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第三部 宰相閣下の婚約者
669 三法の番人(後)
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「ヤンネの所へ行かせたのが、良い方向へ転んでくれたようだ」
高等法院において次期法院長最有力とされているクロヴィス・オノレ子爵は、そう言って柔らかく微笑っている。
「ああ、すまんな。なぜ罪人の一部を高等法院内の留置場で預かることになったのかと言う話だが、フォルシアン公爵が気にされたのだ」
「……と、仰いますと」
思いがけず出て来た父親の名前に、お義兄様が怪訝そうに眉根を寄せた。
「罪人の一人がこの家のご令嬢に執着していることを失念していた、と。いくら捕らえてあるにせよ、万が一にも何かあっては困ると」
「!」
「こちらの事情聴取に影響が出ても困るし、そう言うことであればと、イデオン宰相も認可されたのだ」
思いつきもしなかった、と正直に顔に出ているお義兄様に、オノレ子爵は淡々と言葉を紡いだ。
「もともと高等法院内の留置場は、数は王宮に劣るが、取り調べ中だったり判決待ちだったりする貴族向けと言う側面があるから、王宮内の貴族牢よりもマシな環境下にある。証拠固めをしながら父親である侯爵が王都に出て来るのを待つなら、それまで外からの雑音を遮断しておけるし、情報も洩れにくい。妥当な判断ではあるだろう」
オノレ子爵の説明が淀みないところを見ると、事前にある程度王宮内で何らかのすり合わせがあったことが察せられる。
断罪の茶会、などと言うとんでもない企画が水面下で進んでいたことを、この時点の私は知らなかった。
もちろん今、この邸宅内にいる面々も――だ。
「…………なるほど」
多分お義兄様も、この時はそれしか答えようがなかったんだろう。
そう思ったんだけど。
「泣こうが喚こうが基本放置の王宮牢と違い、高等法院の留置場は事情聴取のない時は眠らせておく一択。某令息に身分を振りかざされないようにするため、高等法院で静かにしていてもらおう、と」
「⁉」
違った、王宮よりもよっぽど力業だった!
高等法院の職員は、中枢はほぼ貴族と言え、雑務を含めた事務職員の中には一般市民も多いらしい。
その状況下で捕らえられた貴族を拘束したり取り調べようとしたりすると、反発されて拘留もままならないことが多々あるため、用のある時以外は薬で眠らせておくのが基本なんだと言う。
ギョッとなった私に、お義兄様は留置場の在り方をそう説明してくれた。
取り調べ及び判決に関しては、謂れなき暴力を除いては担当者の身分と不敬罪に問わないことが保証されているそうだ。
それはそれで、取り調べ及び判決を行う部屋の外のところで、担当者の取り込みや排除を狙う輩がウロつくのも珍しいことではないらしく、自警団や王都警備隊のための警備室が法院内には常設されているらしい。
なるほど被疑者の意識がハッキリしていた場合、自分が動けなくとも周りを動かして事を優位に進めようとする場合があるんだろう。
過去の色々な事例を省みた結果が――必要な時以外は留置場で眠らせておくこと一択になったのか。
「……サレステーデのご一行サマも、それなら眠っておいて貰ったら良かったのに」
思わずそう零してしまった私に、お義兄様も困った表情を浮かべるしかなかったみたいだった。
「……まあ私もそうは思ったが、高等法院の留置場はあくまでアンジェスの法に則って裁かれる人間を留置するための場所だしな。それに見方を変えれば、王宮の貴族牢でうっかり変死事件があったとしても、上層部は感知しないと示しているようなものだ。そう思えばある程度溜飲は下がる」
「…………」
そんな裏事情があったなどとは、思いもよりませんでした、ハイ。
暗殺したければ、ご自由に。
あの時シーグとリックが変装していたにせよ、牢内でサレステーデの王子王女が狙われたのは、あの時限りでわざとそうしたのではなく、普段からそう言ったことがあっても「黙認」をしている場所なのだ。
……やっぱり、王宮怖い。
「ユセフ」
オノレ子爵が軽く咳払いをしたところから言っても、それはほぼ事実で、お義兄様のぶっちゃけすぎを一応嗜めたんだろう。
失礼しました、とお義兄様も形式的な感じにそう答えていた。
「まあ、ほかならぬイデオン宰相閣下と婚約されたのだからな。この程度は知っておいて貰っても良いだろう。ただ、この部屋にいる他の面々は、出来れば他言無用に願いたい」
オノレ子爵の口調は静かなようでいて、他の職員たちと共になかなかの「圧」を周囲に張り巡らせている。
うっかり口を滑らせればどうなるか分かっているな……?とでも言いたげだ。
「場の空気は読めるつもりです、オノレ子爵閣下」
ややこめかみ付近を痙攣らせながらも、ヒース君が委細承知したとばかりに軽く目礼していた。
