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「ぜんぜん遠慮しないでいいよ!して欲しいでしょ?」
俺が哀れで醜悪な政治家どものようにハニートラップに引っかかるとでも思っているのか!
「もういい加減にしてくれ!俺はなぁ、お前らなんかと関わりたくないんだよ!」
俺の本気で発した言葉でメデューサは手を止めて脱ぎかけた洋服を整えている。
「…わかった。そこまで言うならしないよ。でも、翔馬の事をお願いしま…」
俺はメデューサが頼み込むのを遮って、断固拒否すると伝えた。
メデューサが反論しようとした直前、メデューサのスマホに着信が入った。
「あっ、あの人達だ。」
メデューサは2度ばかり咳払いをした後、通話を始めた。
「はい、もしもし山田です…。そうですか、はい、分かりました。私がアパートの駐車場で待てばいいんですね?はい…はい。分かりました。じゃあ待ってますんで。はい…。」
メデューサは電話を切ると、肩でため息をついた。
「私、もう行かなきゃ。」
「い、行くってどこへ?」
どんな奴等の元へ行くのか分かってはいたが、口にしてしまうのは仕方ない。
「何回も話したじゃん!ちゃんと聞いてなかったのぉ?
もういいわ、時間がないから。それよりお金は遠慮なく使ってね?私がいない間は部屋も自由に使ってもらって構わないから。」
メデューサはショルダーバッグだけを持って出て行こうとしている。
今度は俺がメデューサの腕を掴んで止めた。
「冗談じゃない!俺はあんたの子を預かる理由なんてないぞ!」
「痛い~!放してよ!放してったら!」
メデューサは平手で俺を引っ叩く。
取っ組み合いをしていると、再度メデューサに着信が入った。
俺はメデューサの腕から手を離した。
「はい、やま、す、すいません!今すぐ行きますんで。」
話の内容からするとおそらく待ち合わせ場所にトオルは到着したのだろう。
先にメデューサが待っていなかった事に腹を立て、催促の電話をしたようだ。
「もう時間がないよ!私は行くからね!あの子を、翔馬をよろしくお願いします!」
メデューサは深々と俺にお辞儀をした。
「おい!待て!!」
俺の呼び声虚しく、翔馬に何も言わずに母親である山田"メデューサ"恵子は後ろを振り返る事なく玄関ドアを開けて出て行ってしまった…。
俺が哀れで醜悪な政治家どものようにハニートラップに引っかかるとでも思っているのか!
「もういい加減にしてくれ!俺はなぁ、お前らなんかと関わりたくないんだよ!」
俺の本気で発した言葉でメデューサは手を止めて脱ぎかけた洋服を整えている。
「…わかった。そこまで言うならしないよ。でも、翔馬の事をお願いしま…」
俺はメデューサが頼み込むのを遮って、断固拒否すると伝えた。
メデューサが反論しようとした直前、メデューサのスマホに着信が入った。
「あっ、あの人達だ。」
メデューサは2度ばかり咳払いをした後、通話を始めた。
「はい、もしもし山田です…。そうですか、はい、分かりました。私がアパートの駐車場で待てばいいんですね?はい…はい。分かりました。じゃあ待ってますんで。はい…。」
メデューサは電話を切ると、肩でため息をついた。
「私、もう行かなきゃ。」
「い、行くってどこへ?」
どんな奴等の元へ行くのか分かってはいたが、口にしてしまうのは仕方ない。
「何回も話したじゃん!ちゃんと聞いてなかったのぉ?
もういいわ、時間がないから。それよりお金は遠慮なく使ってね?私がいない間は部屋も自由に使ってもらって構わないから。」
メデューサはショルダーバッグだけを持って出て行こうとしている。
今度は俺がメデューサの腕を掴んで止めた。
「冗談じゃない!俺はあんたの子を預かる理由なんてないぞ!」
「痛い~!放してよ!放してったら!」
メデューサは平手で俺を引っ叩く。
取っ組み合いをしていると、再度メデューサに着信が入った。
俺はメデューサの腕から手を離した。
「はい、やま、す、すいません!今すぐ行きますんで。」
話の内容からするとおそらく待ち合わせ場所にトオルは到着したのだろう。
先にメデューサが待っていなかった事に腹を立て、催促の電話をしたようだ。
「もう時間がないよ!私は行くからね!あの子を、翔馬をよろしくお願いします!」
メデューサは深々と俺にお辞儀をした。
「おい!待て!!」
俺の呼び声虚しく、翔馬に何も言わずに母親である山田"メデューサ"恵子は後ろを振り返る事なく玄関ドアを開けて出て行ってしまった…。
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