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第二部 宰相閣下の謹慎事情
308 お約束――「…これが私?」
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
目が醒めて、目の前のエドヴァルドに驚いて、起こしたところにキスの雨が降り注いで、ヨンナが起こしに来る。
このパターン、覚えがありすぎです。もうデフォルトなんでしょうか。
色々辛いのが夜だけだと思うなとか、ちょっと意味が良くワカリマセン。
「朝食はお部屋になさいますか、ダイニングになさいますか」
「……今日は私もレイナも王宮だ。支度は一度の方が良いだろう。こっちに用意してくれ」
エドヴァルドの指示に「かしこまりました」とヨンナが頷いたところに、セルヴァンや他の侍女たちも現れて、こぞってソファとテーブルに朝食の用意を整え始めた。
「エドヴァルド様…その、昨日バタバタしていて話が出来なかったんですけど」
夜、うやむやになった――と言うのが正確なところだけれど、もちろんそんな事は口にしない。
エドヴァルドも、気付いているのかいないのか、黙って続きを促している状態だ。
「今〝ヘンリエッタ〟で開発をお願いしている、オルセン領のワインを使ったチョコ商品と、ユルハのシーベリーを使ったケーキと、昨日の〝スヴァレーフ〟のチョコがけ、少し先の話だって言われている、ユティラ・フォルシアン公爵令嬢主催のお茶会メニューに加えてみるのはどうかと――昨日、あの場でフォルシアン公爵夫人からお話を頂いたんです」
珍しくエドヴァルドは、まだ寝起き状態なのか、どうやら一瞬、その意図が読めなかったみたいだった。
「…と、言うと?」
「皆さん流行に敏感なご令嬢方だから、試作商品の感想を聞くのにも良いだろうし、私と言う人間の値踏みにもちょうど良いんじゃないか…って、いや、そこまで露骨な事は仰ってませんでしたけど、えーっと…私を知って貰うのには良いんじゃないか、的な?」
話の途中でエドヴァルドが微かに眉を顰めたので、私は慌てて言い方を変えた。
そこでようやく色々と腑に落ちたのか、ふむ…と、考えをまとめるかの様に、両手の指を腿の上で組み合わせていた。
「レイナを知って貰う…か。確かにそうかも知れないな。納得のいく試作品が完成すればと言う話にはなるが、それで良いならと夫人には伝えてくれ。多分今夜の夕食会の方には夫人も参加の筈だから」
「夕食会だけですか?」
「謁見の間の方は、ユセフがいれば良いだろうと言う話になった。飲まされた媚薬は、以前に私が王宮で飲まされた物と成分が同じだった。量が多かったからこその昏倒だったが、ほぼ吐き出させて、緩和剤も飲んでいたから、もう動けている筈だ」
エドヴァルドがオルセン侯爵令嬢に飲まされていた媚薬――。
多分私だけじゃなく、エドヴァルドの方にも思うところはあったんだろう。
何とも言えない沈黙が一瞬漂ったけど、すぐに咳払いをしたエドヴァルドが、それを遮った。
「ああ、それで言うなら私もきちんとした事を言えていなかったな。今日はさすがにユセフとも言葉を交わす事になるだろう。ただ、アレはヤンネと同じか、あるいはそれ以上の女性嫌いだ。まさか自分を助けた人間に暴言は吐かないだろうが、顔や態度には出るかも知れん。もう、そう言うものだと諦めておいてくれるか」
「……なるほど?」
エドヴァルドでさえ呆れさせる女性嫌い。どんなだ。
「まあ、父親が異常なくらいに人気があった事やら、自分もその延長線上に見られていた事やら、社交に嫌気がさして、高等法院に行けば行ったで、高位貴族が結婚離婚で揉めるのを目の当たりにしたやら――アレの境遇には、同情を覚えない訳ではないんだが」
「ああ……キヴェカス卿もそうですけど、そう言うのは心の中にしまっておいて欲しいですよね。ダダ洩れにしないで欲しいと言うか。あの、大丈夫ですよ?夕食の場限りでしたら、多少貶されようとも、多分耐えられます」
