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第一部 宰相家の居候
【宰相Side】エドヴァルドの秘鍵(後)
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
アロルド・オーグレーン(当時)皇叔が、ベアトリス・クリストフェル子爵令嬢に無体を働いた結果、このオーグレーン城にて蟄居させられたまま没した、その正確な日時を私は知らない。
10歳になるかならないかと言ったところでイデオン家の家督を継ぎ、領を混乱させない事に日々注力をしていた結果、オーグレーン家がどうなっているのか、自分がそちら側の継承権争いに巻き込まれたりはしないかと、相続権の確認と放棄を思い立ったのが、イデオン家を継いでから10年近く経過していたからだ。
その時には既にアロルドやその正妃だったカリタ妃は没しており、アロルドとカリタ妃の間にいた一人娘、つまりは私の異母姉は、事件以前にバリエンダール国に既に嫁いでおり、実父が起こした騒ぎに連座させられる事はなかった。
どうやら権力欲の強かった両親に早々に見切りをつけていたらしく、嫁いだ後は完全に没交渉だった事が、連座を免れた最大の要因らしかった。
私の相続権放棄申請の保証人の一人として依頼の手紙を出した際には、署名こそ返して貰ったが「私には異母弟などいません。連絡はこれきりに願います」と添えられていたくらいだったので、多分今後も会う事はない…と言うか、もしかすると既にこの世の人ではないかも知れない。
いずれにせよ、私が知る限りでも、アロルドの没後10数年は経過している。
貴族の別荘になったり、一般開放されたりもしている中で、何故、この箱は今まで見つからずに済んだのか。
この冊子は本物にしろ偽物にしろ、見つかるタイミングがあまりにも不自然だと思えた。
――転移扉の機密情報流出疑惑。
近頃どこかで、そんな話を聞かなかったか。
不意に頭に浮かんだその言葉に、私は静かに記憶を辿った。
「――レイナ」
そうだ。
彼女が異世界で読んだと言う物語の筋書きの一つとして、確かあったと言ってはいなかったか。
ギーレンではなくアンジェスで、私が大臣達に陥れられるかも知れないと、一時期彼女が危惧していた話。
なら、コレは……?
アンジェスでは、私は情報をギーレンに売ろうとしたとして、追放、亡命の可能性があったと言う。
だがここはギーレンだ。
むしろ追放なら喜んで従おうと言うものだが……恐らくは、逆だろう。
考えられるとすれば、イルヴァスティ子爵令嬢が、訪れた私の部屋でたまたま資料を発見――このままだと濡れ衣で処刑される。彼女と一緒になってオーグレーン家を継ぐと言うなら、それは「外部の者が情報を狙った」とは見做されず、引き継ぎの一環となる――と、エドベリ王子なり陛下なりが「提案」をする。
そんなところではないだろうか。
あの令嬢が、一度や二度では引き下がらず、この城にまで押しかけて来たところから言っても、どうあっても、私にあてがわれた部屋に入って、わざとらしくこの資料を発見する、猿芝居を演じようとしていた気がして仕方がない。
飲み物にも食べ物にも一切手を付けずに、媚薬も色仕掛けも出来ないがために、この古い資料が王家の側から小道具として引っ張り出されてきたのかも知れない。
その仕込みのために一時的に隠しておいたところが、ナシオたちの手によって発見された。
今更こんなモノが見つかる理由など、他にあるとも思えなかった。
「……フィトでもナシオでも良いが、コレをベクレル伯爵邸のレイナまで届ける事は可能か?」
アンジェスでそうだったように、何か知っている事があるのか聞いておきたいと思ったのだが、二人は顔を見合わせて、やや言いにくそうにしていた。
「まだ、王宮側からの監視役の連中が城の外をウロウロしてんですよね。今んとこ、城の中までは入れないように都度叩き出してますが、ソレを持って出るとなると、まず間違いなく尾けられます。アイツらもド素人じゃないんで、お嬢さんがギーレンに来ている事がバレる危険性がかなりありますね」
「あの…さっきの、茶会の招待の件なんですけど、それを利用して、持って出るのが一番確実だと思います。お館様が茶会に出ておいでの間に、一人配達に消えるくらいなら、何とかなるんじゃないかと」
ただ、伝言として情報を届ける事だけなら、どうやら「声」を届ける魔道具が〝鷹の眼〟の間で秘匿されているらしい。
そうか…と、私はナシオからの提案をとりあえず受け入れておく事にした。
「なら、この書物そのものに関しては、そうしよう。ただ、書物の存在については、さっきの茶会出席の話に、付け加えておいてくれ。原本は数日中に届けさせると」
「承知致しました」
「とりあえず私はしばらくこの書物に目を通すが……茶会まで、元の隠し金庫とやらに戻しておくか」
私の呟きに、ナシオもそれが良いとばかりに頷いた。
「そうですね……念のため戻しておいて、例えば外からではなく、この城の中で、手引きなりお館様を陥れる事なりを目論む使用人がいた時の現行犯になるように、戻して見張っておくのも一案かと」
