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第二部 宰相閣下の謹慎事情
305 ブランデーグラスと猫をください
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
ベルセリウス将軍とウルリック副長が『南の館』に戻った後、とりあえずファルコにしがみついて危機回避をしてやれ!と思っていたのに、忍者か!と言いたくなるタイミングで、まさしくシュッと姿が消えた。
どこかの壁や天井が、くるっと回ったに違いない――とか、間の抜けた事を一瞬考えたけれど、結局のところ、逃げられただけだ。
(ひ、ひどっ……)
ぐるっとあたりを見回せば、その場の侍女使用人全員が、そこかしこに視線を逸らしている。
「――レイナ」
「ひゃいっ」
うっかり噛んだのは、不可抗力だ。
「部屋に来るのと、行くのと、どちらが良い」
「……っ」
はくはくと、鯉のごとく口を開け閉めする私に、エドヴァルドが半目になっていた。
「そうか、分かった。では入浴だけ済ませたら、貴女の部屋へ行こう。明日の事もあるから、何をするつもりもないが、このまま話を有耶無耶にする事だけはしない。――良いな?」
「しょ、承知しました………」
そのまま身を翻して〝団欒の間〟を出て行くエドヴァルドを、一礼して見送ったヨンナが、さも何ごともなかったかの様に、私の方に向き直った。
「では、お湯の準備が一度で済みますから、レイナ様もご入浴の用意を整えさせて頂きます。ああもちろん、旦那様とは別々ですので、ご安心下さいませ」
「……っ」
そもそも一回も一緒に入ってません!と、声を出すのも恥ずかし過ぎて、がっくりと項垂れる事しか出来なかった。
おかしい。
私の事よりこの邸宅の主人を優先してくれと言っているだけなのに、どうしてこうなるんだろう。
しかも私の部屋にあった、小型の応接テーブルと椅子で、湯上りにお茶が飲めるようセッティングされたのはともかくとして、着せられたのが膝下まで丈のあるナイトシャツ、すなわち見た目「彼シャツ」的な寝間着だったのは、果たして「お話し合い」をする恰好なのだろうか。
エドヴァルドに至っては、何だろう…うん、男性用の寝間着を着用していると、ついでにブランデーグラスと猫を添えたくなるような?
キャットフード・〇ーバのCMに出ていた猫…的な。
ちょっとおかしな空気が醸し出されてます。
寝起きに見るのとは、雰囲気が全然違いマス。
「……それで?」
「はいっ」
ただし声が低空飛行状態なので、私のおかしな妄想も秒で霧散していたけど。
「ベルセリウスは、軍人としては飛び抜けて優秀だが、いかんせん腹芸が出来ない。何を依頼して、ああなった」
ど直球に聞いてくると言う事は、反論や誤魔化しを聞く気が全くないと言う事だ。
あはは…と笑いながらも、ちょっと自分のこめかみが痙攣ったのが分かった。
「えーっと……大したお願いはしてないんですよ?エドヴァルド様の周囲を警戒するのは軍、私の周囲を警戒するのは〝鷹の眼〟でお願いしますって――そのままです、そのまま」
「ほう……」
納得していない、とあからさまにエドヴァルドの目は語っている。
私は右手人差し指で頬を掻きながら、目線を逸らした。
「エドヴァルド様が何を言おうと…的なコトは追加で言った、かも?」
「私が何を言うと思った」
「将軍とかファルコとか、トップクラスで強い人間を皆、私の方に配置しそうだなー……と」
その瞬間、間違えてエアコンの冷房ボタンを大幅に下げたのかと言うくらい、冷えた空気が足元を通り抜けた。
鉄壁はともかく、冷徹宰相の渾名ってそっちの意味⁉と思わず思考が逸れたくらいだ。
「……貴女は、まだ『聖女の姉』の命が宰相よりも軽いと思っているのか」
「えっ、やっ…何て言うか、今となっては私が姉と呼ばれる前提での聖女サマは、隣国に行ってしまったワケで……そうなると余計に私の立ち位置って、迷子だよなぁ……的な?」
どうやら私は、心の底から怖くなると、口調がちょっとコドモじみてくるようだ。
それはファルコも逃げるか、と心の中で一人でツッコミを入れてしまった。
