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第一部 宰相家の居候
158 アルビレオの片割れ
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
ボードリエ伯爵邸を出て、敷地内の馬車の繋ぎ場に行くと、護衛に付いて来ていたルヴェック青年が、馭者席で黙々と何かを食べていた。
「ああ、レイナ様お帰りなさい!出発されますか?」
「ええ、お願い。ところでルヴェック、手に持っているのは何?」
「これですか?これはボードリエ伯爵家の使用人の一人が俺とイザクさんにって、待ってる間の差し入れに進呈してくれたんですよ。なんでも〝イクスゴード〟とかって、中心街にあるお店のクッキーみたいですよ?」
ルヴェックは〝鷹の眼〟の中でも年齢がかなり若い方らしく、ファルコやイザクのように私を「お嬢さん」と呼ぶ事もなければ、タメ口もきかない。
そもそもイザクに対してさえも敬語の状態だ。
「え、イクスゴード?そっか…あれ、イザクは?」
そう私が周りを見渡すのとほぼ同時に、馬車の扉が中からガチャリと開いた。
…どうやら、徹夜明けだろうから寝てて良いと言ったら、本気で中で寝ていたらしい。
まあ多分二人とも、この邸宅では悪意の欠片も感じなかっただろうし、そもそも私が数日は狙われないと言った事もあるからだろうけど、それにしたって豪胆な護衛もあったものだと思う。
イザク、屋敷で寝ていれば良いのにと思ったところに関しては、薬の材料として、王都中心街で買いたい物があったらしく、私がチョコレートカフェ〝ヘンリエッタ〟に居る間に、ちょうど買いに行けるからと言う事だった。
護衛がついで……それも、まあ良いんだけど。
私はルヴェックに、そのクッキーをくれた使用人に〝イクスゴード〟の場所を聞いて〝ヘンリエッタ〟に行く前に寄ってくれるようお願いをした。
さっきシャルリーヌが言っていた、学園の卒業生が経営している洋菓子店、それが〝イクスゴード〟なのだ。
お店は中心街にあるものの、馬車を留めておける所が少し離れているとの事で、悩んだ私は、イザクを護衛として馬車を下りて、馬車が辺りを一周して再び戻ってくるまでに、お菓子を買う事にした。
どうせなら早速「ボードリエ伯爵令嬢からの紹介」だと言って、伯爵家の顔を立てつつ、こちらとも顔つなぎが出来ればと思っていた。
「そんなに美味かったのか、あのクッキー?」
半歩後ろを歩くイザクが、そんな風に問いかけてくる。
「イザクはまだ食べていないの?」
「まあ、ずっと寝ていたからな。ルヴェックがほとんど食い尽くしたって言うのもあるが」
「ボードリエ家の方でもお店の商品が色々と出されたのよ。どうやら伯爵が後押しをされているみたいだから、お顔を立てる意味でも寄っておきたいし、それでなくても商品のレベルはどれも高かった。寄ってみて損はないと思ったのよ」
「なるほど。店一つ立ち寄るのにも、貴族は大変なんだな」
「そうね…まあでも、エドヴァルド様の評判を落とす訳にもいかないしね。多少のネコは背負っておかないと」
「……いたか、ネコ?」
「……真顔で否定しないでくれる」
「辞書ぶん投げて、雷落とすような人間は、ネコなんて飼わないだろう」
そんな事を言い合っていると、お店のすぐ入口までいつの間にか来ていた。
公爵家が後ろ楯の〝ヘンリエッタ〟や侯爵家が後ろ楯の〝カフェ・キヴェカス〟に比べると、間口が狭いのは仕方がないのかも知れない。
だけど、王都中心街に住むと思われる一般市民が出入りしている風なところを見れば、売っている商品や値段を考えて、客層の棲み分けをキチンとしていると言う事なのだろう。
イザクと二人で、ちょうど人の流れが途絶えたところを見計らって中に入れば、中にいた、フォルシアン公爵令嬢の婚約者の青年くらいの年頃(20代半ば)に見える青年が、僅かだけれど眉を寄せた。
ボードリエ伯爵邸訪問のために、礼儀に則ったドレスを着用しているために、見た目にも「どこかの貴族家のご令嬢」と思ったんだろう。
私は、良い機会とばかりに、ニッコリと笑って話しかけてみた。
