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第二部 宰相閣下の謹慎事情
396 宰相令息・ジーノの事情
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
バルトリやチェーリアさんの衣装は、青と赤を基調とした刺繍入りの民族衣装だけど、この目の前のジーノ・フォサーティ宰相令息が着用している衣装は、それよりも遥かにシックな、黒を基調に赤や橙色の糸を使った刺繍が、袖口や裾に施されたものだった。
更に首元にはマフラーの様な細めの布が掛かっており、胸元で重なった上側の部分にも、紋章の様な立派な刺繍が施されていた。
後でバルトリに聞いたら、首から掛けられている布は、紋章を前面に、より正式な衣装としての意味合いを濃くしているんだとの話だった。
「実際の数は我々ですら把握しきれていない可能性もありますが、バートリのネーミ族、チェーリアのハタラ族、私はユレルミ族。それと基本的には北部地域から出ないイラクシ族が、北方民族を代表する四部族とされていますね。当代国王メダルド陛下が、先代陛下の方針を翻して、我ら北方民族に対して、同化も分離も強要しない――となった時に、話し合いのテーブルについた部族です」
市場で〝ソラータ〟に属している人間が暴れているとの連絡を〝ダーチャ〟経由で受け、出仕を遅らせて駆け付けたと言うジーノ青年は、自らを指差しながら、そう言った。
「ネーミ族やハタラ族は他の者が交渉のテーブルについていましたが、ユレルミ族の代表として来ていたのは私です。今の養父であるジォットには、その話し合いの後、声をかけられました」
なるほどテオドル大公の疑問に対し、ジーノ青年は現在の宰相によるスカウトだと、明確に口にした訳である。
宰相家の後継者として、側室の子では務まらないとの思いもあっただろうけど、国内を安定させると言う点で北方民族の取り込みを図れると言う目論みもあったのかも知れなかった。
「ただし『迫害の歴史に終止符を』と言うのが陛下のご意志であるとは言え、まだ溝がある事も確か。ですから王宮内では、この民族衣装は着用せず、北部地域住民との対話や、この様に外に出かける際にのみ着用すると、そのように落としどころを作っています。実際、定住して、公用語しか話せなくなっている同胞なんかも出て来ているようですしね」
このお店は、そんなハタラ族の男性が元々経営をしていたところ、病で店に立てなくなり、故郷から親族であるチェーリアが出て来た――と言うのが現状であるらしかった。
だから言葉が未だ片言なのだ、と。
ただ四つの部族の間では、多少発音と単語の幾つかに呼び方の違いがある程度で、通じない訳ではないらしい。
だからバルトリも、チェーリアさんの言葉はある程度理解が出来ると言う事なんだろう。
「厨房は未だ先の店長に雇われていた者がほぼ健在ではあるし、チェーリア自身もある程度の調理は出来る。ただ言葉がまだ流暢ではない事もあって〝ソラータ〟の連中やグイドからすれば、この市場から出て行かせるなら今だ…となっていたみたいですね」
グイド・フォサーティ宰相令息は、自分が宰相家の血を引いていると言う事へのプライドが殊の外高いらしく、一般市民へのあたりも、元からかなりキツイらしい。
養子に入ったジーノ青年の存在も、そんなプライドを否応なしに刺激しているんだろう。
「器小さ……」
ベルセリウス将軍の背に隠れるように話を聞きながら、うっかり本音を溢してしまった私に、ここで初めてジーノ青年の視線が向いた。
「レイナ・ユングベリ嬢、でしたね。お越しになるまでは、テオドル大公殿下の書記官として名を聞いていましたが、まさか商会の経営者であり、バートリの主でもあったとは思いもしませんでした」
「えーっと……」
この人も「バートリ」と口にするからには、確かに北方民族の出なんだなと、一瞬別のところで納得していたんだけど、それ以前にバルトリは〝鷹の眼〟の一員であり、実際の主はエドヴァルドだ。
説明しづらいな…と思っていると、バルトリの目が「そのまま押し通すように」と語っている事に気が付いて、仕方がないから笑ってとぼけておく事にした。
「もしかして、今日のこの衣装を一式お貸し下さったのは、フォサーティ卿でいらっしゃいます……?」
ほんのちょっとだけ話の矛先を逸らした事に、気付いたか気付かなかったか、ジーノ青年も淡々と「ええ」と答えを返してきた。
「バートリは以前、その衣装で、この店に食事をしに来ていた事がありましてね。今日の様に〝ソラータ〟の連中を追い返してくれていた。ネーミ族だと言うのはすぐに分かったものの、私自身が彼を見た事がなかった。宰相家あるいは〝ダーチャ〟で働く気はないかと尋ねてみたところが、既に主持ちだとすげなく返され、今に至る訳ですよ。ああもちろん、何をしに王都へ来ていたのかまでは教えてくれませんでしたから、その点はご心配なく」
