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第三部 宰相閣下の婚約者
697 淑女は下船を誘(いざな)う
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ローズティーにローズクッキーにローズフィナンシェ。
気付けば昼食時間にかかっていたため、出来上がったものはそのまま「ローズなお茶会」との名称が定着しそうな状態で、実質昼食の代わりとなっていた。
「シャルリーヌ嬢」
そしてある程度食が進んだあたりで、ふと手にしていたティーカップをソーサーに戻したエリィ義母様が、表情を引き締めながらシャルリーヌへと声をかけた。
「バリエンダールとサレステーデからの賓客が来られる前の日に、レイナちゃんとお泊り会をする予定だと聞いたのだけれど」
「!」
まったく予期していなかったところから変化球を投げられたシャルリーヌが、カップを持っていた手をピクリと震わせていたけれど、そこはさすがギーレンの王妃教育の賜物か、声も表情もにこやかなままだった。
「ええ。……ああ、もしや彼女がこちらの公爵家に移られたことで、何か不都合でも?」
シャルリーヌと私が個人的に親しいことは、王宮内では少しずつ認知されはじめているとは言え、アンジェス社交界と言う括りからすれば、養子となった先の母親であるボードリエ伯爵夫人がレイフ殿下の正妃であるビルギッタ妃やその派閥下にあるアルノシュト伯爵夫人らと交流している印象の方が濃い。
王都学園理事長と言う立場上、ボードリエ伯爵自身がなるべく深入りしないよう心掛けてはいても、王族としてのレイフ殿下が学園への出資を義務づけられているらしく、どうしても「そちら側」との印象がまだ拭えないのだ。
そう言う意味で、フォルシアン公爵家の養女となった私がボードリエ伯爵家に表立って出入りすることは好ましくないのか、との意味をこめて問いかけたシャルリーヌに、エリィ義母様はジワリと目元を綻ばせた。
「そうね……」
きっとシャルリーヌが自家の不安定な立場を自覚していることに合格点を出したんだろう。
「不都合とまでは言わないのだけれど、シャルリーヌ嬢は今度バリエンダールとサレステーデから、やんごとなきお客様がお見えになることは耳にしているのよね?〝扉の守護者〟として、聖女として、要請があったでしょうから」
「……陛下から〝扉〟への魔力補充に対する協力要請があり、この国に現在住まうものとして、それはお受けしておりますわ」
シャルリーヌはまだ「仮」聖女だ。
アンジェスの現聖女は、対外的にはまだ舞菜のままであり、現在ギーレンに留学中だからこその臨時聖女と言うのが外からの認識であり、だからこその「協力」要請だとシャルリーヌは前置きをしたのだ。
ギーレン側からエドベリ王子と舞菜との婚約発表があって、初めてこちら側もシャルリーヌのアンジェス聖女就任を公式に発表出来る。
今はまだそのタイミングを探っている状態だった。
その辺り、三国会談の後でバリエンダールの国王と王女がアンディション侯爵邸を表敬訪問するのにかこつけて、こっそりラハデ公爵を招きつつギーレン側の動向を探ってタイミングを合わせようと言うのが、今はまだ私とエドヴァルドの間でのみ考えていることだった。
ラハデ公爵の話は、今はまだエリィ義母様にはしづらい。
エドヴァルドがイル義父様に話をするのか、宰相としての判断でアンディション侯爵邸の現在の主であるテオドル大公にのみ話を通すのか、その決断があるまでは、ここではまだ話せない。
黙って二人の話を見守るよりほかはなかった。
「私、夫の許可を得たところでボードリエ伯爵に宛てて手紙を認めようとは思っているのだけれど」
いったんはまだ仮の話だと前置きをしたところで、エリィ義母様の目がじっとシャルリーヌを射抜いた。
「どうかそのお泊まり会は、邸宅にいらして?……なるべく早く、出来れば陛下が主催されるお茶会よりも前に」
「「⁉」」
思いがけないエリィ義母様の言葉に、シャルリーヌだけでなく私も目を瞠る。
「レイナちゃんのお友達としての貴女を信用して、これは言うのだけれど」
