76 / 803
第一部 宰相家の居候
109 シーベリー
しおりを挟む
※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
夕方、キヴェカス家の店舗から戻って来ると、セルヴァンが、エドヴァルドがフェリクス・ヘルマンの店舗に立ち寄ってから戻るので、夕食が不要になったとの言付けを知らせてくれた。
「……そっか」
朝ちょっとギクシャクとしたので、有難いと言えば、有難いかも知れない。
木綿関連の契約とか、あれこれ話をしにいったんだろう。
「レイナ様」
じゃあ、書庫にこもってサンドイッチ貰おうかな…と思ったところを見透かしたかの様に、ニッコリと微笑うセルヴァンと視線が交錯した。
「……セルヴァン?」
「今日、出入りの業者がたまたま、王都に流通していたシーベリーを、ほんの僅かですが持ってきまして」
「えっ、ホント?」
「宜しければ厨房までお越しになって、夕食の補助として、何か試してみられませんか」
どうやら本当に、カリフラワーもどきの野菜1個分程度の仕入れしか出来なかったらしく、エドヴァルドが夕食不要と言うのであれば、早速試してみてはどうかと思ったらしい。
厨房の料理人たちも、異国出身で貴族令嬢でも何でもない私であれば、出入りしたところで誰も苦情は言わないだろうと言う事だった。
量が多かった時に、申し訳なさそうに食事を残す程度で、出された料理に文句を言わない私は、そもそも料理人たちから悪く言われた事がないらしい。
セルヴァンと連れ立って厨房まで行ったところ、作業台の真ん中に、他の野菜に埋もれるように、明るいオレンジ色が特徴的な、グミサイズの実が生る木の枝が置かれていた。
「これがシーベリー……」
「ええ。ユルハの領土は、実はシーベリー畑がかなりの割合を占めているのですが、知名度が低い所為か、並行して育てているブルーベリーが、かろうじての収入源となっている状況なのですよ」
ブルーベリーは、他の公爵領でも割とポピュラーに育てられているものらしく、あえて「ユルハのブルーベリー」を指定する顧客は、あまりいないらしい。
だからこそ、シーベリーの方に可能性を見出したいのかも知れない。
「ブルーベリーがあるなら、とりあえず、ジャムとジュースの技術はあるってコトよね?今日はまず、味を知るって事で、基本の二品をお願いしようかな?あ、その前にちょっと何本か除けさせて?」
そう言った私は、2本ほどのシーベリーの枝を除けた。
「ちょっと薪じゃ太すぎるんだけど…もうちょっと細めの、あ、でも細すぎない、出来れば白っぽい木の枝とかないかな?」
「白っぽい枝ですか……ちょっとファルコにでも庭を探させましょう」
電気なんてものはない筈で、既に外は日が暮れて――と、何とも言えない表情をした私に、セルヴァンは至極あっさりと「彼らは夜目が効きますから」などと宣われた。
あ、いや、イザクに卵白かき混ぜさせた私が「それで良いのか〝鷹の眼〟!」なんて思っちゃいけないんだけど。
そんな事を思っていると、姿は見えないのに、いきなり私の目の前に、色々な太さ長さの木の枝が、10数本ボロボロと降って来た。
「……誰です、横着をしているのは……」
セルヴァンさん、ちょっとコワイです。
私はとりあえず気が付かないフリをして、空いた作業台に、見た目白樺っぽい枝を何本か、梯子状に組み合わせて、置いた。
「えっと…お肉縛ってるような麻紐と、あと、リボン何本かないかな?で、手が空いてる、ちょっぴり手先の器用な方、結ぶの手伝って貰えると嬉しい」
こっちは食用にしない。
白樺もどきの枝を組んで結わえて作った梯子に、シーベリーの枝もくくりつけて、ディスプレイ用のアレンジメントに仕上げて貰っただけとも言える。
…まあ、私がやると、たぶん結び目とかユルユルになるだろうから、コレも料理人さん仕上げで良しとして貰おう。
「必ずしも食用にしなきゃいけないってコトじゃないだろうから、コレだと例えばキヴェカス家のカフェインテリアとかにもピッタリだと思うんだよね」
前に、南天を使ってこんな風にアレンジされて、吊り下げられていたセレクトショップを見た事がある。
「うーん…リボンをもうちょっと、草っぽいのにした方が映えるのかなぁ…まぁ、今日は試作品だから、良いかコレで」
赤とオレンジの違いはあれど、どちらもハッキリとした色合いだから、似たような仕上げには出来る筈と、試行錯誤の結果だ。
「あ、セルヴァン、今度たくさん見本が届いたら、侍女さんたち集めて、アレンジの作りあいとかしてみちゃダメかな?私だとほら、壊滅的にこの手のセンスには欠けてるから」
何より、アレンジメント作成能力が底辺をさまよっている。
私が口にしなかったところまで察してくれた様に、セルヴァンも微笑った。
