242 / 802
第二部 宰相閣下の謹慎事情
【アンジェス王宮Side】護衛騎士サタノフの旗幟(後)
しおりを挟む
※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
「殿下におかれましても、今、サレステーデの王族がこの国で揉め事を起こしている事はご存知かと思いますが」
ハンッと、鼻で笑われた気がした。
「これでもまだ、謁見の間に立ち会わされるだけの地位はあるからな。まあ、その後にクヴィスト公がこちらと接触を図りたそうにしていたが、泥舟に付き合う程酔狂ではない」
どうやら国王陛下の下に押しかけるより前、ドナート王子とクヴィスト公は、密かにレイフ殿下とも会おうとしていたようだった。
イデオン宰相と『聖女の姉』の婚約が明らかになった時点で、彼らは代わりにレイフ殿下に庇護して貰う事をも考えていたのかも知れなかった。
なりふり構っていられなくなっていたのかも知れない。
とりあえず、クヴィスト公爵の末路については、知っていようがいまいが、自分が口にする事ではないと、当初の用件を告げる事にする。
「第二王子と第一王女の最終的な目的は、亡命。サレステーデと言う国そのものが内紛で揺らいでいるとお考えになられた陛下と宰相閣下とで、今回の件を利用して、サレステーデを国ではなく隣国バリエンダールの自治領に落とし、エドベリ殿下に引っ掻き回されたギーレンへの牽制としたいお考えのようです」
「⁉︎」
「そして殿下には、自治領となるサレステーデを統治頂けたら、と」
何だと⁉︎と叫んだ殿下がこちらを睨みつけているが、それこそ冤罪だ。
言い出したのは、自分ではない。
「待て!何故、隣国バリエンダールの自治領にすると言ったその口で、私にサレステーデを統治しろと⁉お前の話は矛盾しているだろう!」
「恐れながら私は一介の王宮護衛騎士ですので、詳しくは存じません。宰相閣下からは『もしその話に多少なりとも興味を覚えられるならば、どうぞ宰相室へ』――そう承ってはおりますが」
「―――」
殊更冷ややかにしたつもりもない。
所詮、自分は「伝書鳩」である。
そんな私の胸中に気付いたのかどうか、殿下もやや苛立たしげに唇を歪めただけだった。
「ふん…まだ水面下の話と言う事か」
「明日、サレステーデの第一王子が来られた後の晩餐会終了後あたりから、本格化されたいようです。今はまだ、第二王子の発言に依るところも大きく、どこまでが本当の話か見極められないから、と」
「なるほど、せいぜいその場ではどちらの王子にも手を貸さないと、言質をとっておきたい訳か。相変わらず小癪だな。ならば私が、銀の取引の再開を条件にすれば、あの男は飲むのか?」
「………私には判断致しかねます」
国王陛下とイデオン宰相とレイナ様との間で、角のある、サレステーデ特有の大型動物〝カラハティ〟の取引の話が出ていたようには思うが、そこまで話すのは私の立場からすれば、越権行為もいいところだ。
気になるなら自分で宰相室で聞いてくれ、と思う。
「仮に話を聞くとなれば、お前に言えば良いのか?その――」
「サタノフ子爵家の亡霊、トーカレヴァ・サタノフと申します。元の方法でお呼び下さいましたら、先程の通路よりお迎えにあがらせていただきますので」
現在のサタノフ家当主及びその本流は、元の直系の血筋ではない。
現国王陛下の践祚にあたって、全てが消された事になっているからだ。
だから自分は「亡霊」と自ら言う。
レイフ殿下の特殊部隊は、元より先だっての政争に敗れた家の子息も一定数いたため、それほど珍しいとも不審だとも、レイフ殿下も思わなかったようだ。
そして特殊部隊には、魔道具と殿下の血を使った独特の通話連絡機能が存在していた。
イデオン公爵邸の〝鷹の眼〟の連中も、一部何やら独特の連絡手段を持っているようだったが、私の〝ヘリファルテ〟含め、その辺りはお互いに企業秘密と言って良い。
ただ今は、それを仄めかす事で、自分が真に特殊部隊に属していた人間だった事を殿下に示したつもりだ。
「――いいだろう。公務の定刻が過ぎた頃にでも、連絡を入れよう。宰相にもその心づもりを、と」
そしてどうやら殿下は、イデオン宰相からの「提案」に、耳を傾ける気になったらしい。
後はもう、宰相閣下に任せようと、私は頭を下げて、殿下の執務室を辞した。
その後王宮内の宰相室に戻ったところ、宰相副官がすぐ脇に控えて書類を処理していた為、いったん彼が他部署への書類の返却に席を外すのを待ってから、私はレイフ殿下への伝言の結果を宰相に伝えた。
「今日、公務の定刻が過ぎた後にでも、また連絡を入れると――基本的には是となる回答を頂きました」
「………なるほど」
