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「ふざけんなよ!いねーのか!?おう!?」
金髪ツーブロック男がドアを蹴飛ばしながら叫ぶ。
「おい、壊すなよ。」
「あぁ!?おまえはむかつかねーのかよ?ノムちゃんよぉ!」
「別に俺にゃ関係ねぇもん。」
「おまえ、いま言った事トオルさんに聞こえたらヤバイぞ!」
「それよかよ、あんまし暴れたら近所の奴らがおまわり呼ぶぜ?」
「ナオちゃんが暴れて、あのバカ女を引きづり回せって俺に言うんだよ。」
会話をする2人をよそにヤンキースのニューエラを被った男は相変わらずスマホばかり触っていた。
「だから、オラァ!!こうやるんだよ!」
金髪のツーブロック男が力を込めて玄関ドアに前蹴りをしている。
「おっ、少し凹ませてやったぜぇ!」
金髪ツーブロック男が片手を上げて息巻いている。
「サヤマさん、ちゃんと撮影していてくださいね。俺はここらで奴らのもとへ行きます。」
「えっ!?アキトさんだけで行くんですか?あ、危な過ぎですって!」
「危ないからこそ良いんです。警察に通報するにしても証拠が必要でしょ?
いま撮っているこの動画に加えて、更に俺まで恫喝され殴られた動画を警察に見せれば奴らの罪はもっと重くなるはずですよ。」
「しかしですよ?俺は止めないわけにはいかない!」
「大丈夫ですって。俺が最年少で奴らより立場的にも下っ端でしたが心配しないでほしいです。」
アキトはチョコレート風味のベイプを吸って、煙突から出る工場の如く大量の煙を口から吐いた。
「ただ、1、2発くらい殴られたとしてもすぐ警察は呼ばないでくださいね。
3人が俺をリンチした時、110番してほしい。
万が一に備えて俺のスマホをサヤマさんに渡しておくんで、決定的な瞬間を撮り損ねないでくださいよ。じゃあ行ってきます。」
「ちょっとぉ!」
俺の呼び止めにアキトは背を向けて手を振った。
アキトは軽い足取りでスタスタ歩き、あっという間に俺やメデューサが住むアパートに到着した。
階段を昇りきると、金髪のツーブロック男がいち早くアキトに気づいた。
「アキト!てっめぇぇぇ!のこのこ出てきやがってぇ!」
「カズオさん、こんちゃす。」
「おめぇ、自分が何したかわかってんだろうなぁ?」
「恵子の件すよね?アイツの為にもこれでいいんじゃないっすか?子持ちっすよ?」
「そんなこたぁ関係ねぇんだよ。クソバカが!アイツは金を持ち逃げした悪党なんだぜ?おめえも知ってんだろうがよ!」
「はい、知ってますよ。恵子はその金を返すつもりっす。ただ、ヘヴンandヘルは辞めますから。
別にあそこで働かなくても返金さえすりゃいいでしょ?」
「なんだ?庇ってんのかよ。おめぇ、あの女の味方してるんか?あの泥棒の売女をよ。」
「庇うってより、恵子の代わりに伝えているだけっす。
仕事を辞めるけど、金は返すってトオルさんかナオさんに伝えておいてください。」
「バカヤロー!俺はナオちゃんに恵子を殺してでも連れてこいって言われてんだよ!