「私、異国から参りましたばかりで、この国の礼儀作法をあまり存じませんの。何か失礼がありましたなら、謝罪いたしますわ」
「い、いえっ、とんでもない!立地的にも、貴族のご令嬢がこちらへいらっしゃる事が少ないので驚いたと言いましょうか、こちらこそ申し訳ございません。店主のロレアン・イクスゴードです」
「レイナと申します。家名は伏せさせていただけますと幸いですわ」
単に名乗るほどのものでもないと言う事実が、言い方を変える事で他国のやんごとない身分のご令嬢であるかのように、印象がすり替わる。
「今、ボードリエ家でのお茶会にご招待いただいた帰りですの。お茶会でいただいた、こちらのお菓子がどれもとても美味しかったので、宿泊先でも食べられる物を探しにきましたの」
そして不審を持たれない内に、さっさとボードリエ家の名前を出して、意識をそちらへと誘導した。
「ああ!お嬢様がお茶会をされると言う事で、お昼前にケーキやクッキーと言ったお茶菓子を複数邸宅にお届けにあがったのですが……そうですか、そちらにご参加されていらっしゃったのですね。お気に召して下さり嬉しく存じます」
裏表なく、嬉しそうに微笑んだ〝イクスゴード〟店主は、茶会に持参した物の中から、持ち歩きが出来る菓子類を自らピックアップして、複数包んでくれた。
「――ただいま戻りました!」
イザクがセルヴァンから預かっているお金をその場で支払っていると、一人の少年が、元気の良い声と共に、店の中へと戻ってきた。
「配達完了です!」
「ああ、ありがとう。裏で少し休むと良い」
そんな会話を耳にしながら、何気なく声の主へと視線を投げた私は――思わずそこで固まってしまった。
「……お嬢様?」
異変を察したイザクが、わざと「お嬢様」と再度力説して、私を我に返らせる。
「あ、いえ何でもなくてよ。では行きましょうか」
ありがとうございました、と言う店主と少年の声を背に、私は彼らに動揺を悟られないようにするのが精一杯だった。
数分もたたない内にルヴェックが操る馬車も戻ってきたので、とりあえずは乗り込んで〝ヘンリエッタ〟へと向かって貰う事にした。
馬車が動き出して数分もたたないうちに、馭者席との会話のための小窓がコンコンと叩かれる。
「気付いた事があるなら説明してくれるか。黙って災禍に見舞われるのが、俺ら護衛は一番困る」
小窓を開ければ、そんなイザクの声が滑り込んで来た。
さすが彼らは、気配の変化に敏感だ。
手綱を持つルヴェックも、そんなイザクの物言いが気になったのか、チラリと視線をこちらに投げた。
あぁ…と、私は自信のない声を溢した。
「見覚えがあるって言うレベルの話でも構わない?」
「構わない。それを警戒するのが俺らの仕事だ」
キッパリと言い切ったイザクに、ルヴェックも無言で頷いている。
さっきまでの緩い空気は既に一掃されている。
「イザクは今…私と一緒に〝イクスゴード〟で、配達から帰って来た子を見たよね?」
「ああ、いたな」
「少年か少女なのかは分からない。ただあの子は多分……ギーレン国のエドベリ王子が抱える裏組織の子だと思う」
「⁉」
見覚えならある。
そう、あの子は〝蘇芳戦記〟のエドベリルートで必ず出て来る、彼の手足となって動いている双子の変装した姿として、まちがいなく静止画が存在しているからだ。
それも、あのままの姿形で。
あれなら、シャルリーヌが見ても分かる筈だ。
あの子はボードリエ伯爵邸への配達へは行かなかったのか。
もしかしたら、伯爵邸だけは店主が直々に届けているのかも知れない。
「店主は多分何も知らないと思う。あくまで潜伏先の一つにしているだけだと思うから。ただ…ギーレンでエドヴァルド様が王子の思うようにならなければ、きっとあの子に何かしらの指示が飛ぶ。――誰か見張れるかな?」
「分かった。今は俺もルヴェックも、お嬢さんから離れる訳にはいかない。ファルコに連絡をとって、誰か寄越させるようにする。いざ実力行使に及んできたら、捕まえても良いんだな?」
「そうね。そうなったら国王陛下にも報告をしないといけないから、お願い」
「……〝ヘンリエッタ〟へは、予定通り行くのか?」
出来れば、公爵邸に戻って引きこもって欲しいのだろうが、それはそれ、これはこれだ。