「そうですね。インテリアの一つにする事も考えていらっしゃるのでしたら、日々邸宅の花を活けたりしている者たちを中心に、やらせてみても良いかも知れませんね。ああ、意外と庭師連中なんかを巻き込んでも面白いかもしれませんよ?」
「あっ、それ良い!そうしよう、決まりね!」
しれっとセルヴァンが、公爵邸の「内向き」らしい事にも私を巻き込もうとしている事に、この時の私は気が付いていなかった。
「レイナ様、先にジュースが出来たようですよ。ハチミツも出させておきましたから、お好みで混ぜては如何ですか」
料理人の一人から、ショットグラスサイズのグラスに入った、オレンジ色の液体を渡されて、とりあえずは原液状態のソレを一口、口に含む。
「……酸っぱいね、これ⁉」
オレンジジュースの見た目からは、かなりかけ離れていた。
なかなかに酸味が強い。
「うーん…ジャムだけじゃなく、コンフィチュールもアリ……?あ、そっちのシーベリーは、もうお砂糖入れた?これから?じゃあちょっとストップ!そっち更に二手に分けて、ジャムとコンフィチュール作って?」
ジャムはともかく、コンフィチュールは彼らには耳慣れなかったらしい。
私はちょっと考えて、お砂糖減らしてソース状にしてくれと頼んだ。
「レイナ様、それはどのように変わるものなのでしょう?」
「えーっと…コンフィチュールに関しては、パンやチーズとの相性が良いし、お肉とも相性が良い。どのお肉かは…合わせてみないと分からないけど。ジャムだと、この酸っぱさだと、かなりの砂糖が必要になりそうだから、コスト面でいったら、コンフィチュールの方が良いかも…と思って」
質問してきた若手の料理人にそう答えたら、厨房全体が「おお…」と何故かどよめいた。
「じゃあ、そのコンフィチュールとやらを少し多めに作っておいて、明後日の朝くらいまでの間に、色々な肉料理にかけてみるか。ジャムは今日の夕食と、明日明後日の朝食に添えさせてもらう形でいいか?」
話を引き継ぐ形で料理長がそう言ってくれたので、私もそれに賛成の意を示しておいた。
「今回は私の方でメニューを絞り込ませて貰ったけど、もっとたくさんの見本が届いたら、厨房のみんなで色々味見してみようね!」
この量じゃ仕方ないですねー…と、皆も一応納得はしてくれたようだった。
結局今日は一人で、クリームチーズに生ハム(的なナニか)を巻いた上からシーベリーソースをかけた、おつまみ的な試食品と、ヨーグルトにシーベリージャムをかけた物とを、夕食と併せて頂いてしまった。
――うん、一人で味わってしまってゴメンナサイ。
夕方、キヴェカス家の店舗から戻って来ると、セルヴァンが、エドヴァルドがフェリクス・ヘルマンの店舗に立ち寄ってから戻るので、夕食が不要になったとの言付けを知らせてくれた。
「……そっか」
朝ちょっとギクシャクとしたので、有難いと言えば、有難いかも知れない。
木綿関連の契約とか、あれこれ話をしにいったんだろう。
「レイナ様」
じゃあ、書庫にこもってサンドイッチ貰おうかな…と思ったところを見透かしたかの様に、ニッコリと微笑うセルヴァンと視線が交錯した。
「……セルヴァン?」
「今日、出入りの業者がたまたま、王都に流通していたシーベリーを、ほんの僅かですが持ってきまして」
「えっ、ホント?」
「宜しければ厨房までお越しになって、夕食の補助として、何か試してみられませんか」
どうやら本当に、カリフラワーもどきの野菜1個分程度の仕入れしか出来なかったらしく、エドヴァルドが夕食不要と言うのであれば、早速試してみてはどうかと思ったらしい。
厨房の料理人たちも、異国出身で貴族令嬢でも何でもない私であれば、出入りしたところで誰も苦情は言わないだろうと言う事だった。
量が多かった時に、申し訳なさそうに食事を残す程度で、出された料理に文句を言わない私は、そもそも料理人たちから悪く言われた事がないらしい。
セルヴァンと連れ立って厨房まで行ったところ、作業台の真ん中に、他の野菜に埋もれるように、明るいオレンジ色が特徴的な、グミサイズの実が生る木の枝が置かれていた。
「これがシーベリー……」
「ええ。ユルハの領土は、実はシーベリー畑がかなりの割合を占めているのですが、知名度が低い所為か、並行して育てているブルーベリーが、かろうじての収入源となっている状況なのですよ」
ブルーベリーは、他の公爵領でも割とポピュラーに育てられているものらしく、あえて「ユルハのブルーベリー」を指定する顧客は、あまりいないらしい。
だからこそ、シーベリーの方に可能性を見出したいのかも知れない。
「ブルーベリーがあるなら、とりあえず、ジャムとジュースの技術はあるってコトよね?今日はまず、味を知るって事で、基本の二品をお願いしようかな?あ、その前にちょっと何本か除けさせて?」
そう言った私は、2本ほどのシーベリーの枝を除けた。
「ちょっと薪じゃ太すぎるんだけど…もうちょっと細めの、あ、でも細すぎない、出来れば白っぽい木の枝とかないかな?」