その〝ソラータ〟連中を追い返した御礼に、一つ借りにしておくから、何かあれば自分を訪ねて来るように――と言っておいた結果が「衣装を貸して欲しい」だったらしい。
「少人数用の転移装置を職権濫用で殿下からお借りして、遠方に探しに出たり…存外苦労しましたよ」
「そ…それは大変に申し訳なく……」
「事前に『ユングベリ商会として取り扱いたい商品を探している』『ネーミ族の衣装や小物はどうだろうか』など、主な理由はバートリから聞きました。いずれはサレステーデへの進出も考えていて、今回の事はその足掛かりにしたい、とも。だとすれば、こちらの目的とも合致するかも知れない。少数民族だからと下に見て、搾取をするつもりはないか見極めないといけない――まあ、そんな風にこちらも考えまして」
ジーノ青年の目は、こちらを見定めようとしている…と言った感じに見えた。
『私の言っている言葉は理解出来ますか?』
私にとってはどれも同じ様にしか聞こえないんだけれども、片手を上げてバルトリを止めて、テオドル大公やマトヴェイ外交部長たちが眉を顰めたところを見ると、何かしら別の言語をきっと口にしたんだろう。
『読み書きはまだ無理ですけど、話すだけでしたら大丈夫ですよ』
私の言語チートは、相手が話しかけて来た言語をそのまま返して発揮されているようなので、多分それで通じたと思う。
事実ジーノ青年のこめかみも、ピクリと微かに動いていた。
『これはユレルミの部族長一族にのみ伝わる、緊急時の為の特殊言語で、バートリやチェーリアでさえ部分的にしか理解出来ない筈なんですがね……』
『まあ…そこは、商売上の守秘義務としてご理解いただければ』
なるほど、少数民族の中にあっても、彼はそれなりのやんごとなき身だったと言う事か。
それなら確かに宰相家の養子に入ったり、王太子殿下の側近候補になったりするのも納得かも知れない。
『そう言えばテオドル大公殿下が、陛下と王太子殿下に「アンジェス国内の公爵家当主の婚約者」だとも仰ったんでしたね。随分とたくさんの肩書をお持ちらしい。さて、どの肩書きの比重が大きいのやら』
『どれも蔑ろにしているつもりはありませんけどね?』
実際のところ「ユングベリ商会の商会長」以外は、自分から名乗った覚えはない――なんて言ってもあまり意味はなさそうだから、煙に巻くしかない。
不満げに顔を顰められても、こちらこそ困ると言うものだ。
『ちなみにこの後の予定を伺っても?』
『王女様が主催されるお茶会までは、まだ少し時間もありますし、王都商業ギルドに行くつもりですよ。ユングベリ商会の支店候補を探して、相場の把握と区域だけでも絞っておこうかと』
手紙を送る、とかは馬鹿正直に言う必要のない話だ。
ジーノ青年の方も『なるほど』と、それで充分に納得した様子だった。
『ではお茶会の後で、少々お時間をいただいても?ユングベリ商会の今後の店舗計画に大きく関わってくる話があるのですが』
…お断り出来る空気は、そこにない気がした。
バルトリやチェーリアさんの衣装は、青と赤を基調とした刺繍入りの民族衣装だけど、この目の前のジーノ・フォサーティ宰相令息が着用している衣装は、それよりも遥かにシックな、黒を基調に赤や橙色の糸を使った刺繍が、袖口や裾に施されたものだった。
更に首元にはマフラーの様な細めの布が掛かっており、胸元で重なった上側の部分にも、紋章の様な立派な刺繍が施されていた。
後でバルトリに聞いたら、首から掛けられている布は、紋章を前面に、より正式な衣装としての意味合いを濃くしているんだとの話だった。
「実際の数は我々ですら把握しきれていない可能性もありますが、バートリのネーミ族、チェーリアのハタラ族、私はユレルミ族。それと基本的には北部地域から出ないイラクシ族が、北方民族を代表する四部族とされていますね。当代国王メダルド陛下が、先代陛下の方針を翻して、我ら北方民族に対して、同化も分離も強要しない――となった時に、話し合いのテーブルについた部族です」
市場で〝ソラータ〟に属している人間が暴れているとの連絡を〝ダーチャ〟経由で受け、出仕を遅らせて駆け付けたと言うジーノ青年は、自らを指差しながら、そう言った。
「ネーミ族やハタラ族は他の者が交渉のテーブルについていましたが、ユレルミ族の代表として来ていたのは私です。今の養父であるジォットには、その話し合いの後、声をかけられました」
なるほどテオドル大公の疑問に対し、ジーノ青年は現在の宰相によるスカウトだと、明確に口にした訳である。
宰相家の後継者として、側室の子では務まらないとの思いもあっただろうけど、国内を安定させると言う点で北方民族の取り込みを図れると言う目論みもあったのかも知れなかった。
「ただし『迫害の歴史に終止符を』と言うのが陛下のご意志であるとは言え、まだ溝がある事も確か。ですから王宮内では、この民族衣装は着用せず、北部地域住民との対話や、この様に外に出かける際にのみ着用すると、そのように落としどころを作っています。実際、定住して、公用語しか話せなくなっている同胞なんかも出て来ているようですしね」
