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第一部 宰相家の居候
238 おいしいストロベリーティーの淹れ方
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
キャンプ用のシングルバーナーの様な道具も、いつの間にやらサロンに持ち込まれていた。
「王妃殿下、あの、茶葉は分かりますけど、そっちは……」
「あら、見た事ないかしら」
「こちらの国で見るのは初めてですけど、私の想像の通りなら、お水や料理を温める道具なのかと」
「それで合っているわよ。まあ、正確には魔道具だけれど。この茶葉は本来、お水が音を立てて温まった直後に一気に茶器の中に注ぎ入れて1分ほど待つのがコツなの。だから厨房から温かいお湯を運ばせたところで、本来の味は引き出せないのよ。この前は、もう茶葉を引き上げて、紅茶だけになった状態で茶器に入っていた、言わばお試し用。さっきはお湯の淹れ方を重視していたから、厨房から持って来させたまま。これからが本番よ」
「…それでも充分に香り付いてましたけど」
「先々この茶葉を扱うなら、ちゃんと本物の味を把握なさいな。何ならこの道具も茶葉と一緒に持ち帰ると良いわ。こちらには、まだ予備があるから」
やはりエヴェリーナ妃は、どうあっても私にお茶を淹れさせたいのだ。
立ち上がって、茶葉と魔道具の置かれた机に歩く傍ら、チラリと私を見下ろして行く。
「じゃあ、魔道具を動かすところまではお手本で見せて差し上げるわ。聖女様はもう少しお待ちになってらして。これは私の故郷のお茶で、殿下にも振る舞って差し上げた事があるお茶なのよ。聖女様の手をお借りするのは申し訳ないから、こちらは任せて下さいな。そうそう、お茶向きの良い温度になるまでは、コニー様とそちらの銀細工を見て、選ばれては如何かしら」
「はーい、そうさせて貰いますー。レナちゃん、宜しくねー?」
昨日までなら「私はアナタの召使いじゃない」くらいは反発していた筈だけど、いつもの舞菜の語尾の伸びた軽い声が、正直、今は私の頭の中を全てすり抜けている。
「…何と言うか、性格をお母様のお腹の中で二分して来たのかしら。この城にも双子がいるけれど、ここまで極端な性格はしていない様に思うわ」
思い返せば私自身は一度もこの女性の前では「聖女の姉」だとも「双子」だとも言わなかった筈なんだけれど、どうやら既定事項になっているようだ。
まぁ、髪型や色を多少変えているからとは言え、目の前で並べば言い訳のしようもないとは思うけれど。
諦めて立ち上がった私は、いっそ感心している風のエヴェリーナ妃と共に、舞菜とコニー夫人には背を向ける格好で、ティーワゴンの前に立った。
「シーグリック・アルビレオ…ですか?」
自分の話からはさりげなく逸らしつつ、茶葉の入ったガラス容器に手を伸ばす私に、エヴェリーナ妃が「あら」と、ちょっと驚いた様子を隣で見せた。
「シャルリーヌ・ベクレル伯爵令嬢から――少し」
私はそこは、微笑って誤魔化しておいた。
シャルリーヌは実際知っているし、知る機会もあったのだから、そこは嘘ではない。
「それにリックは今回、バシュラールの件で上からお叱りを受ける筈です。可能であれば、お口添えをお願いしたいくらいですね」
バシュラールの件。
それだけでエヴェリーナ妃なら、エドヴァルドの偽物を動かしたのが誰か、すぐに察しがついた筈だと思う。
ああ…と案の定、魔道具を動かして水の入った容器をその上に置きながら、エヴェリーナ妃はすぐに私の暗示に気が付いたようだった。
「あの子確か、4つの辺境伯家の中でちょうど、レフトサーリ家とはまだ面識がなかった筈だもの。行ったとて、すぐには気が付かないでしょうし、それは殿下も責められない筈だわ」
「―――」
茶器に茶葉を移していた手が、思わずブレていた。
エヴェリーナ妃は、いい加減に業を煮やしたエドベリ王子がそろそろ「シーグリック・アルビレオ」と言う、手持ち最強の札を切ってくる筈と考えて、仮に『替え玉』を立てても、すぐにはバレないだろう、面識のない、夜会でも顔を見た事がない貴族の中から選んだ子息をナリスヴァーラ城に向かわせたのだ。
いざとなった時に、侯爵家以上はイルヴァスティ子爵家と家格のバランスが悪い。
コニー夫人の実家クリストフェル子爵家から令嬢が王家に嫁げたのは、ひとえに香辛料の力があった故で、アロルド・オーグレーンのやらかしも、その承認に拍車をかけた。国王の寵のみが生命線であるイルヴァスティ子爵家とは、根本が違うのだ。
かと言って子爵家男爵家では、国王の方が首を縦に振らない事も考えられる。
エドヴァルドなら、オーグレーン家を興す事で王族のごり押しが通せると、王と王子が考えているが故の暴走なのだ。