「多分」
どうも商法の本をぶん投げた事は、だいぶインパクトを残しているらしい。
しょうがないと言えばしょうがないんだけど。
「保証は出来ないですよー。私の事だけだったら頑張って耐えようと思いますけど、たとえば『こんな女を選んだエドヴァルド様の気が知れない』とか、エドヴァルド様の悪口にまで発展した時点で、頭からワインとかかけるかも知れないですし」
「……っ」
私の言葉に、エドヴァルドが驚いた様に目を見開いた。
はた、とその後ろから給仕をしようとしていたセルヴァンと目があったので、私はすぐさま「マナー違反なのはワカッテマス!」と白旗を上げはしたけど。
「ご理解いただけているのでしたら、結構です。レイナ様、そう言う時にはもっと他に効果的な方法が幾つかございますので、お着替えの際にでもヨンナから伝授させましょう」
「えっ、そうなの⁉」
「ええ、もちろん。いくらなんでも衆人環視の下での、頭からのワインがけは目立ちすぎますから」
ちょっと待て…とかなんとか、唖然とエドヴァルドが呟いているのは、完全無視されている。
「本来であれば、ご令嬢方同士が晩餐会でお話しになる際などに、対策としてお教えしておく事、社交術の一つではあるのですが、使いどころとしては同じようなものでしょう」
おお…と、私は私で、心底感心した呟きを洩らしてしまった。
何でも、その家の令嬢が社交界デビューの年齢に近付いてきた頃に、母親に連れられて、高位貴族の夫人主催の茶会などに複数回参加しながら、マウントや嫌がらせ回避の裏技を覚えていく、半ば伝統の様な習慣が密かに根付いているらしい。
イデオン家の主催は皆無、もう何十年もそこに出席するような夫人、令嬢もこの邸宅にいなかった事もあって、そんな技術はとうの昔に継承されないまま埋没していたところ、最近ようやくパーティーが開かれるようになったところで、公爵家間の、謎の〝使用人ネットワーク〟によって、いつの間にやら入手されていたとの事だった。
一応ヨンナとセルヴァンで、ユティラ嬢主催のお茶会までには、各種取り揃えて伝授してくれようとしていたらしい。
多分ユティラ嬢主催だと、心配無用だろうが念の為――とかなんとか。
「本日必要がなさそうな技術は、またいずれ別に時間を取りましょう」
「宜しくお願いします、先生!」
宣誓するかの如く勢いよく片手を上げた私に、エドヴァルドは「なにを目指すつもりなんだ……」と、片手で額を覆っていたけど。
朝食の後、エドヴァルドは自分の着替えの為に隣の部屋に行き、私はそのまま残された部屋で、本日も安定の全身紺青色、裾と袖のパフスリーブと、やや狭めの襟ぐり部分にのみ金刺繍が入った、デザインよりも生地と色を強調したドレスに着替えさせられた。
有難い事にデコルテ部分があまり広くないデザインだったので、赤い痕はほとんどが隠れたものの、それでも首筋の一箇所だけは、どうやっても隠す事が出来なかった。
あー…とか、うー…とか唸る私に、侍女サン一同の「諦めましょう」と言う視線がイタイ。
「これだけは、もう、あの無礼な王子除けのためと思って下さい」
と言うか旦那様は十中八九そのつもりでおつけになられた筈――。
そう呟くヨンナに、他の侍女たちも無言で頷いている。
…皆さん、よほどドナート第二王子には不愉快な思いをさせられたようです。
「レイナ、良いか?」
最近は、ちゃんとノックの後で間をおいて現れる様になったエドヴァルドは、こちらも白シャツはともかく、ウェストコートや上着やスラックスは黒とも言える濃紺色で、上着やウエストコートには、金の刺繍が私のドレスよりも多く施されていて、一国の宰相に足る威厳がそこには備わっていた。
紺青色ではなく、黒よりの紺になっているのは私の色とかけあわせてあり、黒一色にしないのは、社交の場でお互いを引き立たせるための配色だと――ヘルマンさんが以前に言っていたような。
「ああ……似合っている。綺麗だ」
