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第二部 宰相閣下の謹慎事情
290 繰り返しますが、庶民食です
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
「あの、スヴェンテ公爵領って、羊毛産業が盛んとは聞きましたけど、羊のお肉は食べたりするんですか?」
私の言葉に、エドヴァルドは少し考える仕種を見せた。
「スヴェンテ公爵領の場合は、羊毛製品と、羊皮紙だけで領の全ての財政を賄っていると言っても良い状況だからな……」
「あ、もしかして木綿を使った紙の話が出たら、揉める感じでしょうか」
「いや。購買層が違ってくるから、事前にそれさえ伝えておけば、さほど問題にはならない筈だ。要は、あまり肉に注目は集まっていないと言う事だ」
「ああ……羊皮紙や羊毛製品が出来るまで羊が育っちゃったら、食べるには味の好き嫌いが出ちゃいますからね……」
羊の肉は、断然生後12ヶ月未満の「ラム」と呼ばれる間に調理されるお肉が重宝される。
それ以上の「マトン」と言われる状態になると、脂身の部分が発する臭いなど、色々なところで好き嫌いの分かれるお肉になってしまうのだ。
「じゃあきっと、あまり召し上がられた事のない羊肉料理がお出し出来ると思います」
「そうなのか」
「はい。普段は〝アンブローシュ〟なんかに納入をしていると言う業者から、仕入れる了解を貰ったらしいです。もう少ししたら届くんじゃないかと」
さすが、時期外れでなければ手に入らない物はないと断言される事はある。
基本的に、仔羊肉を使った料理は、フランス料理では高級料理に相当するくらいだから、その辺りの仕入れをあたればあるとは思ったのだ。
山菜狩りの戦果の一部と一緒に、ラムチョップとジンギスカンでも用意しておこうと思っている。
お眼鏡に適ったら、レシピは木綿製の紙の普及に目を瞑って貰う事と、等価交換と言う形にして貰うのも良いかも知れない。
「それとコンティオラ公爵領に関しては〝スヴァレーフ〟もそうですけど、サンテリ領含めて、幾つかの領が海も近いですよね?魚の身を調理した後に残る、頭とか尾っぽとか、骨付きで旨味の多い部分を使って、スープが出来るので、麺を絡めたお料理をちょっと。多分ですけど、天ぷらに合う筈なんですよね」
中力粉がない!と最初は思ったものの、よく考えればパンとクッキーが存在するのだから、両方に使う小麦粉を混ぜ合わせれば良い筈と、思い直したのだ。
うどんのぶっつけ本番。そこは頑張って厨房の皆さんにこねて貰おう。
「あ、ちなみにスープは魚メインと、野菜の切れ端なんかを使ったものがメインの二種類作って貰う予定で。特に野菜メインのスープに関しては牛肉とも合う筈なんで、天ぷら共々、ハーグルンド領復興料理の候補と言う事で」
醤油とみりんがない以上、うどんの出汁は作れないものの、魚のあら汁や野菜のくずに白ワインを上手く組み合わせれば、なんちゃって出汁が出来る筈。
…そのあたりは、料理人の皆さんの匙加減が頼りだけど。
「ああ…魚メインのスープと麺の組み合わせが珍しいにしても、野菜メインと麺の組み合わせをハーグルンド領で出すと言えば、レシピの主導権はそちらに渡ると言う訳か」
「そうですね。狙いはそんな感じです。あと〝スヴァレーフ〟は、素揚げはもちろんですけど、もう少し厚めに切れば『天ぷら』にもなるので両方出させて貰うのと、あと〝スヴァレーフ〟の〝アイニッキ〟を、他の材料でも代用が出来るので、それをお出ししようかと」
スヴァレーフはじゃがいも、アイニッキがいわゆるコロッケに相当すると言うのを、私は厨房で聞いた。
ポテチは初出しでも、コロッケはそうはいかなかったようだ。
なので、カボチャとサツマイモで、それぞれ代用して作るつもりだ。
「特に〝ヘリュ〟は〝アイニッキ〟にするのに、牛肉のひき肉と相性が良いですから。中身が〝スヴァレーフ〟じゃなく〝ヘリュ〟なら〝アイニッキ〟のレシピがどこに所属していようと、特許権の侵害には当たらないと思うんですよね」
「ハーグルンドで〝ヘリュ〟も収穫させれば、名物料理の一環として使えるかも知れない、と」
「そんなところです」
更に言えば羊の内臓を羊の胃袋に詰めて茹でた「ハギス」に衣をつけて揚げる「ハギスボール」が羊肉料理としてはあるけれど、あれはもはや珍味。激しく好き嫌いの分かれる一品で、今回の様な場に出すのには多分不向きだ。