侯爵「相当」とされる辺境伯家は、エドヴァルドの存在を抜きにすれば、かなり現実的な落としどころになる。
そして現〝扉の守護者〟の後見であるキスト辺境伯家と、元第一王子を抱えるメッツァ辺境伯家には、これ以上の政治的権力は持たせられない。
残る二つの辺境伯家の内、何かしらラハデ公爵家の利となる筈のレフトサーリ家に白羽の矢が立ったと言う事か。
「……今、それを仰いますか」
――私は知らないまま帰る筈だったのに。
私のささやかな保身を一刀両断して、艶やかにエヴェリーナ妃は微笑った。
「ふふ。その代わり、幼気な少年をあまり叱責しないよう、殿下に口添えはしてよ」
「それは、素直に感謝したいと思いますけれど」
四人分の茶葉を小山盛りで茶器に移している隣で、エヴェリーナ妃はティーカップに沸騰前の白湯を入れて、先にカップだけを温めている。
この辺り、さすが貴族女性の頂点に立ち、何度も茶会を開いてきたであろう手付きは、優雅かつ手早いものだ。
「レイナ嬢、先程お渡しした『隠し味』はちゃんとお持ちかしら?」
「……っ」
不意に私の方に身体を寄せて来たエヴェリーナ妃が、今だって聞こえていなかっただろうに、更にそこで声を落としてきた。
私は一度だけ目を閉じて、ドレスの袖に忍び込ませていた薬の瓶を、自分の掌の上に落とした。
「あら優秀。それをこちらのカップに垂らしておくと良いですわよ」
さも、何でもないことの様にエヴェリーナ妃がやり方を「指示」してくる。
…側から聞くと、完全に「美味しい紅茶の淹れ方」だ。
実際は、まるでサスペンスドラマで青酸カリを飲み物に混ぜるシーンの再現の様な状況なのに。
(――この場合は睡眠薬だけど)
私は黙ってその液体を、たった一つのティーカップにだけ、垂らした。
「ええ、ええ、結構よ。ではそろそろお湯も沸く事だから、前回お教えした要領で、一気に、あまり高くない場所から注いで下さいな。高い所から温度を下げるように、空気を混ぜるように注ぐ場合もありますけれど、あくまで茶葉の特性によって違うものと理解なさって」
コポコポと、魔道具の上にあった水が沸騰してきたところで、私はお湯を一気に茶器の中の茶葉へと注ぎ入れた。
「その後は一分ほど蒸らして下さいませね。目安としては〝イラ〟の香りが2/3、紅茶の香りが1/3のくらい漂うのが理想ですわね。長く蒸らしすぎると紅茶の渋みが強くなって、せっかくの〝イラ〟の風味が消えてしまうのよ」
キスト室長の薬は、どうやら無味無臭らしく、やっている事はもはや完全に「普通にお茶の用意」だった。
「色は、キレイな赤みが目安ね。一度に入れないで、各器に少しずつ、均一化させる様に回し入れていくと良いわ。せっかくだから、そのまま貴女が聖女様に出しておあげなさいな。私はお砂糖と、シロップが実はちょっとしたオススメだから、その間に用意させて貰うわね」
「………分かりました」
私はティートロリーにあった、紅茶入りのカップとソーサーを、トレイへと置き換えた。
さりげなく「特別な紅茶」だけを、自分で分かるように置き位置をずらしながら。
キャンプ用のシングルバーナーの様な道具も、いつの間にやらサロンに持ち込まれていた。
「王妃殿下、あの、茶葉は分かりますけど、そっちは……」
「あら、見た事ないかしら」
「こちらの国で見るのは初めてですけど、私の想像の通りなら、お水や料理を温める道具なのかと」
「それで合っているわよ。まあ、正確には魔道具だけれど。この茶葉は本来、お水が音を立てて温まった直後に一気に茶器の中に注ぎ入れて1分ほど待つのがコツなの。だから厨房から温かいお湯を運ばせたところで、本来の味は引き出せないのよ。この前は、もう茶葉を引き上げて、紅茶だけになった状態で茶器に入っていた、言わばお試し用。さっきはお湯の淹れ方を重視していたから、厨房から持って来させたまま。これからが本番よ」
「…それでも充分に香り付いてましたけど」
「先々この茶葉を扱うなら、ちゃんと本物の味を把握なさいな。何ならこの道具も茶葉と一緒に持ち帰ると良いわ。こちらには、まだ予備があるから」
やはりエヴェリーナ妃は、どうあっても私にお茶を淹れさせたいのだ。
立ち上がって、茶葉と魔道具の置かれた机に歩く傍ら、チラリと私を見下ろして行く。
「じゃあ、魔道具を動かすところまではお手本で見せて差し上げるわ。聖女様はもう少しお待ちになってらして。これは私の故郷のお茶で、殿下にも振る舞って差し上げた事があるお茶なのよ。聖女様の手をお借りするのは申し訳ないから、こちらは任せて下さいな。そうそう、お茶向きの良い温度になるまでは、コニー様とそちらの銀細工を見て、選ばれては如何かしら」
