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第二部 宰相閣下の謹慎事情
333 他山の石か反面教師か
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
「ボードリエ伯爵令嬢が、ギーレンからアンジェスに来るにあたって手助けをした商会は、前聖女の姉が会頭として立ち上げた商会であり、彼女に〝扉の守護者〟としての適性がある事を進言して、ボードリエ伯爵を通して手厚い保護を願い出た――そんな美談を、そこはかとなく広める許可もいただけたら、尚嬉しいんですけど」
アルノシュト伯爵夫人が、釣り書き片手に見合い攻勢をかけていた事やら、ドナート第二王子が最初の謁見時点で「彼女は結婚相手たり得ない」と主張していた所為もあってか、シャルリーヌがアンジェスの次期「聖女」となるにあたって、既にある程度の個人情報が社交界に流れ出てしまっていた。すなわち「婚約破棄された令嬢」としての風評だ。
まだエドヴァルドとしか話していなかった「案」だったけど、こうなると、もう見切り発車的に出発するしかない気がしていた。
「自分でぬけぬけと『美談』と言ってのけるあたりが、いっそ見事だな、姉君」
「え、美談ですよね?国って、そう言う話好きですよね?国民感情として、現体制により好意的になるでしょうから」
そして舞菜がギーレンに渡った事で、私がギーレンで伝手を得て商業ギルド登録をした事にも説得力が出る。
たとえ実際には何の関係もなくても、だ。
それはそれで、噂話が流れたところで、エヴェリーナ妃が「否定をしない」事での後押しをしてくれるだろう。
向こうは向こうで、そうしなければ、シャルリーヌを国外へ出してしまった事に対する王家の評判が、今以上に失墜しかねないからだ。
エヴェリーナ妃が、そんな可能性を見過ごす筈がない。
「……そう言うところが『ぬけぬけと』だと言っているんだ。宰相の薫陶か、それは?」
どこまで悟っているのか、国王陛下はイヤそうに顔を顰めているだけだったけど。
「いやですね。私は庇護者たる宰相閣下に、必要以上にご迷惑をおかけしたくないと思っているだけじゃないですか。その結果、陛下のお役にも立てれば万々歳でしょう?今となっては『ソガワ』の家名も邪魔なんですよね。ついでに商会長でも会頭でも良いですけど、役付きで『ユングベリ』を正式に名乗る許可も下さい。そこまでが、私の『お願い』です」
十河の名は、イヤでも聖女サマと縁続きである事を国の津々浦々にまで知らしめるし、そもそも日本にいた時だって、自分の名前には何の愛着も湧かなかった。
いっそ「ソガワ」も「レナ」も投げ捨てて、家族にすら呼ばれなかった「レイナ」の名だけを残す。
どのみち、ギーレンでは既に「ユングベリ」の名も一部だが定着している。
――異世界で…とは思わなかったけど、人生やり直すにはちょうど良い。
エドヴァルドが五公爵家のテーブルで、頭を抱えていて、何故かフォルシアン公爵から肩を叩かれている。
…あれ、これ、帰ったら「お説教」コース?
おかしいな、イデオン公爵家にとっても悪い話じゃない筈なんだけど。
「金でも土地でも宝石でもなく、ただ『私が許可した』と言う言質のみを要求するか、姉君」
サイコパスな陛下サマは、そんなエドヴァルドの様子に口の端を面白そうに歪めていた。
「その家名があれば『テオドル大公の書記官』としても同行すると受け取っても良いんだな?」
「一方的にこちらの要求を、畏れ多くも国王陛下に突き付けるなんて事はしませんよ」
「……とても畏れ多く思っているようには見えないが、まあ良いだろう」
「寝言言ったつもりもないので、お説教は勘弁して下さいね」
そこはもう、心の底からの本音だ。
善処しよう、じゃないですからね陛下!
