442 / 819
第二部 宰相閣下の謹慎事情
465 男役トップスター登場⁉(後)
しおりを挟む
「ダメならダメで、お店の場所を探して、切り盛りしてくれそうな人を探して紹介して欲しいって言うのはあるんだけど、サラはもともとサレステーデの人だし、行商人としての実績もあるし、伴侶としてロサーナ卿がお店の仕入れとか経理とかを管理して、サラを手助けしてくれたら、それが一番良いんじゃないかと思って」
口には出さないけど、ラディズ青年は、王宮内での権謀術数を相手にするのには、向いていない。
それが出来るなら、ロサーナ公爵だって国外に出したりはしない筈だ。
ただ、地頭は良いと思われるので、お店で数字に向き合うのには向いている気がするのだ。
「私とディで、お店を……」
「ユングベリ商会が従業員として雇う形だから、実店舗登録の為の資金含めて、あれこれとサラが無理に準備する必要はないでしょう?その他の従業員に関しては、アンジェスを出て一旗あげたいって言う人たちの面倒をみてもらう可能性はあるけど、そのあたりはこれから相談していける事だし」
「サラ……」
私の話に心が揺れているらしいサラさんの肩に、ラディズ青年がそっと手を添える。
「ああ……そうだね、ディ。多分このまま帰っても、私は望まない縁談を押し付けられるだけじゃないかと思うんだ。父は何か焦っているようだったからね。それを思えば、これ以上の話はないかも知れないね」
「!」
――何かに焦っている。
サラさんの言葉は、確かに私の肺腑を貫いた。
片方にギルドカードがあれば、ギルドを通して1~2日での手紙のやり取りが可能になる。
手紙を読んで、帰国するまでの日数はある程度かかるにしても、サレステーデのバレス宰相が、王家が保たない危機を感じて、とにかく後妻でも側室でも良いから、生き残りそうな家に娘を嫁がせようと考えた可能性はある。
そこは、ロサーナ公爵令息と言う、ラディズ青年の立場がサラさんの防波堤にはなるだろうけど、バレス宰相が、自らの職務を失う事も未来図として持っているのだとすれば、ただ、婿養子になりに行くよりも「ユングベリ商会サレステーデ支店」の存在を仄めかせて行く方が、向こうも安心するに決まっている。
「――サラ」
私はそっとサラさんの近くに歩み寄ると、誰にも聞き取れない様に、耳元で小声で囁いた。
「今、サレステーデ王宮内でトラブルが起きているとの情報を得ているの。それを踏まえて、お父様のお話を聞いて?」
「⁉」
うっかり声を上げそうになっているサラさんを、そっと片手で押しとどめる。
「お父様は、とにかくサラをそのトラブルから遠ざけたくて、焦っているんだと思う。何なら、お父様も『顧問』で如何ですかって、手紙に書き足しておくわ」
「……父の宰相位が……危ぶまれるほどのトラブル、だと……?」
「結構、ユングベリ商会の情報網は確かよ?」
この程度であれば多分、機密には触れないだろう。
サラさんはともかく、他者からすればあくまで噂の域を出ないと判断される筈だ。
ラディズ青年の様子をチラッと見て、ほぼ会話は洩れていない事を確認する。
後でサラさんが話をするかどうかは、彼女自身が「宰相の娘」として判断すべき事だろう。
「レイナの手紙が……父に何らかの方向性を与えると言う事で良いのかな?」
「多分ね」
娘にちゃんと「当て」があるなら、第三王子を軽い御輿と知っていて、宰相の娘と共に担ぎ出そうとする勢力が仮に残っていたとしても、遠慮なく掃除が出来る筈だ。
「ダルジーザ族側からの返事もまだだし、サラの体調もあるだろうから、手紙は戻ってから書くね?それまでに紹介か、サラ達自身が商会に入ってくれるか、二人でちゃんと相談しておいて貰って良い?」
「分かったよ。何でも街道閉鎖をされてしまって帰りそびれている、アンジェス国の重鎮の方を迎えに行くとか……?」
ラディズ青年なり、ジーノ青年なりから、概略だけは聞いたのかも知れない。
私も、敢えて頷くだけに留めておいた。
「そうか。ヘルガ湖畔だろう?せっかくだから、その方の無事がハッキリしたら、1泊はしてくる事を勧めるよ」
「そうなの?何かオススメ?」
「もっと冬が深くなった方が見る事の出来る確率は上がるんだけどね。天気や気温、ある程度の条件が整った夜になると、その辺りで〝狐火〟を見る事が出来るんだよ。そうだね、折りたたまれながら揺れる光のカーテン…って感じかな」
ん?