「……確かにそうだな。分かった。では読み終わったら、そうしよう」
一礼した二人が書庫を後にするのを視界の端に認めつつ、私はいったん椅子に腰かけて、書物の全てに目を通す事にした。
そもそも、ここに書かれてある情報が真実なのかと言う事が、私には判断がしづらい。
魔道具の究極形とも言える〝転移扉〟の成り立ち、設計図に関しては、アンジェス国では管理部の術者たちしか詳細を把握していないからだ。
使える事と、中身を知っている事とは、必ずしも一致しない。
持ち帰って管理部への手土産にしても良いが、王家なり他の貴族なりへの牽制に使えるのなら、持ち帰る事が最善ではない場合もある。
今はまだ、判断が出来なかった。
「ギーレンでは、公爵家と辺境伯家に〝転移扉〟があるのか……?」
17の公爵家と4つの辺境伯家。
ただし常時その扉を起動させる事は出来ず、王家に使用許可を申請した後、魔力が通されてきて初めて使用出来るようになっているらしく、基本は王宮以外との行き来も出来ないらしい。
常時繋ぎっぱなしでは、いくら〝扉の守護者〟と言えど早々に魔力が尽きると言う事だろう。
と言う事は、ラハデ公爵家に頼み込んで、アンジェスに戻して貰うと言った無茶ぶりは、仕組みとして難しいと言う事か。
それなら、扉があるかないかを確認するだけでも、少なくともこの書物の真偽は確かめられるだろう。
「茶会に行く意義はある……か」
この書物が本物ならば、エヴェリーナ妃に提示して、オーグレーン家の相続権放棄の後押しをして貰うと言う策も、もしかしたら取れるかも知れない。
「……っ」
そう思いながら最後まで頁を読み進めたところで、目に飛び込んできた「アロルド・オーグレーン」の文字に、私は無意識のうちに眉を顰めていた。
「もしも『オーグレーン』の血を継ぐ者がこの書物を目にしているのならば、我の無念を晴らして欲しい。これはきっと、王家を揺さぶる良い材料になる筈だ。魔力が尽きて死ぬ寸前、静養と称してこのオーグレーン城に追いやられた先代〝扉の守護者〟が残した情報だから、ほぼ間違いはない。あの男も、王家に使い潰された憤りを抱えたまま死んだ。我も今や寝台から起き上がれない有様だ。たかが子爵家の娘一人、手を出しただけで何故ここまでの憂き目に遭わねばならんのだ。王族の手が付いた事に感謝されこそすれ、何故全てを取り上げられねばならん。我はギーレン国王にすらなり得た者なのだ。我は――」
その先は、赤茶けた古い血の様な何かで汚されてしまっていて、もう読み取れなかった。
だが、もうそれ以上、読みたいとも思わなかった。
「下衆が……っ‼」
こんな男と血が繋がっているなどと、実の父親だなどと……とてもじゃないが、認められない。
こんな家誰が再興するかと、心の底から叫びたくなる。
何が無念だ。
選民思想の慣れの果て、血を吐いて死んだところで同情すら覚えない。
むしろ完膚なきまでにその名前を下衆の象徴として地に沈めてやる。
私は書物を隠し金庫に戻させると共に、そう決意を新たにした。
アロルド・オーグレーン(当時)皇叔が、ベアトリス・クリストフェル子爵令嬢に無体を働いた結果、このオーグレーン城にて蟄居させられたまま没した、その正確な日時を私は知らない。
10歳になるかならないかと言ったところでイデオン家の家督を継ぎ、領を混乱させない事に日々注力をしていた結果、オーグレーン家がどうなっているのか、自分がそちら側の継承権争いに巻き込まれたりはしないかと、相続権の確認と放棄を思い立ったのが、イデオン家を継いでから10年近く経過していたからだ。
その時には既にアロルドやその正妃だったカリタ妃は没しており、アロルドとカリタ妃の間にいた一人娘、つまりは私の異母姉は、事件以前にバリエンダール国に既に嫁いでおり、実父が起こした騒ぎに連座させられる事はなかった。
どうやら権力欲の強かった両親に早々に見切りをつけていたらしく、嫁いだ後は完全に没交渉だった事が、連座を免れた最大の要因らしかった。
私の相続権放棄申請の保証人の一人として依頼の手紙を出した際には、署名こそ返して貰ったが「私には異母弟などいません。連絡はこれきりに願います」と添えられていたくらいだったので、多分今後も会う事はない…と言うか、もしかすると既にこの世の人ではないかも知れない。
いずれにせよ、私が知る限りでも、アロルドの没後10数年は経過している。
貴族の別荘になったり、一般開放されたりもしている中で、何故、この箱は今まで見つからずに済んだのか。
この冊子は本物にしろ偽物にしろ、見つかるタイミングがあまりにも不自然だと思えた。
――転移扉の機密情報流出疑惑。
近頃どこかで、そんな話を聞かなかったか。
不意に頭に浮かんだその言葉に、私は静かに記憶を辿った。
「――レイナ」
そうだ。
彼女が異世界で読んだと言う物語の筋書きの一つとして、確かあったと言ってはいなかったか。
ギーレンではなくアンジェスで、私が大臣達に陥れられるかも知れないと、一時期彼女が危惧していた話。
なら、コレは……?