(私は結婚式にお呼ばれした。うん、そう思っていないと、色々と耐えられない)
鏡を見ながら「……これが私?」と、異世界テンプレをリアルにやる事、今回ではや何度目か。
「行こうか」
内心のパニックを黙って呑みこみつつ、私は差し出されたエドヴァルドの手に、自分の手をそっと重ねた。
目が醒めて、目の前のエドヴァルドに驚いて、起こしたところにキスの雨が降り注いで、ヨンナが起こしに来る。
このパターン、覚えがありすぎです。もうデフォルトなんでしょうか。
色々辛いのが夜だけだと思うなとか、ちょっと意味が良くワカリマセン。
「朝食はお部屋になさいますか、ダイニングになさいますか」
「……今日は私もレイナも王宮だ。支度は一度の方が良いだろう。こっちに用意してくれ」
エドヴァルドの指示に「かしこまりました」とヨンナが頷いたところに、セルヴァンや他の侍女たちも現れて、こぞってソファとテーブルに朝食の用意を整え始めた。
「エドヴァルド様…その、昨日バタバタしていて話が出来なかったんですけど」
夜、うやむやになった――と言うのが正確なところだけれど、もちろんそんな事は口にしない。
エドヴァルドも、気付いているのかいないのか、黙って続きを促している状態だ。
「今〝ヘンリエッタ〟で開発をお願いしている、オルセン領のワインを使ったチョコ商品と、ユルハのシーベリーを使ったケーキと、昨日の〝スヴァレーフ〟のチョコがけ、少し先の話だって言われている、ユティラ・フォルシアン公爵令嬢主催のお茶会メニューに加えてみるのはどうかと――昨日、あの場でフォルシアン公爵夫人からお話を頂いたんです」
珍しくエドヴァルドは、まだ寝起き状態なのか、どうやら一瞬、その意図が読めなかったみたいだった。
「…と、言うと?」
「皆さん流行に敏感なご令嬢方だから、試作商品の感想を聞くのにも良いだろうし、私と言う人間の値踏みにもちょうど良いんじゃないか…って、いや、そこまで露骨な事は仰ってませんでしたけど、えーっと…私を知って貰うのには良いんじゃないか、的な?」
話の途中でエドヴァルドが微かに眉を顰めたので、私は慌てて言い方を変えた。
そこでようやく色々と腑に落ちたのか、ふむ…と、考えをまとめるかの様に、両手の指を腿の上で組み合わせていた。
「レイナを知って貰う…か。確かにそうかも知れないな。納得のいく試作品が完成すればと言う話にはなるが、それで良いならと夫人には伝えてくれ。多分今夜の夕食会の方には夫人も参加の筈だから」
「夕食会だけですか?」
「謁見の間の方は、ユセフがいれば良いだろうと言う話になった。飲まされた媚薬は、以前に私が王宮で飲まされた物と成分が同じだった。量が多かったからこその昏倒だったが、ほぼ吐き出させて、緩和剤も飲んでいたから、もう動けている筈だ」
エドヴァルドがオルセン侯爵令嬢に飲まされていた媚薬――。
多分私だけじゃなく、エドヴァルドの方にも思うところはあったんだろう。
何とも言えない沈黙が一瞬漂ったけど、すぐに咳払いをしたエドヴァルドが、それを遮った。
「ああ、それで言うなら私もきちんとした事を言えていなかったな。今日はさすがにユセフとも言葉を交わす事になるだろう。ただ、アレはヤンネと同じか、あるいはそれ以上の女性嫌いだ。まさか自分を助けた人間に暴言は吐かないだろうが、顔や態度には出るかも知れん。もう、そう言うものだと諦めておいてくれるか」
「……なるほど?」
エドヴァルドでさえ呆れさせる女性嫌い。どんなだ。
「まあ、父親が異常なくらいに人気があった事やら、自分もその延長線上に見られていた事やら、社交に嫌気がさして、高等法院に行けば行ったで、高位貴族が結婚離婚で揉めるのを目の当たりにしたやら――アレの境遇には、同情を覚えない訳ではないんだが」
「ああ……キヴェカス卿もそうですけど、そう言うのは心の中にしまっておいて欲しいですよね。ダダ洩れにしないで欲しいと言うか。あの、大丈夫ですよ?夕食の場限りでしたら、多少貶されようとも、多分耐えられます」
「多分」