「――失礼致します。公安のヘルマン長官がお越しです」
そこへ、扉を叩く音と共に、護衛騎士から来訪者を告げる声が発せられた。
フィルバートが軽く片手を上げたのを合図に扉が開かれて、ロイヴァス・ヘルマン公安長官が中へと入って来た。
「形式上の挨拶なら省いて構わん、長官。取調べで何かあったのだろう?」
フィルバートの言葉に、部屋の中に緊張が走る。
公安長官は部屋の中を視線でひと撫でして、エドヴァルドが微かに首を縦に振ったのを確認した上で、その問いかけに首肯した。
「私ごときが直答するご無礼をお許し頂き有難く存じます、陛下」
ああ、表向き、直属上司であるエドヴァルドを飛び越して答えて良いのかと、確認したんだ。
何とも、あのヘルマンさんの実兄とは思えない心遣い――ゴホン。
もちろん、そんな事はおくびにも出さず、私も黙って続きを見守った。
「あの場で捕らえた中の一人が、思いがけない事を吐露しましたものですから、ご判断をお願い致したくまかりこしました」
そこまで言った後で、公安長官はチラリとすぐ側のドナート第二王子に視線を投げた。
「思いがけない事?何だ、そこの王子がいると不都合でもあるのか?」
「いいえ逆です、陛下。こちらの方に、是非ご説明願いたいと」
どうやら公爵以下の身分の方々にさえ、今回お騒がせのサレステーデ王族に対する敬意は、地の底を這っているみたいだった。
国王陛下も、特段咎めだてする事なく「続けるが良い」などと、のたまわっておいでだし。
「…では。曰く『自分は王妃派の陰謀で死んだ事にされている王弟だ』――との事で」
「「「は?」」」
その瞬間、部屋のあちこちから、ほぼ同時に声が上がった。
「頭のおかしい関係者がまだいたのか」
フィルバートの呟きは、等しく関係者全員の心境と一致していただろうけど、公安長官は、緩々と首を横に振った。
「自主的に話させた訳ではありませんから、少なくとも本人がそう信じこんでいるか、それが事実であるかの二択です。なので取り急ぎ、既に亡くなったとされている王弟殿下とやらが家系上存在したのかどうかを確かめたかったのですが」
…自主的に話させた訳ではないって、それって、喋りたくなる薬的なモノを使っちゃってるってコトだよね?
ヘルマン兄、存外容赦のない人だった!
視線を受けたドナート第二王子も、盛大に表情を痙攣らせている。
「う…生まれる前の事だから、よくは知らない。ただ、倒れる前の陛下が…誰か近しい人間を裏で探させようとしていた時期が、そう言われればあったか…な……」
「おまえたちの情報弱者っぷりは、身内相手にもいかんなく発揮されていた訳か。所詮身内なんぞ、己の足元をすくう存在でしかないと言うのに、暢気な事だな。いや、それだから今現在、こうなっているんだろうな」
珍しくもサイコパス陛下サマが、お怒り以前に心の底から呆れている、といった態度を隠しもしていない。
…まあ、アンジェス王家はリアルに兄弟で殺し合いが起きた、サレステーデなんて足元にも及ばない程のドロドロっぷりだった訳だから、サレステーデがぬるま湯に見えて仕方がないんだろう。
心置きなく自治領に落としてやれとか――思ってそうだ、うん。
「キリアン王子とバルキン公爵は、その話を知っているのか?」
それを聞いたのは、エドヴァルドだ。
これには公安長官が、少し考える仕種を見せた。
「どうも、第一王子の方は知らない様に見受けられます。彼は『バルキン公爵の古参の配下』と言う事以外、知らないと言っていました」
「バルキン公爵は」
「それが困った事にですね、彼はどうやら自国で即刻死刑になってもおかしくはない程アレコレ手を染めていた様で、話す内容があちらこちらに飛んで、要領を得ないんですよ。一つの事件を語っていた途中に、いきなり次の事件が降って沸いたりして……あれは正気だったとしても、まともに報告書一つ書けない人種な気がしますね。正直、あれほど対応に苛々させられた事はない。能力がない割には多種多様な事に手を出して墓穴を掘っている。自分はやれていると思い込んで、他人の話を聞かない愚か者の典型ですね。迷惑な事このうえない」
うわぁ、公安長官サマ超辛口!