「白っぽい枝ですか……ちょっとファルコにでも庭を探させましょう」
電気なんてものはない筈で、既に外は日が暮れて――と、何とも言えない表情をした私に、セルヴァンは至極あっさりと「彼らは夜目が効きますから」などと宣われた。
あ、いや、イザクに卵白かき混ぜさせた私が「それで良いのか〝鷹の眼〟!」なんて思っちゃいけないんだけど。
そんな事を思っていると、姿は見えないのに、いきなり私の目の前に、色々な太さ長さの木の枝が、10数本ボロボロと降って来た。
「……誰です、横着をしているのは……」
セルヴァンさん、ちょっとコワイです。
私はとりあえず気が付かないフリをして、空いた作業台に、見た目白樺っぽい枝を何本か、梯子状に組み合わせて、置いた。
「えっと…お肉縛ってるような麻紐と、あと、リボン何本かないかな?で、手が空いてる、ちょっぴり手先の器用な方、結ぶの手伝って貰えると嬉しい」
こっちは食用にしない。
白樺もどきの枝を組んで結わえて作った梯子に、シーベリーの枝もくくりつけて、ディスプレイ用のアレンジメントに仕上げて貰っただけとも言える。
…まあ、私がやると、たぶん結び目とかユルユルになるだろうから、コレも料理人さん仕上げで良しとして貰おう。
「必ずしも食用にしなきゃいけないってコトじゃないだろうから、コレだと例えばキヴェカス家のカフェインテリアとかにもピッタリだと思うんだよね」
前に、南天を使ってこんな風にアレンジされて、吊り下げられていたセレクトショップを見た事がある。
「うーん…リボンをもうちょっと、草っぽいのにした方が映えるのかなぁ…まぁ、今日は試作品だから、良いかコレで」
赤とオレンジの違いはあれど、どちらもハッキリとした色合いだから、似たような仕上げには出来る筈と、試行錯誤の結果だ。
「あ、セルヴァン、今度たくさん見本が届いたら、侍女さんたち集めて、アレンジの作りあいとかしてみちゃダメかな?私だとほら、壊滅的にこの手のセンスには欠けてるから」
何より、アレンジメント作成能力が底辺をさまよっている。
私が口にしなかったところまで察してくれた様に、セルヴァンも微笑った。
「そうですね。インテリアの一つにする事も考えていらっしゃるのでしたら、日々邸宅の花を活けたりしている者たちを中心に、やらせてみても良いかも知れませんね。ああ、意外と庭師連中なんかを巻き込んでも面白いかもしれませんよ?」
「あっ、それ良い!そうしよう、決まりね!」
しれっとセルヴァンが、公爵邸の「内向き」らしい事にも私を巻き込もうとしている事に、この時の私は気が付いていなかった。
「レイナ様、先にジュースが出来たようですよ。ハチミツも出させておきましたから、お好みで混ぜては如何ですか」
料理人の一人から、ショットグラスサイズのグラスに入った、オレンジ色の液体を渡されて、とりあえずは原液状態のソレを一口、口に含む。
「……酸っぱいね、これ⁉」
オレンジジュースの見た目からは、かなりかけ離れていた。
なかなかに酸味が強い。
「うーん…ジャムだけじゃなく、コンフィチュールもアリ……?あ、そっちのシーベリーは、もうお砂糖入れた?これから?じゃあちょっとストップ!そっち更に二手に分けて、ジャムとコンフィチュール作って?」
ジャムはともかく、コンフィチュールは彼らには耳慣れなかったらしい。
私はちょっと考えて、お砂糖減らしてソース状にしてくれと頼んだ。
「レイナ様、それはどのように変わるものなのでしょう?」
「えーっと…コンフィチュールに関しては、パンやチーズとの相性が良いし、お肉とも相性が良い。どのお肉かは…合わせてみないと分からないけど。ジャムだと、この酸っぱさだと、かなりの砂糖が必要になりそうだから、コスト面でいったら、コンフィチュールの方が良いかも…と思って」
質問してきた若手の料理人にそう答えたら、厨房全体が「おお…」と何故かどよめいた。
「じゃあ、そのコンフィチュールとやらを少し多めに作っておいて、明後日の朝くらいまでの間に、色々な肉料理にかけてみるか。ジャムは今日の夕食と、明日明後日の朝食に添えさせてもらう形でいいか?」
話を引き継ぐ形で料理長がそう言ってくれたので、私もそれに賛成の意を示しておいた。
「今回は私の方でメニューを絞り込ませて貰ったけど、もっとたくさんの見本が届いたら、厨房のみんなで色々味見してみようね!」
この量じゃ仕方ないですねー…と、皆も一応納得はしてくれたようだった。
結局今日は一人で、クリームチーズに生ハム(的なナニか)を巻いた上からシーベリーソースをかけた、おつまみ的な試食品と、ヨーグルトにシーベリージャムをかけた物とを、夕食と併せて頂いてしまった。
――うん、一人で味わってしまってゴメンナサイ。
1,050
685 忘れじの膝枕 とも連動!