フォルシアン公爵やブレンダ夫人に怪しまれる訳にも行かない。
「ええ、お願い」
イザクもルヴェックも、何か言いたそうではあったけど、私はそれに気が付かないフリをした。
ボードリエ伯爵邸を出て、敷地内の馬車の繋ぎ場に行くと、護衛に付いて来ていたルヴェック青年が、馭者席で黙々と何かを食べていた。
「ああ、レイナ様お帰りなさい!出発されますか?」
「ええ、お願い。ところでルヴェック、手に持っているのは何?」
「これですか?これはボードリエ伯爵家の使用人の一人が俺とイザクさんにって、待ってる間の差し入れに進呈してくれたんですよ。なんでも〝イクスゴード〟とかって、中心街にあるお店のクッキーみたいですよ?」
ルヴェックは〝鷹の眼〟の中でも年齢がかなり若い方らしく、ファルコやイザクのように私を「お嬢さん」と呼ぶ事もなければ、タメ口もきかない。
そもそもイザクに対してさえも敬語の状態だ。
「え、イクスゴード?そっか…あれ、イザクは?」
そう私が周りを見渡すのとほぼ同時に、馬車の扉が中からガチャリと開いた。
…どうやら、徹夜明けだろうから寝てて良いと言ったら、本気で中で寝ていたらしい。
まあ多分二人とも、この邸宅では悪意の欠片も感じなかっただろうし、そもそも私が数日は狙われないと言った事もあるからだろうけど、それにしたって豪胆な護衛もあったものだと思う。
イザク、屋敷で寝ていれば良いのにと思ったところに関しては、薬の材料として、王都中心街で買いたい物があったらしく、私がチョコレートカフェ〝ヘンリエッタ〟に居る間に、ちょうど買いに行けるからと言う事だった。
護衛がついで……それも、まあ良いんだけど。
私はルヴェックに、そのクッキーをくれた使用人に〝イクスゴード〟の場所を聞いて〝ヘンリエッタ〟に行く前に寄ってくれるようお願いをした。
さっきシャルリーヌが言っていた、学園の卒業生が経営している洋菓子店、それが〝イクスゴード〟なのだ。
お店は中心街にあるものの、馬車を留めておける所が少し離れているとの事で、悩んだ私は、イザクを護衛として馬車を下りて、馬車が辺りを一周して再び戻ってくるまでに、お菓子を買う事にした。
どうせなら早速「ボードリエ伯爵令嬢からの紹介」だと言って、伯爵家の顔を立てつつ、こちらとも顔つなぎが出来ればと思っていた。
「そんなに美味かったのか、あのクッキー?」
半歩後ろを歩くイザクが、そんな風に問いかけてくる。
「イザクはまだ食べていないの?」
「まあ、ずっと寝ていたからな。ルヴェックがほとんど食い尽くしたって言うのもあるが」
「ボードリエ家の方でもお店の商品が色々と出されたのよ。どうやら伯爵が後押しをされているみたいだから、お顔を立てる意味でも寄っておきたいし、それでなくても商品のレベルはどれも高かった。寄ってみて損はないと思ったのよ」
「なるほど。店一つ立ち寄るのにも、貴族は大変なんだな」
「そうね…まあでも、エドヴァルド様の評判を落とす訳にもいかないしね。多少のネコは背負っておかないと」
「……いたか、ネコ?」
「……真顔で否定しないでくれる」
「辞書ぶん投げて、雷落とすような人間は、ネコなんて飼わないだろう」
そんな事を言い合っていると、お店のすぐ入口までいつの間にか来ていた。
公爵家が後ろ楯の〝ヘンリエッタ〟や侯爵家が後ろ楯の〝カフェ・キヴェカス〟に比べると、間口が狭いのは仕方がないのかも知れない。
だけど、王都中心街に住むと思われる一般市民が出入りしている風なところを見れば、売っている商品や値段を考えて、客層の棲み分けをキチンとしていると言う事なのだろう。
イザクと二人で、ちょうど人の流れが途絶えたところを見計らって中に入れば、中にいた、フォルシアン公爵令嬢の婚約者の青年くらいの年頃(20代半ば)に見える青年が、僅かだけれど眉を寄せた。
ボードリエ伯爵邸訪問のために、礼儀に則ったドレスを着用しているために、見た目にも「どこかの貴族家のご令嬢」と思ったんだろう。
私は、良い機会とばかりに、ニッコリと笑って話しかけてみた。
「私、異国から参りましたばかりで、この国の礼儀作法をあまり存じませんの。何か失礼がありましたなら、謝罪いたしますわ」