アンジェスでは、私は情報をギーレンに売ろうとしたとして、追放、亡命の可能性があったと言う。
だがここはギーレンだ。
むしろ追放なら喜んで従おうと言うものだが……恐らくは、逆だろう。
考えられるとすれば、イルヴァスティ子爵令嬢が、訪れた私の部屋でたまたま資料を発見――このままだと濡れ衣で処刑される。彼女と一緒になってオーグレーン家を継ぐと言うなら、それは「外部の者が情報を狙った」とは見做されず、引き継ぎの一環となる――と、エドベリ王子なり陛下なりが「提案」をする。
そんなところではないだろうか。
あの令嬢が、一度や二度では引き下がらず、この城にまで押しかけて来たところから言っても、どうあっても、私にあてがわれた部屋に入って、わざとらしくこの資料を発見する、猿芝居を演じようとしていた気がして仕方がない。
飲み物にも食べ物にも一切手を付けずに、媚薬も色仕掛けも出来ないがために、この古い資料が王家の側から小道具として引っ張り出されてきたのかも知れない。
その仕込みのために一時的に隠しておいたところが、ナシオたちの手によって発見された。
今更こんなモノが見つかる理由など、他にあるとも思えなかった。
「……フィトでもナシオでも良いが、コレをベクレル伯爵邸のレイナまで届ける事は可能か?」
アンジェスでそうだったように、何か知っている事があるのか聞いておきたいと思ったのだが、二人は顔を見合わせて、やや言いにくそうにしていた。
「まだ、王宮側からの監視役の連中が城の外をウロウロしてんですよね。今んとこ、城の中までは入れないように都度叩き出してますが、ソレを持って出るとなると、まず間違いなく尾けられます。アイツらもド素人じゃないんで、お嬢さんがギーレンに来ている事がバレる危険性がかなりありますね」
「あの…さっきの、茶会の招待の件なんですけど、それを利用して、持って出るのが一番確実だと思います。お館様が茶会に出ておいでの間に、一人配達に消えるくらいなら、何とかなるんじゃないかと」
ただ、伝言として情報を届ける事だけなら、どうやら「声」を届ける魔道具が〝鷹の眼〟の間で秘匿されているらしい。
そうか…と、私はナシオからの提案をとりあえず受け入れておく事にした。
「なら、この書物そのものに関しては、そうしよう。ただ、書物の存在については、さっきの茶会出席の話に、付け加えておいてくれ。原本は数日中に届けさせると」
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魔道具の究極形とも言える〝転移扉〟の成り立ち、設計図に関しては、アンジェス国では管理部の術者たちしか詳細を把握していないからだ。
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今はまだ、判断が出来なかった。
「ギーレンでは、公爵家と辺境伯家に〝転移扉〟があるのか……?」
17の公爵家と4つの辺境伯家。
ただし常時その扉を起動させる事は出来ず、王家に使用許可を申請した後、魔力が通されてきて初めて使用出来るようになっているらしく、基本は王宮以外との行き来も出来ないらしい。
常時繋ぎっぱなしでは、いくら〝扉の守護者〟と言えど早々に魔力が尽きると言う事だろう。
と言う事は、ラハデ公爵家に頼み込んで、アンジェスに戻して貰うと言った無茶ぶりは、仕組みとして難しいと言う事か。
それなら、扉があるかないかを確認するだけでも、少なくともこの書物の真偽は確かめられるだろう。
「茶会に行く意義はある……か」
この書物が本物ならば、エヴェリーナ妃に提示して、オーグレーン家の相続権放棄の後押しをして貰うと言う策も、もしかしたら取れるかも知れない。
「……っ」
そう思いながら最後まで頁を読み進めたところで、目に飛び込んできた「アロルド・オーグレーン」の文字に、私は無意識のうちに眉を顰めていた。
「もしも『オーグレーン』の血を継ぐ者がこの書物を目にしているのならば、我の無念を晴らして欲しい。これはきっと、王家を揺さぶる良い材料になる筈だ。魔力が尽きて死ぬ寸前、静養と称してこのオーグレーン城に追いやられた先代〝扉の守護者〟が残した情報だから、ほぼ間違いはない。あの男も、王家に使い潰された憤りを抱えたまま死んだ。我も今や寝台から起き上がれない有様だ。たかが子爵家の娘一人、手を出しただけで何故ここまでの憂き目に遭わねばならんのだ。王族の手が付いた事に感謝されこそすれ、何故全てを取り上げられねばならん。我はギーレン国王にすらなり得た者なのだ。我は――」
その先は、赤茶けた古い血の様な何かで汚されてしまっていて、もう読み取れなかった。
だが、もうそれ以上、読みたいとも思わなかった。
「下衆が……っ‼」
こんな男と血が繋がっているなどと、実の父親だなどと……とてもじゃないが、認められない。
こんな家誰が再興するかと、心の底から叫びたくなる。
何が無念だ。
選民思想の慣れの果て、血を吐いて死んだところで同情すら覚えない。
むしろ完膚なきまでにその名前を下衆の象徴として地に沈めてやる。
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