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第一部 宰相家の居候
185 魔力はあったようです
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
チェルハ出版の応接室で、私は応対にあたってくれたヒディンクさんに「例の原稿」を見せた。
「小説……ですか?」
「そうですね。好評ならいずれ小説と言う形に製本して流通させたいんですが、まずは隣国で注目されている物語の紹介と言う形で、8ページ程度の簡易版として広めたいんです」
私のイメージは、タブロイド新聞だ。
当面の目的は、王都でより多くの人の目に留まる事なのだから、価格も作成期日も抑えようとすれば、まだ製本にまでは踏み込めない。
美容室に置かれている雑誌の様なスタイルで、待ち時間を要しそうなお店にまずは無料で置かせて貰うつもりだ。
反響が大きくなれば、本としての体裁を整える事もやぶさかではないのだけれど。
何しろ、レポート能力はあっても小説としての文才まではない私に代わって、原案から物語を書き起こしてくれたのは、公爵邸屈指の文学侍女、ラウラだ。
出来ればいずれは、本と言う形にもしてあげたい。
「何でしたら、無給でも夜中の作業でも構いませんので、植字作業の部分は手伝います。どうかぜひ優先して、印刷をさせて下さいませんか」
「⁉」
無給と言うところに加え、作業工程をある程度把握しての私の発言に、ヒディンクさんは一瞬息を呑んで、言葉に詰まっていた。
「ウチは専門書中心に取り扱っていて……大衆向けの恋愛小説自体、例がないのですが……」
「商会の跡取りとして、目に見える結果を家から求められています。ただでさえ、女性だからと、婿を取ってそちらにやらせれば良いとか、理不尽な事を言われているんです。意に沿わない見合いを押し付けられる前に、種をたくさん蒔いておきたいんです。どうかご協力願えませんか。もし製本化する場合も、必ずこちらを利用させて頂きますので」
鳥の革で包まれたスタンプにインクをつけて、そのスタンプを使って活版にインクをのせていく。そして、紙を印刷機に固定し、プレスするとなると、どうしても専門家の手を借りなくてはならないが、植字だけなら何とか手伝える筈。
そうにらんで提案をしてみれば、最終的に、向こうが折れてくれた。
「本来の趣旨である資料書も頼んでいただける事ですしね……今回特別に、オプションとしてお引き受けしましょう。その代わり、お言葉に甘えて植字作業には手を貸して頂きますよ」
「有難うございます……!」
私は心の中でガッツポーズをしながら、チェルハ出版を後にして、ベクレル伯爵邸へと戻った。
「――そんな訳で、とっととギーレン王家の新たな醜聞を仕立て上げて広めるべく、近日中に皆さんにも『植字』作業を手伝って貰います!」
戻ってしばらくして後、伯爵邸の団欒の間に今回同行した〝鷹の眼〟の皆を集めた私は、もう「決定事項」として、それを宣言した。
「しょくじ?」
多分、彼らの頭の中に、該当する単語が思い浮かばなかったのだろう。
全員が首を傾げたため、私はそれが印刷作業の一部だと説明した。
「一文字一文字、鋳型から作られた文字を並べて、頁を組み上げていく作業のコトかな。文字を固定したり、インクを乗せて別の紙に写し取ったりって言うのは、プロの出版社の方にお任せするのが一番だから、その前段階の仕込みを手伝うって言う話で」
「一文字ずつ文字を並べる……?」
作成過程を想像したファルコが、盛大に顔を顰めた。
「大変なのよ!それは分かっているのよ!だから第一段階は、ラウラが書いた物語を丸々本にはせずに、少ない頁数で総集編みたいな形で行き渡らせる事が出来るように編集したの!今回ばっかりは、スピードが最重要だから!」
「お、おう……で、それをどうするって?」