つまりは、いっこうに自分の聞きたい話にまで辿り着けず、苛々としているんだろう。
まあ、いるよね。あれもこれもと手を出して、どれ一つとして最後までやり遂げられない人って。学生でも、社会人でも。
やり遂げる力、大事。自分も気を付けよう。
「つまり、そちらはもう少し時間を頂きたいと言う事です。公安としては不甲斐ない話で申し訳ありません」
頭を下げる公安長官に、自分も思うところがあったのか、エドヴァルドも「…いや」としか、答えなかった。
「ボードリエ伯爵令嬢が、ギーレンからアンジェスに来るにあたって手助けをした商会は、前聖女の姉が会頭として立ち上げた商会であり、彼女に〝扉の守護者〟としての適性がある事を進言して、ボードリエ伯爵を通して手厚い保護を願い出た――そんな美談を、そこはかとなく広める許可もいただけたら、尚嬉しいんですけど」
アルノシュト伯爵夫人が、釣り書き片手に見合い攻勢をかけていた事やら、ドナート第二王子が最初の謁見時点で「彼女は結婚相手たり得ない」と主張していた所為もあってか、シャルリーヌがアンジェスの次期「聖女」となるにあたって、既にある程度の個人情報が社交界に流れ出てしまっていた。すなわち「婚約破棄された令嬢」としての風評だ。
まだエドヴァルドとしか話していなかった「案」だったけど、こうなると、もう見切り発車的に出発するしかない気がしていた。
「自分でぬけぬけと『美談』と言ってのけるあたりが、いっそ見事だな、姉君」
「え、美談ですよね?国って、そう言う話好きですよね?国民感情として、現体制により好意的になるでしょうから」
そして舞菜がギーレンに渡った事で、私がギーレンで伝手を得て商業ギルド登録をした事にも説得力が出る。
たとえ実際には何の関係もなくても、だ。
それはそれで、噂話が流れたところで、エヴェリーナ妃が「否定をしない」事での後押しをしてくれるだろう。
向こうは向こうで、そうしなければ、シャルリーヌを国外へ出してしまった事に対する王家の評判が、今以上に失墜しかねないからだ。
エヴェリーナ妃が、そんな可能性を見過ごす筈がない。
「……そう言うところが『ぬけぬけと』だと言っているんだ。宰相の薫陶か、それは?」
どこまで悟っているのか、国王陛下はイヤそうに顔を顰めているだけだったけど。
「いやですね。私は庇護者たる宰相閣下に、必要以上にご迷惑をおかけしたくないと思っているだけじゃないですか。その結果、陛下のお役にも立てれば万々歳でしょう?今となっては『ソガワ』の家名も邪魔なんですよね。ついでに商会長でも会頭でも良いですけど、役付きで『ユングベリ』を正式に名乗る許可も下さい。そこまでが、私の『お願い』です」
十河の名は、イヤでも聖女サマと縁続きである事を国の津々浦々にまで知らしめるし、そもそも日本にいた時だって、自分の名前には何の愛着も湧かなかった。
いっそ「ソガワ」も「レナ」も投げ捨てて、家族にすら呼ばれなかった「レイナ」の名だけを残す。
どのみち、ギーレンでは既に「ユングベリ」の名も一部だが定着している。
――異世界で…とは思わなかったけど、人生やり直すにはちょうど良い。
エドヴァルドが五公爵家のテーブルで、頭を抱えていて、何故かフォルシアン公爵から肩を叩かれている。
…あれ、これ、帰ったら「お説教」コース?
おかしいな、イデオン公爵家にとっても悪い話じゃない筈なんだけど。
「金でも土地でも宝石でもなく、ただ『私が許可した』と言う言質のみを要求するか、姉君」
サイコパスな陛下サマは、そんなエドヴァルドの様子に口の端を面白そうに歪めていた。
「その家名があれば『テオドル大公の書記官』としても同行すると受け取っても良いんだな?」
「一方的にこちらの要求を、畏れ多くも国王陛下に突き付けるなんて事はしませんよ」
「……とても畏れ多く思っているようには見えないが、まあ良いだろう」
「寝言言ったつもりもないので、お説教は勘弁して下さいね」
そこはもう、心の底からの本音だ。
善処しよう、じゃないですからね陛下!
