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第一部 宰相家の居候
217 馬車での〝お約束〟
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
無言のままキスト室長の邸宅を出て、馬車に乗り込んだところまでは良かったんだけれど、何故かエドヴァルドが向かいではなく、隣に腰を下ろしてきた。
「え?あのっ……」
そのまま肩から頭の後ろに手が回って、コテン、とエドヴァルドの肩に頭をもたせかけられた。
「――言いたい事でも、ぶつけたい言葉でも、あれば聞く。何度も言うが、私がそれを厭う事はない。だからそうやって、黙って切れそうな程に掌を握りしめるのは止めてくれ」
「……っ」
どうやら無意識に、またやっていたらしい。
「……すみません」
「謝罪を聞きたい訳ではないのだが」
「す…いえ」
気付けば「すみません」の自縄自縛に陥りそうで、さすがに私もそれ以上は言えなくなった。
「その、私……自分の甘さを思い知らされたと言うか」
ややあってポツリと呟けば、私の頭にあるエドヴァルドの手が、僅かに揺れた。
ただ何も言わないのは、そのまま「聞く」と言う事なんだろう。
「まさか何もかもを手中に収めて帰ろうと思っていた訳ではないだろう――そう、エヴェリーナ妃に言われました。それは、そうなんですよ。お互いに一つを差し出して、手打ちに――それも、そうなんですよ。……ただ」
また掌を握りかけて、今度は自分で気が付いたので慌ててそれを解く。
「私の知らないところで、今まで通りやりたい放題の生活をして、勝手にすれば良いとは思っていたんですけど……意思のない、ただの〝転移扉〟の為の『器』として生きろとまで思っていた訳じゃなかったと言うか……」
「……レイナ」
「で…でもっ、やっぱり妹の『補佐』はもうごめんで。だとしたら、妹の未来を察しながらも黙って帰る事になる訳で……。見放すのではなく、選んだ――って、何だか自分が楽になるために、エドヴァルド様を利用するみたいじゃないですか?どうしても、そこがモヤモヤすると言うか、割り切れないと言うか……いやっ、甘いって言われるのは分かってますよ?分かってるんですけど――」
「……貴女は、本当に」
「エドヴァルド様?」
盛大なため息が聞こえてきて、私は思わず身体を離そうとしたけど、かえって力を入れられて、身動きがとれなくなってしまった。
「甘いとか、甘くないとかの問題じゃないんだ。私は、全て受け入れると何度も言っている筈だ。私に貴女の全てを独占させてくれるのなら、それで対等だと。いくらでも利用すれば良いだろう。なぜそこで躊躇をする?」
「で…でも……」
「それとも貴女も、内心ではアロルド・オーグレーンの血を引く私を嫌悪しているのか?高位貴族は皆、いつかあのように人を人とも思わぬ振る舞いに及ぶかも知れないと?」
「そ…っ、それは違います!親が残念だったと言うだけなら、ウチもそうでしたし……コ、コニー夫人はとても良い人みたいですし、血筋だけで嫌悪なんて……!」
「なら――」
「エ、エドヴァルド様が…っ」
何となく、こちらを向いているだろう視線は感じるものの、私は敢えてそのままエドヴァルドの言葉を遮った。
「エドヴァルド様が…やっぱり内心では、妹を見捨てる私を軽蔑するかも…って、それが……怖くて…っ」
「!」
エドヴァルドの身体が、僅かに揺らいだ気がした。
やはり図星なのかと、ならばもう一緒かと、そのまま内心を吐露してしまう。
「し、失望されたくなかったし…っ、だって私、多少アタマが回るくらいしか取り柄が――⁉︎」
「――本気で」
だけど予想に反して、エドヴァルドは真顔でこちらを覗き込んできた。
すぐ目の前に、紺青色の瞳が飛び込んでくる。
「本気でそう思っていたのか?全てこちらの都合で巻き込んでおきながら、私が貴女を軽蔑し、貴女に失望すると――そんな風に?」
「だ…って…」
すっかり聖女には失望し、軽蔑しているだろうに――。
私の言いたい事を察したエドヴァルドが表情を歪めた。
「そもそも勝手に召喚しておきながら手を離す、私とフィルバートの方がより罪が深い。軽蔑も失望も、する権利があるのは、貴女であって、私ではない」
「!」
「それと、いいか?聖女マナを望んだのはエヴェリーナ妃、つまりはギーレン王家だ。こちらから押し付ける訳ではない」
「そ…れは…」
「詭弁ではないだろう?婚姻と言う慶事で貴女がばら撒いた記事を上書きしようとしているのだから、間違いなく、ギーレン主導の『要求』だ。そして確実にエヴェリーナ妃は、聖女マナにエドベリ王子との婚姻を勧めて、首を縦に振らせるだろう。私や、仮に貴女が警告をしたとしても、かえって意地になる事は目に見えている。そもそも、あの妃に太刀打ち出来る筈もないだろうがな」
