288 / 803
第二部 宰相閣下の謹慎事情
343 自重にも手加減にも言い分がある ☆
しおりを挟む
※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
「レイナ。辛いのなら、無理には――」
抱きすくめられた状態のまま、気遣わしげなエドヴァルドの声が頭上から降り注ぐ。
私は慌てて首を横に振った。
「ち…がうんです。家名に愛着がないのは本当で……ただちょっとだけ、自分が住んでいた筈の場所から切り離される感覚が、思ったよりも胸を突いたと言うか……」
ギーレンで「ユングベリ」を名乗っていた間は、その場限りの偽名――それくらいの軽い感覚だった。
どこかにまだ「日本で暮らしていた十河怜菜」の意識が残っていた。
ああ……私はこれから、アンジェスで暮らしていくんだ……。
小さな炎が消えた時、日本との繋がりも永遠に消えた――そんな気がした事に、思ったよりも動揺してしまったのだ。
「これで……本当に、故郷との繋がりもなくなったな……と。それだけなんですけど……女々しいですよね」
「レイナ……」
「だから、泣きません。泣きませんけど――」
――もう少し、こうしていて貰っても良いですか?
「……ああ」
短い返事と共に、さっきよりもエドヴァルドとの距離が更に近くなった気がした。
「……入浴の後、貴女の部屋に行っても?」
「!」
しばらくは、黙って抱きしめていてくれた筈だったんだけれど、どのくらいたってからか、総毛立ちそうな、低く艶のある声が耳元で囁かれた。
「バリエンダールに行くんだ。無理を強いる事はしない。ただそれまで、少しでも共に過ごす時間を増やしたいだけだ」
「な…なんだか、死地に赴くみたいに聞こえます……」
「私にとっては、そのくらいの事だと思って欲しい。大袈裟でも何でもなく、貴女を案じているのだと」
どうも、私や周りの思う「自重」と、貴女が考える「自重」との間には、深すぎる溝がある気がするからな――。
「……っ‼」
近頃確実に、私がエドヴァルドの「声」に弱い事を悟られてしまっている。
一度、ドS属性全開の表情で「貴女は…私の〝声〟に、どうやら弱いみたいだな。寝台の中での反応が違う」と真夜中に囁かれた時には「ぅみゃあぁぁっっ⁉」と、やっぱりネコもびっくりな悲鳴が零れ出たのだ。
おかしい。
日本ではそれなりに優等生キャラだった筈なのに。
エドヴァルドといると、崩壊しまくりだ。
「……それでレイナ、返事は?」
そして結局、私からはこの一言しか返せない。
「……そ、添い寝でぜひ……」
善処しよう?
本当に⁉
既に腰砕け寸前だった私は、パクパクと口を開ける事しか出来なかった――。
* * *
「ち…違う…何か違う……」
翌朝。
魔道具抜きで既に明るくなっている室内で、私は未だ寝台の住人で、両手で自分の顔を覆っていた。
(いや、最後だけ踏みとどまられても‼)
私に、バリエンダールで「余計な虫」がついたら困る。準備は1日では足りない…って何の事かと思う間もなく、身体のあちらこちらに赤い痕を散らされたのだ。
それはもう、見える所、見えない筈の所と――山ほど。
しかも「貴女の声は聞きたいが……『手加減』が行方不明になりそうだな」と微笑った挙句に、出かかっていた声を塞ぐかの様に、唇が腫れるんじゃないかと思うほどの深い口づけを繰り返されれば――もはや手加減なんて、立派に行方不明だ。
結局、呼吸困難状態でヘロヘロになって、いつ眠ったのか分からないまま――朝、起きそびれた。
「エドヴァルド様の思う『手加減』と、私の思う『手加減』とが違う……」
お水ではなく、ノンアルコールサングリアを持って来てくれたヨンナが、私の呟きを耳にして「レイナ様…」と、やや苦笑気味だった。