「それで自分の警護はいいから私の方に回れと、ベルセリウス達に言ったのか」
淡々としているのに空気が怖いこの状況下「さすがにそこまでは言ってません!」と、ブンブンと首を横に振る事しか出来ずにいる。
「そ…れはっ、確かに私は腕っぷしゼロですし、護衛はいて貰わないと困るんですけど!だからって、将軍とファルコの二人がこっちに付くのは過剰戦力だってコトくらいは分かりますよ、いくらなんでも!しかも、陛下やら新しい聖女やら放っぽってそんなコトをしたら、後で物議を醸すのが目に見えてるじゃないですか⁉」
アンジェス国の宰相は、自国の国王陛下や新たな聖女よりも自らの愛妾を優先した――いつ、誰がそんな風な揚げ足取りをしないとも限らない。
多分、ウルリック副長は私が一番危惧していた、その可能性に気が付いていた。
けれどベルセリウス将軍がそうと知れば、益々芝居が出来ないと思ったから、恐らくは、いちいち言わないでいてくれた。
もちろんエドヴァルドにも言うつもりはなかったけれど、やはりこちらも隠し通せなかったらしい。
――せめて二人を分けておけば「公爵領と公爵邸の護衛を、役目に則って配しただけだ」と、後からでも言い訳が出来る筈。
私がそう言ったところで、ため息交じりに、苦々しげに口元を歪めた。
「貴女は……まったく……っ」
そんなに私に守られるのが嫌なのか――私に向けてではなく、地に零れ落ちた独り言のような、そんな声が耳をかすめた。
答えを求めているようには聞こえないので、私も、あえてそこは聞かなかったフリで、全力スルーした。
「えっと、その…昼間は結局どう言う落としどころになったのか、私が聞く事は出来ますか…?」
「レイナ」
「万一何か起きても、最終的な方向性を聞いておけば、それに沿った動きがとれると思います」
ここは、目線を逸らしたらダメな気がする。
私は半目のエドヴァルドを、じっと見つめた。
「――あのテーブルでの話なら」
ややあって、根負けしたのかエドヴァルドがそう口を開いた。
話して良い事とダメな事は、彼こそが最も区別出来る筈の人だから、私はそこには口を挟むつもりはなかった。
ベルセリウス将軍とウルリック副長が『南の館』に戻った後、とりあえずファルコにしがみついて危機回避をしてやれ!と思っていたのに、忍者か!と言いたくなるタイミングで、まさしくシュッと姿が消えた。
どこかの壁や天井が、くるっと回ったに違いない――とか、間の抜けた事を一瞬考えたけれど、結局のところ、逃げられただけだ。
(ひ、ひどっ……)
ぐるっとあたりを見回せば、その場の侍女使用人全員が、そこかしこに視線を逸らしている。
「――レイナ」
「ひゃいっ」
うっかり噛んだのは、不可抗力だ。
「部屋に来るのと、行くのと、どちらが良い」
「……っ」
はくはくと、鯉のごとく口を開け閉めする私に、エドヴァルドが半目になっていた。
「そうか、分かった。では入浴だけ済ませたら、貴女の部屋へ行こう。明日の事もあるから、何をするつもりもないが、このまま話を有耶無耶にする事だけはしない。――良いな?」
「しょ、承知しました………」
そのまま身を翻して〝団欒の間〟を出て行くエドヴァルドを、一礼して見送ったヨンナが、さも何ごともなかったかの様に、私の方に向き直った。
「では、お湯の準備が一度で済みますから、レイナ様もご入浴の用意を整えさせて頂きます。ああもちろん、旦那様とは別々ですので、ご安心下さいませ」
「……っ」
そもそも一回も一緒に入ってません!と、声を出すのも恥ずかし過ぎて、がっくりと項垂れる事しか出来なかった。
おかしい。
私の事よりこの邸宅の主人を優先してくれと言っているだけなのに、どうしてこうなるんだろう。
しかも私の部屋にあった、小型の応接テーブルと椅子で、湯上りにお茶が飲めるようセッティングされたのはともかくとして、着せられたのが膝下まで丈のあるナイトシャツ、すなわち見た目「彼シャツ」的な寝間着だったのは、果たして「お話し合い」をする恰好なのだろうか。
エドヴァルドに至っては、何だろう…うん、男性用の寝間着を着用していると、ついでにブランデーグラスと猫を添えたくなるような?
