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第二部 宰相閣下の謹慎事情
284 五公爵会議+α(3)
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
「大丈夫かい、あれからドナート殿下とは遭遇しなかったかい」
息子の事で、まだ動揺は収まっていないだろうに、こちらをも気遣ってくれるあたり、フォルシアン公爵もさすが伊達に「公爵」の名は背負っていない。
ただここには、私の知らない高位貴族が複数いる。
チラりとエドヴァルドを見れば、軽く頷いて――返事をする許可を求めたと見えるよう振る舞ってくれたので、私はフォルシアン公爵に〝カーテシー〟の姿勢をとった。
「お気遣い有難うございます、フォルシアン公爵様。遭遇しなかったとは残念ながら申し上げられないのですが、こちらのイデオン公爵様と、恐れ多くも国王陛下のお口添えを頂戴しまして、この通り何事もなくやり過ごす事が出来ました」
お口添えって何だろう、と一人ツッコミをしたい心境ではあるけれど、まさかこの場で私から執務室での説教の詳細を語るワケにもいかない。
エドヴァルドが、あらぬ方向に視線を逸らしたのも、きっと私と今、同じ心境になっているからだ。
「陛下の……」
私とエドヴァルドの態度から「何かあった」とは察したものの、そこは空気を読んでか「そうか」とだけ答えを返した。
「貴女には、ユセフの危機を未然に喰い止めて貰った。だからと言う訳ではないが、貴女とイデオン公爵の婚約に関して、私は全面的な支持に回るつもりだ。他にも、フォルシアン家の権限で出来る事があれば、遠慮なく頼ってくれて良い」
「……っ」
あちらこちらで「婚約」を連呼される事に、どうにも居心地が悪いのだけれど、エドヴァルドは涼しい顔のままだし、青づくめの衣装やらネックレスやらしている状況で、今更「まだ婚約していません」とも言えない。
多分フォルシアン公爵は、後ろに立つ、初対面のクヴィスト公爵令息と、スヴェンテ公爵代理のために、私が侮られる事のないようにわざと大きな声をあげてくれたとは思うけど、声が裏返ってしまうのは、我ながら如何ともしがたい。
「あ…有難うございます。私など大した事はしておりませんので、かえって恐縮にございます。ただ一点お言葉に甘えさせて頂けますなら、私、フォルシアン公爵領で産出されますチョコレートを殊の外気に入っておりますので、ぜひまた美味しいチョコレートを食させて頂けましたら、それで充分にございます」
軽く頭を下げつつも、再度エドヴァルドに視線を投げると、エドヴァルドも分かっているとばかりに「フォルシアン公」と、彼の肩に触れるか触れないかの距離に、少し近付いていた。
かなり小声ではあるけれど「明日、原料としてのチョコレートを少し持って来てくれないか。昼食はこちらで用意する」と言っているのが、確かに聞こえた。
原料…?と呟きつつも、フォルシアン公爵の視線がエドヴァルドからこちらへと戻ったので、私はとりあえずにこやかに微笑っておいた。
共同開発とまでは察せられないにしろ、作りたいものがあると言う事だけでも、察してくれれば良いけれど。
「……なるほど」
ややあって、フォルシアン公爵がふわりと柔らかい微笑を閃かせた。
それはもう、勘違いをするご令嬢が出て来てもおかしくなさそうなくらいに、無駄にキラキラとした笑みだ。
「ドレスでも宝石でも絵画でもなく、我が領自慢のチョコレートをと仰って下さる。イデオン公の女性を見る目は確からしい」
そこまでいくと嘘っぽいと思います……。
口には出せないけど、ちょっと痙攣った表情にはなっていたかも知れない。
そんな私にフォルシアン公爵は、近いうちにチョコレートをお贈りしますよ――と、エドヴァルドへの回答を兼ねるように微笑った。