「出来上がった分は、とりあえずこっちの商業ギルドに話を通した後で、例えば順番待ちが生じているようなカフェとか、ドレスの仕立て屋とか、無料で立ち読みしやすいお店に片っ端から置かせて貰うつもり。アンジェスの王都商業ギルド長の紹介状もあるしね。今回は無料配布でも、話題になれば、次回書籍化して、元は取れると踏んでるから。後は――」
「後は?」
「エヴェリーナ正妃と、コニー第二夫人に何とか連絡を取りたい。その記事を見て貰ったら、主人公は実際はエドヴァルド様の事で、ギーレン王家から意に沿わない縁談を強要されている事が分かるだろうし、放置しておくと王家乗っ取られますよ…って言う『警告』も出せると思うから」
「ああ、王家に内輪揉めのタネを仕込むって言うあの話な。だけどそこは、ベクレル伯爵と夫人に相談した方が良いんじゃねぇか?俺らが王宮だ後宮だと忍び込め――なくはないが、いざ忍び込んだ後に、話を信用して貰えない気がするぞ」
やっぱり物騒な話題になるほど、ファルコの会話は至極まっとうだ。
反論に困る。
「うーん…これ以上のご迷惑はあんまりおかけしたくないんだけど…そう言われると……」
「王と王子とは、もともと今、隔たりがあんだろ?だったら悪くなりようもないだろうから、イイんじゃねぇの?」
「うあっ、ド正論!」
結局頭を抱える以外の事が出来ずに、私は書斎にいたベクレル伯爵に「お願い」をする事になった。
「エヴェリーナ様かコニー夫人か……」
伯爵のその一言で、この家の立ち位置が見えた気がした。
「シャルリーヌがいない今となっては、ベクレル家から直接何かを申し上げるのは難しいかも知れない」
「……そうですよね」
それもそうかと項垂れかけたところに、伯爵は「ただ」と、片手を上げた。
「ラハデ公爵様なら、恐らくは会って下さる筈だ。上手く行けば、そこからエヴェリーナ様に繋いで貰えるやも知れん」
「ラハデ公爵……」
「エヴェリーナ様の実の弟君で、王宮の公式行事には必ずと言って良いほど同席をなさる。場合によっては夜会のパートナーさえ務められる事もあるくらいだ」
姉弟共に完全な政略結婚であるが故の、歪な環境がどうやらまかり通っているらしい。
「とは言え、お二方とも公務に私情を持ち込まれる事がほぼない。正直に手の内を晒す方が味方になって下さる可能性が高いと思う」
エヴェリーナ妃への取っ掛かりとしては良いのかも知れないと、私は口もとに手をあてた。
「すみません。それならチェルハ出版に依頼した印刷物が完成したら――」
「チチチッ!」
「⁉」
どこかで聞いた鳴き声と共に、書斎の扉にコン、コン、と定期的に何かがぶつかる音がした。
「……リファちゃん?」
伯爵に一礼して許可を得ながら扉を開くと、パタパタと宙に浮いていた白い影が「ピッ!」と鳴いて、私の頭の上にぽすりと収まった。
「どうしても一回は頭に乗りたいのね……」
「いったんは私の所に戻って来たんですが、どうやらイデオン宰相なり彼付の〝鷹の眼〟なりの返信が入っているようなので、そのままレイナ様宛に飛ばしたんです」
廊下の奥、階段下からトーカレヴァの声だけが聞こえる。
一応ベクレル伯爵との話の途中だった事を加味しての、この変則的連絡方法なんだろう。
「そう。ありがとう――って言いたいところなんだけど、私は手紙を一人じゃ開けられないんだけど⁉」
魔力で縮小された手紙を開けるのも、やはり魔力が必要だ。
これが公爵邸ならば、セルヴァンがいつも横からサッと手をかざして縮小を解除してくれていたんだけれど。
「あー、ハイハイ。悪ぃ悪ぃ」
不意にどこからともなく現れたファルコに、書斎の中にいるベクレル伯爵が目を剥いていたけど、私は見て見ぬ振りを通した。
リファちゃんが持ち上げられたんだろう。頭の上がフッと軽くなった。
ポンッと言う音と共に「お嬢さん、手」と言われ、条件反射の様に掌を上に向けて差し出すと、リファちゃんと手紙がそのまま転がった。