私はそこは、今回は案として出さない事にした。
「そう言えば、フォルシアン公爵にチョコレートを頼んでいたのはどうするんだ?」
「あ、それはですね。素揚げにした〝スヴァレーフ〟の片面に塗るんです。私の居た国では、なめらかな口どけのチョコレートの甘さと、素揚げされた〝スヴァレーフ〟の塩味との絡みが絶妙だと、特に女性陣に大人気だった一品で」
北海道物産展でおなじみのチョコレートチップスは波型になっているけれど、この世界にそんな型どりが出来るスライスカッターはないので、あくまで「なんちゃって」だ。
多分それでもシャルリーヌは喜んでくれる筈だけど。
もともと、素揚がったポテチに、料理用のハケでチョコレートを塗るのは、ミカ君も交えて厨房の隅でやらせて貰う予定だった。
ただ、参加者も料理も増えて時間が足りなくなっているので、ポテチの半分を溶かしたチョコに突っ込む形にしようかと、今は考え直している。
盛り付けとしては、白磁器のボウルに合う筈で、キノコ狩りと併せて、良いレクリエーションにもなると思っていた。
「エッカランタとサンテリと…チョコレートは〝ヘンリエッタ〟に卸しているのが、主にアムレアン領でしたっけ?商品化するとなったら、そのあたりの権利の話がややこしい事になりそうですけど、そこはあくまで採用されたらって事で」
クヴィスト公爵領は、バリエンダールから海を挟んでアンジェス国に入国する時に、最初に通る領だ。
バリエンダールから入る香辛料が、ほぼここの港を通る事になり、エドヴァルドの実母および叔母の実家であるクリストフェル子爵領も、クヴィスト公爵内にある領だ。
香辛料の財と、海産物、そしてイデオン公爵領内のキヴェカス領に並ぶ乳製品の産地である事とが、基本的なクヴィスト公爵領の主要財源だそうだ。
今回はクヴィスト公爵あるいは令息が来る訳ではないので、さりげなく香辛料を使った料理を出しておけば、最低限の礼儀は守られる筈だ。
魚のあら汁に関しては、野菜スープメインの「うどんもどき」の後で売り出しは考えると言う事で、これはコンティオラ公爵領ともども遠慮して貰うつもりでいる。
・カルグクスもどき(韓国風海鮮スープうどん)
・うどん(もどき)の具だくさんつけ汁(野菜スープ+薄切り肉+野菜)
・うどんの付け合わせに山菜とキノコの天ぷら
・ロールキャベツ(牛ミンチ+野菜スープ)
・サツマイモのコロッケ
・カボチャと牛ミンチのコロッケ
・ラムチョップ
・ジンギスカン
・ポテトチップス
・チョコレートチップス
「10品くらいあったら足りますか?あとオムレツ追加します?ああでも、あれはケスキサーリ領の卵って言うだけなんで、どこかの領に持っていかれると困りますよね……」
もちろんアンジェスの素材名に言い換えてはいるけれど、出す予定の料理を私が指折り数えながらそう言ったところで、エドヴァルドが完全に固まっていた。
「……貴女の国の食事情はどうなっているんだ……」
昨日の内から材料と作りたいものをやんわり伝えていたヨンナやセルヴァンは、給仕をしながら苦笑しているだけだ。
本来なら、ミカ君とシャルリーヌの三人で、うどん(もどき)の具だくさんつけ汁(野菜スープ)に天ぷら添えて、後はポテトチップスにチョコレートチップスを楽しむだけだったんだから、そこから考えたら無茶振りも甚だしいとは思う。
とは言え、増えたのが成人男性ばかりな上に、軍人であるベルセリウス侯爵やウルリック副長は人よりも食事の量は多い筈だ。
10品で足りるのかどうか、正直自信はない。
多分、フォルシアン公爵夫人が増えるのには、影響はない気がするけど。
「どうですか、エドヴァルド様。足りそうですか?」
「……充分だ。そして、オムレツは今回は不要だ」
何故か片手で額を押さえながら、エドヴァルドが呻いている。
認められるどころか、それ以上に目を付けられる…とか何とか声が洩れている気がする。
自重が行方不明とか、どう言う事ですか。聞こえてますけど。
「休日返上、厨房総出なので、無事に終わったらぜひ、臨時給与出してあげて下さいね」
「分かった。もちろんそこは惜しむつもりはない」
何故か私を見ながらため息交じりにそう呟いたエドヴァルドは、午前中はドロテア王女とドナート王子、クヴィスト公爵令息の事情聴取を再度行って、その上で対応方を公爵邸で詰めると言い置いて、王宮に出かけて行った。
