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月曜日の朝を迎えた。
俺は昨日のやる気を失ってはいない。
目覚めと同時に飛び起きて、真っ先にメデューサの事を考えた。

洗面所で顔を洗った後、歯磨きをしながらメデューサが勤務しているSMクラブへ行って直接話をする方がいいか、それともまずは電話で話をするべきか考えていた。

仮に直接行った場合、アポなしではメデューサもさすがに困惑するだろう。
その趣味がある客をムチやロウソクを使いプレイに及んでいる最中かもしれない。

会うにせよどちらにしたって電話をかける必要がある。
俺は歯磨きを終えた後、コップの水で口をすすいだ。
歯ブラシで磨く手に力が入り過ぎて歯茎から出血していたよ。






朝食を食べ終えて皿洗いも済み俺はスマホを握る。

翔馬はニャン助を部屋に招き入れている。
ニャン助が俺の部屋に入っても特に反対する理由もない。
翔馬の遊び相手になってくれているし、俺にとってはありがたい存在だ。

「ニャア」とニャン助が鳴けば翔馬は喜び、「ニャア」と高い声を出してマネをする。
ニャン助が後ろ足で耳を掻くと翔馬もマネをしようと必死だ。
それを見たニャン助は正面にいる俺に視線を移してやれやれといった表情をしたように見えた。



スマホの時刻は10時ピッタリ。
俺はこの時刻を待っていた。
遅くまで勤務しているメデューサは眠りから醒めて遅い朝食を摂っているかもしれない。
早朝に電話をかけてしまうのは、さすがにマナー違反だからね。

スマホを持つ手が少し震えている。
これはきっと武者震いだ。
あの日、トオル達を埠頭で見かけた時とは違う。
ビビっているわけじゃない。そう自分に言い聞かせながら渡辺太郎が教えてくれたメデューサの番号を入力した。

スマホを耳に当てながら知らない着信にメデューサが出るかな?と考えたが想像とは裏腹に呼び出し音が2回流れただけですぐに出た!
警戒しているのか、一言も声を発してこない。
一呼吸置いた後、電話を切られてはまずいので自分から発言した。
「もしもし、おはようございます。WJハイツのお隣301に住む佐山です。」

「っっえ、えっ!なんで?サヤマさん?なんでサヤマさんが私の番号知ってるわけ?」

嘘をつくか、話を無視して俺が言いたい事だけを一方的に伝えるべきか迷った。
正直に渡辺太郎の名前を出したら、まずいと思ったんだ。

「こないだ、山田さんが俺に翔馬を預けて出ていく時、電話番号を教えてくれましたよ。その事を忘れたみたいですね。」

「…そうだったっけ?でもそれ以外で私の番号を知る事なんてできないもんね。」

「単刀直入でお聞きしますが、約束した期限を覚えてますよね?あと5日後ですよ。翔馬君を迎えに来る日は。」

「そっか、5日後なのね…。実は私はいま男と同棲してんの。
そのアパートに引っ越す前から、私を好きになってくれた男でさ。いなくなった私を探してくれてたんだって。
そりゃ探したって見つからないよね。だって私はだったから。
でさ、サヤマさんも知ってる話だけど金銭的な理由であの日、危ない人らと出て行ったでしょ?実はね、そのお金をまだ返せてないの。
だから私としては、あいつらにお金を返さなきゃいけないんだ。」

「まだ帰れないって事です、か?」

「帰れないって事です、ね。」

偶然なのか意図的なのか分からないが俺の口調をマネたように思えて腹が立ってきた。
俺は怒りが爆発しないように自制をしながら話を続けた。

「では、いつになったら帰れます?」

「う~ん。分からない。時々なら会いに行けるかもしれないなあ。」


























































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