「エドヴァルド様の所に……行けたの、リファちゃん?」
返事の代わりに、リファちゃんは短い鳴き声を上げた。
ネックレスに――あったんだ、魔力。
チェルハ出版の応接室で、私は応対にあたってくれたヒディンクさんに「例の原稿」を見せた。
「小説……ですか?」
「そうですね。好評ならいずれ小説と言う形に製本して流通させたいんですが、まずは隣国で注目されている物語の紹介と言う形で、8ページ程度の簡易版として広めたいんです」
私のイメージは、タブロイド新聞だ。
当面の目的は、王都でより多くの人の目に留まる事なのだから、価格も作成期日も抑えようとすれば、まだ製本にまでは踏み込めない。
美容室に置かれている雑誌の様なスタイルで、待ち時間を要しそうなお店にまずは無料で置かせて貰うつもりだ。
反響が大きくなれば、本としての体裁を整える事もやぶさかではないのだけれど。
何しろ、レポート能力はあっても小説としての文才まではない私に代わって、原案から物語を書き起こしてくれたのは、公爵邸屈指の文学侍女、ラウラだ。
出来ればいずれは、本と言う形にもしてあげたい。
「何でしたら、無給でも夜中の作業でも構いませんので、植字作業の部分は手伝います。どうかぜひ優先して、印刷をさせて下さいませんか」
「⁉」
無給と言うところに加え、作業工程をある程度把握しての私の発言に、ヒディンクさんは一瞬息を呑んで、言葉に詰まっていた。
「ウチは専門書中心に取り扱っていて……大衆向けの恋愛小説自体、例がないのですが……」
「商会の跡取りとして、目に見える結果を家から求められています。ただでさえ、女性だからと、婿を取ってそちらにやらせれば良いとか、理不尽な事を言われているんです。意に沿わない見合いを押し付けられる前に、種をたくさん蒔いておきたいんです。どうかご協力願えませんか。もし製本化する場合も、必ずこちらを利用させて頂きますので」
鳥の革で包まれたスタンプにインクをつけて、そのスタンプを使って活版にインクをのせていく。そして、紙を印刷機に固定し、プレスするとなると、どうしても専門家の手を借りなくてはならないが、植字だけなら何とか手伝える筈。
そうにらんで提案をしてみれば、最終的に、向こうが折れてくれた。
「本来の趣旨である資料書も頼んでいただける事ですしね……今回特別に、オプションとしてお引き受けしましょう。その代わり、お言葉に甘えて植字作業には手を貸して頂きますよ」
「有難うございます……!」
私は心の中でガッツポーズをしながら、チェルハ出版を後にして、ベクレル伯爵邸へと戻った。
「――そんな訳で、とっととギーレン王家の新たな醜聞を仕立て上げて広めるべく、近日中に皆さんにも『植字』作業を手伝って貰います!」
戻ってしばらくして後、伯爵邸の団欒の間に今回同行した〝鷹の眼〟の皆を集めた私は、もう「決定事項」として、それを宣言した。
「しょくじ?」
多分、彼らの頭の中に、該当する単語が思い浮かばなかったのだろう。
全員が首を傾げたため、私はそれが印刷作業の一部だと説明した。
「一文字一文字、鋳型から作られた文字を並べて、頁を組み上げていく作業のコトかな。文字を固定したり、インクを乗せて別の紙に写し取ったりって言うのは、プロの出版社の方にお任せするのが一番だから、その前段階の仕込みを手伝うって言う話で」
「一文字ずつ文字を並べる……?」
作成過程を想像したファルコが、盛大に顔を顰めた。
「大変なのよ!それは分かっているのよ!だから第一段階は、ラウラが書いた物語を丸々本にはせずに、少ない頁数で総集編みたいな形で行き渡らせる事が出来るように編集したの!今回ばっかりは、スピードが最重要だから!」
「お、おう……で、それをどうするって?」
