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第二部 宰相閣下の謹慎事情
455 族長ネットワークは偉大
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王都や貴族領などであれば、争いの原因のほとんどが金品か権力かと言う話になるけれど、これが遊牧民達の間ではどうなるのかと言えば、主たる原因は「土地」「水」「資源」と言う話になるらしい。
カラハティ達の主食は草や苔らしく、羊や牛の放牧よりも広範囲に放たれて、餌を求めてより自然に近い移動をしていると言う事だった。
よく行方不明にならないなと思っていると、やはりゼロではないと言う話だ。
ただ、割に人懐っこい種族だとの事で、雪に閉ざされる真冬に干し草なんかの食糧を与えると、ある程度懐柔されるのか、一定の距離以上は離れなかったり、こちらを認識したら戻ってきたりと、不思議な生態系を持っているらしかった。
イラクシ族の動向に関しては、ジーノ青年が王都からの第一報を送った時点で、それぞれの部族から何名かを様子見に行かせていて、もうすぐ何かしらの連絡が入るのでは、との事だった。
『街道封鎖などと言う、王都にまで知られる様な馬鹿な事をしていては、今回の争いに決着が着いたところで、周りからの信用も得られまい。ならいっそ、王都のその店の店主を新たな族長として据えるのも、一つの手段ではあると思うがな』
シルバーアクセサリーを指さしながら話す、ネーミ族のバラッキ族長に、ハタラ族のガエターノ族長が緩々と首を緩々と横に振った。
『とかく我らの様な出自の者が、王都で店を出し、今まで経営をしてきていると言うのは、並大抵の事ではない。確かに新しいイラクシ族を主張するのには良いだろうが、今更本人に王都から戻れと言うのも酷な話だと思うぞ』
さすが王都にチェーリアさんがお店を持っている事を知るガエターノ族長は、他の二人よりもイユノヴァ・シルバーギャラリーの立ち位置への理解があるみたいだ。
そこは私も、彼には王都に婚約者がいて、一緒に店を続けていくつもりの様だと情報を追加しておいた。
『ふむ……』
『いや、バラッキ族長の言う事も一理ある。何も本当に戻らなくとも、名前と噂だけをばら撒く手段もあろう』
そう言ったのはカゼッリ族長、ジーノ青年の伯父だった。
『ただ戻ると言うのではなく、ユングベリ商会との取引の話をそこに混ぜれば、相手の目には族長になる為の手土産、実績として映るのではないか?』
『そうか、バラッキ族長の案を叩き台として、今揉めている連中を孤立させる噂を流すのか』
『そうだ、ガエターノ族長。目端の利く者は、最初の噂の段階で早々に今の構想から離脱をするだろうし、残る頭の固い連中だけを叩くのであれば、こちらの被害も最小限で済む気はしないか?』
カゼッリ族長の言葉に、バラッキ族長とガエターノ族長も『ふむ…』と、それぞれが口元に手をあてて考える仕種を見せた。
『まずは街道封鎖を解かせねば、話にならん。ジーノが戻って来たら、噂を流す件を伝えてみて、感触次第で残りを叩く実働部隊を編成するか』
『うむ、それが一番現実的か』
『その過程で、連絡の取れぬ王都からの客人の事も分かる可能性が高いだろうしな』
族長たちは、そこで一度納得をしあったのか、再度視線と意識を机の上のサンプル品の方へと戻してきた。
『そう言う事なら、これらの取引をある程度形にしておかねば、流す噂にも信憑性が出まい、カゼッリ族長』
『ああ。この入浴剤と人形に関しては、各部族共に、放牧に出ない者達や冬の間の主力商品としてそれぞれが作成出来る。エプレはハタラ族が主力かも知れぬが、他の物でも作れるとの話なら、我々ユレルミやネーミでも似た物を作れると言う事だからな。カラハティ製品も、それぞれの部族が一つ二つずつ、被らない様に納入すれば問題あるまい。バラッキ族長が気にしているのは、こちらの調味料の話か』
『それはまだ、どこの部族でも安定供給は見込めぬだろう。どうするのが良いかと思ってな』
調味料の瓶を見つるバラッキ族長に、私は『そこなんですが――』と、話しかけた。
『どのみち、安定した生産が出来る様に実験をしていかないといけないので、各部族それぞれが果物や魚を持ち寄っても良いと思うんですよ』
お酢だけの話なら、この世界にあるのかどうかはともかく、ザクロやブルーベリーでだって作られていた。
実験ついでに色々やってみても良いと思うのだ。
『もっともその為には、他のこちら側の商品を頑張って売らないと――なんですが』