「い、いえっ、とんでもない!立地的にも、貴族のご令嬢がこちらへいらっしゃる事が少ないので驚いたと言いましょうか、こちらこそ申し訳ございません。店主のロレアン・イクスゴードです」
「レイナと申します。家名は伏せさせていただけますと幸いですわ」
単に名乗るほどのものでもないと言う事実が、言い方を変える事で他国のやんごとない身分のご令嬢であるかのように、印象がすり替わる。
「今、ボードリエ家でのお茶会にご招待いただいた帰りですの。お茶会でいただいた、こちらのお菓子がどれもとても美味しかったので、宿泊先でも食べられる物を探しにきましたの」
そして不審を持たれない内に、さっさとボードリエ家の名前を出して、意識をそちらへと誘導した。
「ああ!お嬢様がお茶会をされると言う事で、お昼前にケーキやクッキーと言ったお茶菓子を複数邸宅にお届けにあがったのですが……そうですか、そちらにご参加されていらっしゃったのですね。お気に召して下さり嬉しく存じます」
裏表なく、嬉しそうに微笑んだ〝イクスゴード〟店主は、茶会に持参した物の中から、持ち歩きが出来る菓子類を自らピックアップして、複数包んでくれた。
「――ただいま戻りました!」
イザクがセルヴァンから預かっているお金をその場で支払っていると、一人の少年が、元気の良い声と共に、店の中へと戻ってきた。
「配達完了です!」
「ああ、ありがとう。裏で少し休むと良い」
そんな会話を耳にしながら、何気なく声の主へと視線を投げた私は――思わずそこで固まってしまった。
「……お嬢様?」
異変を察したイザクが、わざと「お嬢様」と再度力説して、私を我に返らせる。
「あ、いえ何でもなくてよ。では行きましょうか」
ありがとうございました、と言う店主と少年の声を背に、私は彼らに動揺を悟られないようにするのが精一杯だった。
数分もたたない内にルヴェックが操る馬車も戻ってきたので、とりあえずは乗り込んで〝ヘンリエッタ〟へと向かって貰う事にした。
馬車が動き出して数分もたたないうちに、馭者席との会話のための小窓がコンコンと叩かれる。
「気付いた事があるなら説明してくれるか。黙って災禍に見舞われるのが、俺ら護衛は一番困る」
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「構わない。それを警戒するのが俺らの仕事だ」
キッパリと言い切ったイザクに、ルヴェックも無言で頷いている。
さっきまでの緩い空気は既に一掃されている。
「イザクは今…私と一緒に〝イクスゴード〟で、配達から帰って来た子を見たよね?」
「ああ、いたな」
「少年か少女なのかは分からない。ただあの子は多分……ギーレン国のエドベリ王子が抱える裏組織の子だと思う」
「⁉」
見覚えならある。
そう、あの子は〝蘇芳戦記〟のエドベリルートで必ず出て来る、彼の手足となって動いている双子の変装した姿として、まちがいなく静止画が存在しているからだ。
それも、あのままの姿形で。
あれなら、シャルリーヌが見ても分かる筈だ。
あの子はボードリエ伯爵邸への配達へは行かなかったのか。
もしかしたら、伯爵邸だけは店主が直々に届けているのかも知れない。
「店主は多分何も知らないと思う。あくまで潜伏先の一つにしているだけだと思うから。ただ…ギーレンでエドヴァルド様が王子の思うようにならなければ、きっとあの子に何かしらの指示が飛ぶ。――誰か見張れるかな?」
「分かった。今は俺もルヴェックも、お嬢さんから離れる訳にはいかない。ファルコに連絡をとって、誰か寄越させるようにする。いざ実力行使に及んできたら、捕まえても良いんだな?」
「そうね。そうなったら国王陛下にも報告をしないといけないから、お願い」
「……〝ヘンリエッタ〟へは、予定通り行くのか?」
出来れば、公爵邸に戻って引きこもって欲しいのだろうが、それはそれ、これはこれだ。
フォルシアン公爵やブレンダ夫人に怪しまれる訳にも行かない。
「ええ、お願い」
イザクもルヴェックも、何か言いたそうではあったけど、私はそれに気が付かないフリをした。
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