エドヴァルドは、朝の割と早い時間帯から、サレステーデのキリアン第一王子やバルキン公爵達への、刺客の件を含めての事情聴取に立ち会うと、王宮に向かったらしい。
私の事は起こさなくて良いと、そっと起き上がって、出かけて行ったのだとか。
…その気遣い、もっと早い段階で発揮して欲しかったです。
「レイナ様。午後早めのお時間から、ヘルマン様が旦那様とレイナ様の、中心街散策用の服を持ってお越しになられるのですが……ご対応が難しいようでしたら、旦那様にお任せになられますか?お昼はこちらで召し上がられて、そのままヘルマン様をお迎えになられるとの事ですが――」
例の「くだけた服」だ。
既製品に少し手を入れると言っていたのが、出来たと言う事なんだろう。
「えっと、多分、大丈夫…かな……?昨夜はただの呼吸困難で意識が飛んだだけと言うか何と言うか……」
あはは、と乾いた笑い声を洩らす私の耳に、ヨンナが、サイドテーブルにノンアルコールサングリアが入った容器を置いた音が聞こえたので、ゆっくりと顔を覆っていた手を外して、身体を起こした。
「――うん、大丈夫。ありがとヨンナ」
「いえ。ご無理をなさっておいででないのなら良いのです」
ヨンナはそう言って大きめの器から、飲めるサイズのコップに中身の一部を注ぎ込むと、私の背中を擦るようにしながら、コップを差し出してくれた。
「昼食まであまり時間がありませんから、今はこちらのフルーツ程度にとどめて下さいますか」
「ああ、そうよね、うん。……って言うか、そんなに寝てたのね、私」
「お聞きする範囲だけでも、色々な事がおありだったようですし……旦那様のご無体は、ただのトドメではないかと」
ヨンナさん、背中から黒いオーラが出てます!隠せてません!
「えーっと…ご無体と言うか何と言うか……」
「問題なのは『どこまで』かではないのですよ、レイナ様」
「ハイゴメンナサイスミマセン」
アンジェスにおける「心の母」の迫力に、思わずカタコトになってしまう。
そんな私を見たからか、ヨンナの周囲の空気が少しだけ緩んだ。
「バリエンダールからレイナ様が何事もなくお戻りになられるまでは、私共も旦那様をお止めしづらいところはありますから……後はレイナ様が根気よく、ちゃんと公爵邸に戻って来るんだと、旦那様に主張しつづけて下さいますか」
「ヨンナ……」
「家名がどう変わられようと、以前どちらにおられようと、今のレイナ様のお住まいは公爵邸だと、皆が思っております。どうかレイナ様も、その事をお忘れ下さいますな」
――独り立ちを考える必要なんてない。
エドヴァルドもそうだけど、公爵邸の使用人皆が、手を変え品を変え私を甘やかしてくれている気がする。
実の家族との折り合いが良くなかったと、それさえも察してくれている。
きっと「十河」の名も、彼らは思うほど気に留めていないのかも知れない。
「………ありがと」
小さく呟いた私に、ヨンナは静かに笑い返してくれた。
「レイナ。辛いのなら、無理には――」
抱きすくめられた状態のまま、気遣わしげなエドヴァルドの声が頭上から降り注ぐ。
私は慌てて首を横に振った。
「ち…がうんです。家名に愛着がないのは本当で……ただちょっとだけ、自分が住んでいた筈の場所から切り離される感覚が、思ったよりも胸を突いたと言うか……」
ギーレンで「ユングベリ」を名乗っていた間は、その場限りの偽名――それくらいの軽い感覚だった。
どこかにまだ「日本で暮らしていた十河怜菜」の意識が残っていた。
ああ……私はこれから、アンジェスで暮らしていくんだ……。
小さな炎が消えた時、日本との繋がりも永遠に消えた――そんな気がした事に、思ったよりも動揺してしまったのだ。
「これで……本当に、故郷との繋がりもなくなったな……と。それだけなんですけど……女々しいですよね」
「レイナ……」
「だから、泣きません。泣きませんけど――」
――もう少し、こうしていて貰っても良いですか?
