掲載中です!
そして4巻刊行記念「月と白い鳥」はコミックス第1巻と連動!
https://www.regina-books.com/extra
今回から見方が変わりました。何か一話、アルファポリス作品をレンタル頂くことで全てご覧いただけますので宜しくお願いしますm(_ _)m
お気に入りに追加
12,974
あなたにおすすめの小説

山に捨てられた令嬢! 私のスキルは結界なのに、王都がどうなっても、もう知りません!
甘い秋空
恋愛
婚約を破棄されて、山に捨てられました! 私のスキルは結界なので、私を王都の外に出せば、王都は結界が無くなりますよ? もう、どうなっても知りませんから! え? 助けに来たのは・・・
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化

〖完結〗愛人が離婚しろと乗り込んで来たのですが、私達はもう離婚していますよ?
藍川みいな
恋愛
「ライナス様と離婚して、とっととこの邸から出て行ってよっ!」
愛人が乗り込んで来たのは、これで何人目でしょう?
私はもう離婚していますし、この邸はお父様のものですから、決してライナス様のものにはなりません。
離婚の理由は、ライナス様が私を一度も抱くことがなかったからなのですが、不能だと思っていたライナス様は愛人を何人も作っていました。
そして親友だと思っていたマリーまで、ライナス様の愛人でした。
愛人を何人も作っていたくせに、やり直したいとか……頭がおかしいのですか?
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全8話で完結になります。
白い結婚三年目。つまり離縁できるまで、あと七日ですわ旦那様。
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
異世界に転生したフランカは公爵夫人として暮らしてきたが、前世から叶えたい夢があった。パティシエールになる。その夢を叶えようと夫である王国財務総括大臣ドミニクに相談するも答えはノー。夫婦らしい交流も、信頼もない中、三年の月日が近づき──フランカは賭に出る。白い結婚三年目で離縁できる条件を満たしていると迫り、夢を叶えられないのなら離縁すると宣言。そこから公爵家一同でフランカに考え直すように動き、ドミニクと話し合いの機会を得るのだがこの夫、山のように隠し事はあった。
無言で睨む夫だが、心の中は──。
【詰んだああああああああああ! もうチェックメイトじゃないか!? 情状酌量の余地はないと!? ああ、どうにかして侍女の準備を阻まなければ! いやそれでは根本的な解決にならない! だいたいなぜ後妻? そんな者はいないのに……。ど、どどどどどうしよう。いなくなるって聞いただけで悲しい。死にたい……うう】
4万文字ぐらいの中編になります。
※小説なろう、エブリスタに記載してます

今日結婚した夫から2年経ったら出ていけと言われました
四折 柊
恋愛
子爵令嬢であるコーデリアは高位貴族である公爵家から是非にと望まれ結婚した。美しくもなく身分の低い自分が何故? 理由は分からないが自分にひどい扱いをする実家を出て幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱く。ところがそこには思惑があり……。公爵は本当に愛する女性を妻にするためにコーデリアを利用したのだ。夫となった男は言った。「お前と本当の夫婦になるつもりはない。2年後には公爵邸から国外へ出ていってもらう。そして二度と戻ってくるな」と。(いいんですか? それは私にとって……ご褒美です!)
ここは私の邸です。そろそろ出て行ってくれます?
藍川みいな
恋愛
「マリッサ、すまないが婚約は破棄させてもらう。俺は、運命の人を見つけたんだ!」
9年間婚約していた、デリオル様に婚約を破棄されました。運命の人とは、私の義妹のロクサーヌのようです。
そもそもデリオル様に好意を持っていないので、婚約破棄はかまいませんが、あなたには莫大な慰謝料を請求させていただきますし、借金の全額返済もしていただきます。それに、あなたが選んだロクサーヌは、令嬢ではありません。
幼い頃に両親を亡くした私は、8歳で侯爵になった。この国では、爵位を継いだ者には18歳まで後見人が必要で、ロクサーヌの父で私の叔父ドナルドが後見人として侯爵代理になった。
叔父は私を冷遇し、自分が侯爵のように振る舞って来ましたが、もうすぐ私は18歳。全てを返していただきます!
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。