「それと、コンティオラ公もちょっといいだろうか」
「……え?」
多分、自分に話を振られるとは思ってもいなかったんだろう。
相変わらず、呪い師か何かの様な、不健康極まりないと言った容貌のコンティオラ公爵が、弾かれたようにエドヴァルドの方を向いた。
「私に……何か?」
エドヴァルドは、それにはすぐに答えず、自分とフォルシアン公爵とが立つ場所まで来て欲しいと言う事を視線で投げかけていた。
奥さんと娘さんは、なかなかに自己主張の強い人達だと聞いた気がするけれど、このコンティオラ公爵は、多分その二人のストッパーとして、日々神経をすり減らしているのかな――などと、余計なお世話な事をちょっと脳裡で考えてしまった。
「いえ。サンテリ領の〝スヴァレーフ〟の件で……ちょっと」
周囲に聞こえて差し障りのない事だけを口にするエドヴァルドに、それでもコンティオラ公爵は「ああ…」と納得したように、こちらへと近付いて来た。
「…ちょっと、他にも食してみて貰いたい〝スヴァレーフ〟料理がある。明日の昼食時、少し我が邸宅へとおいで願いたい」
「―――」
この密かな囁きに驚いたのは、コンティオラ公爵だけではなく、フォルシアン公爵もだったらしい。
二人の視線が、ほぼ同時に私の方へと向いた。
「え…ええ、恐らく、ご想像の通りかと」
…ここはバイト先。
目の前にいるのは、ご来店されたお客様。
そう、自分の中でひたすら言い聞かせていないと、表情筋が痙攣りすぎて、強張ってしまいそうだった。
公爵邸で試食会をしていたのとは、場も空気も違い過ぎる!
「ぜ…ぜひご判断は、いらっしゃってからして頂きたく思います……」
私はそう答えるのが精一杯だった。
「承知した。ではそのように」
もうすぐ国王陛下が来ると言う事もあって、コンティオラ公爵の返答は短いものだった。
その空気を読んだフォルシアン公爵も「楽しみにしておこう」とだけ、答えるにとどめていた。
「ほう……ずいぶんと意外な取り合わせで歓談しておいでですな」
そしてこちらの会話が途切れた絶妙なタイミングで、その声はかけられた。
明らかに一人、年齢が突出した感があり、以前学校の教材として見た、人種差別による大量虐殺から人々を保護しようとした実業家にまつわる映画の監督に、雰囲気がよく似ている。
敢えてのモノクロで戦争の悲惨さを訴えかけるかの様な映画を撮る一方で、少年と異星人の交流を描く映画を撮ったり、振り幅の広い監督だと、TVを見ながら感心した覚えがある。
閑話休題。
「……スヴェンテ老公」
フィルバートの即位にまつわる政変の後、スヴェンテ公爵家は当時の当主と長男が処刑され、次男には実権を与えずに、まだ幼児である次男の嫡男が公爵位を持ち、曾祖父にあたるフィリプ・スヴェンテが、嫡男成人まで一時的に公爵位を預かると言う形で話は決着していた。
そのため、当主経験者への敬意をこめて、彼はスヴェンテ「老公」と呼ばれているのだと、後になってエドヴァルドが教えてくれた。
「そこに陛下の席があり、あのソファは……今、こちらのお嬢さんの席だと得心はしたが、クヴィスト家も当主であるマチェイ殿ではなく、嫡男であるシェヴェス殿がお越しだ。何やらこちらの預かり知らぬ出来事があったように見えるが?」
やはり後見の立場とは言え、今現在現役で当主業務を行っているからだろうか。
話し方に、いかにもな「おじいさん口調」がなく、高位貴族としての威厳がそこからは感じられる。
ただ、この部屋にいるのはクヴィスト公爵令息を除いては、皆が現役当主だ。
ビクリと身体を跳ねさせたクヴィスト公爵令息とは違い、残りの三名は、表情からは何も悟らせまいとしていた。
「……補足はするが、仔細は陛下の口から語られるだろう。話はその後で」
そうして「宰相としての顔」で、エドヴァルドが代表する様にそう答えた。
チラリと扉に視線を投げたのとほぼ同時に、護衛騎士の一人が「失礼致します。陛下のお越しです」と一礼し――閣議の間の扉は、開かれた。