私の苦笑に釣られる様に、バラッキ族長が笑った。
『元々、我らの中でも昨今、放牧だけで生活を成り立たせている者はそれほど多くない。残っている者でチーズを含めた冬の間の備蓄食料を作ったり、半農半牧の生活や、完全に別の職業に従事している者もおるが、すぐに職が見つからぬ場合も多くあると聞く。そう言った者たちに選択肢が増えるとあらば、何が何でもと、皆、引き受ける気はするがな』
『取引……して頂けるんですか?』
『少なくともネーミ族は、遠く離れたアンジェスの地まで逃れた一族の子孫である、バートリを使ってくれているユングベリ商会を拒絶する様な事はせんよ』
出来れば一度、ネーミ族が今主に暮らしている所にも顔を出してくれるとありがたいが……と、バラッキ族長は言った。
私とバラッキ族長の視線を受けたバルトリは、マトヴェイ外交部長に通訳をしていたのを一度止めて『……今回の件が決着した後、機会と時間があれば』とだけ口にしていた。
『はは、相変わらずバラッキ族長は決断の早い事だ』
そう言ったガエターノ族長も、ちょっと苦笑いしていた。
『とは言え、ハタラ族も王都でチェーリアとの交流があるようだし、一族の子は等しく子や孫も同然。チェーリアの店を窓口に、と言う形であれば取引もやぶさかでない』
『と、なると後はユレルミ族――か』
他の族長の視線を受け、カゼッリ族長が口を開いた。
『ウチはまあ、もともとジーノがこの案件を持って来ているくらいだからな。アレが採算が取れそうだと見ているのであれば、拒否する理由もないかとは思っている。……ただ』
『ただ?』
『部族以外の者達が移住をしてきて、農業参加すると言う部分に関してだけは、もうしばらく保留にしておきたいと言ったところか』
そう言えば、と私はジーノ青年が書き上げていてくれた報告書をふと思い返した。
アンジェスから、養羊家からの転身でリンゴなり何か定住して作る道があるか探りたいと、そんな話は口にしていたかも知れない。
そこもしっかり書き記してあったんだろう。
『冷酷な話と言われればそれまでだが、この取引で自分達の生活のめどがつくまで、他の地域から人を雇い入れる事はなるべく少なくしておきたいのだ』
ああ、とそこは他の族長達も賛成の様だった。
確かに、自分達の生活向上の為に始めた筈の取引が、何の利益もなく他国に掠め取られるのでは我慢も難しいだろう。
他国からの移住計画であれば、今の取引が軌道にのってから改めて話を――と言う事で、大枠の所で今回は賛同を得たと言う事なんだろう。
『代わりと言っては何だが、一つ提案がある』
私の表情を不満そうだと受け取ったのか、カゼッリ族長の隣で、ガエターノ族長が口を開いた。
『今、隣で休んでいるあの女性はサレステーデに戻るのだろう?彼女に私からの手紙を持たせて、サレステーデ側に住むダルジーザ族と繋ぎを取ろう。あわよくば彼らの民芸品も取引しつつ、向こう側からもイラクシ族に封鎖を印象付ける事が出来るだろう』
『それは……』
思わぬ申し出に、私は目を丸くした。
カラハティ達の主食は草や苔らしく、羊や牛の放牧よりも広範囲に放たれて、餌を求めてより自然に近い移動をしていると言う事だった。
よく行方不明にならないなと思っていると、やはりゼロではないと言う話だ。
ただ、割に人懐っこい種族だとの事で、雪に閉ざされる真冬に干し草なんかの食糧を与えると、ある程度懐柔されるのか、一定の距離以上は離れなかったり、こちらを認識したら戻ってきたりと、不思議な生態系を持っているらしかった。
イラクシ族の動向に関しては、ジーノ青年が王都からの第一報を送った時点で、それぞれの部族から何名かを様子見に行かせていて、もうすぐ何かしらの連絡が入るのでは、との事だった。
『街道封鎖などと言う、王都にまで知られる様な馬鹿な事をしていては、今回の争いに決着が着いたところで、周りからの信用も得られまい。ならいっそ、王都のその店の店主を新たな族長として据えるのも、一つの手段ではあると思うがな』
シルバーアクセサリーを指さしながら話す、ネーミ族のバラッキ族長に、ハタラ族のガエターノ族長が緩々と首を緩々と横に振った。
『とかく我らの様な出自の者が、王都で店を出し、今まで経営をしてきていると言うのは、並大抵の事ではない。確かに新しいイラクシ族を主張するのには良いだろうが、今更本人に王都から戻れと言うのも酷な話だと思うぞ』
さすが王都にチェーリアさんがお店を持っている事を知るガエターノ族長は、他の二人よりもイユノヴァ・シルバーギャラリーの立ち位置への理解があるみたいだ。