舞菜とエヴェリーナ妃。
ああ…うん、考えるまでもなく誘導されそうだと、そこは私も納得してしまった。
「そして私は国を優先して、エヴェリーナ妃の申し入れに応じる。聖女本人も納得するだろう事だしな。だから言っているんだ。貴女が見放す訳ではないと」
「―――」
言葉を続けられなくなった私の頬に、そっとエドヴァルドの手が触れられる。
「聖女が一人、国の都合で入れ替わるだけだ。そして私は、貴女をそこに巻き込むつもりはない。貴女は私と共にギーレンを出るんだ。…出てくれるのだろう?」
「エドヴァルド様……」
――唇が重なる寸前に馬車が着くとか、もう〝お約束〟ですよね、ハイ。
* * *
そして、本日の王立植物園食堂ランチ。
・さつまいもチャウダー(さつまいも、タマネギ、人参、ベーコン)
・野菜の肉巻き(人参、ナス、さやいんげん)
・野菜の卵包み焼き(キャベツ、タマネギ、えのき)
研究をしているのか、給食担当の管理栄養士をしているのか……以下略。
…と言うか、前日に植物園の食堂の厨房料理人さん達に話はしておいたけど、まさかフルコースにも出来ないだろうと、室長とも確認はしたけど。
――私の隣りで、宰相閣下が物珍しげに料理を眺めてます。
いやぁ…ファルコのスープとか私のオムレツとかも普通に食べていたくらい、こだわりが少ない人だって言うのは分かってたけど。
それにしたって、この風景の馴染まなさは如何ともしがたい訳で。
半径1mくらいは、結界でも張られているのかと言うくらいに、研究員の皆様が遠巻きだ。
ひそひそと「ユングベリ嬢の婚約者が敵情視察に来たらしい」「え、連れ戻されんのか⁉︎」などなど…遠巻きになったところで、全然ヒソヒソ話になってないから!
室長と私と、イザクとシーグは逃れようもない訳だけれど。
「そう言えば私の邸宅でも、緑色の野菜が身体に良いとかどうとか言っていたと、聞いた気がするな……その延長か」
「未病医学とも予防医学とも言ってましたけど。病気を『治す』んじゃなくて、病気に『しない』事を究極の目標にしている研究分野ですね」
「まあ、確かにそれは斬新だな」
「その…出来れば彼女には、商会の仕事を続けて貰いたいのですが……?」
私とエドヴァルドが、公爵邸の朝食よろしく話をしていると、キスト室長がおずおずと会話に入ってきた。
無言のままキスト室長の邸宅を出て、馬車に乗り込んだところまでは良かったんだけれど、何故かエドヴァルドが向かいではなく、隣に腰を下ろしてきた。
「え?あのっ……」
そのまま肩から頭の後ろに手が回って、コテン、とエドヴァルドの肩に頭をもたせかけられた。
「――言いたい事でも、ぶつけたい言葉でも、あれば聞く。何度も言うが、私がそれを厭う事はない。だからそうやって、黙って切れそうな程に掌を握りしめるのは止めてくれ」
「……っ」
どうやら無意識に、またやっていたらしい。
「……すみません」
「謝罪を聞きたい訳ではないのだが」
「す…いえ」
気付けば「すみません」の自縄自縛に陥りそうで、さすがに私もそれ以上は言えなくなった。
「その、私……自分の甘さを思い知らされたと言うか」
ややあってポツリと呟けば、私の頭にあるエドヴァルドの手が、僅かに揺れた。
ただ何も言わないのは、そのまま「聞く」と言う事なんだろう。
「まさか何もかもを手中に収めて帰ろうと思っていた訳ではないだろう――そう、エヴェリーナ妃に言われました。それは、そうなんですよ。お互いに一つを差し出して、手打ちに――それも、そうなんですよ。……ただ」
また掌を握りかけて、今度は自分で気が付いたので慌ててそれを解く。
「私の知らないところで、今まで通りやりたい放題の生活をして、勝手にすれば良いとは思っていたんですけど……意思のない、ただの〝転移扉〟の為の『器』として生きろとまで思っていた訳じゃなかったと言うか……」
「……レイナ」
「で…でもっ、やっぱり妹の『補佐』はもうごめんで。だとしたら、妹の未来を察しながらも黙って帰る事になる訳で……。見放すのではなく、選んだ――って、何だか自分が楽になるために、エドヴァルド様を利用するみたいじゃないですか?どうしても、そこがモヤモヤすると言うか、割り切れないと言うか……いやっ、甘いって言われるのは分かってますよ?分かってるんですけど――」
「……貴女は、本当に」
「エドヴァルド様?」
盛大なため息が聞こえてきて、私は思わず身体を離そうとしたけど、かえって力を入れられて、身動きがとれなくなってしまった。