そう言ったエリィ義母様は、膝にあった扇を手に取ると、それをそっと開いて口元にあてて、シャルリーヌ側からは表情を見えにくくした。
私の位置からは、笑みを消していて、それがお茶の席での歓談――では決してないことを仄めかせているのが見えている。
信用、と言ってはいるものの、現在の聖女代理としてのシャルリーヌの立場を考えれば、既に知るか察するかしているだろうとのエリィ義母様の判断で話をしているように、こちらからは見えた。
「シャルリーヌ嬢はお茶会の話はご存知よね? 参加者は〝転移扉〟を使って招かれると耳にしているから、そちらへの魔力補充も恐らくは兼ねての協力要請でしょうから」
「え、ええ……」
まさか自分も私と同様に招待されているのだと、この場で言ってしまって良いものかどうか。
判断に迷ったらしいシャルリーヌは、今は曖昧に微笑うことをどうやら選択したみたいだった。
「そのお茶会と、すぐ後の賓客訪問を経てしまうとね、恐らくはアンジェス国内の貴族の力関係がかなり変わってくることになると思うのね?」
「……っ」
シャルリーヌを見ながら一歩エリィ義母様が踏み込んでいて、それに対してシャルリーヌが微かに気圧されていた。
手にしていたカップをそっとソーサーに戻しながら、こちらも流れるような仕種で扇を手にしたあたりは、さすがの王妃教育が為せる技だと言えた。
このあたりは見習いたいものだと思わず傍観者の立場で二人を眺めてしまう。
「貴女のご両親は、ご自身の意思で今の派閥にお乗りになられているわけではないと思うのだけれど、だからこそ、早めの下船をお勧めしたいの」
「エリサベト夫人……」
「フォルシアン公爵家は既にレイナちゃんを養女として迎え入れているから、これ以上誰かの後ろ楯になるのはあまり好ましくはないのだけれど、貴女が正式にアンジェスの『聖女』として立つのであれば、そうね……テオドル大公殿下への仲立ちくらいは出来ると思うのよ。今は他の公爵家では貴女を守り切ることは難しいでしょうし」
スヴェンテ公爵家は以前の政変で力を削られており、サレステーデの件やホタテの件でクヴィスト公爵家もコンティオラ公爵家も影響力を削がれるだろう。
イデオン公爵家とフォルシアン公爵家は私のことで既に対外的な結びつきが出来てしまっており、これ以上は権力の集中を感じさせてしまい、好ましいことだとは言えない。
レイフ殿下がサレステーデに赴くことは既に裏で決定してしまっていて、その派閥が恐らく茶会で潰されることも透けて見えている今の状態では、聖女となるシャルリーヌの立場が極めて不安定になることもまた確かなのだ。
それは政治的な話のようでいて、社交界の縮図から言っても当てはまる話であり、エリィ義母様の疑問と懸念は当然のこと、さすがのエリィ義母様の気付きだった。
今のままでは、たとえボードリエ伯爵家が学園理事長としての立場を王都で保持しているとは言っても、社交界ではその立場を大きく損なわれるだろう。
その前に「別の派閥に乗れ」と、エリィ義母様はそう仄めかせたのだ。
「別にテオドル大公殿下との繋がりを強要しているわけではないのよ。とりあえずは我がフォルシアン公爵家に出入りしていることを印象づけて、既に『乗り換えに動いている』ことを示すべきだと思って。そのお話を貴女のお父様にしていただけるかしら?」
綺麗なドレスを着て、お茶を飲んでいるだけで貴族の妻は務まらないとはよく言ったものだ。
エリィ義母様は間違いなく、五公爵家の正夫人としての覚悟も才もある女性だった。
「……ご配慮ありがたく頂戴いたしますわ、エリサベト夫人」
そして、それが理解出来ないシャルリーヌではなかった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
年始のご挨拶が遅れましたこと、まずはお詫び申し上げます。
年末に一度、書き続けることへの躊躇が生じてしまい、皆さまにはご心配とご迷惑をおかけ致しました。
皆さまの温かい言葉に背中を押されて、今日からまた連載を再開させていただきます。
返信はこの後少しずつさせていただけたらと思っていますので、こちらはもう少しお時間を頂ければ幸いに思います。