何故か意外そうな表情を見せるイデオン宰相に私が眉を顰めると、それに気付いてか「ああ…」と、片手を上げた。
「元いた特殊部隊の中でも、上位にいた訳ではないと聞いていたし、まして当初はレイナに見破られているのだから――程度に思っていたんだ。今はもう、レイナ自身が斜め上に突き抜けていると言うのも理解しているし、おまえもむしろ、特殊部隊の中で正当な評価を得ていなかったのかと、そう思ってはいる」
「………」
褒められているのか貶されているのか、微妙な事をイデオン宰相は言った。
更に私が「ドナート王子とクヴィスト公爵が、陛下よりも先にレイフ殿下に会おうとしていたらしい」と情報を追加したところで、わずかに彼のこめかみが動いた気がした。
「なるほどな。クヴィスト公爵が、聖女にもレイナにもドナート王子を縁づかせる事が出来ないとなったところで、今度は私への意趣返しと言う意味で、レイフ殿下に擦り寄ろうとした可能性はあるな。だが、殿下は頷かなかったんだな?」
「と言いますか『泥舟に同乗するつもりはない』と、そもそもお会いにならなかったようで」
「……ほう」
さも意外だ、と言う声の響きがした。
「恐らくですが、殿下ご自身、銀の取引市場から締め出された事がよほど堪えていらっしゃるんでしょう。明日謁見の間で自分が大人しくしている条件として、銀の取引再開話を持ち出したらどうなる、と言うような事は仰っておいででしたから」
「別段、日々の暮らしに困るほどの締め出しをしている訳ではないのだがな……それで、おまえは何と?」
「私には判断致しかねます、とだけお答えしました。事実、カラハティがどうのと言う話は、私は直接言われた訳ではありませんでしたので」
「最適解だな。それは私が交渉の切り札とすべき事だ」
どうやら私は一連の頼まれごとにおいて、何とか薄氷の上を歩き切ったようで、少しホッとした。
「しかしそれでようやく、一連の流れが理解出来てきたな。クヴィスト公としても、陛下に頼んでどうにかなるとは思っていなかったからこそ、王子王女をけしかけて、レイナやユセフへの凶行を狙ったり、レイフ殿下に取り入ろうとしたりしたんだろうが、ことごとく空回りをして、もはや陛下に縋るしか、自身が優位に立てる策がなくなっていたと言う訳か」
その焦燥が、陛下の呆れと苛立ちを買い――結局のところは、どうにもならなかった。
そう締めくくるイデオン宰相の言葉がその通りすぎて、私も返答に窮した。
あの、血に塗れながらも嫣然と微笑う国王陛下を見てしまっては、何を言える筈もなかった。
「ともかくも、ご苦労だった。この後、殿下からの連絡があり次第、再度声をかけてくれ。それと明日の警備の件でも、少し話しておきたい事がある」
私が血塗れの回想を振り払うように頭を振っているのを横目に、イデオン宰相は既に別の話題を口にしていた。
一国の宰相たるもの、このくらいの切り替えが出来ない事にはやっていられないのかも知れない。
そしてハッと目の前の宰相閣下に意識を戻すと、宰相閣下からは、明日、王宮護衛騎士で信頼のおける人間を何人か「こちら側」に引き込んで、レイナ様に気を配る事が出来るか?との問いかけがあった。
それは明らかに、ノーイェル始め、共にギーレンに行ったあの連中を想定しているように思えたが、敢えてそこは尋ねなかった。
「もはや第二王子や第一王女の側からは何を仕掛ける事も出来ないかと思いますが……それは、明日来訪予定の第一王子対策としてですか?」
「その通りだ。ベルセリウスとファルコがいれば、そこまで警戒をしなくても良いとは思うが、念の為だ」
「………」
もの凄い「念の為」だな、と思わず内心で独り言ちてしまった。
正直、あの二人がいれば全盛期のレイフ殿下の特殊部隊でさえ全員が潰される気がするくらいだ。
レイナ様は、自分が周りに心配をかけないだけの策をちゃんと考えて、国王陛下から彼らを王宮に入れる権利を一時的にもぎ取った筈なんだが。
「不服か」
「まさか、とんでもない!レイナ様の為とあらば、いかような役割でもこなしてみせますよ」
――これは十中八九、レイナ様本人からは「過剰警護」あるいは「新しい聖女様にも気を配るように」もしくは「むしろ宰相閣下の警護を」等々、裏で釘を刺される気がする。
宰相閣下とレイフ殿下とが話し合いをしている間にでも、むしろファルコと話を詰めておいた方が良いかも知れない。
私は何とか表情を殺しながら、内心でそう決断した。
「殿下におかれましても、今、サレステーデの王族がこの国で揉め事を起こしている事はご存知かと思いますが」
ハンッと、鼻で笑われた気がした。