「大丈夫かい、あれからドナート殿下とは遭遇しなかったかい」
息子の事で、まだ動揺は収まっていないだろうに、こちらをも気遣ってくれるあたり、フォルシアン公爵もさすが伊達に「公爵」の名は背負っていない。
ただここには、私の知らない高位貴族が複数いる。
チラりとエドヴァルドを見れば、軽く頷いて――返事をする許可を求めたと見えるよう振る舞ってくれたので、私はフォルシアン公爵に〝カーテシー〟の姿勢をとった。
「お気遣い有難うございます、フォルシアン公爵様。遭遇しなかったとは残念ながら申し上げられないのですが、こちらのイデオン公爵様と、恐れ多くも国王陛下のお口添えを頂戴しまして、この通り何事もなくやり過ごす事が出来ました」
お口添えって何だろう、と一人ツッコミをしたい心境ではあるけれど、まさかこの場で私から執務室での説教の詳細を語るワケにもいかない。
エドヴァルドが、あらぬ方向に視線を逸らしたのも、きっと私と今、同じ心境になっているからだ。
「陛下の……」
私とエドヴァルドの態度から「何かあった」とは察したものの、そこは空気を読んでか「そうか」とだけ答えを返した。
「貴女には、ユセフの危機を未然に喰い止めて貰った。だからと言う訳ではないが、貴女とイデオン公爵の婚約に関して、私は全面的な支持に回るつもりだ。他にも、フォルシアン家の権限で出来る事があれば、遠慮なく頼ってくれて良い」
「……っ」
あちらこちらで「婚約」を連呼される事に、どうにも居心地が悪いのだけれど、エドヴァルドは涼しい顔のままだし、青づくめの衣装やらネックレスやらしている状況で、今更「まだ婚約していません」とも言えない。
多分フォルシアン公爵は、後ろに立つ、初対面のクヴィスト公爵令息と、スヴェンテ公爵代理のために、私が侮られる事のないようにわざと大きな声をあげてくれたとは思うけど、声が裏返ってしまうのは、我ながら如何ともしがたい。
「あ…有難うございます。私など大した事はしておりませんので、かえって恐縮にございます。ただ一点お言葉に甘えさせて頂けますなら、私、フォルシアン公爵領で産出されますチョコレートを殊の外気に入っておりますので、ぜひまた美味しいチョコレートを食させて頂けましたら、それで充分にございます」
軽く頭を下げつつも、再度エドヴァルドに視線を投げると、エドヴァルドも分かっているとばかりに「フォルシアン公」と、彼の肩に触れるか触れないかの距離に、少し近付いていた。
かなり小声ではあるけれど「明日、原料としてのチョコレートを少し持って来てくれないか。昼食はこちらで用意する」と言っているのが、確かに聞こえた。
原料…?と呟きつつも、フォルシアン公爵の視線がエドヴァルドからこちらへと戻ったので、私はとりあえずにこやかに微笑っておいた。
共同開発とまでは察せられないにしろ、作りたいものがあると言う事だけでも、察してくれれば良いけれど。
「……なるほど」
ややあって、フォルシアン公爵がふわりと柔らかい微笑を閃かせた。
それはもう、勘違いをするご令嬢が出て来てもおかしくなさそうなくらいに、無駄にキラキラとした笑みだ。
「ドレスでも宝石でも絵画でもなく、我が領自慢のチョコレートをと仰って下さる。イデオン公の女性を見る目は確からしい」
そこまでいくと嘘っぽいと思います……。
口には出せないけど、ちょっと痙攣った表情にはなっていたかも知れない。
そんな私にフォルシアン公爵は、近いうちにチョコレートをお贈りしますよ――と、エドヴァルドへの回答を兼ねるように微笑った。
「それと、コンティオラ公もちょっといいだろうか」
「……え?」
多分、自分に話を振られるとは思ってもいなかったんだろう。
相変わらず、呪い師か何かの様な、不健康極まりないと言った容貌のコンティオラ公爵が、弾かれたようにエドヴァルドの方を向いた。
「私に……何か?」