「……ああ」
短い返事と共に、さっきよりもエドヴァルドとの距離が更に近くなった気がした。
「……入浴の後、貴女の部屋に行っても?」
「!」
しばらくは、黙って抱きしめていてくれた筈だったんだけれど、どのくらいたってからか、総毛立ちそうな、低く艶のある声が耳元で囁かれた。
「バリエンダールに行くんだ。無理を強いる事はしない。ただそれまで、少しでも共に過ごす時間を増やしたいだけだ」
「な…なんだか、死地に赴くみたいに聞こえます……」
「私にとっては、そのくらいの事だと思って欲しい。大袈裟でも何でもなく、貴女を案じているのだと」
どうも、私や周りの思う「自重」と、貴女が考える「自重」との間には、深すぎる溝がある気がするからな――。
「……っ‼」
近頃確実に、私がエドヴァルドの「声」に弱い事を悟られてしまっている。
一度、ドS属性全開の表情で「貴女は…私の〝声〟に、どうやら弱いみたいだな。寝台の中での反応が違う」と真夜中に囁かれた時には「ぅみゃあぁぁっっ⁉」と、やっぱりネコもびっくりな悲鳴が零れ出たのだ。
おかしい。
日本ではそれなりに優等生キャラだった筈なのに。
エドヴァルドといると、崩壊しまくりだ。
「……それでレイナ、返事は?」
そして結局、私からはこの一言しか返せない。
「……そ、添い寝でぜひ……」
善処しよう?
本当に⁉
既に腰砕け寸前だった私は、パクパクと口を開ける事しか出来なかった――。
* * *
「ち…違う…何か違う……」
翌朝。
魔道具抜きで既に明るくなっている室内で、私は未だ寝台の住人で、両手で自分の顔を覆っていた。
(いや、最後だけ踏みとどまられても‼)
私に、バリエンダールで「余計な虫」がついたら困る。準備は1日では足りない…って何の事かと思う間もなく、身体のあちらこちらに赤い痕を散らされたのだ。
それはもう、見える所、見えない筈の所と――山ほど。
しかも「貴女の声は聞きたいが……『手加減』が行方不明になりそうだな」と微笑った挙句に、出かかっていた声を塞ぐかの様に、唇が腫れるんじゃないかと思うほどの深い口づけを繰り返されれば――もはや手加減なんて、立派に行方不明だ。
結局、呼吸困難状態でヘロヘロになって、いつ眠ったのか分からないまま――朝、起きそびれた。
「エドヴァルド様の思う『手加減』と、私の思う『手加減』とが違う……」
お水ではなく、ノンアルコールサングリアを持って来てくれたヨンナが、私の呟きを耳にして「レイナ様…」と、やや苦笑気味だった。
エドヴァルドは、朝の割と早い時間帯から、サレステーデのキリアン第一王子やバルキン公爵達への、刺客の件を含めての事情聴取に立ち会うと、王宮に向かったらしい。
私の事は起こさなくて良いと、そっと起き上がって、出かけて行ったのだとか。
…その気遣い、もっと早い段階で発揮して欲しかったです。
「レイナ様。午後早めのお時間から、ヘルマン様が旦那様とレイナ様の、中心街散策用の服を持ってお越しになられるのですが……ご対応が難しいようでしたら、旦那様にお任せになられますか?お昼はこちらで召し上がられて、そのままヘルマン様をお迎えになられるとの事ですが――」
例の「くだけた服」だ。
既製品に少し手を入れると言っていたのが、出来たと言う事なんだろう。
「えっと、多分、大丈夫…かな……?昨夜はただの呼吸困難で意識が飛んだだけと言うか何と言うか……」
あはは、と乾いた笑い声を洩らす私の耳に、ヨンナが、サイドテーブルにノンアルコールサングリアが入った容器を置いた音が聞こえたので、ゆっくりと顔を覆っていた手を外して、身体を起こした。
「――うん、大丈夫。ありがとヨンナ」
「いえ。ご無理をなさっておいででないのなら良いのです」
ヨンナはそう言って大きめの器から、飲めるサイズのコップに中身の一部を注ぎ込むと、私の背中を擦るようにしながら、コップを差し出してくれた。
「昼食まであまり時間がありませんから、今はこちらのフルーツ程度にとどめて下さいますか」
「ああ、そうよね、うん。……って言うか、そんなに寝てたのね、私」
「お聞きする範囲だけでも、色々な事がおありだったようですし……旦那様のご無体は、ただのトドメではないかと」
ヨンナさん、背中から黒いオーラが出てます!隠せてません!
