596 / 803
第三部 宰相閣下の婚約者
621 絶対零度の晩餐会~団欒の間②~
しおりを挟む
恐らく各公爵サマ方は、マトヴェイ部長あるいはトーカレヴァから、多少の事情は聞いて来る筈。
ここでヒース君に説明をしても、二度手間にはならないだろうと私は判断した。
ただ、姉は投資をする気になっているところ、弟はどう判断するのか。
純粋な好奇心も手伝って「ジェイの漁場が新たに開拓されると言う話をどう思うか」と言う、マトヴェイ部長に聞いたのと同じ聞き方をしてみた。
外交部のベテラン部長と同じ思考回路を持つとはもちろん思わないし、多分周りも求めていないだろうけど、せめてお金を出すか、出さないか。どう判断をするのか聞いてみたかった。
「漁場の開拓……その話を、父が貴女にされたんですか?」
果たしてヒース君は、誰がとは言わないまでも、父親であるコンティオラ公爵が情報源なのかと確認をしてきた。
「ああ、今はフォルシアン家の娘であると言う話は横に置いて貰えるかしら?この娘、自分で商会を一つ持っているのよ。名ばかりではない、れっきとした商会長の肩書をね。貴方のお父様は、自らの職務の倫理に背くような事はなさっておられない。純粋に商会の業務の中で得た話と思って?」
エリィ義母様が、隣から援護射撃をしてくれた。
マトヴェイ部長は、こちらから問いかけをして、なおかつ存在しない話だったからこそ答えてくれたのだ。
何も聞いていないうちから、もしも存在する話としてそんな話をすれば、日本ならインサイダー取引で双方が捕まってしまう。
「そう……ですか」
そんな法律があるかどうかは知らないけれど、ヒース君がややホッとしているのは、近い法律はあると言うことなんだろう。
ただ、一瞬とは言え息子に疑われたと知ったら、コンティオラ公爵の方が立ち直れなそうだから、今のやりとりは黙っていてあげようと、私は密かに決意した。
「えっと……そこだけは安心して貰って良いんですけど」
「……だけ」
どうやら「聞く耳」があって、ある程度腹の探り合いも出来るヒース君は、なかなかに優秀な次期公爵だと言えた。
こういうのはやはり、家庭環境に苦労が垣間見えると、しっかり育つと言うことなんだろうか。
こうなると、オブラートに包もうが煙に巻こうが、多分彼は察するだろうと、私は正直に彼に伝えることにした。
「実は貴方のお姉様が、この件で投資をすることをお考えみたいで」
「――――」
発言の効果は劇的だった。
「はあぁぁっつ⁉」
「「「⁉」」」
あまりの勢いに、頭を抱えてしまったコンティオラ公爵夫人と、叫んだ本人を除く全員が、目を見開いたほどである。
気付いた本人が、慌てて両手をブンブンと横に振っていた。
「あ……っ、申し訳ありません!つい、愚姉の馬鹿さ加減もここまでかと――いえ、とにかく、母上!アレを甘やかすのもいい加減にして下さい‼もしやお金を払いかけたのを、こちらのフォルシアン公爵令嬢にお止め頂いたとか、そんな馬鹿なオチがあったりはしないでしょうね⁉」
フォルシアン公爵令嬢、と呼ばれたのもまだちょっと違和感があるけれど、何より愚弟愚息なんかと違って、愚姉って初めて聞いたかも知れない。
もちろん、存在しない単語ではない筈だけど。
しかも、愚姉の次は「アレ」って……。
「ええっと……コンティオラ公爵令息……」
「ヒースで結構です。愚姉が絡んだ時点で、母に聞いても仕方がないと言うのは理解しました。普段はともかく、ナルディーニ家と姉が絡む時だけは、母はなんっにもあてになりませんので!お手数ですが、一から説明していただけますか」
「…………」
普段はともかく、とは何とも微妙だ。
公爵夫人としての尊敬はあれど、一家庭の母としては評価が大暴落していると言うことだろうか。
「だいたい、新たな漁場を無許可で確保出来ないことなんて、僕が嫡男であるか否かに関わらず、家庭教師が愚姉にも平等に説明をしている筈なんですよ!コンティオラ公爵家の領政の根幹に関わる話だし、もし僕が次期公爵として相応しくないとなれば、愚姉に婿養子をとる可能性だってあったわけなんですから!」
と言うか、ヒース君の一人称が興奮のあまり「僕」になっている。
まあでも、可能性があった――と自ら過去形で語っているからには、ヒース君自身は、次期コンティオラ公爵としての覚悟があって、努力を重ねていると言うことなんだろう。