私はサラさんの説明に、何となく心当たりがあった。
「オーロラ……?」
「レイナの国では、そんな風に言うのかい?本当はもう少し北に行かないと難しくて、ヘルガ湖畔あたりでギリギリってところなんだよ。だけど運が良ければ、空だけではなくて湖面にも反映して、貴重な景色を拝む事が出来るからね。私としては防寒具をちゃんと持って、2泊くらいは待機してでも機会を窺って欲しいところかな」
そうか。トナカイがいる様な北欧圏では、確かに地域によってはオーロラを見る事が出来ていた。
異世界でだって、そんな事はあるかも知れない。
地球上でだって、オーロラのメカニズムは磁気と太陽風が関係していると言った以上の事はまだ解明されていないのだから。
「もし、それがオーロラだったら、私の居た国では『死ぬまでに一度は見ないと後悔する景色』なんて言われていたから、確かに是非見たいかも」
「そうか!それはぜひ、同じであって欲しいね!ダルジーザとかネーミとかの間には『狐が雪原を駆け巡り、その尻尾で舞い上げた粉雪が火花となり夜空に現れた光』だなんて言い伝えがあるらしいよ。何でもその光の下で結ばれた恋人同士は、将来子宝に恵まれるとか、授かった子どもは運や健康、美貌に恵まれるとか言われていてね。私とディも、ヘルガ湖畔じゃないにしろ、サレステーデに戻る途中のどこかで見たいと思っているんだよ!」
「………そ、そうなんだ」
それは、もの凄い伝説だ。
死ぬまでに一度見たいどころの話じゃない。
日本だったら観光の謳い文句に使われて、観光客が殺到しそうなエピソードだ。
「あ」
「え?」
「ねえ、サラ。その〝光〟って、サレステーデでは有名?」
何気なく聞いた私に、サラさんも「そうだね」と、すぐに答えた。
「王都郊外で〝狐火〟がよく見える村なんかは、宿がいくつもあって、若い恋人たちとか結婚したばかりの夫婦とかが願掛けに行ったりするよ」
「じゃあ、それ、使えるかも」
「使えるって?」
「絵の得意な人を探して〝狐火〟の絵を書いて貰って、売るとかしてみない?ただの絵画なら、もしかすると先達がいるかも知れないけど、ミニチュアにするとか、砂絵にするとか、ちょっとした工夫はいくらでも出来るし」
「え、ミニチュア?砂絵?」
「あー…帰ったら説明する!その辺りも含めて、店舗経営の件は考えておいて?」
扉の向こうから、バルトリが顔をのぞかせたところから言って、荷馬車の用意が整ったんだろう。
話はここまで――と、私は立ち上がった。
口には出さないけど、ラディズ青年は、王宮内での権謀術数を相手にするのには、向いていない。
それが出来るなら、ロサーナ公爵だって国外に出したりはしない筈だ。
ただ、地頭は良いと思われるので、お店で数字に向き合うのには向いている気がするのだ。
「私とディで、お店を……」
「ユングベリ商会が従業員として雇う形だから、実店舗登録の為の資金含めて、あれこれとサラが無理に準備する必要はないでしょう?その他の従業員に関しては、アンジェスを出て一旗あげたいって言う人たちの面倒をみてもらう可能性はあるけど、そのあたりはこれから相談していける事だし」
「サラ……」
私の話に心が揺れているらしいサラさんの肩に、ラディズ青年がそっと手を添える。
