ザ・グレート・プリン

スーパー・ストロング・マカロン

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ドアを開けると勢いよくニャン助が飛び出してきた。

俺は素早くキャットフードを山盛り地べたに置く。

ニャン助は置かれたフードを見ずに俺の顔を怪訝な表情で見ている。

そうか、たった数日間とはいえ翔馬がニャン助にフードを食べさせてあげていたから違和感があるのだろう。

「以前までずっと俺があげていたのを忘れたの?これからまた、俺があげるんだからそんな態度はやめろよ。」
しゃがみこみ苦笑いしながらニャン助に話した。


中邑さん宅で夕食を済ませた後、翔馬にママ(メデューサ)を迎えに行くと伝えた。
翔馬は笑みを浮かべながらいつ帰ってくるか興奮しながら聞いてきた。

いつもの俺なら、その先の展開に怯えてしまい曖昧な返事しか出来ずにいたがハッキリ断言した。
"明日には会えるよ"と。

翔馬は更に喜びを顕にしていた。
同じ部屋で寝ていたルルが何事かと驚いて立ち上がるくらいだった。

部屋をクルクル回った後、僕も一緒に行きたいとも話していたが、ママは遠い場所にいるから子どもには大変だと伝えた。

少し駄々をこね始めたところで中邑さんの奥さんが部屋にやってきて、一緒に病気のルルの面倒をみてほしい、翔馬君がいるとルルも元気になるのよと頼むような口調で話してくれた。
翔馬は少し間をおいてから納得した顔でこくりと頷いた。

奥さんは俺に嘘などついてはいない、この子が我が家に来てくれたおかげでルルも元気になっているわと言って俺の事までフォローしてくれた。

朝ごはんを食べるニャン助の頭を撫でながら、この恩は忘れてはならないと強く心に誓った。

パイプやら鉄筋の足場やらで、ちょっとした要塞のようなアパートの3階通路を歩く。
すぐ隣の部屋は山田"メデューサ"恵子の部屋だ。

コイツを連れ戻して翔馬と再び一緒に生活をしても、翔馬が本当の意味で幸せになるとは限らない。
また、あの子を置いて出て行ってしまう可能性だってある。

きっとこの先も茨の道を歩む事になるだろう。
しかし、このまま黙って流されていてはメデューサの思いのままになってしまう。

こちらがしっかりができるという事を奴にわからせるのは必要な気がする。


悪党であるトオル達の存在が頭をよぎる…。
それでも恐怖で震える足を前に進めた。
もうここまできた以上、後戻りはしちゃいけない。






































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