「うむ。それで、捕らえられた者どもは邸宅の牢か?納得がいったのであれば、中に入れろとまでは言わんから、ここへ連れて来て貰いたいのだが」
ぐるりと辺りを見渡したオノレ子爵に「閣下、そのことですが」と、お義兄様もようやくここで現状を報告した。
「確かにこの部屋に数名と牢に複数名の関係者がおりますが、本命は今セルマの街からここへ護送されているところです。既に街を出ていると聞いていますので、恐らくはそう間を置かずしてここへ辿り着く筈です。少しお待ち下さいますか。もし閣下のお時間がなければ、到着し次第再度使いを出しますが」
「……ふむ、セルマか」
「あ……っと、悪いが」
少し考える仕種を見せたオノレ子爵に、それまで黙ってことの成り行きを伺っていたラジス副団長が、そこで片手を上げた。
「王都商業ギルド自警団副団長のラジスだ。今回の件は貴族だけではなく、我々商業ギルドとしても当事者になる。セルマから移送されてくる首謀者を、来るなり高等法院に引っ張って行かれるのは困るんだが」
言葉遣いの問題もあるのか、オノレ子爵以外の高等法院関係者の眉間に皺が寄った様な気がしたけど、さすが誰もそれを表には出さなかった。
特にオノレ子爵の表情は、まるで変わっていない。
「なるほど、既にギルドの関係者がこの場にいたのか」
「高等法院案件になると判断をしていたのは、ギルド上層部も同じなもので。既にギルド長の耳にも今回の件は届いている」
さすがイッターシュギルド長と言ったところか、とオノレ子爵もイヤミではなく頷いているようだった。
「ではギルド幹部に、今回の件が密室協議で片付けられかねないとの疑惑を植え付けないためにも、ある程度はこの場で関係者同席の上の事情聴取をした方が良いと言うことだな」
閣下、と同行している職員らが声を上げかけたのを、オノレ子爵は片手で制した。
「ギルド上層部も高等法院上層部と同じく、王以外の権力者に取り込まれてはならぬ所。彼らが取り調べあるいは同席の必要性を主張するのであれば、我らとて口出しは許されんのだ」
オノレ子爵はそう言って、ラジス副団長の方を向き直った。
「ラジス副団長、だったか。ギルド側の主張は承知した。今回の様な場合はかなり稀だ。であれば双方が可視化された空間の下、それぞれ立ち会っての事情聴取を行うべきなのだろう。我々もここでセルマからの護送を待つ事にしよう。その間、今いる関係者からの聴取を並行して行わせて貰いたいが、良いだろうか」
「あ、ああ。そう言うことなら……」
言いながらも、ラジス副団長もここがコンティオラ公爵邸であると言うことは気になったんだろう。
チラリと確認するように、ヒース君に視線を投げていた。
「元よりコンティオラ家は今回、聴取される側の立場です。嫡男としての立場で、出来る限りの協力はさせて貰いますよ」
コヴァネン子爵の騒動で、もはや子どもでいられなくなってしまったミカ君ではないけれど、今回の事件でヒース君も、もはや学園生としてのゆとりは消え失せてしまったのかも知れない。
それが良いこと、頼もしいことなのかどうか――今の時点では、誰も判断出来そうになかった。
高等法院において次期法院長最有力とされているクロヴィス・オノレ子爵は、そう言って柔らかく微笑っている。
「ああ、すまんな。なぜ罪人の一部を高等法院内の留置場で預かることになったのかと言う話だが、フォルシアン公爵が気にされたのだ」
「……と、仰いますと」
思いがけず出て来た父親の名前に、お義兄様が怪訝そうに眉根を寄せた。
「罪人の一人がこの家のご令嬢に執着していることを失念していた、と。いくら捕らえてあるにせよ、万が一にも何かあっては困ると」
「!」
「こちらの事情聴取に影響が出ても困るし、そう言うことであればと、イデオン宰相も認可されたのだ」
思いつきもしなかった、と正直に顔に出ているお義兄様に、オノレ子爵は淡々と言葉を紡いだ。
「もともと高等法院内の留置場は、数は王宮に劣るが、取り調べ中だったり判決待ちだったりする貴族向けと言う側面があるから、王宮内の貴族牢よりもマシな環境下にある。証拠固めをしながら父親である侯爵が王都に出て来るのを待つなら、それまで外からの雑音を遮断しておけるし、情報も洩れにくい。妥当な判断ではあるだろう」
オノレ子爵の説明が淀みないところを見ると、事前にある程度王宮内で何らかのすり合わせがあったことが察せられる。
断罪の茶会、などと言うとんでもない企画が水面下で進んでいたことを、この時点の私は知らなかった。
もちろん今、この邸宅内にいる面々も――だ。
「…………なるほど」
多分お義兄様も、この時はそれしか答えようがなかったんだろう。
そう思ったんだけど。
「泣こうが喚こうが基本放置の王宮牢と違い、高等法院の留置場は事情聴取のない時は眠らせておく一択。某令息に身分を振りかざされないようにするため、高等法院で静かにしていてもらおう、と」
「⁉」
違った、王宮よりもよっぽど力業だった!