そこは私も、彼には王都に婚約者がいて、一緒に店を続けていくつもりの様だと情報を追加しておいた。
『ふむ……』
『いや、バラッキ族長の言う事も一理ある。何も本当に戻らなくとも、名前と噂だけをばら撒く手段もあろう』
そう言ったのはカゼッリ族長、ジーノ青年の伯父だった。
『ただ戻ると言うのではなく、ユングベリ商会との取引の話をそこに混ぜれば、相手の目には族長になる為の手土産、実績として映るのではないか?』
『そうか、バラッキ族長の案を叩き台として、今揉めている連中を孤立させる噂を流すのか』
『そうだ、ガエターノ族長。目端の利く者は、最初の噂の段階で早々に今の構想から離脱をするだろうし、残る頭の固い連中だけを叩くのであれば、こちらの被害も最小限で済む気はしないか?』
カゼッリ族長の言葉に、バラッキ族長とガエターノ族長も『ふむ…』と、それぞれが口元に手をあてて考える仕種を見せた。
『まずは街道封鎖を解かせねば、話にならん。ジーノが戻って来たら、噂を流す件を伝えてみて、感触次第で残りを叩く実働部隊を編成するか』
『うむ、それが一番現実的か』
『その過程で、連絡の取れぬ王都からの客人の事も分かる可能性が高いだろうしな』
族長たちは、そこで一度納得をしあったのか、再度視線と意識を机の上のサンプル品の方へと戻してきた。
『そう言う事なら、これらの取引をある程度形にしておかねば、流す噂にも信憑性が出まい、カゼッリ族長』
『ああ。この入浴剤と人形に関しては、各部族共に、放牧に出ない者達や冬の間の主力商品としてそれぞれが作成出来る。エプレはハタラ族が主力かも知れぬが、他の物でも作れるとの話なら、我々ユレルミやネーミでも似た物を作れると言う事だからな。カラハティ製品も、それぞれの部族が一つ二つずつ、被らない様に納入すれば問題あるまい。バラッキ族長が気にしているのは、こちらの調味料の話か』
『それはまだ、どこの部族でも安定供給は見込めぬだろう。どうするのが良いかと思ってな』
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『どのみち、安定した生産が出来る様に実験をしていかないといけないので、各部族それぞれが果物や魚を持ち寄っても良いと思うんですよ』
お酢だけの話なら、この世界にあるのかどうかはともかく、ザクロやブルーベリーでだって作られていた。
実験ついでに色々やってみても良いと思うのだ。
『もっともその為には、他のこちら側の商品を頑張って売らないと――なんですが』
私の苦笑に釣られる様に、バラッキ族長が笑った。
『元々、我らの中でも昨今、放牧だけで生活を成り立たせている者はそれほど多くない。残っている者でチーズを含めた冬の間の備蓄食料を作ったり、半農半牧の生活や、完全に別の職業に従事している者もおるが、すぐに職が見つからぬ場合も多くあると聞く。そう言った者たちに選択肢が増えるとあらば、何が何でもと、皆、引き受ける気はするがな』
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『少なくともネーミ族は、遠く離れたアンジェスの地まで逃れた一族の子孫である、バートリを使ってくれているユングベリ商会を拒絶する様な事はせんよ』
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私とバラッキ族長の視線を受けたバルトリは、マトヴェイ外交部長に通訳をしていたのを一度止めて『……今回の件が決着した後、機会と時間があれば』とだけ口にしていた。
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685 忘れじの膝枕 とも連動!
書籍刊行記念 書き下ろし番外編小説「森のピクニック」は下記ページ バックナンバー2022年6月欄に掲載中!
2巻刊行記念「オムレツ狂騒曲」は2023年4月のバックナンバーに、3巻刊行記念「星の影響-コクリュシュ-」は2024年3月のバックナンバーに掲載中です!
そして4巻刊行記念「月と白い鳥」はコミックス第1巻と連動!
https://www.regina-books.com/extra
今回から見方が変わりました。何か一話、アルファポリス作品をレンタル頂くことで全てご覧いただけますので宜しくお願いしますm(_ _)m
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