【完結】前略、閻魔さま~六道さんで逢いましょう~
第6回ほっこり・じんわり大賞奨励賞受賞しました!
応援ありがとうございました……!
深町(ふかまち)菜穂子(なおこ)は大学三年生。東京の大学に通っていたところに「祖母危篤」の連絡が届くも、京都に向かう新幹線の中で最後の瞬間に間に合わなかったことを知らされる。
祖父・毅市(きいち)と結婚するまでは、小学校の先生だったと言う祖母・志緒(しお)。
祖母の旧姓は高辻(たかつじ)。
葬儀にはそんな「高辻先生」を慕っていたと言う教え子も何人か来ていた。
そんな志緒の初盆。
旧暦七月、今で言う八月に行われる先祖供養の行事・盂蘭盆会(うらぼんえ)。
亡くなった人の御魂(みたま)を迎えるための風習である「六道(ろくどう)まいり」のために菜穂子も帰省をすることになった。
宗派を超えた京都の古式ゆかしい習慣。
祖母の御魂(みたま)も冥土から一時こちら側に戻って来ると信じられているからだ。
水塔婆に戒名を書いて貰って供養をする傍ら、祖先を迎えるための鐘を撞いた、その日の夜。菜穂子は不思議な現象に遭遇した。
「高辻先生の教え子・八瀬(やせ)彰(あきら)」を名乗る青年に、「高辻先生にどうしても、死後裁判を待つ子供たちの先生になって貰いたい。生前の夫である毅市さん、つまり君のおじいさんを説得して貰えないだろうか」と、どう考えても夢の中の出来事、荒唐無稽と思える懇願を受けたのだ。
元々は親が決めた許婚同士だった祖父と祖母。終戦と共に結婚はしたものの、内心では教師を続けたかった祖母は、彰の話に前向きなのだと言う。だが、祖母を閻魔庁、つまり死後裁判の場で成仏を拒んでずっと待っていた祖父がそれに反対、早々に極楽浄土に向かうことを主張しているのだと。
にわかには信じられない話だった。
更に生者である菜穂子が祖父と祖母の話し合いに参加出来るのは、お盆の前の「迎え鐘」で御魂(みたま)を迎えてから「京都五山送り火」で再び御魂(みたま)を送り出すまでの十日間だけだとも聞かされる。
祖父母に再び会えた喜びもつかの間。菜穂子はどちらの肩を持つべきなのか悩むことになるのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
イラストは無料イラスト「Illust AC」から、お絵描き太郎様の「お盆休暇中の女性」をお借りしています。
応援ありがとうございました……!
深町(ふかまち)菜穂子(なおこ)は大学三年生。東京の大学に通っていたところに「祖母危篤」の連絡が届くも、京都に向かう新幹線の中で最後の瞬間に間に合わなかったことを知らされる。
祖父・毅市(きいち)と結婚するまでは、小学校の先生だったと言う祖母・志緒(しお)。
祖母の旧姓は高辻(たかつじ)。
葬儀にはそんな「高辻先生」を慕っていたと言う教え子も何人か来ていた。
そんな志緒の初盆。
旧暦七月、今で言う八月に行われる先祖供養の行事・盂蘭盆会(うらぼんえ)。
亡くなった人の御魂(みたま)を迎えるための風習である「六道(ろくどう)まいり」のために菜穂子も帰省をすることになった。
宗派を超えた京都の古式ゆかしい習慣。
祖母の御魂(みたま)も冥土から一時こちら側に戻って来ると信じられているからだ。
水塔婆に戒名を書いて貰って供養をする傍ら、祖先を迎えるための鐘を撞いた、その日の夜。菜穂子は不思議な現象に遭遇した。
「高辻先生の教え子・八瀬(やせ)彰(あきら)」を名乗る青年に、「高辻先生にどうしても、死後裁判を待つ子供たちの先生になって貰いたい。生前の夫である毅市さん、つまり君のおじいさんを説得して貰えないだろうか」と、どう考えても夢の中の出来事、荒唐無稽と思える懇願を受けたのだ。
元々は親が決めた許婚同士だった祖父と祖母。終戦と共に結婚はしたものの、内心では教師を続けたかった祖母は、彰の話に前向きなのだと言う。だが、祖母を閻魔庁、つまり死後裁判の場で成仏を拒んでずっと待っていた祖父がそれに反対、早々に極楽浄土に向かうことを主張しているのだと。
にわかには信じられない話だった。
更に生者である菜穂子が祖父と祖母の話し合いに参加出来るのは、お盆の前の「迎え鐘」で御魂(みたま)を迎えてから「京都五山送り火」で再び御魂(みたま)を送り出すまでの十日間だけだとも聞かされる。
祖父母に再び会えた喜びもつかの間。菜穂子はどちらの肩を持つべきなのか悩むことになるのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