「出来上がった分は、とりあえずこっちの商業ギルドに話を通した後で、例えば順番待ちが生じているようなカフェとか、ドレスの仕立て屋とか、無料で立ち読みしやすいお店に片っ端から置かせて貰うつもり。アンジェスの王都商業ギルド長の紹介状もあるしね。今回は無料配布でも、話題になれば、次回書籍化して、元は取れると踏んでるから。後は――」
「後は?」
「エヴェリーナ正妃と、コニー第二夫人に何とか連絡を取りたい。その記事を見て貰ったら、主人公は実際はエドヴァルド様の事で、ギーレン王家から意に沿わない縁談を強要されている事が分かるだろうし、放置しておくと王家乗っ取られますよ…って言う『警告』も出せると思うから」
「ああ、王家に内輪揉めのタネを仕込むって言うあの話な。だけどそこは、ベクレル伯爵と夫人に相談した方が良いんじゃねぇか?俺らが王宮だ後宮だと忍び込め――なくはないが、いざ忍び込んだ後に、話を信用して貰えない気がするぞ」
やっぱり物騒な話題になるほど、ファルコの会話は至極まっとうだ。
反論に困る。
「うーん…これ以上のご迷惑はあんまりおかけしたくないんだけど…そう言われると……」
「王と王子とは、もともと今、隔たりがあんだろ?だったら悪くなりようもないだろうから、イイんじゃねぇの?」
「うあっ、ド正論!」
結局頭を抱える以外の事が出来ずに、私は書斎にいたベクレル伯爵に「お願い」をする事になった。
「エヴェリーナ様かコニー夫人か……」
伯爵のその一言で、この家の立ち位置が見えた気がした。
「シャルリーヌがいない今となっては、ベクレル家から直接何かを申し上げるのは難しいかも知れない」
「……そうですよね」
それもそうかと項垂れかけたところに、伯爵は「ただ」と、片手を上げた。
「ラハデ公爵様なら、恐らくは会って下さる筈だ。上手く行けば、そこからエヴェリーナ様に繋いで貰えるやも知れん」
「ラハデ公爵……」
「エヴェリーナ様の実の弟君で、王宮の公式行事には必ずと言って良いほど同席をなさる。場合によっては夜会のパートナーさえ務められる事もあるくらいだ」
姉弟共に完全な政略結婚であるが故の、歪な環境がどうやらまかり通っているらしい。
「とは言え、お二方とも公務に私情を持ち込まれる事がほぼない。正直に手の内を晒す方が味方になって下さる可能性が高いと思う」
エヴェリーナ妃への取っ掛かりとしては良いのかも知れないと、私は口もとに手をあてた。
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「⁉」
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「……リファちゃん?」
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廊下の奥、階段下からトーカレヴァの声だけが聞こえる。
一応ベクレル伯爵との話の途中だった事を加味しての、この変則的連絡方法なんだろう。
「そう。ありがとう――って言いたいところなんだけど、私は手紙を一人じゃ開けられないんだけど⁉」
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これが公爵邸ならば、セルヴァンがいつも横からサッと手をかざして縮小を解除してくれていたんだけれど。
「あー、ハイハイ。悪ぃ悪ぃ」
不意にどこからともなく現れたファルコに、書斎の中にいるベクレル伯爵が目を剥いていたけど、私は見て見ぬ振りを通した。
リファちゃんが持ち上げられたんだろう。頭の上がフッと軽くなった。
ポンッと言う音と共に「お嬢さん、手」と言われ、条件反射の様に掌を上に向けて差し出すと、リファちゃんと手紙がそのまま転がった。
「エドヴァルド様の所に……行けたの、リファちゃん?」
返事の代わりに、リファちゃんは短い鳴き声を上げた。
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