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第二部 宰相閣下の謹慎事情
487 貴方の手のひら
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「では、後ほど!」
ヤル気に満ち溢れたベルセリウス将軍が、先陣を切る様に、フェドート元公爵邸を出発して行った。
将軍の性格から言っても、後方に下がって指示をすると言う発想は出ないのかも知れない。
見ればウルリック副長が、殿を自然に引き受ける形で走り去って行く。
「素朴な疑問なんですけど、エドヴァルド様も馬は乗れるんですか?」
馬車移動しか見た事がないため、ふと疑問に思って聞いてみたところ、エドヴァルドは一瞬だけ考える表情を見せた。
「貴族教育の一環として習いはする。万一の際に足を引っ張る事のないように、と。だがまあ、趣味として遠乗りや狩りをする者も中にはいるが、私にはその余裕がなかった。乗馬技術としては、恐らく平均的以下だろうな」
なるほど、乗れなくはないが積極的に乗りたいとも思ってはいない――ダンスと似たような状況なのかも知れない。
イデオン公爵邸にも馬はいるけれど、もっぱら〝鷹の眼〟使用なんだろう。
「乗ってみたいのか?」
私が走り去る馬を目で追いながら聞いてきた為、興味があるとでも思ったんだろう。
私は「うーん……」と、ちょっと首を傾げた。
「正直、そこまで興味がある訳じゃないんですけど……エドヴァルド様がそうやって『万一の際に』と言う事での乗馬技術を習っていらっしゃるなら、私も、乗れないよりは、乗れた方が良いのかなと思っただけで……」
特に狩りがしたいとか、馬で遠乗りがしたいとか、そう言う願望はあまりない。
王都中心街へ出るだけなら、乗合馬車で充分だと思う。
「確かにな……私も、自分一人が馬で駆けるのはともかく、貴女を乗せてとなると、正直、自信はないな。せめて、いざと言う時に貴女を乗せて走れる様に復習は必要かも知れないが、貴女も一人で乗れる程度の初歩だけでも〝鷹の眼〟の連中に頼んでおこうか」
自分が王宮に出仕している間の「授業」が増えるのは、良い事だとエドヴァルドは微笑う。
「ただ、乗馬を覚えたからと言って、それでいきなり商会事務所に出かけたりとか、そういう無茶はしないで欲しいがな。ある意味、それが教える条件だとも言える」
「……き、気を付けます」
「……ファルコに言い聞かせておく」
自信なさげな私の空気が伝播したのか、若干、エドヴァルドのこめかみが痙攣っていたけれど、そこで「やはり却下だ」とは言わなかった。
私が言う事、やる事に、苦言を呈す事も手を貸してくれる事もある中で、頭ごなしに自分の意を押し付ける事だけはしないし、本気で嫌だと言えば、恐らくはそこで引き下がってくれる気もする。
そう言う人なのだと、最近、理解が及ぶ様になった。
「レイナ?」
「あ、いえ、何でもないです」
じっと見ていた所為か、ふとエドヴァルドの表情が引き締まったので、私は慌てて両手を横に振った。
「なら良いが……何であろうと、一人で抱え込む事だけはしないでくれ。それだけは、私だけではなく、周囲の皆も切に願っている事だろうから」
何より貴女はまだ、私の事を充分に活かしきれていない――。
顔を覗き込む様にして、そう言われた私は、思わず続ける言葉に困ってしまった。
「……まだ」
「ああ、まだまだだ。私の立場も、この身も、この程度で揺らぎはしないんだ。貴女があげる声ならば、伸ばす手ならば、私はいつだって受け止めてみせる。そこに上限はない。だから、吞み込むな。何一つ、呑み込まなくて良い」
「……っ」
目を見開いた私に、エドヴァルドがすっと片手を差し出した。
もう一方の手には、小型の簡易型転移装置が取り出されていて、静かに地面に落とされた。
「――行こうか」
地に落ちた事で装置が起動したのか、私にも見える淡い光が周囲へと広がった。