「えーっと…ご無体と言うか何と言うか……」
「問題なのは『どこまで』かではないのですよ、レイナ様」
「ハイゴメンナサイスミマセン」
アンジェスにおける「心の母」の迫力に、思わずカタコトになってしまう。
そんな私を見たからか、ヨンナの周囲の空気が少しだけ緩んだ。
「バリエンダールからレイナ様が何事もなくお戻りになられるまでは、私共も旦那様をお止めしづらいところはありますから……後はレイナ様が根気よく、ちゃんと公爵邸に戻って来るんだと、旦那様に主張しつづけて下さいますか」
「ヨンナ……」
「家名がどう変わられようと、以前どちらにおられようと、今のレイナ様のお住まいは公爵邸だと、皆が思っております。どうかレイナ様も、その事をお忘れ下さいますな」
――独り立ちを考える必要なんてない。
エドヴァルドもそうだけど、公爵邸の使用人皆が、手を変え品を変え私を甘やかしてくれている気がする。
実の家族との折り合いが良くなかったと、それさえも察してくれている。
きっと「十河」の名も、彼らは思うほど気に留めていないのかも知れない。
「………ありがと」
小さく呟いた私に、ヨンナは静かに笑い返してくれた。
857
685 忘れじの膝枕 とも連動!
書籍刊行記念 書き下ろし番外編小説「森のピクニック」は下記ページ バックナンバー2022年6月欄に掲載中!
2巻刊行記念「オムレツ狂騒曲」は2023年4月のバックナンバーに、3巻刊行記念「星の影響-コクリュシュ-」は2024年3月のバックナンバーに掲載中です!
そして4巻刊行記念「月と白い鳥」はコミックス第1巻と連動!
https://www.regina-books.com/extra
今回から見方が変わりました。何か一話、アルファポリス作品をレンタル頂くことで全てご覧いただけますので宜しくお願いしますm(_ _)m
書籍刊行記念 書き下ろし番外編小説「森のピクニック」は下記ページ バックナンバー2022年6月欄に掲載中!
2巻刊行記念「オムレツ狂騒曲」は2023年4月のバックナンバーに、3巻刊行記念「星の影響-コクリュシュ-」は2024年3月のバックナンバーに掲載中です!
そして4巻刊行記念「月と白い鳥」はコミックス第1巻と連動!
https://www.regina-books.com/extra
今回から見方が変わりました。何か一話、アルファポリス作品をレンタル頂くことで全てご覧いただけますので宜しくお願いしますm(_ _)m
お気に入りに追加
12,979
あなたにおすすめの小説

今日結婚した夫から2年経ったら出ていけと言われました
四折 柊
恋愛
子爵令嬢であるコーデリアは高位貴族である公爵家から是非にと望まれ結婚した。美しくもなく身分の低い自分が何故? 理由は分からないが自分にひどい扱いをする実家を出て幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱く。ところがそこには思惑があり……。公爵は本当に愛する女性を妻にするためにコーデリアを利用したのだ。夫となった男は言った。「お前と本当の夫婦になるつもりはない。2年後には公爵邸から国外へ出ていってもらう。そして二度と戻ってくるな」と。(いいんですか? それは私にとって……ご褒美です!)

