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第一部 宰相家の居候
187 倫理は深淵の中に
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
本日の王立植物園食堂ランチ。
・ナスとチーズの香草パン粉焼き(ナス、ローズマリー、タイム)
・マルゲリータ風ピッツァ(ルッコラ、トマト、タマネギ使用)
・白いんげんのポタージュ
…研究をしているのか、給食担当の管理栄養士をしているのか、よく分からない今日この頃。
場合によっては、茹でたり焼いたりで、栄養素を壊している場合も考えられるのだけれど、そこのところは今後、専門家の皆様方に研究していただこう。
抽出の技術がそれほどまだ発達していなかったり、ビタミンの概念がなかったりで、まだまだ未知の分野だし、私も家庭科の授業でさわりだけ聞いた以上の事は分からないのだ。
そうして食堂でまた、研究員達のどよめきと共にランチを食べていると、ふいにジッと、キスト室長がこちらを見ている事に気が付いた。
「キスト室長?」
「ユングベリ嬢は……姉妹は?」
私は敢えてすぐには答えず「どうしてですか?」と、いったん、質問に質問を返してみた。
気付いたのか気付かなかったのか、キスト室長の方から「昨日」とそのまま話を続けてくれた。
「貴女がチェルハ出版に行っている間、王宮に呼ばれたんだが」
王宮。
ドキリと私の心臓が跳ねた。
「植物園勤務でも、王宮に呼ばれるような事があるんですか」
「この植物園で生える薬草は、王宮のお抱え医師宛に納品をするからな。彼らはそれを薬師に渡して、必要な時に王族専用の薬として調合させている。例えば初見の薬草の説明を求められれば行くし、そもそも王宮の中は、王族側の承認がある場合を除いては、爵位持ちしか入る事を許されていないのが実情だ」
「…室長、爵位をお持ちなんですか」
「言ったろう?王族側の承認がある場合を除いては、と。王立植物園の研究施設の室長は、代々、侯爵相当の扱いを受けている。本人が貴族だろうと平民だろうとだ」
とは言えキスト室長自身は、実際はアンジェスとは反対側に位置している、隣国ベルィフとの国境に近い辺境伯家の次男だそうだ。
研究一辺倒、社交界に顔を出した回数は片手で足りる程らしいが。
それでも、その貴重な時に顔を見た者や、プライベートで植物園に来て、本当に偶然顔を見た者のクチコミから、彼の美貌は伝説級に話が盛られて、ギーレンの社交界では語られているらしかった。
「では昨日は……?」
「どうやら〝扉の守護者〟の体調が思わしくないらしい。王宮に今ある薬草から出来る薬では、心許ないかも知れないと言われれば、問答無用で行かざるを得ない。殊〝扉の守護者〟が絡む案件に関しては、王族の次に優先される事項となるからな」
そもそも植物園で育てている薬草の種類は、王宮に取り置かれている薬草の比ではないらしい。
距離がそう遠くない事もあって、下手に保管庫を作るよりも、必要に応じて納品させる方が良いとの話になっているそうだ。
それはそれで合理的とも言える。
「それで室長も、その〝扉の守護者〟の方を診察とかされた訳なんですか?」
「私は医師の資格を持っていない。先にお抱え医師達から症状を聞いて、まだ王宮に納めていない薬草の中で役に立ちそうだと思ったものを持って行くのが、室長として求められている事だ。だから昨日もそうした」
「なるほど……」
ではキスト室長は、ギーレンの当代〝扉の守護者〟を直接見てはいない事になる。
本当に病気なのか、王宮側が無理矢理閉じ込めてしまっているのかの判断は、出来そうになかった。
あくまで言われた症状に相当する薬草を持参しただけと言う事だ。
「ただ昨日は、納品した後で、来客をもてなすための軽食用の部屋に招かれた。エドベリ殿下の名前で呼ばれては、流石に帰る訳もいかず、一応残った訳なんだが」
そう言ったキスト室長は、再び私に視線を投げて来た。
「髪型や髪の色はまるで違ったんだが……何と言うか、作りの問題として、貴女にとても良く似た少女がいた」
「―――」
…どうしよう。こめかみの辺りが痙攣ったのが見えてないと良いけど。
「その少女は、アンジェス国の当代〝扉の守護者〟だと紹介を受けた。ギーレン側の〝扉の守護者〟との交流の為に来たところが、当人が体調を崩したために、まだ留まっているのだと」
「……そんなに似ていましたか?」
「多分、貴女の様な髪型と髪色にすれば、更にソックリに見えただろうな」
「……ソウナンデスネ」
まあ双子だし、と言う内心はおくびにも出さない。
「ただ彼女は『ユングベリ』ではなかったし、異国の出だそうだから、まぁ無関係だろうとは思うが、気にはなったんだ」
「……兄弟はいないですね。小さい頃は『カッコイイお兄ちゃんが欲しい!』なんて、子供らしいコトを言っていた時期もありましたけど」
うん。嘘は言ってない。兄と弟はいない。そう言う事だ。
「室長も…お兄さんはいらっしゃるみたいですけど、他の兄弟姉妹が欲しい!なんて思った事はなかったですか?」