「これでもまだ、謁見の間に立ち会わされるだけの地位はあるからな。まあ、その後にクヴィスト公がこちらと接触を図りたそうにしていたが、泥舟に付き合う程酔狂ではない」
どうやら国王陛下の下に押しかけるより前、ドナート王子とクヴィスト公は、密かにレイフ殿下とも会おうとしていたようだった。
イデオン宰相と『聖女の姉』の婚約が明らかになった時点で、彼らは代わりにレイフ殿下に庇護して貰う事をも考えていたのかも知れなかった。
なりふり構っていられなくなっていたのかも知れない。
とりあえず、クヴィスト公爵の末路については、知っていようがいまいが、自分が口にする事ではないと、当初の用件を告げる事にする。
「第二王子と第一王女の最終的な目的は、亡命。サレステーデと言う国そのものが内紛で揺らいでいるとお考えになられた陛下と宰相閣下とで、今回の件を利用して、サレステーデを国ではなく隣国バリエンダールの自治領に落とし、エドベリ殿下に引っ掻き回されたギーレンへの牽制としたいお考えのようです」
「⁉︎」
「そして殿下には、自治領となるサレステーデを統治頂けたら、と」
何だと⁉︎と叫んだ殿下がこちらを睨みつけているが、それこそ冤罪だ。
言い出したのは、自分ではない。
「待て!何故、隣国バリエンダールの自治領にすると言ったその口で、私にサレステーデを統治しろと⁉お前の話は矛盾しているだろう!」
「恐れながら私は一介の王宮護衛騎士ですので、詳しくは存じません。宰相閣下からは『もしその話に多少なりとも興味を覚えられるならば、どうぞ宰相室へ』――そう承ってはおりますが」
「―――」
殊更冷ややかにしたつもりもない。
所詮、自分は「伝書鳩」である。
そんな私の胸中に気付いたのかどうか、殿下もやや苛立たしげに唇を歪めただけだった。
「ふん…まだ水面下の話と言う事か」
「明日、サレステーデの第一王子が来られた後の晩餐会終了後あたりから、本格化されたいようです。今はまだ、第二王子の発言に依るところも大きく、どこまでが本当の話か見極められないから、と」
「なるほど、せいぜいその場ではどちらの王子にも手を貸さないと、言質をとっておきたい訳か。相変わらず小癪だな。ならば私が、銀の取引の再開を条件にすれば、あの男は飲むのか?」
「………私には判断致しかねます」
国王陛下とイデオン宰相とレイナ様との間で、角のある、サレステーデ特有の大型動物〝カラハティ〟の取引の話が出ていたようには思うが、そこまで話すのは私の立場からすれば、越権行為もいいところだ。
気になるなら自分で宰相室で聞いてくれ、と思う。
「仮に話を聞くとなれば、お前に言えば良いのか?その――」
「サタノフ子爵家の亡霊、トーカレヴァ・サタノフと申します。元の方法でお呼び下さいましたら、先程の通路よりお迎えにあがらせていただきますので」
現在のサタノフ家当主及びその本流は、元の直系の血筋ではない。
現国王陛下の践祚にあたって、全てが消された事になっているからだ。
だから自分は「亡霊」と自ら言う。
レイフ殿下の特殊部隊は、元より先だっての政争に敗れた家の子息も一定数いたため、それほど珍しいとも不審だとも、レイフ殿下も思わなかったようだ。
そして特殊部隊には、魔道具と殿下の血を使った独特の通話連絡機能が存在していた。
イデオン公爵邸の〝鷹の眼〟の連中も、一部何やら独特の連絡手段を持っているようだったが、私の〝ヘリファルテ〟含め、その辺りはお互いに企業秘密と言って良い。
ただ今は、それを仄めかす事で、自分が真に特殊部隊に属していた人間だった事を殿下に示したつもりだ。
「――いいだろう。公務の定刻が過ぎた頃にでも、連絡を入れよう。宰相にもその心づもりを、と」
そしてどうやら殿下は、イデオン宰相からの「提案」に、耳を傾ける気になったらしい。
後はもう、宰相閣下に任せようと、私は頭を下げて、殿下の執務室を辞した。
その後王宮内の宰相室に戻ったところ、宰相副官がすぐ脇に控えて書類を処理していた為、いったん彼が他部署への書類の返却に席を外すのを待ってから、私はレイフ殿下への伝言の結果を宰相に伝えた。
「今日、公務の定刻が過ぎた後にでも、また連絡を入れると――基本的には是となる回答を頂きました」
「………なるほど」
何故か意外そうな表情を見せるイデオン宰相に私が眉を顰めると、それに気付いてか「ああ…」と、片手を上げた。
「元いた特殊部隊の中でも、上位にいた訳ではないと聞いていたし、まして当初はレイナに見破られているのだから――程度に思っていたんだ。今はもう、レイナ自身が斜め上に突き抜けていると言うのも理解しているし、おまえもむしろ、特殊部隊の中で正当な評価を得ていなかったのかと、そう思ってはいる」
「………」
褒められているのか貶されているのか、微妙な事をイデオン宰相は言った。