エドヴァルドは、それにはすぐに答えず、自分とフォルシアン公爵とが立つ場所まで来て欲しいと言う事を視線で投げかけていた。
奥さんと娘さんは、なかなかに自己主張の強い人達だと聞いた気がするけれど、このコンティオラ公爵は、多分その二人のストッパーとして、日々神経をすり減らしているのかな――などと、余計なお世話な事をちょっと脳裡で考えてしまった。
「いえ。サンテリ領の〝スヴァレーフ〟の件で……ちょっと」
周囲に聞こえて差し障りのない事だけを口にするエドヴァルドに、それでもコンティオラ公爵は「ああ…」と納得したように、こちらへと近付いて来た。
「…ちょっと、他にも食してみて貰いたい〝スヴァレーフ〟料理がある。明日の昼食時、少し我が邸宅へとおいで願いたい」
「―――」
この密かな囁きに驚いたのは、コンティオラ公爵だけではなく、フォルシアン公爵もだったらしい。
二人の視線が、ほぼ同時に私の方へと向いた。
「え…ええ、恐らく、ご想像の通りかと」
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目の前にいるのは、ご来店されたお客様。
そう、自分の中でひたすら言い聞かせていないと、表情筋が痙攣りすぎて、強張ってしまいそうだった。
公爵邸で試食会をしていたのとは、場も空気も違い過ぎる!
「ぜ…ぜひご判断は、いらっしゃってからして頂きたく思います……」
私はそう答えるのが精一杯だった。
「承知した。ではそのように」
もうすぐ国王陛下が来ると言う事もあって、コンティオラ公爵の返答は短いものだった。
その空気を読んだフォルシアン公爵も「楽しみにしておこう」とだけ、答えるにとどめていた。
「ほう……ずいぶんと意外な取り合わせで歓談しておいでですな」
そしてこちらの会話が途切れた絶妙なタイミングで、その声はかけられた。
明らかに一人、年齢が突出した感があり、以前学校の教材として見た、人種差別による大量虐殺から人々を保護しようとした実業家にまつわる映画の監督に、雰囲気がよく似ている。
敢えてのモノクロで戦争の悲惨さを訴えかけるかの様な映画を撮る一方で、少年と異星人の交流を描く映画を撮ったり、振り幅の広い監督だと、TVを見ながら感心した覚えがある。
閑話休題。
「……スヴェンテ老公」
フィルバートの即位にまつわる政変の後、スヴェンテ公爵家は当時の当主と長男が処刑され、次男には実権を与えずに、まだ幼児である次男の嫡男が公爵位を持ち、曾祖父にあたるフィリプ・スヴェンテが、嫡男成人まで一時的に公爵位を預かると言う形で話は決着していた。
そのため、当主経験者への敬意をこめて、彼はスヴェンテ「老公」と呼ばれているのだと、後になってエドヴァルドが教えてくれた。
「そこに陛下の席があり、あのソファは……今、こちらのお嬢さんの席だと得心はしたが、クヴィスト家も当主であるマチェイ殿ではなく、嫡男であるシェヴェス殿がお越しだ。何やらこちらの預かり知らぬ出来事があったように見えるが?」
やはり後見の立場とは言え、今現在現役で当主業務を行っているからだろうか。
話し方に、いかにもな「おじいさん口調」がなく、高位貴族としての威厳がそこからは感じられる。
ただ、この部屋にいるのはクヴィスト公爵令息を除いては、皆が現役当主だ。
ビクリと身体を跳ねさせたクヴィスト公爵令息とは違い、残りの三名は、表情からは何も悟らせまいとしていた。
「……補足はするが、仔細は陛下の口から語られるだろう。話はその後で」
そうして「宰相としての顔」で、エドヴァルドが代表する様にそう答えた。
チラリと扉に視線を投げたのとほぼ同時に、護衛騎士の一人が「失礼致します。陛下のお越しです」と一礼し――閣議の間の扉は、開かれた。
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