どうかまた引き続き宜しくお願い致します。
温かく見守って頂けると嬉しく思いますm(_ _)m
気付けば昼食時間にかかっていたため、出来上がったものはそのまま「ローズなお茶会」との名称が定着しそうな状態で、実質昼食の代わりとなっていた。
「シャルリーヌ嬢」
そしてある程度食が進んだあたりで、ふと手にしていたティーカップをソーサーに戻したエリィ義母様が、表情を引き締めながらシャルリーヌへと声をかけた。
「バリエンダールとサレステーデからの賓客が来られる前の日に、レイナちゃんとお泊り会をする予定だと聞いたのだけれど」
「!」
まったく予期していなかったところから変化球を投げられたシャルリーヌが、カップを持っていた手をピクリと震わせていたけれど、そこはさすがギーレンの王妃教育の賜物か、声も表情もにこやかなままだった。
「ええ。……ああ、もしや彼女がこちらの公爵家に移られたことで、何か不都合でも?」
シャルリーヌと私が個人的に親しいことは、王宮内では少しずつ認知されはじめているとは言え、アンジェス社交界と言う括りからすれば、養子となった先の母親であるボードリエ伯爵夫人がレイフ殿下の正妃であるビルギッタ妃やその派閥下にあるアルノシュト伯爵夫人らと交流している印象の方が濃い。
王都学園理事長と言う立場上、ボードリエ伯爵自身がなるべく深入りしないよう心掛けてはいても、王族としてのレイフ殿下が学園への出資を義務づけられているらしく、どうしても「そちら側」との印象がまだ拭えないのだ。
そう言う意味で、フォルシアン公爵家の養女となった私がボードリエ伯爵家に表立って出入りすることは好ましくないのか、との意味をこめて問いかけたシャルリーヌに、エリィ義母様はジワリと目元を綻ばせた。
「そうね……」
きっとシャルリーヌが自家の不安定な立場を自覚していることに合格点を出したんだろう。
「不都合とまでは言わないのだけれど、シャルリーヌ嬢は今度バリエンダールとサレステーデから、やんごとなきお客様がお見えになることは耳にしているのよね?〝扉の守護者〟として、聖女として、要請があったでしょうから」
「……陛下から〝扉〟への魔力補充に対する協力要請があり、この国に現在住まうものとして、それはお受けしておりますわ」
シャルリーヌはまだ「仮」聖女だ。
アンジェスの現聖女は、対外的にはまだ舞菜のままであり、現在ギーレンに留学中だからこその臨時聖女と言うのが外からの認識であり、だからこその「協力」要請だとシャルリーヌは前置きをしたのだ。
ギーレン側からエドベリ王子と舞菜との婚約発表があって、初めてこちら側もシャルリーヌのアンジェス聖女就任を公式に発表出来る。
今はまだそのタイミングを探っている状態だった。
その辺り、三国会談の後でバリエンダールの国王と王女がアンディション侯爵邸を表敬訪問するのにかこつけて、こっそりラハデ公爵を招きつつギーレン側の動向を探ってタイミングを合わせようと言うのが、今はまだ私とエドヴァルドの間でのみ考えていることだった。
ラハデ公爵の話は、今はまだエリィ義母様にはしづらい。
エドヴァルドがイル義父様に話をするのか、宰相としての判断でアンディション侯爵邸の現在の主であるテオドル大公にのみ話を通すのか、その決断があるまでは、ここではまだ話せない。
黙って二人の話を見守るよりほかはなかった。
「私、夫の許可を得たところでボードリエ伯爵に宛てて手紙を認めようとは思っているのだけれど」
いったんはまだ仮の話だと前置きをしたところで、エリィ義母様の目がじっとシャルリーヌを射抜いた。
「どうかそのお泊まり会は、邸宅にいらして?……なるべく早く、出来れば陛下が主催されるお茶会よりも前に」
「「⁉」」
思いがけないエリィ義母様の言葉に、シャルリーヌだけでなく私も目を瞠る。
「レイナちゃんのお友達としての貴女を信用して、これは言うのだけれど」
そう言ったエリィ義母様は、膝にあった扇を手に取ると、それをそっと開いて口元にあてて、シャルリーヌ側からは表情を見えにくくした。
私の位置からは、笑みを消していて、それがお茶の席での歓談――では決してないことを仄めかせているのが見えている。