更に私が「ドナート王子とクヴィスト公爵が、陛下よりも先にレイフ殿下に会おうとしていたらしい」と情報を追加したところで、わずかに彼のこめかみが動いた気がした。
「なるほどな。クヴィスト公爵が、聖女にもレイナにもドナート王子を縁づかせる事が出来ないとなったところで、今度は私への意趣返しと言う意味で、レイフ殿下に擦り寄ろうとした可能性はあるな。だが、殿下は頷かなかったんだな?」
「と言いますか『泥舟に同乗するつもりはない』と、そもそもお会いにならなかったようで」
「……ほう」
さも意外だ、と言う声の響きがした。
「恐らくですが、殿下ご自身、銀の取引市場から締め出された事がよほど堪えていらっしゃるんでしょう。明日謁見の間で自分が大人しくしている条件として、銀の取引再開話を持ち出したらどうなる、と言うような事は仰っておいででしたから」
「別段、日々の暮らしに困るほどの締め出しをしている訳ではないのだがな……それで、おまえは何と?」
「私には判断致しかねます、とだけお答えしました。事実、カラハティがどうのと言う話は、私は直接言われた訳ではありませんでしたので」
「最適解だな。それは私が交渉の切り札とすべき事だ」
どうやら私は一連の頼まれごとにおいて、何とか薄氷の上を歩き切ったようで、少しホッとした。
「しかしそれでようやく、一連の流れが理解出来てきたな。クヴィスト公としても、陛下に頼んでどうにかなるとは思っていなかったからこそ、王子王女をけしかけて、レイナやユセフへの凶行を狙ったり、レイフ殿下に取り入ろうとしたりしたんだろうが、ことごとく空回りをして、もはや陛下に縋るしか、自身が優位に立てる策がなくなっていたと言う訳か」
その焦燥が、陛下の呆れと苛立ちを買い――結局のところは、どうにもならなかった。
そう締めくくるイデオン宰相の言葉がその通りすぎて、私も返答に窮した。
あの、血に塗れながらも嫣然と微笑う国王陛下を見てしまっては、何を言える筈もなかった。
「ともかくも、ご苦労だった。この後、殿下からの連絡があり次第、再度声をかけてくれ。それと明日の警備の件でも、少し話しておきたい事がある」
私が血塗れの回想を振り払うように頭を振っているのを横目に、イデオン宰相は既に別の話題を口にしていた。
一国の宰相たるもの、このくらいの切り替えが出来ない事にはやっていられないのかも知れない。
そしてハッと目の前の宰相閣下に意識を戻すと、宰相閣下からは、明日、王宮護衛騎士で信頼のおける人間を何人か「こちら側」に引き込んで、レイナ様に気を配る事が出来るか?との問いかけがあった。
それは明らかに、ノーイェル始め、共にギーレンに行ったあの連中を想定しているように思えたが、敢えてそこは尋ねなかった。
「もはや第二王子や第一王女の側からは何を仕掛ける事も出来ないかと思いますが……それは、明日来訪予定の第一王子対策としてですか?」
「その通りだ。ベルセリウスとファルコがいれば、そこまで警戒をしなくても良いとは思うが、念の為だ」
「………」
もの凄い「念の為」だな、と思わず内心で独り言ちてしまった。
正直、あの二人がいれば全盛期のレイフ殿下の特殊部隊でさえ全員が潰される気がするくらいだ。
レイナ様は、自分が周りに心配をかけないだけの策をちゃんと考えて、国王陛下から彼らを王宮に入れる権利を一時的にもぎ取った筈なんだが。
「不服か」
「まさか、とんでもない!レイナ様の為とあらば、いかような役割でもこなしてみせますよ」
――これは十中八九、レイナ様本人からは「過剰警護」あるいは「新しい聖女様にも気を配るように」もしくは「むしろ宰相閣下の警護を」等々、裏で釘を刺される気がする。
宰相閣下とレイフ殿下とが話し合いをしている間にでも、むしろファルコと話を詰めておいた方が良いかも知れない。
私は何とか表情を殺しながら、内心でそう決断した。
883
お気に入りに追加
12,978
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
冤罪から逃れるために全てを捨てた。
四折 柊
恋愛
王太子の婚約者だったオリビアは冤罪をかけられ捕縛されそうになり全てを捨てて家族と逃げた。そして以前留学していた国の恩師を頼り、新しい名前と身分を手に入れ幸せに過ごす。1年が過ぎ今が幸せだからこそ思い出してしまう。捨ててきた国や自分を陥れた人達が今どうしているのかを。(視点が何度も変わります)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
結婚記念日をスルーされたので、離婚しても良いですか?