完結 穀潰しと言われたので家を出ます
音爽(ネソウ)
恋愛
ファーレン子爵家は姉が必死で守って来た。だが父親が他界すると家から追い出された。
「お姉様は出て行って!この穀潰し!私にはわかっているのよ遺産をいいように使おうだなんて」
遺産などほとんど残っていないのにそのような事を言う。
こうして腹黒な妹は母を騙して家を乗っ取ったのだ。
その後、収入のない妹夫婦は母の財を喰い物にするばかりで……

【完結】王女と駆け落ちした元旦那が二年後に帰ってきた〜謝罪すると思いきや、聖女になったお前と僕らの赤ん坊を育てたい?こんなに馬鹿だったかしら
冬月光輝
恋愛
侯爵家の令嬢、エリスの夫であるロバートは伯爵家の長男にして、デルバニア王国の第二王女アイリーンの幼馴染だった。
アイリーンは隣国の王子であるアルフォンスと婚約しているが、婚姻の儀式の当日にロバートと共に行方を眩ませてしまう。
国際規模の婚約破棄事件の裏で失意に沈むエリスだったが、同じ境遇のアルフォンスとお互いに励まし合い、元々魔法の素養があったので環境を変えようと修行をして聖女となり、王国でも重宝される存在となった。
ロバートたちが蒸発して二年後のある日、突然エリスの前に元夫が現れる。
エリスは激怒して謝罪を求めたが、彼は「アイリーンと自分の赤子を三人で育てよう」と斜め上のことを言い出した。

お前のせいで不幸になったと姉が乗り込んできました、ご自分から彼を奪っておいて何なの?
coco
恋愛
お前のせいで不幸になった、責任取りなさいと、姉が押しかけてきました。
ご自分から彼を奪っておいて、一体何なの─?

山に捨てられた令嬢! 私のスキルは結界なのに、王都がどうなっても、もう知りません!
甘い秋空
恋愛
婚約を破棄されて、山に捨てられました! 私のスキルは結界なので、私を王都の外に出せば、王都は結界が無くなりますよ? もう、どうなっても知りませんから! え? 助けに来たのは・・・

【完】お義母様そんなに嫁がお嫌いですか?でも安心してください、もう会う事はありませんから
咲貴
恋愛
見初められ伯爵夫人となった元子爵令嬢のアニカは、夫のフィリベルトの義母に嫌われており、嫌がらせを受ける日々。
そんな中、義父の誕生日を祝うため、とびきりのプレゼントを用意する。
しかし、義母と二人きりになった時、事件は起こった……。

【完結】略奪されるような王子なんていりません! こんな国から出ていきます!
かとるり
恋愛
王子であるグレアムは聖女であるマーガレットと婚約関係にあったが、彼が選んだのはマーガレットの妹のミランダだった。
婚約者に裏切られ、家族からも裏切られたマーガレットは国を見限った。
白い結婚三年目。つまり離縁できるまで、あと七日ですわ旦那様。
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
異世界に転生したフランカは公爵夫人として暮らしてきたが、前世から叶えたい夢があった。パティシエールになる。その夢を叶えようと夫である王国財務総括大臣ドミニクに相談するも答えはノー。夫婦らしい交流も、信頼もない中、三年の月日が近づき──フランカは賭に出る。白い結婚三年目で離縁できる条件を満たしていると迫り、夢を叶えられないのなら離縁すると宣言。そこから公爵家一同でフランカに考え直すように動き、ドミニクと話し合いの機会を得るのだがこの夫、山のように隠し事はあった。
無言で睨む夫だが、心の中は──。
【詰んだああああああああああ! もうチェックメイトじゃないか!? 情状酌量の余地はないと!? ああ、どうにかして侍女の準備を阻まなければ! いやそれでは根本的な解決にならない! だいたいなぜ後妻? そんな者はいないのに……。ど、どどどどどうしよう。いなくなるって聞いただけで悲しい。死にたい……うう】
4万文字ぐらいの中編になります。
※小説なろう、エブリスタに記載してます
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。