どうも商法の本をぶん投げた事は、だいぶインパクトを残しているらしい。
しょうがないと言えばしょうがないんだけど。
「保証は出来ないですよー。私の事だけだったら頑張って耐えようと思いますけど、たとえば『こんな女を選んだエドヴァルド様の気が知れない』とか、エドヴァルド様の悪口にまで発展した時点で、頭からワインとかかけるかも知れないですし」
「……っ」
私の言葉に、エドヴァルドが驚いた様に目を見開いた。
はた、とその後ろから給仕をしようとしていたセルヴァンと目があったので、私はすぐさま「マナー違反なのはワカッテマス!」と白旗を上げはしたけど。
「ご理解いただけているのでしたら、結構です。レイナ様、そう言う時にはもっと他に効果的な方法が幾つかございますので、お着替えの際にでもヨンナから伝授させましょう」
「えっ、そうなの⁉」
「ええ、もちろん。いくらなんでも衆人環視の下での、頭からのワインがけは目立ちすぎますから」
ちょっと待て…とかなんとか、唖然とエドヴァルドが呟いているのは、完全無視されている。
「本来であれば、ご令嬢方同士が晩餐会でお話しになる際などに、対策としてお教えしておく事、社交術の一つではあるのですが、使いどころとしては同じようなものでしょう」
おお…と、私は私で、心底感心した呟きを洩らしてしまった。
何でも、その家の令嬢が社交界デビューの年齢に近付いてきた頃に、母親に連れられて、高位貴族の夫人主催の茶会などに複数回参加しながら、マウントや嫌がらせ回避の裏技を覚えていく、半ば伝統の様な習慣が密かに根付いているらしい。
イデオン家の主催は皆無、もう何十年もそこに出席するような夫人、令嬢もこの邸宅にいなかった事もあって、そんな技術はとうの昔に継承されないまま埋没していたところ、最近ようやくパーティーが開かれるようになったところで、公爵家間の、謎の〝使用人ネットワーク〟によって、いつの間にやら入手されていたとの事だった。
一応ヨンナとセルヴァンで、ユティラ嬢主催のお茶会までには、各種取り揃えて伝授してくれようとしていたらしい。
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朝食の後、エドヴァルドは自分の着替えの為に隣の部屋に行き、私はそのまま残された部屋で、本日も安定の全身紺青色、裾と袖のパフスリーブと、やや狭めの襟ぐり部分にのみ金刺繍が入った、デザインよりも生地と色を強調したドレスに着替えさせられた。
有難い事にデコルテ部分があまり広くないデザインだったので、赤い痕はほとんどが隠れたものの、それでも首筋の一箇所だけは、どうやっても隠す事が出来なかった。
あー…とか、うー…とか唸る私に、侍女サン一同の「諦めましょう」と言う視線がイタイ。
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と言うか旦那様は十中八九そのつもりでおつけになられた筈――。
そう呟くヨンナに、他の侍女たちも無言で頷いている。
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685 忘れじの膝枕 とも連動!
書籍刊行記念 書き下ろし番外編小説「森のピクニック」は下記ページ バックナンバー2022年6月欄に掲載中!
2巻刊行記念「オムレツ狂騒曲」は2023年4月のバックナンバーに、3巻刊行記念「星の影響-コクリュシュ-」は2024年3月のバックナンバーに掲載中です!
そして4巻刊行記念「月と白い鳥」はコミックス第1巻と連動!
https://www.regina-books.com/extra
今回から見方が変わりました。何か一話、アルファポリス作品をレンタル頂くことで全てご覧いただけますので宜しくお願いしますm(_ _)m
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