私、ユティラやユセフにどう思われているのかしらね……?なんて呟くエリィ義母様は、ヒース君の発言が地味に刺さっているっぽい。
「わ……私はエリィ義母様、好きですからね……?」
ヒース君の質問に答える前に、私はエリィ義母様の服の袖を引きながら、こそっとフォローを入れておいた。
「ありがとう。いいコね、レイナちゃん……!」
それが功を奏したのかどうか「ひと通り説明してあげて……?」と、エリィ義母様のお許しも出たので、私は改めてヒース君にここまでの話を説明することにした。
「お察しの通りです、えっと………」
様、とか殿とか付けたところで、いらぬ吹雪を巻き起こしそうなので、せめてヤンネの「キヴェカス卿」みたく「ヒース卿」としておくことにした。
この場にいない「どなたか」が、何とかそのあたりで妥協をしてくれると信じたい。
閑話休題。
「卿のお姉様は、まだ投資の資金を渡す前でいらっしゃいましたけど、既に支払ってしまった商会が領内にあって、その商会がギルドに泣きついたことで、もみ消しようのない詐欺事件として、既に公になっています」
「……っ」
「そのうえ、騙すにあたっての架空の商会をフォルシアン公爵領で作っていたので、そう言う意味でも、もみ消せません」
ヒース君は、片手で額を覆っている。
「ここから……コンティオラ公爵家の人間の手で解決出来るのですか……?」
「……そこでちょっとご相談なんですが」
このまま一気に囮の話までした方が良いのかと、私が迷ったその時。
「――え、来客?」
邸宅の奥から、別の声が聞こえてきた。
ここでヒース君に説明をしても、二度手間にはならないだろうと私は判断した。
ただ、姉は投資をする気になっているところ、弟はどう判断するのか。
純粋な好奇心も手伝って「ジェイの漁場が新たに開拓されると言う話をどう思うか」と言う、マトヴェイ部長に聞いたのと同じ聞き方をしてみた。
外交部のベテラン部長と同じ思考回路を持つとはもちろん思わないし、多分周りも求めていないだろうけど、せめてお金を出すか、出さないか。どう判断をするのか聞いてみたかった。
「漁場の開拓……その話を、父が貴女にされたんですか?」
果たしてヒース君は、誰がとは言わないまでも、父親であるコンティオラ公爵が情報源なのかと確認をしてきた。
「ああ、今はフォルシアン家の娘であると言う話は横に置いて貰えるかしら?この娘、自分で商会を一つ持っているのよ。名ばかりではない、れっきとした商会長の肩書をね。貴方のお父様は、自らの職務の倫理に背くような事はなさっておられない。純粋に商会の業務の中で得た話と思って?」
エリィ義母様が、隣から援護射撃をしてくれた。
マトヴェイ部長は、こちらから問いかけをして、なおかつ存在しない話だったからこそ答えてくれたのだ。
何も聞いていないうちから、もしも存在する話としてそんな話をすれば、日本ならインサイダー取引で双方が捕まってしまう。
「そう……ですか」
そんな法律があるかどうかは知らないけれど、ヒース君がややホッとしているのは、近い法律はあると言うことなんだろう。
ただ、一瞬とは言え息子に疑われたと知ったら、コンティオラ公爵の方が立ち直れなそうだから、今のやりとりは黙っていてあげようと、私は密かに決意した。
「えっと……そこだけは安心して貰って良いんですけど」
「……だけ」
どうやら「聞く耳」があって、ある程度腹の探り合いも出来るヒース君は、なかなかに優秀な次期公爵だと言えた。
こういうのはやはり、家庭環境に苦労が垣間見えると、しっかり育つと言うことなんだろうか。
こうなると、オブラートに包もうが煙に巻こうが、多分彼は察するだろうと、私は正直に彼に伝えることにした。
「実は貴方のお姉様が、この件で投資をすることをお考えみたいで」
「――――」
発言の効果は劇的だった。
「はあぁぁっつ⁉」
「「「⁉」」」
あまりの勢いに、頭を抱えてしまったコンティオラ公爵夫人と、叫んだ本人を除く全員が、目を見開いたほどである。
気付いた本人が、慌てて両手をブンブンと横に振っていた。
「あ……っ、申し訳ありません!つい、愚姉の馬鹿さ加減もここまでかと――いえ、とにかく、母上!アレを甘やかすのもいい加減にして下さい‼もしやお金を払いかけたのを、こちらのフォルシアン公爵令嬢にお止め頂いたとか、そんな馬鹿なオチがあったりはしないでしょうね⁉」