キャットフード・〇ーバのCMに出ていた猫…的な。
ちょっとおかしな空気が醸し出されてます。
寝起きに見るのとは、雰囲気が全然違いマス。
「……それで?」
「はいっ」
ただし声が低空飛行状態なので、私のおかしな妄想も秒で霧散していたけど。
「ベルセリウスは、軍人としては飛び抜けて優秀だが、いかんせん腹芸が出来ない。何を依頼して、ああなった」
ど直球に聞いてくると言う事は、反論や誤魔化しを聞く気が全くないと言う事だ。
あはは…と笑いながらも、ちょっと自分のこめかみが痙攣ったのが分かった。
「えーっと……大したお願いはしてないんですよ?エドヴァルド様の周囲を警戒するのは軍、私の周囲を警戒するのは〝鷹の眼〟でお願いしますって――そのままです、そのまま」
「ほう……」
納得していない、とあからさまにエドヴァルドの目は語っている。
私は右手人差し指で頬を掻きながら、目線を逸らした。
「エドヴァルド様が何を言おうと…的なコトは追加で言った、かも?」
「私が何を言うと思った」
「将軍とかファルコとか、トップクラスで強い人間を皆、私の方に配置しそうだなー……と」
その瞬間、間違えてエアコンの冷房ボタンを大幅に下げたのかと言うくらい、冷えた空気が足元を通り抜けた。
鉄壁はともかく、冷徹宰相の渾名ってそっちの意味⁉と思わず思考が逸れたくらいだ。
「……貴女は、まだ『聖女の姉』の命が宰相よりも軽いと思っているのか」
「えっ、やっ…何て言うか、今となっては私が姉と呼ばれる前提での聖女サマは、隣国に行ってしまったワケで……そうなると余計に私の立ち位置って、迷子だよなぁ……的な?」
どうやら私は、心の底から怖くなると、口調がちょっとコドモじみてくるようだ。
それはファルコも逃げるか、と心の中で一人でツッコミを入れてしまった。
「それで自分の警護はいいから私の方に回れと、ベルセリウス達に言ったのか」
淡々としているのに空気が怖いこの状況下「さすがにそこまでは言ってません!」と、ブンブンと首を横に振る事しか出来ずにいる。
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アンジェス国の宰相は、自国の国王陛下や新たな聖女よりも自らの愛妾を優先した――いつ、誰がそんな風な揚げ足取りをしないとも限らない。
多分、ウルリック副長は私が一番危惧していた、その可能性に気が付いていた。
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685 忘れじの膝枕 とも連動!
書籍刊行記念 書き下ろし番外編小説「森のピクニック」は下記ページ バックナンバー2022年6月欄に掲載中!
2巻刊行記念「オムレツ狂騒曲」は2023年4月のバックナンバーに、3巻刊行記念「星の影響-コクリュシュ-」は2024年3月のバックナンバーに掲載中です!
そして4巻刊行記念「月と白い鳥」はコミックス第1巻と連動!
https://www.regina-books.com/extra
今回から見方が変わりました。何か一話、アルファポリス作品をレンタル頂くことで全てご覧いただけますので宜しくお願いしますm(_ _)m
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