イラストは無料イラスト「Illust AC」から、お絵描き太郎様の「お盆休暇中の女性」をお借りしています。
あなたにおすすめの小説
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
はっきり言ってカケラも興味はございません
みおな
恋愛
私の婚約者様は、王女殿下の騎士をしている。
病弱でお美しい王女殿下に常に付き従い、婚約者としての交流も、マトモにしたことがない。
まぁ、好きになさればよろしいわ。
私には関係ないことですから。
記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。
ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。
ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。
対面した婚約者は、
「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」
……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。
「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」
今の私はあなたを愛していません。
気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。
☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。
【1月19日完結】貴方の傍に幸せがないのなら
なか
恋愛
「みすぼらしいな……」
戦地に向かった騎士でもある夫––ルーベル。
彼の帰りを待ち続けた私––ナディアだが、帰還した彼が発した言葉はその一言だった。
彼を支えるために、寝る間も惜しんで働き続けた三年。
望むままに支援金を送って、自らの生活さえ切り崩してでも支えてきたのは……また彼に会うためだったのに。
なのに、なのに貴方は……私を遠ざけるだけではなく。
妻帯者でありながら、この王国の姫と逢瀬を交わし、彼女を愛していた。
そこにはもう、私の居場所はない。
なら、それならば。
貴方の傍に幸せがないのなら、私の選択はただ一つだ。
◇◇◇◇◇◇
設定ゆるめです。
よろしければ、読んでくださると嬉しいです。
【完結】お姉様の婚約者
七瀬菜々
恋愛
姉が失踪した。それは結婚式当日の朝のことだった。
残された私は家族のため、ひいては祖国のため、姉の婚約者と結婚した。
サイズの合わない純白のドレスを身に纏い、すまないと啜り泣く父に手を引かれ、困惑と同情と侮蔑の視線が交差するバージンロードを歩き、彼の手を取る。
誰が見ても哀れで、惨めで、不幸な結婚。
けれど私の心は晴れやかだった。
だって、ずっと片思いを続けていた人の隣に立てるのだから。
ーーーーーそう、だから私は、誰がなんと言おうと、シアワセだ。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。
両親から謝ることもできない娘と思われ、妹の邪魔する存在と決めつけられて養子となりましたが、必要のないもの全てを捨てて幸せになれました
珠宮さくら
恋愛
伯爵家に生まれたユルシュル・バシュラールは、妹の言うことばかりを信じる両親と妹のしていることで、最低最悪な婚約者と解消や破棄ができたと言われる日々を送っていた。
一見良いことのように思えることだが、実際は妹がしていることは褒められることではなかった。
更には自己中な幼なじみやその異母妹や王妃や側妃たちによって、ユルシュルは心労の尽きない日々を送っているというのにそれに気づいてくれる人は周りにいなかったことで、ユルシュルはいつ倒れてもおかしくない状態が続いていたのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
とても素敵な話でした。
主人公が今後どんな素敵な方とめぐりあうのかも、
想像すると楽しいです。
ありがとうございました。
心が洗われたような気になりました。
いつも読んで頂いて、かつ、応援ありがとうございます!