フォルシアン公爵令嬢、と呼ばれたのもまだちょっと違和感があるけれど、何より愚弟愚息なんかと違って、愚姉って初めて聞いたかも知れない。
もちろん、存在しない単語ではない筈だけど。
しかも、愚姉の次は「アレ」って……。
「ええっと……コンティオラ公爵令息……」
「ヒースで結構です。愚姉が絡んだ時点で、母に聞いても仕方がないと言うのは理解しました。普段はともかく、ナルディーニ家と姉が絡む時だけは、母はなんっにもあてになりませんので!お手数ですが、一から説明していただけますか」
「…………」
普段はともかく、とは何とも微妙だ。
公爵夫人としての尊敬はあれど、一家庭の母としては評価が大暴落していると言うことだろうか。
「だいたい、新たな漁場を無許可で確保出来ないことなんて、僕が嫡男であるか否かに関わらず、家庭教師が愚姉にも平等に説明をしている筈なんですよ!コンティオラ公爵家の領政の根幹に関わる話だし、もし僕が次期公爵として相応しくないとなれば、愚姉に婿養子をとる可能性だってあったわけなんですから!」
と言うか、ヒース君の一人称が興奮のあまり「僕」になっている。
まあでも、可能性があった――と自ら過去形で語っているからには、ヒース君自身は、次期コンティオラ公爵としての覚悟があって、努力を重ねていると言うことなんだろう。
私、ユティラやユセフにどう思われているのかしらね……?なんて呟くエリィ義母様は、ヒース君の発言が地味に刺さっているっぽい。
「わ……私はエリィ義母様、好きですからね……?」
ヒース君の質問に答える前に、私はエリィ義母様の服の袖を引きながら、こそっとフォローを入れておいた。
「ありがとう。いいコね、レイナちゃん……!」
それが功を奏したのかどうか「ひと通り説明してあげて……?」と、エリィ義母様のお許しも出たので、私は改めてヒース君にここまでの話を説明することにした。
「お察しの通りです、えっと………」
様、とか殿とか付けたところで、いらぬ吹雪を巻き起こしそうなので、せめてヤンネの「キヴェカス卿」みたく「ヒース卿」としておくことにした。
この場にいない「どなたか」が、何とかそのあたりで妥協をしてくれると信じたい。
閑話休題。
「卿のお姉様は、まだ投資の資金を渡す前でいらっしゃいましたけど、既に支払ってしまった商会が領内にあって、その商会がギルドに泣きついたことで、もみ消しようのない詐欺事件として、既に公になっています」
「……っ」
「そのうえ、騙すにあたっての架空の商会をフォルシアン公爵領で作っていたので、そう言う意味でも、もみ消せません」
ヒース君は、片手で額を覆っている。
「ここから……コンティオラ公爵家の人間の手で解決出来るのですか……?」
「……そこでちょっとご相談なんですが」
このまま一気に囮の話までした方が良いのかと、私が迷ったその時。
「――え、来客?」
邸宅の奥から、別の声が聞こえてきた。
744
685 忘れじの膝枕 とも連動!
書籍刊行記念 書き下ろし番外編小説「森のピクニック」は下記ページ バックナンバー2022年6月欄に掲載中!
2巻刊行記念「オムレツ狂騒曲」は2023年4月のバックナンバーに、3巻刊行記念「星の影響-コクリュシュ-」は2024年3月のバックナンバーに掲載中です!
そして4巻刊行記念「月と白い鳥」はコミックス第1巻と連動!
https://www.regina-books.com/extra
今回から見方が変わりました。何か一話、アルファポリス作品をレンタル頂くことで全てご覧いただけますので宜しくお願いしますm(_ _)m
書籍刊行記念 書き下ろし番外編小説「森のピクニック」は下記ページ バックナンバー2022年6月欄に掲載中!
2巻刊行記念「オムレツ狂騒曲」は2023年4月のバックナンバーに、3巻刊行記念「星の影響-コクリュシュ-」は2024年3月のバックナンバーに掲載中です!
そして4巻刊行記念「月と白い鳥」はコミックス第1巻と連動!
https://www.regina-books.com/extra
今回から見方が変わりました。何か一話、アルファポリス作品をレンタル頂くことで全てご覧いただけますので宜しくお願いしますm(_ _)m
お気に入りに追加
12,979
あなたにおすすめの小説