本当に、そんな重要な話を庶民食食べながらして良いのかと、私の方は不安で仕方がなかったけど。
「あの、スヴェンテ公爵領って、羊毛産業が盛んとは聞きましたけど、羊のお肉は食べたりするんですか?」
私の言葉に、エドヴァルドは少し考える仕種を見せた。
「スヴェンテ公爵領の場合は、羊毛製品と、羊皮紙だけで領の全ての財政を賄っていると言っても良い状況だからな……」
「あ、もしかして木綿を使った紙の話が出たら、揉める感じでしょうか」
「いや。購買層が違ってくるから、事前にそれさえ伝えておけば、さほど問題にはならない筈だ。要は、あまり肉に注目は集まっていないと言う事だ」
「ああ……羊皮紙や羊毛製品が出来るまで羊が育っちゃったら、食べるには味の好き嫌いが出ちゃいますからね……」
羊の肉は、断然生後12ヶ月未満の「ラム」と呼ばれる間に調理されるお肉が重宝される。
それ以上の「マトン」と言われる状態になると、脂身の部分が発する臭いなど、色々なところで好き嫌いの分かれるお肉になってしまうのだ。
「じゃあきっと、あまり召し上がられた事のない羊肉料理がお出し出来ると思います」
「そうなのか」
「はい。普段は〝アンブローシュ〟なんかに納入をしていると言う業者から、仕入れる了解を貰ったらしいです。もう少ししたら届くんじゃないかと」
さすが、時期外れでなければ手に入らない物はないと断言される事はある。
基本的に、仔羊肉を使った料理は、フランス料理では高級料理に相当するくらいだから、その辺りの仕入れをあたればあるとは思ったのだ。
山菜狩りの戦果の一部と一緒に、ラムチョップとジンギスカンでも用意しておこうと思っている。
お眼鏡に適ったら、レシピは木綿製の紙の普及に目を瞑って貰う事と、等価交換と言う形にして貰うのも良いかも知れない。
「それとコンティオラ公爵領に関しては〝スヴァレーフ〟もそうですけど、サンテリ領含めて、幾つかの領が海も近いですよね?魚の身を調理した後に残る、頭とか尾っぽとか、骨付きで旨味の多い部分を使って、スープが出来るので、麺を絡めたお料理をちょっと。多分ですけど、天ぷらに合う筈なんですよね」
中力粉がない!と最初は思ったものの、よく考えればパンとクッキーが存在するのだから、両方に使う小麦粉を混ぜ合わせれば良い筈と、思い直したのだ。
うどんのぶっつけ本番。そこは頑張って厨房の皆さんにこねて貰おう。
「あ、ちなみにスープは魚メインと、野菜の切れ端なんかを使ったものがメインの二種類作って貰う予定で。特に野菜メインのスープに関しては牛肉とも合う筈なんで、天ぷら共々、ハーグルンド領復興料理の候補と言う事で」
醤油とみりんがない以上、うどんの出汁は作れないものの、魚のあら汁や野菜のくずに白ワインを上手く組み合わせれば、なんちゃって出汁が出来る筈。
…そのあたりは、料理人の皆さんの匙加減が頼りだけど。
「ああ…魚メインのスープと麺の組み合わせが珍しいにしても、野菜メインと麺の組み合わせをハーグルンド領で出すと言えば、レシピの主導権はそちらに渡ると言う訳か」
「そうですね。狙いはそんな感じです。あと〝スヴァレーフ〟は、素揚げはもちろんですけど、もう少し厚めに切れば『天ぷら』にもなるので両方出させて貰うのと、あと〝スヴァレーフ〟の〝アイニッキ〟を、他の材料でも代用が出来るので、それをお出ししようかと」
スヴァレーフはじゃがいも、アイニッキがいわゆるコロッケに相当すると言うのを、私は厨房で聞いた。
ポテチは初出しでも、コロッケはそうはいかなかったようだ。
なので、カボチャとサツマイモで、それぞれ代用して作るつもりだ。
「特に〝ヘリュ〟は〝アイニッキ〟にするのに、牛肉のひき肉と相性が良いですから。中身が〝スヴァレーフ〟じゃなく〝ヘリュ〟なら〝アイニッキ〟のレシピがどこに所属していようと、特許権の侵害には当たらないと思うんですよね」
「ハーグルンドで〝ヘリュ〟も収穫させれば、名物料理の一環として使えるかも知れない、と」
「そんなところです」
更に言えば羊の内臓を羊の胃袋に詰めて茹でた「ハギス」に衣をつけて揚げる「ハギスボール」が羊肉料理としてはあるけれど、あれはもはや珍味。激しく好き嫌いの分かれる一品で、今回の様な場に出すのには多分不向きだ。
私はそこは、今回は案として出さない事にした。
「そう言えば、フォルシアン公爵にチョコレートを頼んでいたのはどうするんだ?」