「甘いとか、甘くないとかの問題じゃないんだ。私は、全て受け入れると何度も言っている筈だ。私に貴女の全てを独占させてくれるのなら、それで対等だと。いくらでも利用すれば良いだろう。なぜそこで躊躇をする?」
「で…でも……」
「それとも貴女も、内心ではアロルド・オーグレーンの血を引く私を嫌悪しているのか?高位貴族は皆、いつかあのように人を人とも思わぬ振る舞いに及ぶかも知れないと?」
「そ…っ、それは違います!親が残念だったと言うだけなら、ウチもそうでしたし……コ、コニー夫人はとても良い人みたいですし、血筋だけで嫌悪なんて……!」
「なら――」
「エ、エドヴァルド様が…っ」
何となく、こちらを向いているだろう視線は感じるものの、私は敢えてそのままエドヴァルドの言葉を遮った。
「エドヴァルド様が…やっぱり内心では、妹を見捨てる私を軽蔑するかも…って、それが……怖くて…っ」
「!」
エドヴァルドの身体が、僅かに揺らいだ気がした。
やはり図星なのかと、ならばもう一緒かと、そのまま内心を吐露してしまう。
「し、失望されたくなかったし…っ、だって私、多少アタマが回るくらいしか取り柄が――⁉︎」
「――本気で」
だけど予想に反して、エドヴァルドは真顔でこちらを覗き込んできた。
すぐ目の前に、紺青色の瞳が飛び込んでくる。
「本気でそう思っていたのか?全てこちらの都合で巻き込んでおきながら、私が貴女を軽蔑し、貴女に失望すると――そんな風に?」
「だ…って…」
すっかり聖女には失望し、軽蔑しているだろうに――。
私の言いたい事を察したエドヴァルドが表情を歪めた。
「そもそも勝手に召喚しておきながら手を離す、私とフィルバートの方がより罪が深い。軽蔑も失望も、する権利があるのは、貴女であって、私ではない」
「!」
「それと、いいか?聖女マナを望んだのはエヴェリーナ妃、つまりはギーレン王家だ。こちらから押し付ける訳ではない」
「そ…れは…」
「詭弁ではないだろう?婚姻と言う慶事で貴女がばら撒いた記事を上書きしようとしているのだから、間違いなく、ギーレン主導の『要求』だ。そして確実にエヴェリーナ妃は、聖女マナにエドベリ王子との婚姻を勧めて、首を縦に振らせるだろう。私や、仮に貴女が警告をしたとしても、かえって意地になる事は目に見えている。そもそも、あの妃に太刀打ち出来る筈もないだろうがな」
舞菜とエヴェリーナ妃。
ああ…うん、考えるまでもなく誘導されそうだと、そこは私も納得してしまった。
「そして私は国を優先して、エヴェリーナ妃の申し入れに応じる。聖女本人も納得するだろう事だしな。だから言っているんだ。貴女が見放す訳ではないと」
「―――」
言葉を続けられなくなった私の頬に、そっとエドヴァルドの手が触れられる。
「聖女が一人、国の都合で入れ替わるだけだ。そして私は、貴女をそこに巻き込むつもりはない。貴女は私と共にギーレンを出るんだ。…出てくれるのだろう?」
「エドヴァルド様……」
――唇が重なる寸前に馬車が着くとか、もう〝お約束〟ですよね、ハイ。
* * *
そして、本日の王立植物園食堂ランチ。
・さつまいもチャウダー(さつまいも、タマネギ、人参、ベーコン)
・野菜の肉巻き(人参、ナス、さやいんげん)
・野菜の卵包み焼き(キャベツ、タマネギ、えのき)
研究をしているのか、給食担当の管理栄養士をしているのか……以下略。
…と言うか、前日に植物園の食堂の厨房料理人さん達に話はしておいたけど、まさかフルコースにも出来ないだろうと、室長とも確認はしたけど。
――私の隣りで、宰相閣下が物珍しげに料理を眺めてます。
いやぁ…ファルコのスープとか私のオムレツとかも普通に食べていたくらい、こだわりが少ない人だって言うのは分かってたけど。
それにしたって、この風景の馴染まなさは如何ともしがたい訳で。
半径1mくらいは、結界でも張られているのかと言うくらいに、研究員の皆様が遠巻きだ。
ひそひそと「ユングベリ嬢の婚約者が敵情視察に来たらしい」「え、連れ戻されんのか⁉︎」などなど…遠巻きになったところで、全然ヒソヒソ話になってないから!
室長と私と、イザクとシーグは逃れようもない訳だけれど。
「そう言えば私の邸宅でも、緑色の野菜が身体に良いとかどうとか言っていたと、聞いた気がするな……その延長か」
「未病医学とも予防医学とも言ってましたけど。病気を『治す』んじゃなくて、病気に『しない』事を究極の目標にしている研究分野ですね」
「まあ、確かにそれは斬新だな」
「その…出来れば彼女には、商会の仕事を続けて貰いたいのですが……?」
私とエドヴァルドが、公爵邸の朝食よろしく話をしていると、キスト室長がおずおずと会話に入ってきた。
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