書籍刊行記念 書き下ろし番外編小説「森のピクニック」は下記ページ バックナンバー2022年6月欄に掲載中!
2巻刊行記念「オムレツ狂騒曲」は2023年4月のバックナンバーに、3巻刊行記念「星の影響-コクリュシュ-」は2024年3月のバックナンバーに掲載中です!
そして4巻刊行記念「月と白い鳥」はコミックス第1巻と連動!
https://www.regina-books.com/extra
今回から見方が変わりました。何か一話、アルファポリス作品をレンタル頂くことで全てご覧いただけますので宜しくお願いしますm(_ _)m
書籍刊行記念 書き下ろし番外編小説「森のピクニック」は下記ページ バックナンバー2022年6月欄に掲載中!
2巻刊行記念「オムレツ狂騒曲」は2023年4月のバックナンバーに、3巻刊行記念「星の影響-コクリュシュ-」は2024年3月のバックナンバーに掲載中です!
そして4巻刊行記念「月と白い鳥」はコミックス第1巻と連動!
https://www.regina-books.com/extra
今回から見方が変わりました。何か一話、アルファポリス作品をレンタル頂くことで全てご覧いただけますので宜しくお願いしますm(_ _)m
お気に入りに追加
12,975
あなたにおすすめの小説

家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。

卒業パーティーで魅了されている連中がいたから、助けてやった。えっ、どうやって?帝国真拳奥義を使ってな
しげむろ ゆうき
恋愛
卒業パーティーに呼ばれた俺はピンク頭に魅了された連中に気づく
しかも、魅了された連中は令嬢に向かって婚約破棄をするだの色々と暴言を吐いたのだ
おそらく本意ではないのだろうと思った俺はそいつらを助けることにしたのだ
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。

〖完結〗愛人が離婚しろと乗り込んで来たのですが、私達はもう離婚していますよ?
藍川みいな
恋愛
「ライナス様と離婚して、とっととこの邸から出て行ってよっ!」
愛人が乗り込んで来たのは、これで何人目でしょう?
私はもう離婚していますし、この邸はお父様のものですから、決してライナス様のものにはなりません。
離婚の理由は、ライナス様が私を一度も抱くことがなかったからなのですが、不能だと思っていたライナス様は愛人を何人も作っていました。
そして親友だと思っていたマリーまで、ライナス様の愛人でした。
愛人を何人も作っていたくせに、やり直したいとか……頭がおかしいのですか?
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全8話で完結になります。

国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。
樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。
ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。
国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。
「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」

石女を理由に離縁されましたが、実家に出戻って幸せになりました
お好み焼き
恋愛
ゼネラル侯爵家に嫁いで三年、私は子が出来ないことを理由に冷遇されていて、とうとう離縁されてしまいました。なのにその後、ゼネラル家に嫁として戻って来いと手紙と書類が届きました。息子は種無しだったと、だから石女として私に叩き付けた離縁状は無効だと。
その他にも色々ありましたが、今となっては心は落ち着いています。私には優しい弟がいて、頼れるお祖父様がいて、可愛い妹もいるのですから。

正妃である私を追い出し、王子は平民の女性と結婚してしまいました。…ですが、後になって後悔してももう遅いですよ?
久遠りも
恋愛
正妃である私を追い出し、王子は平民の女性と結婚してしまいました。…ですが、後になって後悔してももう遅いですよ?
※一話完結です。
ゆるゆる設定です。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。