もちろん、国同士を繋いでいる〝転移扉〟よりは遥かに規模は小さいのだけれど、扉の仕組み自体は同じ事だ。
潮時と悟ったテオドル大公も、フェドート元公爵に「息災でな」などと声をかけながら、広がる光の方へと歩を進めている。
私は〝カーテシー〟ではなく、深々とお辞儀をする事で元公爵に謝意を伝えた後、差し出されたエドヴァルドの掌に、そっと自分の手を重ねた。
――私が取るのは、やっぱりこの手だと内心で思いながら。
* * *
簡易型転移装置の行先は、ユッカス村のカゼッリ族長の館だとエドヴァルドは言っていた。
いくらテオドル大公と無事に合流出来たからと言っても、民族同士の争いの決着を見ないまま、バリエンダール王宮あるいはアンジェスに戻る訳にはいかなかったからだ。
となると、最初に村に着いた時の、カラハティの頭部の剥製が飾られたあの部屋かと思って移動をしてみたところ、予想通りに、移動先は前回と同じ部屋の中だった。
「!」
そして、私たちが移動をし終わった頃を見計らったかの様に、部屋の扉が開いて、ジーノ・フォサーティ宰相令息が慌てた様に中へと入って来た。
「貴方がたでしたか……」
どうやら、いきなりの魔力の揺らぎに驚いて、様子を見に駆けつけて来たみたいだった。
なるほどリファちゃんでなくとも、感知出来る人には、いきなりの魔力の揺らぎはかなり驚かされるものらしい。
「ああ、大公殿下もご無事で……!」
「うむ、すまぬな。街道を封鎖されたとあっては、ヘルガ湖畔からでは連絡のしようもなくてな。あの場所は、建てられた経緯から言っても、言わば誰も踏み入らぬ禁足地。いっそ留まっておるのが安全だろうと思ったのだ」
「いえ、こちらこそ、このような時期に民族間で揉め事を起こさせてしまった点については、不甲斐なく思っています。すぐにでも王宮にお戻り頂きたいところではあるのですが――」
「ああ、良い。状況は聞いておるし、イラクシ族の内部抗争を止めるまでは、帰らぬ方が良いと言うのには、儂も賛成だ。儂自身が、何を出来る訳でもないが、早めに目途を立ててくれれば有難いと思うだけだ」
「申し訳ありません」
王室一家との交流が密な様に思えるテオドル大公だけれど、フェドート元公爵やフォサーティ宰相、その息子とも、長年少なからずの交流はあるのだと、これらの会話からはうかがい知れた。
嫌味や裏を探ると言った事がない、純粋な会話だったからだ。
「ユングベリ嬢」
そのジーノ青年の視線が、不意にこちらを向いた。
「荷馬車での移動含め、かなり強行軍だったのではないかと思いますが、体調は大丈夫ですか?」
「えーっと……はい」
エドヴァルドと会話をしないようにしているのは、わざとなんだろうか。
何となく不穏な空気を感じ取った私は、無意識の内にエドヴァルドの背中に隠れる様に移動をしてしまっていた。
「安心しました。バレス嬢やロサーナ卿も心配なさっていましたから、どうぞご移動下さい。彼らも呼びますし、皆さまにも温かい飲み物を用意させますので」
言われてみれば、ヘルガ湖畔の方が寒冷地である筈なのに、体感気温が何故か冷たい。
その理由は、移動後に目の当たりにする事になる――。
ヤル気に満ち溢れたベルセリウス将軍が、先陣を切る様に、フェドート元公爵邸を出発して行った。
将軍の性格から言っても、後方に下がって指示をすると言う発想は出ないのかも知れない。
見ればウルリック副長が、殿を自然に引き受ける形で走り去って行く。
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馬車移動しか見た事がないため、ふと疑問に思って聞いてみたところ、エドヴァルドは一瞬だけ考える表情を見せた。
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なるほど、乗れなくはないが積極的に乗りたいとも思ってはいない――ダンスと似たような状況なのかも知れない。