私だって「兄弟姉妹」と聞かれたら、答えに困っていたところだ。
キスト室長は、そんな私の誘導質問には気が付かなかった様に苦笑していたけど。
「ああ…確かに『カワイイ妹が欲しい!』と思った事はあったかも知れない。小うるさい兄やら生意気な弟やら……と言う環境ではあったからな」
「じゃあ、その女の子が可愛く見えたんですね」
更に話を逸らそうと、揶揄い気味の口調で言ってみれば、キスト室長は「思いもよらなかった」と言う表情を見せた。
「可愛い?いや…どうだろうな…魔術の概念がない異国の出身にも関わらず、国を支える〝転移扉〟を維持出来るだけの魔力があると言う、存在の矛盾には非常に興味を持ったが……」
あ。
研究一辺倒と本人が言う片鱗が、ちょっと見えた気がした。
どうにも目が、実験動物を見つけたかの様な目になってる。
コノヒト、基本的にはヤバい人なのかも知れない。
「……もしや王家が許すなら、人体の不思議を紐解くべく、植物園の薬草でイロイロと実験してみたい、とか」
「なるほど、人体の不思議か!ユングベリ嬢は上手いコトを言う。そうだな、特に〝扉の守護者〟と呼ばれる人体は不思議の宝庫だとも。私の興味も尽きないと言うものだし、許されるなら是非そうしてみたいな」
うわぁ…と、思わず私は顔を顰めていた。
別に大喜利をしたつもりはないんで、おかしなところで感心をしないで欲しい。
そのうち、無自覚のうちに剥製とかホルマリン漬けとか生み出すんじゃないだろうか。
…ぜひ、私がギーレンを出国してからにして下さい。ええ切実に。
「彼女も時間が許せばこの植物園を見学してみたいと言っていたな。私としてはぜひ招待をしたいところだったが、薬師連中がどうしてか止めにかかっていてな。いくらなんでも許可のないうちから新薬の実験台にしたりはしないと、いくら説明しても誰も信用しない。失礼な話だと思わないか」
「…えーっとそれは逆に、薬師さん達を実験台にした事があると言う事でしょうか」
「ユングベリ嬢は理解が早い。さすが商会の跡取りともなると、そのくらいは頭の回転が良くないとダメなんだろうな」
「あ…りがとうございます…?」
「だがなユングベリ嬢、自分でも効果の分からない薬を他人に、ましてや王族の方々に対して処方するなんて事は、あってはならないと思わないか?私とて、医師と薬師以外にそんな真似はしてはいないとも」
一見すると真面に聞こえる。
聞こえるんだけれども、何かが激しく間違っている。
…多分コノヒトも、人としての倫理が深淵の中に転がり落ちた人だ。
今、舞菜に植物園に来られても困るが、それ以前の問題だ。
しかもその時エドヴァルドも同席していて、研究施設の話を興味深く聞いていたのだと言う事を、キスト所長本人の口の端には一切上らなくて、後日エドヴァルドの方から初めて聞かされたあたり、如何にコノヒトの関心事に偏りがあるのかと言う事も思い知らされたのだ。
――それ以前に、王立植物園に来てから三日もたたない内に、私はキスト室長の外面が、いかに分厚くコーティングされていたのかと言う事をまずもって理解した訳だったんだけれども。
本日の王立植物園食堂ランチ。
・ナスとチーズの香草パン粉焼き(ナス、ローズマリー、タイム)
・マルゲリータ風ピッツァ(ルッコラ、トマト、タマネギ使用)
・白いんげんのポタージュ
…研究をしているのか、給食担当の管理栄養士をしているのか、よく分からない今日この頃。
場合によっては、茹でたり焼いたりで、栄養素を壊している場合も考えられるのだけれど、そこのところは今後、専門家の皆様方に研究していただこう。
抽出の技術がそれほどまだ発達していなかったり、ビタミンの概念がなかったりで、まだまだ未知の分野だし、私も家庭科の授業でさわりだけ聞いた以上の事は分からないのだ。
そうして食堂でまた、研究員達のどよめきと共にランチを食べていると、ふいにジッと、キスト室長がこちらを見ている事に気が付いた。
「キスト室長?」
「ユングベリ嬢は……姉妹は?」
私は敢えてすぐには答えず「どうしてですか?」と、いったん、質問に質問を返してみた。
気付いたのか気付かなかったのか、キスト室長の方から「昨日」とそのまま話を続けてくれた。
「貴女がチェルハ出版に行っている間、王宮に呼ばれたんだが」
王宮。
ドキリと私の心臓が跳ねた。
「植物園勤務でも、王宮に呼ばれるような事があるんですか」
「この植物園で生える薬草は、王宮のお抱え医師宛に納品をするからな。彼らはそれを薬師に渡して、必要な時に王族専用の薬として調合させている。例えば初見の薬草の説明を求められれば行くし、そもそも王宮の中は、王族側の承認がある場合を除いては、爵位持ちしか入る事を許されていないのが実情だ」
「…室長、爵位をお持ちなんですか」
「言ったろう?王族側の承認がある場合を除いては、と。王立植物園の研究施設の室長は、代々、侯爵相当の扱いを受けている。本人が貴族だろうと平民だろうとだ」