新規書下ろしの執筆に追われていて、かなりお返事が遅くなってしまったこと申し訳なく思っております(´;ω;`)ウッ…
初のライト文芸でしたが、読んでいただけてとても嬉しく思っております。
頑張りますので、他の作品も引き続き読んで頂けると、とても嬉しく思いますm(_ _)m
ずっと楽しく拝読しております。
「まっすぐ生きんとアカンなぁ…」と、本日改めて思いました(笑)
八瀬さん、敏腕ですね‼️
いつも読んで頂いて、かつ、応援ありがとうございます!
お天道様は見ている、ならぬ地獄の王は見ている、でしょうかwww
私が書くとどうしても一人や二人、黒くなっていくんですよね……(;'∀')
あと1日、引き続き読んで頂けると、とても嬉しく思いますm(_ _)m
将来的にはおばあちゃんが地蔵菩薩の後任になったりするのかな? 閻魔様の後任に小野篁卿が就いたように。
いつも読んで頂いて、かつ、応援ありがとうございます!
なるほど!
それは頭になかったんですが、それは大いにあり得ますね!
あと1日、引き続き読んで頂けると、とても嬉しく思いますm(_ _)m
おじいちゃん、学校の用務員さん的役職でおばあちゃんのそばにいられたら良いのに…と思ってしまいました(. . `)
ラストまで楽しませていただきます(*^^*)
パタパタ....ε(*・▲・)з゙
いつも応援ありがとうございます!
八瀬青年の黒さとゴリ押しが垣間見えておりますが……(;'∀')
あと3話、楽しんで貰えたら幸いです。
引き続き読んで頂けると嬉しく思いますm(_ _)m
これぞ多生の縁。生まれ変わってないけど。
いつもありがとうございます!
そうですね、あの世とこの世の境にはいますけど……(;'∀')
引き続き読んで頂けると嬉しく思いますm(_ _)m
「サッちゃん」2番の歌詞までは知ってましたが、検索してみてびっくり。何故こんな怖い歌詞があるの? これ原作者さん知ってたのでしょうか?
いつもありがとうございます!
いえ、一番の歌詞がうろ覚えで間違ってないか確かめようとググったら、それよりエグイ四番以降がヒットしてきて驚愕した……という感じです。
なんでこんなコトになってるのか……((((;゚Д゚))))gkbr
引き続き読んで頂けると嬉しく思いますm(_ _)m
そうなんですよね~
旧暦で言えば、大祓~七夕~盂蘭盆会と続くのです。七日のお月さまが舟形で、彦星が織姫に会いに行く舟と聞いたことがありますが、亡き人が現世に帰ってくる舟かもしれませんね。
で、満月に強制的に帰らされる。かぐや姫みたいに…って思ってます。
お盆、色々ですね。ちなみに、実家は15日に送ります
数ある作品の中から読んで頂いて、再度の感想有難うございます……!
インド仏教やら、遣唐使か遣隋使かの影響での中国仏教やら、色々と影響を受けて独自の習慣になっているみたいですね……それに15日に送る地域もあったんですね!それは知らなかったです(;'∀')
引き続き読んで頂けると嬉しく思いますm(_ _)m
おじいちゃん、もしかして大勢のおばあちゃんの教え子から恨まれてませんか? 大好きな高辻先生を奪ったって。それと、還暦後に亡くなったのなら、フリーターではなくご隠居で良くないかな、八瀬さん。
いつもありがとうございます!
少なくとも八瀬青年は恨んでそうな……(;'∀')
確かに「ご隠居」の方が当てはまりそうですね、きっと彼も学習したかと思いますwww
引き続き読んで頂けると嬉しく思いますm(_ _)m
面白いです!
はんなりした京言葉もええ感じです~
数ある作品の中から読んで頂いて有難うございます……!
これからリアルでも京のお盆行事期間になるので、もしかしたらそんなこともあるかも? 程度に楽しんで頂けたら嬉しいです!
引き続きどうぞ宜しくお願いしますm(_ _)m
いつもありがとうございます!
今のところは朝までに帰る予定です。
ただ、問題は1日では解決をしないので、また離脱させられることになると思います(^▽^;)
引き続き読んで頂けると嬉しく思いますm(_ _)m
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。