高等法院の職員は、中枢はほぼ貴族と言え、雑務を含めた事務職員の中には一般市民も多いらしい。
その状況下で捕らえられた貴族を拘束したり取り調べようとしたりすると、反発されて拘留もままならないことが多々あるため、用のある時以外は薬で眠らせておくのが基本なんだと言う。
ギョッとなった私に、お義兄様は留置場の在り方をそう説明してくれた。
取り調べ及び判決に関しては、謂れなき暴力を除いては担当者の身分と不敬罪に問わないことが保証されているそうだ。
それはそれで、取り調べ及び判決を行う部屋の外のところで、担当者の取り込みや排除を狙う輩がウロつくのも珍しいことではないらしく、自警団や王都警備隊のための警備室が法院内には常設されているらしい。
なるほど被疑者の意識がハッキリしていた場合、自分が動けなくとも周りを動かして事を優位に進めようとする場合があるんだろう。
過去の色々な事例を省みた結果が――必要な時以外は留置場で眠らせておくこと一択になったのか。
「……サレステーデのご一行サマも、それなら眠っておいて貰ったら良かったのに」
思わずそう零してしまった私に、お義兄様も困った表情を浮かべるしかなかったみたいだった。
「……まあ私もそうは思ったが、高等法院の留置場はあくまでアンジェスの法に則って裁かれる人間を留置するための場所だしな。それに見方を変えれば、王宮の貴族牢でうっかり変死事件があったとしても、上層部は感知しないと示しているようなものだ。そう思えばある程度溜飲は下がる」
「…………」
そんな裏事情があったなどとは、思いもよりませんでした、ハイ。
暗殺したければ、ご自由に。
あの時シーグとリックが変装していたにせよ、牢内でサレステーデの王子王女が狙われたのは、あの時限りでわざとそうしたのではなく、普段からそう言ったことがあっても「黙認」をしている場所なのだ。
……やっぱり、王宮怖い。
「ユセフ」
オノレ子爵が軽く咳払いをしたところから言っても、それはほぼ事実で、お義兄様のぶっちゃけすぎを一応嗜めたんだろう。
失礼しました、とお義兄様も形式的な感じにそう答えていた。
「まあ、ほかならぬイデオン宰相閣下と婚約されたのだからな。この程度は知っておいて貰っても良いだろう。ただ、この部屋にいる他の面々は、出来れば他言無用に願いたい」
オノレ子爵の口調は静かなようでいて、他の職員たちと共になかなかの「圧」を周囲に張り巡らせている。
うっかり口を滑らせればどうなるか分かっているな……?とでも言いたげだ。
「場の空気は読めるつもりです、オノレ子爵閣下」
ややこめかみ付近を痙攣らせながらも、ヒース君が委細承知したとばかりに軽く目礼していた。
「うむ。それで、捕らえられた者どもは邸宅の牢か?納得がいったのであれば、中に入れろとまでは言わんから、ここへ連れて来て貰いたいのだが」
ぐるりと辺りを見渡したオノレ子爵に「閣下、そのことですが」と、お義兄様もようやくここで現状を報告した。
「確かにこの部屋に数名と牢に複数名の関係者がおりますが、本命は今セルマの街からここへ護送されているところです。既に街を出ていると聞いていますので、恐らくはそう間を置かずしてここへ辿り着く筈です。少しお待ち下さいますか。もし閣下のお時間がなければ、到着し次第再度使いを出しますが」
「……ふむ、セルマか」
「あ……っと、悪いが」
少し考える仕種を見せたオノレ子爵に、それまで黙ってことの成り行きを伺っていたラジス副団長が、そこで片手を上げた。
「王都商業ギルド自警団副団長のラジスだ。今回の件は貴族だけではなく、我々商業ギルドとしても当事者になる。セルマから移送されてくる首謀者を、来るなり高等法院に引っ張って行かれるのは困るんだが」
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「高等法院案件になると判断をしていたのは、ギルド上層部も同じなもので。既にギルド長の耳にも今回の件は届いている」
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795
685 忘れじの膝枕 とも連動!
書籍刊行記念 書き下ろし番外編小説「森のピクニック」は下記ページ バックナンバー2022年6月欄に掲載中!
2巻刊行記念「オムレツ狂騒曲」は2023年4月のバックナンバーに、3巻刊行記念「星の影響-コクリュシュ-」は2024年3月のバックナンバーに掲載中です!
そして4巻刊行記念「月と白い鳥」はコミックス第1巻と連動!
https://www.regina-books.com/extra
今回から見方が変わりました。何か一話、アルファポリス作品をレンタル頂くことで全てご覧いただけますので宜しくお願いしますm(_ _)m
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