このお店は、そんなハタラ族の男性が元々経営をしていたところ、病で店に立てなくなり、故郷から親族であるチェーリアが出て来た――と言うのが現状であるらしかった。
だから言葉が未だ片言なのだ、と。
ただ四つの部族の間では、多少発音と単語の幾つかに呼び方の違いがある程度で、通じない訳ではないらしい。
だからバルトリも、チェーリアさんの言葉はある程度理解が出来ると言う事なんだろう。
「厨房は未だ先の店長に雇われていた者がほぼ健在ではあるし、チェーリア自身もある程度の調理は出来る。ただ言葉がまだ流暢ではない事もあって〝ソラータ〟の連中やグイドからすれば、この市場から出て行かせるなら今だ…となっていたみたいですね」
グイド・フォサーティ宰相令息は、自分が宰相家の血を引いていると言う事へのプライドが殊の外高いらしく、一般市民へのあたりも、元からかなりキツイらしい。
養子に入ったジーノ青年の存在も、そんなプライドを否応なしに刺激しているんだろう。
「器小さ……」
ベルセリウス将軍の背に隠れるように話を聞きながら、うっかり本音を溢してしまった私に、ここで初めてジーノ青年の視線が向いた。
「レイナ・ユングベリ嬢、でしたね。お越しになるまでは、テオドル大公殿下の書記官として名を聞いていましたが、まさか商会の経営者であり、バートリの主でもあったとは思いもしませんでした」
「えーっと……」
この人も「バートリ」と口にするからには、確かに北方民族の出なんだなと、一瞬別のところで納得していたんだけど、それ以前にバルトリは〝鷹の眼〟の一員であり、実際の主はエドヴァルドだ。
説明しづらいな…と思っていると、バルトリの目が「そのまま押し通すように」と語っている事に気が付いて、仕方がないから笑ってとぼけておく事にした。
「もしかして、今日のこの衣装を一式お貸し下さったのは、フォサーティ卿でいらっしゃいます……?」
ほんのちょっとだけ話の矛先を逸らした事に、気付いたか気付かなかったか、ジーノ青年も淡々と「ええ」と答えを返してきた。
「バートリは以前、その衣装で、この店に食事をしに来ていた事がありましてね。今日の様に〝ソラータ〟の連中を追い返してくれていた。ネーミ族だと言うのはすぐに分かったものの、私自身が彼を見た事がなかった。宰相家あるいは〝ダーチャ〟で働く気はないかと尋ねてみたところが、既に主持ちだとすげなく返され、今に至る訳ですよ。ああもちろん、何をしに王都へ来ていたのかまでは教えてくれませんでしたから、その点はご心配なく」
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「そ…それは大変に申し訳なく……」
「事前に『ユングベリ商会として取り扱いたい商品を探している』『ネーミ族の衣装や小物はどうだろうか』など、主な理由はバートリから聞きました。いずれはサレステーデへの進出も考えていて、今回の事はその足掛かりにしたい、とも。だとすれば、こちらの目的とも合致するかも知れない。少数民族だからと下に見て、搾取をするつもりはないか見極めないといけない――まあ、そんな風にこちらも考えまして」
ジーノ青年の目は、こちらを見定めようとしている…と言った感じに見えた。
『私の言っている言葉は理解出来ますか?』
私にとってはどれも同じ様にしか聞こえないんだけれども、片手を上げてバルトリを止めて、テオドル大公やマトヴェイ外交部長たちが眉を顰めたところを見ると、何かしら別の言語をきっと口にしたんだろう。
『読み書きはまだ無理ですけど、話すだけでしたら大丈夫ですよ』
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『まあ…そこは、商売上の守秘義務としてご理解いただければ』
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それなら確かに宰相家の養子に入ったり、王太子殿下の側近候補になったりするのも納得かも知れない。
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685 忘れじの膝枕 とも連動!
書籍刊行記念 書き下ろし番外編小説「森のピクニック」は下記ページ バックナンバー2022年6月欄に掲載中!
2巻刊行記念「オムレツ狂騒曲」は2023年4月のバックナンバーに、3巻刊行記念「星の影響-コクリュシュ-」は2024年3月のバックナンバーに掲載中です!
そして4巻刊行記念「月と白い鳥」はコミックス第1巻と連動!
https://www.regina-books.com/extra
今回から見方が変わりました。何か一話、アルファポリス作品をレンタル頂くことで全てご覧いただけますので宜しくお願いしますm(_ _)m
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