信用、と言ってはいるものの、現在の聖女代理としてのシャルリーヌの立場を考えれば、既に知るか察するかしているだろうとのエリィ義母様の判断で話をしているように、こちらからは見えた。
「シャルリーヌ嬢はお茶会の話はご存知よね? 参加者は〝転移扉〟を使って招かれると耳にしているから、そちらへの魔力補充も恐らくは兼ねての協力要請でしょうから」
「え、ええ……」
まさか自分も私と同様に招待されているのだと、この場で言ってしまって良いものかどうか。
判断に迷ったらしいシャルリーヌは、今は曖昧に微笑うことをどうやら選択したみたいだった。
「そのお茶会と、すぐ後の賓客訪問を経てしまうとね、恐らくはアンジェス国内の貴族の力関係がかなり変わってくることになると思うのね?」
「……っ」
シャルリーヌを見ながら一歩エリィ義母様が踏み込んでいて、それに対してシャルリーヌが微かに気圧されていた。
手にしていたカップをそっとソーサーに戻しながら、こちらも流れるような仕種で扇を手にしたあたりは、さすがの王妃教育が為せる技だと言えた。
このあたりは見習いたいものだと思わず傍観者の立場で二人を眺めてしまう。
「貴女のご両親は、ご自身の意思で今の派閥にお乗りになられているわけではないと思うのだけれど、だからこそ、早めの下船をお勧めしたいの」
「エリサベト夫人……」
「フォルシアン公爵家は既にレイナちゃんを養女として迎え入れているから、これ以上誰かの後ろ楯になるのはあまり好ましくはないのだけれど、貴女が正式にアンジェスの『聖女』として立つのであれば、そうね……テオドル大公殿下への仲立ちくらいは出来ると思うのよ。今は他の公爵家では貴女を守り切ることは難しいでしょうし」
スヴェンテ公爵家は以前の政変で力を削られており、サレステーデの件やホタテの件でクヴィスト公爵家もコンティオラ公爵家も影響力を削がれるだろう。
イデオン公爵家とフォルシアン公爵家は私のことで既に対外的な結びつきが出来てしまっており、これ以上は権力の集中を感じさせてしまい、好ましいことだとは言えない。
レイフ殿下がサレステーデに赴くことは既に裏で決定してしまっていて、その派閥が恐らく茶会で潰されることも透けて見えている今の状態では、聖女となるシャルリーヌの立場が極めて不安定になることもまた確かなのだ。
それは政治的な話のようでいて、社交界の縮図から言っても当てはまる話であり、エリィ義母様の疑問と懸念は当然のこと、さすがのエリィ義母様の気付きだった。
今のままでは、たとえボードリエ伯爵家が学園理事長としての立場を王都で保持しているとは言っても、社交界ではその立場を大きく損なわれるだろう。
その前に「別の派閥に乗れ」と、エリィ義母様はそう仄めかせたのだ。
「別にテオドル大公殿下との繋がりを強要しているわけではないのよ。とりあえずは我がフォルシアン公爵家に出入りしていることを印象づけて、既に『乗り換えに動いている』ことを示すべきだと思って。そのお話を貴女のお父様にしていただけるかしら?」
綺麗なドレスを着て、お茶を飲んでいるだけで貴族の妻は務まらないとはよく言ったものだ。
エリィ義母様は間違いなく、五公爵家の正夫人としての覚悟も才もある女性だった。
「……ご配慮ありがたく頂戴いたしますわ、エリサベト夫人」
そして、それが理解出来ないシャルリーヌではなかった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
年始のご挨拶が遅れましたこと、まずはお詫び申し上げます。
年末に一度、書き続けることへの躊躇が生じてしまい、皆さまにはご心配とご迷惑をおかけ致しました。
皆さまの温かい言葉に背中を押されて、今日からまた連載を再開させていただきます。
返信はこの後少しずつさせていただけたらと思っていますので、こちらはもう少しお時間を頂ければ幸いに思います。
どうかまた引き続き宜しくお願い致します。
温かく見守って頂けると嬉しく思いますm(_ _)m
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