「あ、それはですね。素揚げにした〝スヴァレーフ〟の片面に塗るんです。私の居た国では、なめらかな口どけのチョコレートの甘さと、素揚げされた〝スヴァレーフ〟の塩味との絡みが絶妙だと、特に女性陣に大人気だった一品で」
北海道物産展でおなじみのチョコレートチップスは波型になっているけれど、この世界にそんな型どりが出来るスライスカッターはないので、あくまで「なんちゃって」だ。
多分それでもシャルリーヌは喜んでくれる筈だけど。
もともと、素揚がったポテチに、料理用のハケでチョコレートを塗るのは、ミカ君も交えて厨房の隅でやらせて貰う予定だった。
ただ、参加者も料理も増えて時間が足りなくなっているので、ポテチの半分を溶かしたチョコに突っ込む形にしようかと、今は考え直している。
盛り付けとしては、白磁器のボウルに合う筈で、キノコ狩りと併せて、良いレクリエーションにもなると思っていた。
「エッカランタとサンテリと…チョコレートは〝ヘンリエッタ〟に卸しているのが、主にアムレアン領でしたっけ?商品化するとなったら、そのあたりの権利の話がややこしい事になりそうですけど、そこはあくまで採用されたらって事で」
クヴィスト公爵領は、バリエンダールから海を挟んでアンジェス国に入国する時に、最初に通る領だ。
バリエンダールから入る香辛料が、ほぼここの港を通る事になり、エドヴァルドの実母および叔母の実家であるクリストフェル子爵領も、クヴィスト公爵内にある領だ。
香辛料の財と、海産物、そしてイデオン公爵領内のキヴェカス領に並ぶ乳製品の産地である事とが、基本的なクヴィスト公爵領の主要財源だそうだ。
今回はクヴィスト公爵あるいは令息が来る訳ではないので、さりげなく香辛料を使った料理を出しておけば、最低限の礼儀は守られる筈だ。
魚のあら汁に関しては、野菜スープメインの「うどんもどき」の後で売り出しは考えると言う事で、これはコンティオラ公爵領ともども遠慮して貰うつもりでいる。
・カルグクスもどき(韓国風海鮮スープうどん)
・うどん(もどき)の具だくさんつけ汁(野菜スープ+薄切り肉+野菜)
・うどんの付け合わせに山菜とキノコの天ぷら
・ロールキャベツ(牛ミンチ+野菜スープ)
・サツマイモのコロッケ
・カボチャと牛ミンチのコロッケ
・ラムチョップ
・ジンギスカン
・ポテトチップス
・チョコレートチップス
「10品くらいあったら足りますか?あとオムレツ追加します?ああでも、あれはケスキサーリ領の卵って言うだけなんで、どこかの領に持っていかれると困りますよね……」
もちろんアンジェスの素材名に言い換えてはいるけれど、出す予定の料理を私が指折り数えながらそう言ったところで、エドヴァルドが完全に固まっていた。
「……貴女の国の食事情はどうなっているんだ……」
昨日の内から材料と作りたいものをやんわり伝えていたヨンナやセルヴァンは、給仕をしながら苦笑しているだけだ。
本来なら、ミカ君とシャルリーヌの三人で、うどん(もどき)の具だくさんつけ汁(野菜スープ)に天ぷら添えて、後はポテトチップスにチョコレートチップスを楽しむだけだったんだから、そこから考えたら無茶振りも甚だしいとは思う。
とは言え、増えたのが成人男性ばかりな上に、軍人であるベルセリウス侯爵やウルリック副長は人よりも食事の量は多い筈だ。
10品で足りるのかどうか、正直自信はない。
多分、フォルシアン公爵夫人が増えるのには、影響はない気がするけど。
「どうですか、エドヴァルド様。足りそうですか?」
「……充分だ。そして、オムレツは今回は不要だ」
何故か片手で額を押さえながら、エドヴァルドが呻いている。
認められるどころか、それ以上に目を付けられる…とか何とか声が洩れている気がする。
自重が行方不明とか、どう言う事ですか。聞こえてますけど。
「休日返上、厨房総出なので、無事に終わったらぜひ、臨時給与出してあげて下さいね」
「分かった。もちろんそこは惜しむつもりはない」
何故か私を見ながらため息交じりにそう呟いたエドヴァルドは、午前中はドロテア王女とドナート王子、クヴィスト公爵令息の事情聴取を再度行って、その上で対応方を公爵邸で詰めると言い置いて、王宮に出かけて行った。
本当に、そんな重要な話を庶民食食べながらして良いのかと、私の方は不安で仕方がなかったけど。
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