とは言えキスト室長自身は、実際はアンジェスとは反対側に位置している、隣国ベルィフとの国境に近い辺境伯家の次男だそうだ。
研究一辺倒、社交界に顔を出した回数は片手で足りる程らしいが。
それでも、その貴重な時に顔を見た者や、プライベートで植物園に来て、本当に偶然顔を見た者のクチコミから、彼の美貌は伝説級に話が盛られて、ギーレンの社交界では語られているらしかった。
「では昨日は……?」
「どうやら〝扉の守護者〟の体調が思わしくないらしい。王宮に今ある薬草から出来る薬では、心許ないかも知れないと言われれば、問答無用で行かざるを得ない。殊〝扉の守護者〟が絡む案件に関しては、王族の次に優先される事項となるからな」
そもそも植物園で育てている薬草の種類は、王宮に取り置かれている薬草の比ではないらしい。
距離がそう遠くない事もあって、下手に保管庫を作るよりも、必要に応じて納品させる方が良いとの話になっているそうだ。
それはそれで合理的とも言える。
「それで室長も、その〝扉の守護者〟の方を診察とかされた訳なんですか?」
「私は医師の資格を持っていない。先にお抱え医師達から症状を聞いて、まだ王宮に納めていない薬草の中で役に立ちそうだと思ったものを持って行くのが、室長として求められている事だ。だから昨日もそうした」
「なるほど……」
ではキスト室長は、ギーレンの当代〝扉の守護者〟を直接見てはいない事になる。
本当に病気なのか、王宮側が無理矢理閉じ込めてしまっているのかの判断は、出来そうになかった。
あくまで言われた症状に相当する薬草を持参しただけと言う事だ。
「ただ昨日は、納品した後で、来客をもてなすための軽食用の部屋に招かれた。エドベリ殿下の名前で呼ばれては、流石に帰る訳もいかず、一応残った訳なんだが」
そう言ったキスト室長は、再び私に視線を投げて来た。
「髪型や髪の色はまるで違ったんだが……何と言うか、作りの問題として、貴女にとても良く似た少女がいた」
「―――」
…どうしよう。こめかみの辺りが痙攣ったのが見えてないと良いけど。
「その少女は、アンジェス国の当代〝扉の守護者〟だと紹介を受けた。ギーレン側の〝扉の守護者〟との交流の為に来たところが、当人が体調を崩したために、まだ留まっているのだと」
「……そんなに似ていましたか?」
「多分、貴女の様な髪型と髪色にすれば、更にソックリに見えただろうな」
「……ソウナンデスネ」
まあ双子だし、と言う内心はおくびにも出さない。
「ただ彼女は『ユングベリ』ではなかったし、異国の出だそうだから、まぁ無関係だろうとは思うが、気にはなったんだ」
「……兄弟はいないですね。小さい頃は『カッコイイお兄ちゃんが欲しい!』なんて、子供らしいコトを言っていた時期もありましたけど」
うん。嘘は言ってない。兄と弟はいない。そう言う事だ。
「室長も…お兄さんはいらっしゃるみたいですけど、他の兄弟姉妹が欲しい!なんて思った事はなかったですか?」
私だって「兄弟姉妹」と聞かれたら、答えに困っていたところだ。
キスト室長は、そんな私の誘導質問には気が付かなかった様に苦笑していたけど。
「ああ…確かに『カワイイ妹が欲しい!』と思った事はあったかも知れない。小うるさい兄やら生意気な弟やら……と言う環境ではあったからな」
「じゃあ、その女の子が可愛く見えたんですね」
更に話を逸らそうと、揶揄い気味の口調で言ってみれば、キスト室長は「思いもよらなかった」と言う表情を見せた。
「可愛い?いや…どうだろうな…魔術の概念がない異国の出身にも関わらず、国を支える〝転移扉〟を維持出来るだけの魔力があると言う、存在の矛盾には非常に興味を持ったが……」
あ。
研究一辺倒と本人が言う片鱗が、ちょっと見えた気がした。
どうにも目が、実験動物を見つけたかの様な目になってる。
コノヒト、基本的にはヤバい人なのかも知れない。
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1,000
685 忘れじの膝枕 とも連動!
書籍刊行記念 書き下ろし番外編小説「森のピクニック」は下記ページ バックナンバー2022年6月欄に掲載中!
2巻刊行記念「オムレツ狂騒曲」は2023年4月のバックナンバーに、3巻刊行記念「星の影響-コクリュシュ-」は2024年3月のバックナンバーに掲載中です!
そして4巻刊行記念「月と白い鳥」はコミックス第1巻と連動!
https://www.regina-books.com/extra
今回から見方が変わりました。何か一話、アルファポリス作品をレンタル頂くことで全てご覧いただけますので宜しくお願いしますm(_ _)m
書籍刊行記念 書き下ろし番外編小説「森のピクニック」は下記ページ バックナンバー2022年6月欄に掲載中!
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そして4巻刊行記念「月と白い鳥」はコミックス第1巻と連動!
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