ガキの使いみてぇなことできるか。
それよか、恵子はどこだ?どこにいんだよ?」
「カズオさん。いい加減、ここらでいいなりになるのやめましょうよ。」
「あぁ!?いま、俺を馬鹿にしただろ?舐め腐りやがってクソガキがぁ!もう我慢できねぇ!トオルさん達に引き渡す前に
このスカしたボンクラやっちまおうや!」
「そろそろ、トオルさんとナオさんも来るみたいよ?」
ヤンキースのニューエラを被った男がスマホを見ながら言った。
「えぇ?なんでこっち来るんだよ?まだ恵子は捕まえていないんだぜ?」
スマホで撮影している俺だけでなく、カズオも酷く慌てて言った。
金髪ツーブロック男がドアを蹴飛ばしながら叫ぶ。
「おい、壊すなよ。」
「あぁ!?おまえはむかつかねーのかよ?ノムちゃんよぉ!」
「別に俺にゃ関係ねぇもん。」
「おまえ、いま言った事トオルさんに聞こえたらヤバイぞ!」
「それよかよ、あんまし暴れたら近所の奴らがおまわり呼ぶぜ?」
「ナオちゃんが暴れて、あのバカ女を引きづり回せって俺に言うんだよ。」
会話をする2人をよそにヤンキースのニューエラを被った男は相変わらずスマホばかり触っていた。
「だから、オラァ!!こうやるんだよ!」
金髪のツーブロック男が力を込めて玄関ドアに前蹴りをしている。
「おっ、少し凹ませてやったぜぇ!」
金髪ツーブロック男が片手を上げて息巻いている。
「サヤマさん、ちゃんと撮影していてくださいね。俺はここらで奴らのもとへ行きます。」
「えっ!?アキトさんだけで行くんですか?あ、危な過ぎですって!」
「危ないからこそ良いんです。警察に通報するにしても証拠が必要でしょ?
いま撮っているこの動画に加えて、更に俺まで恫喝され殴られた動画を警察に見せれば奴らの罪はもっと重くなるはずですよ。」
「しかしですよ?俺は止めないわけにはいかない!」
「大丈夫ですって。俺が最年少で奴らより立場的にも下っ端でしたが心配しないでほしいです。」
アキトはチョコレート風味のベイプを吸って、煙突から出る工場の如く大量の煙を口から吐いた。
「ただ、1、2発くらい殴られたとしてもすぐ警察は呼ばないでくださいね。
3人が俺をリンチした時、110番してほしい。
万が一に備えて俺のスマホをサヤマさんに渡しておくんで、決定的な瞬間を撮り損ねないでくださいよ。じゃあ行ってきます。」
「ちょっとぉ!」
俺の呼び止めにアキトは背を向けて手を振った。
アキトは軽い足取りでスタスタ歩き、あっという間に俺やメデューサが住むアパートに到着した。
階段を昇りきると、金髪のツーブロック男がいち早くアキトに気づいた。
「アキト!てっめぇぇぇ!のこのこ出てきやがってぇ!」
「カズオさん、こんちゃす。」
「おめぇ、自分が何したかわかってんだろうなぁ?」
「恵子の件すよね?アイツの為にもこれでいいんじゃないっすか?子持ちっすよ?」
「そんなこたぁ関係ねぇんだよ。クソバカが!アイツは金を持ち逃げした悪党なんだぜ?おめえも知ってんだろうがよ!」
「はい、知ってますよ。恵子はその金を返すつもりっす。ただ、ヘヴンandヘルは辞めますから。
別にあそこで働かなくても返金さえすりゃいいでしょ?」
「なんだ?庇ってんのかよ。おめぇ、あの女の味方してるんか?あの泥棒の売女をよ。」
「庇うってより、恵子の代わりに伝えているだけっす。
仕事を辞めるけど、金は返すってトオルさんかナオさんに伝えておいてください。」
「バカヤロー!俺はナオちゃんに恵子を殺してでも連れてこいって言われてんだよ!
ガキの使いみてぇなことできるか。
それよか、恵子はどこだ?どこにいんだよ?」
「カズオさん。いい加減、ここらでいいなりになるのやめましょうよ。」
「あぁ!?いま、俺を馬鹿にしただろ?舐め腐りやがってクソガキがぁ!もう我慢できねぇ!トオルさん達に引き渡す前に
このスカしたボンクラやっちまおうや!」
「そろそろ、トオルさんとナオさんも来るみたいよ?」
ヤンキースのニューエラを被った男がスマホを見ながら言った。
「えぇ?なんでこっち来るんだよ?まだ恵子は捕まえていないんだぜ?」
スマホで撮影している俺だけでなく、カズオも酷く慌てて言った。
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