「ああ……そうだね、ディ。多分このまま帰っても、私は望まない縁談を押し付けられるだけじゃないかと思うんだ。父は何か焦っているようだったからね。それを思えば、これ以上の話はないかも知れないね」
「!」
――何かに焦っている。
サラさんの言葉は、確かに私の肺腑を貫いた。
片方にギルドカードがあれば、ギルドを通して1~2日での手紙のやり取りが可能になる。
手紙を読んで、帰国するまでの日数はある程度かかるにしても、サレステーデのバレス宰相が、王家が保たない危機を感じて、とにかく後妻でも側室でも良いから、生き残りそうな家に娘を嫁がせようと考えた可能性はある。
そこは、ロサーナ公爵令息と言う、ラディズ青年の立場がサラさんの防波堤にはなるだろうけど、バレス宰相が、自らの職務を失う事も未来図として持っているのだとすれば、ただ、婿養子になりに行くよりも「ユングベリ商会サレステーデ支店」の存在を仄めかせて行く方が、向こうも安心するに決まっている。
「――サラ」
私はそっとサラさんの近くに歩み寄ると、誰にも聞き取れない様に、耳元で小声で囁いた。
「今、サレステーデ王宮内でトラブルが起きているとの情報を得ているの。それを踏まえて、お父様のお話を聞いて?」
「⁉」
うっかり声を上げそうになっているサラさんを、そっと片手で押しとどめる。
「お父様は、とにかくサラをそのトラブルから遠ざけたくて、焦っているんだと思う。何なら、お父様も『顧問』で如何ですかって、手紙に書き足しておくわ」
「……父の宰相位が……危ぶまれるほどのトラブル、だと……?」
「結構、ユングベリ商会の情報網は確かよ?」
この程度であれば多分、機密には触れないだろう。
サラさんはともかく、他者からすればあくまで噂の域を出ないと判断される筈だ。
ラディズ青年の様子をチラッと見て、ほぼ会話は洩れていない事を確認する。
後でサラさんが話をするかどうかは、彼女自身が「宰相の娘」として判断すべき事だろう。
「レイナの手紙が……父に何らかの方向性を与えると言う事で良いのかな?」
「多分ね」
娘にちゃんと「当て」があるなら、第三王子を軽い御輿と知っていて、宰相の娘と共に担ぎ出そうとする勢力が仮に残っていたとしても、遠慮なく掃除が出来る筈だ。
「ダルジーザ族側からの返事もまだだし、サラの体調もあるだろうから、手紙は戻ってから書くね?それまでに紹介か、サラ達自身が商会に入ってくれるか、二人でちゃんと相談しておいて貰って良い?」
「分かったよ。何でも街道閉鎖をされてしまって帰りそびれている、アンジェス国の重鎮の方を迎えに行くとか……?」
ラディズ青年なり、ジーノ青年なりから、概略だけは聞いたのかも知れない。
私も、敢えて頷くだけに留めておいた。
「そうか。ヘルガ湖畔だろう?せっかくだから、その方の無事がハッキリしたら、1泊はしてくる事を勧めるよ」
「そうなの?何かオススメ?」
「もっと冬が深くなった方が見る事の出来る確率は上がるんだけどね。天気や気温、ある程度の条件が整った夜になると、その辺りで〝狐火〟を見る事が出来るんだよ。そうだね、折りたたまれながら揺れる光のカーテン…って感じかな」
ん?