「はーい、そうさせて貰いますー。レナちゃん、宜しくねー?」
昨日までなら「私はアナタの召使いじゃない」くらいは反発していた筈だけど、いつもの舞菜の語尾の伸びた軽い声が、正直、今は私の頭の中を全てすり抜けている。
「…何と言うか、性格をお母様のお腹の中で二分して来たのかしら。この城にも双子がいるけれど、ここまで極端な性格はしていない様に思うわ」
思い返せば私自身は一度もこの女性の前では「聖女の姉」だとも「双子」だとも言わなかった筈なんだけれど、どうやら既定事項になっているようだ。
まぁ、髪型や色を多少変えているからとは言え、目の前で並べば言い訳のしようもないとは思うけれど。
諦めて立ち上がった私は、いっそ感心している風のエヴェリーナ妃と共に、舞菜とコニー夫人には背を向ける格好で、ティーワゴンの前に立った。
「シーグリック・アルビレオ…ですか?」
自分の話からはさりげなく逸らしつつ、茶葉の入ったガラス容器に手を伸ばす私に、エヴェリーナ妃が「あら」と、ちょっと驚いた様子を隣で見せた。
「シャルリーヌ・ベクレル伯爵令嬢から――少し」
私はそこは、微笑って誤魔化しておいた。
シャルリーヌは実際知っているし、知る機会もあったのだから、そこは嘘ではない。
「それにリックは今回、バシュラールの件で上からお叱りを受ける筈です。可能であれば、お口添えをお願いしたいくらいですね」
バシュラールの件。
それだけでエヴェリーナ妃なら、エドヴァルドの偽物を動かしたのが誰か、すぐに察しがついた筈だと思う。
ああ…と案の定、魔道具を動かして水の入った容器をその上に置きながら、エヴェリーナ妃はすぐに私の暗示に気が付いたようだった。
「あの子確か、4つの辺境伯家の中でちょうど、レフトサーリ家とはまだ面識がなかった筈だもの。行ったとて、すぐには気が付かないでしょうし、それは殿下も責められない筈だわ」
「―――」
茶器に茶葉を移していた手が、思わずブレていた。
エヴェリーナ妃は、いい加減に業を煮やしたエドベリ王子がそろそろ「シーグリック・アルビレオ」と言う、手持ち最強の札を切ってくる筈と考えて、仮に『替え玉』を立てても、すぐにはバレないだろう、面識のない、夜会でも顔を見た事がない貴族の中から選んだ子息をナリスヴァーラ城に向かわせたのだ。
いざとなった時に、侯爵家以上はイルヴァスティ子爵家と家格のバランスが悪い。
コニー夫人の実家クリストフェル子爵家から令嬢が王家に嫁げたのは、ひとえに香辛料の力があった故で、アロルド・オーグレーンのやらかしも、その承認に拍車をかけた。国王の寵のみが生命線であるイルヴァスティ子爵家とは、根本が違うのだ。
かと言って子爵家男爵家では、国王の方が首を縦に振らない事も考えられる。
エドヴァルドなら、オーグレーン家を興す事で王族のごり押しが通せると、王と王子が考えているが故の暴走なのだ。
侯爵「相当」とされる辺境伯家は、エドヴァルドの存在を抜きにすれば、かなり現実的な落としどころになる。
そして現〝扉の守護者〟の後見であるキスト辺境伯家と、元第一王子を抱えるメッツァ辺境伯家には、これ以上の政治的権力は持たせられない。
残る二つの辺境伯家の内、何かしらラハデ公爵家の利となる筈のレフトサーリ家に白羽の矢が立ったと言う事か。
「……今、それを仰いますか」
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私のささやかな保身を一刀両断して、艶やかにエヴェリーナ妃は微笑った。
「ふふ。その代わり、幼気な少年をあまり叱責しないよう、殿下に口添えはしてよ」
「それは、素直に感謝したいと思いますけれど」
四人分の茶葉を小山盛りで茶器に移している隣で、エヴェリーナ妃はティーカップに沸騰前の白湯を入れて、先にカップだけを温めている。
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685 忘れじの膝枕 とも連動!
書籍刊行記念 書き下ろし番外編小説「森のピクニック」は下記ページ バックナンバー2022年6月欄に掲載中!
2巻刊行記念「オムレツ狂騒曲」は2023年4月のバックナンバーに、3巻刊行記念「星の影響-コクリュシュ-」は2024年3月のバックナンバーに掲載中です!
そして4巻刊行記念「月と白い鳥」はコミックス第1巻と連動!
https://www.regina-books.com/extra
今回から見方が変わりました。何か一話、アルファポリス作品をレンタル頂くことで全てご覧いただけますので宜しくお願いしますm(_ _)m
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