秋月一花
恋愛
本日、結婚記念日を迎えた。三周年のお祝いに、料理長が腕を振るってくれた。私は夫であるマハロを待っていた。……いつまで経っても帰ってこない、彼を。
……結婚記念日を過ぎてから帰って来た彼は、私との結婚記念日を覚えていないようだった。身体が弱いという幼馴染の見舞いに行って、そのまま食事をして戻って来たみたいだ。
彼と結婚してからずっとそう。私がデートをしてみたい、と言えば了承してくれるものの、当日幼馴染の女性が体調を崩して「後で埋め合わせするから」と彼女の元へ向かってしまう。埋め合わせなんて、この三年一度もされたことがありませんが?
もう我慢の限界というものです。
「離婚してください」
「一体何を言っているんだ、君は……そんなこと、出来るはずないだろう?」
白い結婚のため、可能ですよ? 知らないのですか?
あなたと離婚して、私は第二の人生を歩みます。
※カクヨム様にも投稿しています。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
妹のことを長年、放置していた両親があっさりと勘当したことには理由があったようですが、両親の思惑とは違う方に進んだようです
珠宮さくら
恋愛
シェイラは、妹のわがままに振り回される日々を送っていた。そんな妹を長年、放置していた両親があっさりと妹を勘当したことを不思議に思っていたら、ちゃんと理由があったようだ。
※全3話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
今日結婚した夫から2年経ったら出ていけと言われました
四折 柊
恋愛
子爵令嬢であるコーデリアは高位貴族である公爵家から是非にと望まれ結婚した。美しくもなく身分の低い自分が何故? 理由は分からないが自分にひどい扱いをする実家を出て幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱く。ところがそこには思惑があり……。公爵は本当に愛する女性を妻にするためにコーデリアを利用したのだ。夫となった男は言った。「お前と本当の夫婦になるつもりはない。2年後には公爵邸から国外へ出ていってもらう。そして二度と戻ってくるな」と。(いいんですか? それは私にとって……ご褒美です!)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完】お義母様そんなに嫁がお嫌いですか?でも安心してください、もう会う事はありませんから
咲貴
恋愛
見初められ伯爵夫人となった元子爵令嬢のアニカは、夫のフィリベルトの義母に嫌われており、嫌がらせを受ける日々。
そんな中、義父の誕生日を祝うため、とびきりのプレゼントを用意する。
しかし、義母と二人きりになった時、事件は起こった……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【7話完結】婚約破棄?妹の方が優秀?あぁそうですか・・・。じゃあ、もう教えなくていいですよね?
西東友一
恋愛
昔、昔。氷河期の頃、人々が魔法を使えた時のお話。魔法教師をしていた私はファンゼル王子と婚約していたのだけれど、妹の方が優秀だからそちらと結婚したいということ。妹もそう思っているみたいだし、もう教えなくてもいいよね?
7話完結のショートストーリー。
1日1話。1週間で完結する予定です。
うたた寝している間に運命が変わりました。
gacchi
恋愛
優柔不断な第三王子フレディ様の婚約者として、幼いころから色々と苦労してきたけど、最近はもう呆れてしまって放置気味。そんな中、お義姉様がフレディ様の子を身ごもった?私との婚約は解消?私は学園を卒業したら修道院へ入れられることに。…だったはずなのに、カフェテリアでうたた寝していたら、私の運命は変わってしまったようです。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。