「――失礼致します。公安のヘルマン長官がお越しです」
そこへ、扉を叩く音と共に、護衛騎士から来訪者を告げる声が発せられた。
フィルバートが軽く片手を上げたのを合図に扉が開かれて、ロイヴァス・ヘルマン公安長官が中へと入って来た。
「形式上の挨拶なら省いて構わん、長官。取調べで何かあったのだろう?」
フィルバートの言葉に、部屋の中に緊張が走る。
公安長官は部屋の中を視線でひと撫でして、エドヴァルドが微かに首を縦に振ったのを確認した上で、その問いかけに首肯した。
「私ごときが直答するご無礼をお許し頂き有難く存じます、陛下」
ああ、表向き、直属上司であるエドヴァルドを飛び越して答えて良いのかと、確認したんだ。
何とも、あのヘルマンさんの実兄とは思えない心遣い――ゴホン。
もちろん、そんな事はおくびにも出さず、私も黙って続きを見守った。
「あの場で捕らえた中の一人が、思いがけない事を吐露しましたものですから、ご判断をお願い致したくまかりこしました」
そこまで言った後で、公安長官はチラリとすぐ側のドナート第二王子に視線を投げた。
「思いがけない事?何だ、そこの王子がいると不都合でもあるのか?」
「いいえ逆です、陛下。こちらの方に、是非ご説明願いたいと」
どうやら公爵以下の身分の方々にさえ、今回お騒がせのサレステーデ王族に対する敬意は、地の底を這っているみたいだった。
国王陛下も、特段咎めだてする事なく「続けるが良い」などと、のたまわっておいでだし。
「…では。曰く『自分は王妃派の陰謀で死んだ事にされている王弟だ』――との事で」
「「「は?」」」
その瞬間、部屋のあちこちから、ほぼ同時に声が上がった。
「頭のおかしい関係者がまだいたのか」
フィルバートの呟きは、等しく関係者全員の心境と一致していただろうけど、公安長官は、緩々と首を横に振った。
「自主的に話させた訳ではありませんから、少なくとも本人がそう信じこんでいるか、それが事実であるかの二択です。なので取り急ぎ、既に亡くなったとされている王弟殿下とやらが家系上存在したのかどうかを確かめたかったのですが」
…自主的に話させた訳ではないって、それって、喋りたくなる薬的なモノを使っちゃってるってコトだよね?
ヘルマン兄、存外容赦のない人だった!
視線を受けたドナート第二王子も、盛大に表情を痙攣らせている。
「う…生まれる前の事だから、よくは知らない。ただ、倒れる前の陛下が…誰か近しい人間を裏で探させようとしていた時期が、そう言われればあったか…な……」
「おまえたちの情報弱者っぷりは、身内相手にもいかんなく発揮されていた訳か。所詮身内なんぞ、己の足元をすくう存在でしかないと言うのに、暢気な事だな。いや、それだから今現在、こうなっているんだろうな」
珍しくもサイコパス陛下サマが、お怒り以前に心の底から呆れている、といった態度を隠しもしていない。
…まあ、アンジェス王家はリアルに兄弟で殺し合いが起きた、サレステーデなんて足元にも及ばない程のドロドロっぷりだった訳だから、サレステーデがぬるま湯に見えて仕方がないんだろう。
心置きなく自治領に落としてやれとか――思ってそうだ、うん。
「キリアン王子とバルキン公爵は、その話を知っているのか?」
それを聞いたのは、エドヴァルドだ。
これには公安長官が、少し考える仕種を見せた。
「どうも、第一王子の方は知らない様に見受けられます。彼は『バルキン公爵の古参の配下』と言う事以外、知らないと言っていました」
「バルキン公爵は」
「それが困った事にですね、彼はどうやら自国で即刻死刑になってもおかしくはない程アレコレ手を染めていた様で、話す内容があちらこちらに飛んで、要領を得ないんですよ。一つの事件を語っていた途中に、いきなり次の事件が降って沸いたりして……あれは正気だったとしても、まともに報告書一つ書けない人種な気がしますね。正直、あれほど対応に苛々させられた事はない。能力がない割には多種多様な事に手を出して墓穴を掘っている。自分はやれていると思い込んで、他人の話を聞かない愚か者の典型ですね。迷惑な事このうえない」
うわぁ、公安長官サマ超辛口!
つまりは、いっこうに自分の聞きたい話にまで辿り着けず、苛々としているんだろう。
まあ、いるよね。あれもこれもと手を出して、どれ一つとして最後までやり遂げられない人って。学生でも、社会人でも。
やり遂げる力、大事。自分も気を付けよう。
「つまり、そちらはもう少し時間を頂きたいと言う事です。公安としては不甲斐ない話で申し訳ありません」
頭を下げる公安長官に、自分も思うところがあったのか、エドヴァルドも「…いや」としか、答えなかった。
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