今日結婚した夫から2年経ったら出ていけと言われました
四折 柊
恋愛
子爵令嬢であるコーデリアは高位貴族である公爵家から是非にと望まれ結婚した。美しくもなく身分の低い自分が何故? 理由は分からないが自分にひどい扱いをする実家を出て幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱く。ところがそこには思惑があり……。公爵は本当に愛する女性を妻にするためにコーデリアを利用したのだ。夫となった男は言った。「お前と本当の夫婦になるつもりはない。2年後には公爵邸から国外へ出ていってもらう。そして二度と戻ってくるな」と。(いいんですか? それは私にとって……ご褒美です!)

完結 穀潰しと言われたので家を出ます
音爽(ネソウ)
恋愛
ファーレン子爵家は姉が必死で守って来た。だが父親が他界すると家から追い出された。
「お姉様は出て行って!この穀潰し!私にはわかっているのよ遺産をいいように使おうだなんて」
遺産などほとんど残っていないのにそのような事を言う。
こうして腹黒な妹は母を騙して家を乗っ取ったのだ。
その後、収入のない妹夫婦は母の財を喰い物にするばかりで……

【完結】王女と駆け落ちした元旦那が二年後に帰ってきた〜謝罪すると思いきや、聖女になったお前と僕らの赤ん坊を育てたい?こんなに馬鹿だったかしら
冬月光輝
恋愛
侯爵家の令嬢、エリスの夫であるロバートは伯爵家の長男にして、デルバニア王国の第二王女アイリーンの幼馴染だった。
アイリーンは隣国の王子であるアルフォンスと婚約しているが、婚姻の儀式の当日にロバートと共に行方を眩ませてしまう。
国際規模の婚約破棄事件の裏で失意に沈むエリスだったが、同じ境遇のアルフォンスとお互いに励まし合い、元々魔法の素養があったので環境を変えようと修行をして聖女となり、王国でも重宝される存在となった。
ロバートたちが蒸発して二年後のある日、突然エリスの前に元夫が現れる。
エリスは激怒して謝罪を求めたが、彼は「アイリーンと自分の赤子を三人で育てよう」と斜め上のことを言い出した。

お前のせいで不幸になったと姉が乗り込んできました、ご自分から彼を奪っておいて何なの?
coco
恋愛
お前のせいで不幸になった、責任取りなさいと、姉が押しかけてきました。
ご自分から彼を奪っておいて、一体何なの─?

山に捨てられた令嬢! 私のスキルは結界なのに、王都がどうなっても、もう知りません!
甘い秋空
恋愛
婚約を破棄されて、山に捨てられました! 私のスキルは結界なので、私を王都の外に出せば、王都は結界が無くなりますよ? もう、どうなっても知りませんから! え? 助けに来たのは・・・

【完】お義母様そんなに嫁がお嫌いですか?でも安心してください、もう会う事はありませんから
咲貴
恋愛
見初められ伯爵夫人となった元子爵令嬢のアニカは、夫のフィリベルトの義母に嫌われており、嫌がらせを受ける日々。
そんな中、義父の誕生日を祝うため、とびきりのプレゼントを用意する。
しかし、義母と二人きりになった時、事件は起こった……。

【完結】略奪されるような王子なんていりません! こんな国から出ていきます!
かとるり
恋愛
王子であるグレアムは聖女であるマーガレットと婚約関係にあったが、彼が選んだのはマーガレットの妹のミランダだった。
婚約者に裏切られ、家族からも裏切られたマーガレットは国を見限った。
白い結婚三年目。つまり離縁できるまで、あと七日ですわ旦那様。
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
異世界に転生したフランカは公爵夫人として暮らしてきたが、前世から叶えたい夢があった。パティシエールになる。その夢を叶えようと夫である王国財務総括大臣ドミニクに相談するも答えはノー。夫婦らしい交流も、信頼もない中、三年の月日が近づき──フランカは賭に出る。白い結婚三年目で離縁できる条件を満たしていると迫り、夢を叶えられないのなら離縁すると宣言。そこから公爵家一同でフランカに考え直すように動き、ドミニクと話し合いの機会を得るのだがこの夫、山のように隠し事はあった。
無言で睨む夫だが、心の中は──。
【詰んだああああああああああ! もうチェックメイトじゃないか!? 情状酌量の余地はないと!? ああ、どうにかして侍女の準備を阻まなければ! いやそれでは根本的な解決にならない! だいたいなぜ後妻? そんな者はいないのに……。ど、どどどどどうしよう。いなくなるって聞いただけで悲しい。死にたい……うう】
4万文字ぐらいの中編になります。
※小説なろう、エブリスタに記載してます
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。