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「乗ってみたいのか?」
私が走り去る馬を目で追いながら聞いてきた為、興味があるとでも思ったんだろう。
私は「うーん……」と、ちょっと首を傾げた。
「正直、そこまで興味がある訳じゃないんですけど……エドヴァルド様がそうやって『万一の際に』と言う事での乗馬技術を習っていらっしゃるなら、私も、乗れないよりは、乗れた方が良いのかなと思っただけで……」
特に狩りがしたいとか、馬で遠乗りがしたいとか、そう言う願望はあまりない。
王都中心街へ出るだけなら、乗合馬車で充分だと思う。
「確かにな……私も、自分一人が馬で駆けるのはともかく、貴女を乗せてとなると、正直、自信はないな。せめて、いざと言う時に貴女を乗せて走れる様に復習は必要かも知れないが、貴女も一人で乗れる程度の初歩だけでも〝鷹の眼〟の連中に頼んでおこうか」
自分が王宮に出仕している間の「授業」が増えるのは、良い事だとエドヴァルドは微笑う。
「ただ、乗馬を覚えたからと言って、それでいきなり商会事務所に出かけたりとか、そういう無茶はしないで欲しいがな。ある意味、それが教える条件だとも言える」
「……き、気を付けます」
「……ファルコに言い聞かせておく」
自信なさげな私の空気が伝播したのか、若干、エドヴァルドのこめかみが痙攣っていたけれど、そこで「やはり却下だ」とは言わなかった。
私が言う事、やる事に、苦言を呈す事も手を貸してくれる事もある中で、頭ごなしに自分の意を押し付ける事だけはしないし、本気で嫌だと言えば、恐らくはそこで引き下がってくれる気もする。
そう言う人なのだと、最近、理解が及ぶ様になった。
「レイナ?」
「あ、いえ、何でもないです」
じっと見ていた所為か、ふとエドヴァルドの表情が引き締まったので、私は慌てて両手を横に振った。
「なら良いが……何であろうと、一人で抱え込む事だけはしないでくれ。それだけは、私だけではなく、周囲の皆も切に願っている事だろうから」
何より貴女はまだ、私の事を充分に活かしきれていない――。
顔を覗き込む様にして、そう言われた私は、思わず続ける言葉に困ってしまった。
「……まだ」
「ああ、まだまだだ。私の立場も、この身も、この程度で揺らぎはしないんだ。貴女があげる声ならば、伸ばす手ならば、私はいつだって受け止めてみせる。そこに上限はない。だから、吞み込むな。何一つ、呑み込まなくて良い」
「……っ」
目を見開いた私に、エドヴァルドがすっと片手を差し出した。
もう一方の手には、小型の簡易型転移装置が取り出されていて、静かに地面に落とされた。
「――行こうか」
地に落ちた事で装置が起動したのか、私にも見える淡い光が周囲へと広がった。
もちろん、国同士を繋いでいる〝転移扉〟よりは遥かに規模は小さいのだけれど、扉の仕組み自体は同じ事だ。
潮時と悟ったテオドル大公も、フェドート元公爵に「息災でな」などと声をかけながら、広がる光の方へと歩を進めている。
私は〝カーテシー〟ではなく、深々とお辞儀をする事で元公爵に謝意を伝えた後、差し出されたエドヴァルドの掌に、そっと自分の手を重ねた。
――私が取るのは、やっぱりこの手だと内心で思いながら。
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いくらテオドル大公と無事に合流出来たからと言っても、民族同士の争いの決着を見ないまま、バリエンダール王宮あるいはアンジェスに戻る訳にはいかなかったからだ。
となると、最初に村に着いた時の、カラハティの頭部の剥製が飾られたあの部屋かと思って移動をしてみたところ、予想通りに、移動先は前回と同じ部屋の中だった。
「!」
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「貴方がたでしたか……」
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