私はサラさんの説明に、何となく心当たりがあった。
「オーロラ……?」
「レイナの国では、そんな風に言うのかい?本当はもう少し北に行かないと難しくて、ヘルガ湖畔あたりでギリギリってところなんだよ。だけど運が良ければ、空だけではなくて湖面にも反映して、貴重な景色を拝む事が出来るからね。私としては防寒具をちゃんと持って、2泊くらいは待機してでも機会を窺って欲しいところかな」
そうか。トナカイがいる様な北欧圏では、確かに地域によってはオーロラを見る事が出来ていた。
異世界でだって、そんな事はあるかも知れない。
地球上でだって、オーロラのメカニズムは磁気と太陽風が関係していると言った以上の事はまだ解明されていないのだから。
「もし、それがオーロラだったら、私の居た国では『死ぬまでに一度は見ないと後悔する景色』なんて言われていたから、確かに是非見たいかも」
「そうか!それはぜひ、同じであって欲しいね!ダルジーザとかネーミとかの間には『狐が雪原を駆け巡り、その尻尾で舞い上げた粉雪が火花となり夜空に現れた光』だなんて言い伝えがあるらしいよ。何でもその光の下で結ばれた恋人同士は、将来子宝に恵まれるとか、授かった子どもは運や健康、美貌に恵まれるとか言われていてね。私とディも、ヘルガ湖畔じゃないにしろ、サレステーデに戻る途中のどこかで見たいと思っているんだよ!」
「………そ、そうなんだ」
それは、もの凄い伝説だ。
死ぬまでに一度見たいどころの話じゃない。
日本だったら観光の謳い文句に使われて、観光客が殺到しそうなエピソードだ。
「あ」
「え?」
「ねえ、サラ。その〝光〟って、サレステーデでは有名?」
何気なく聞いた私に、サラさんも「そうだね」と、すぐに答えた。
「王都郊外で〝狐火〟がよく見える村なんかは、宿がいくつもあって、若い恋人たちとか結婚したばかりの夫婦とかが願掛けに行ったりするよ」
「じゃあ、それ、使えるかも」
「使えるって?」
「絵の得意な人を探して〝狐火〟の絵を書いて貰って、売るとかしてみない?ただの絵画なら、もしかすると先達がいるかも知れないけど、ミニチュアにするとか、砂絵にするとか、ちょっとした工夫はいくらでも出来るし」
「え、ミニチュア?砂絵?」
「あー…帰ったら説明する!その辺りも含めて、店舗経営の件は考えておいて?」
扉の向こうから、バルトリが顔をのぞかせたところから言って、荷馬車の用意が整ったんだろう。
話はここまで――と、私は立ち上がった。
676
お気に入りに追加
12,955
あなたにおすすめの小説
離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。
しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。
私たち夫婦には娘が1人。
愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。
だけど娘が選んだのは夫の方だった。
失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。
事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。
再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
結婚して5年、冷たい夫に離縁を申し立てたらみんなに止められています。
真田どんぐり
恋愛
ー5年前、ストレイ伯爵家の美しい令嬢、アルヴィラ・ストレイはアレンベル侯爵家の侯爵、ダリウス・アレンベルと結婚してアルヴィラ・アレンベルへとなった。
親同士に決められた政略結婚だったが、アルヴィラは旦那様とちゃんと愛し合ってやっていこうと決意していたのに……。
そんな決意を打ち砕くかのように旦那様の態度はずっと冷たかった。
(しかも私にだけ!!)
社交界に行っても、使用人の前でもどんな時でも冷たい態度を取られた私は周りの噂の恰好の的。
最初こそ我慢していたが、ある日、偶然旦那様とその幼馴染の不倫疑惑を耳にする。
(((こんな仕打ち、あんまりよーー!!)))
旦那様の態度にとうとう耐えられなくなった私は、ついに離縁を決意したーーーー。
【完結】初めて嫁ぎ先に行ってみたら、私と同名の妻と嫡男がいました。さて、どうしましょうか?
との
恋愛
「なんかさぁ、おかしな噂聞いたんだけど」
結婚式の時から一度もあった事のない私の夫には、最近子供が産まれたらしい。
夫のストマック辺境伯から領地には来るなと言われていたアナベルだが、流石に放っておくわけにもいかず訪ねてみると、
えっ? アナベルって奥様がここに住んでる。
どう言う事? しかも私が毎月支援していたお金はどこに?
ーーーーーー
完結、予約投稿済みです。
R15は、今回も念の為
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
意地を張っていたら6年もたってしまいました
Hkei
恋愛
「セドリック様が悪いのですわ!」
「そうか?」
婚約者である私の誕生日パーティーで他の令嬢ばかり褒めて、そんなに私のことが嫌いですか!
「もう…セドリック様なんて大嫌いです!!」
その後意地を張っていたら6年もたってしまっていた二人の話。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。