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二章 長女、秋奈を守れ!
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「おまえらが、どんな理由でここにいるのかは容易に想像はつく。
ここでの暮らしはどうだったか?
最悪だったんじゃないのか?
オモチャにされていたんだからよ。」
裸エプロンをした女達は全員、顔を下に向けたり背けている。
「黙ってねえで答えろや!」
赤モヒカンの男は床を強く踏みつけ、声を荒げた。
秋奈をおぶった春彦が近くに寄り、赤モヒカンの肩を軽く叩いて玄関を素早く飛び出した。
「このまま、ここに残りたい奴はいるか?
それとも俺らとくるか?
てめえらも、クソみたいな状況から抜け出して新たに人生をスタートさせたいだろ?
もちろん、嫌なら嫌でかまわねえよ?
てめえの意思だからな?
ただし、これだけは言っておこう。
弱っている時に、優しい手を差し出してくる奴ってのは、2種類いるんだよ。
答えはシンプルだ。むつかしくなんかねぇ。
てめえを利用しようと悪知恵を働かせているクソか、本当にてめえを助けたいって思う優しい奴か。
そこを見抜けよ。
俺はてめえらを助け出すのは気まぐれだ。
ついでなんだぞ。」
女達は赤いモヒカン男とは初対面であるし、騙されてログハウスに連れ込まれた経緯がある。
もはや突然現れた男をすぐには信用できない。
しかし、ずっとこのまま社会から隔離された世界でーーーー一
衣食住はあれど、権力と巨万の富を持つ男達に、性欲の捌け口なんぞにされたまま、こんな所でとどまっていたくはなかった。
「15分、いや20分だけ待ってやる。
おまえら女は身嗜みに時間がかかるからな。
早く着替えてきやがれ。
白いケツを丸出しのまま表にでれないだろ。」
女達は互いに顔を見合わせて、一斉に私物がある2階へ向かった。
ここへ残る者は1人もいなかった。
「てめえら、少しは恥じらえ!ケツからなにから丸見えだぞ!」
女達に呆れた口調で言い放った後、赤モヒカンは一条達が作った"ヤリ部屋"を出て、マイカーのトランクルームを開ける。
剥き出しのままになっている、どデカいハンマーを2つ取り出した。
再び赤モヒカンは、先ほど女達がいたリビングに土足のまま入っていった。
広々としたリビングの隣に、セックス動画保管場所"とわざわざ手作りでこしらえた暖簾がかけられた部屋に足を向けた。
四畳半ほどの部屋で、中にはパソコンが二台と莫大のDVDがケースの中に山積みになっていた。
それらは女達のみが映し出された過激な性的シーンばかりの映像がDVDに納められている。
どこに何があるのか赤モヒカンは全てを知っているかのように、丸太のような両腕をぶん回しハンマーで豪快に破壊した。
部屋中は割れて飛び散ったプラスティックケースとDVDディスクの破片だらけになり、足の踏み場がないくらいの散らかりようだ。
ハリケーンに襲われた街のようだ。
同時にパソコンもハンマーを持つ太い腕から力一杯に振り下ろされた。
外では赤モヒカンの仲間が険しい顔で女達に手招きしていた。
着替えを早く済ませた2名の女が白いキャラバンへ戸惑いながら向かう。
2名の女達が近づくと、すぐに黒いセーターを着た中年の男が車から飛び出して怒鳴り散らした。
「馬鹿野郎!キョウコ!心配かけさせやがって!」
「ごめんなさあい…。」
「俺と母さんはどんな気持ちでお前を2年間も探したかわかっとるんか!?」
キョウコは父親と見られる人物に激しく叱られていた。
しかし、抱き合う2人の顔にはどことなく安堵したような表情があった。
長らく行方不明だった娘と再会できたのだ。
少し遅れてやってきた2人目のアオイの前にはスーツ姿の彼氏が寂し気に立っていた。
「アオイちゃん…僕は何も言わない。
いきなり僕の前から消えた君を責めるつもりは毛頭ない。
君と、君とまたこうして再会できたのだから…。」
突然姿を消したアオイは今更ながら一条達の策略に騙された事に後悔をしており、彼氏の顔を見た瞬間に号泣している。
「僕も泣きたいけれど、泣いてたまるかって気分なんだ。
だってだよ?君が生きているってわかったのだから。
捜索している時、君が生きていさえすれば、僕は何もいらないって…生きていてくれるだけで良いんだって…考えていたのだからね。」
抱きついたアオイは彼氏の黒いスーツを涙で濡らした。
「感謝をしなければならない人達がいるんだよ。
再びこうして会えたのは「由美子さんと由美子さんのお兄さん》》のおかげだ。
あの2人がいなければ、再会は出来なかったかもね。」
アオイの彼氏は優しく抱き寄せた。
ここでの暮らしはどうだったか?
最悪だったんじゃないのか?
オモチャにされていたんだからよ。」
裸エプロンをした女達は全員、顔を下に向けたり背けている。
「黙ってねえで答えろや!」
赤モヒカンの男は床を強く踏みつけ、声を荒げた。
秋奈をおぶった春彦が近くに寄り、赤モヒカンの肩を軽く叩いて玄関を素早く飛び出した。
「このまま、ここに残りたい奴はいるか?
それとも俺らとくるか?
てめえらも、クソみたいな状況から抜け出して新たに人生をスタートさせたいだろ?
もちろん、嫌なら嫌でかまわねえよ?
てめえの意思だからな?
ただし、これだけは言っておこう。
弱っている時に、優しい手を差し出してくる奴ってのは、2種類いるんだよ。
答えはシンプルだ。むつかしくなんかねぇ。
てめえを利用しようと悪知恵を働かせているクソか、本当にてめえを助けたいって思う優しい奴か。
そこを見抜けよ。
俺はてめえらを助け出すのは気まぐれだ。
ついでなんだぞ。」
女達は赤いモヒカン男とは初対面であるし、騙されてログハウスに連れ込まれた経緯がある。
もはや突然現れた男をすぐには信用できない。
しかし、ずっとこのまま社会から隔離された世界でーーーー一
衣食住はあれど、権力と巨万の富を持つ男達に、性欲の捌け口なんぞにされたまま、こんな所でとどまっていたくはなかった。
「15分、いや20分だけ待ってやる。
おまえら女は身嗜みに時間がかかるからな。
早く着替えてきやがれ。
白いケツを丸出しのまま表にでれないだろ。」
女達は互いに顔を見合わせて、一斉に私物がある2階へ向かった。
ここへ残る者は1人もいなかった。
「てめえら、少しは恥じらえ!ケツからなにから丸見えだぞ!」
女達に呆れた口調で言い放った後、赤モヒカンは一条達が作った"ヤリ部屋"を出て、マイカーのトランクルームを開ける。
剥き出しのままになっている、どデカいハンマーを2つ取り出した。
再び赤モヒカンは、先ほど女達がいたリビングに土足のまま入っていった。
広々としたリビングの隣に、セックス動画保管場所"とわざわざ手作りでこしらえた暖簾がかけられた部屋に足を向けた。
四畳半ほどの部屋で、中にはパソコンが二台と莫大のDVDがケースの中に山積みになっていた。
それらは女達のみが映し出された過激な性的シーンばかりの映像がDVDに納められている。
どこに何があるのか赤モヒカンは全てを知っているかのように、丸太のような両腕をぶん回しハンマーで豪快に破壊した。
部屋中は割れて飛び散ったプラスティックケースとDVDディスクの破片だらけになり、足の踏み場がないくらいの散らかりようだ。
ハリケーンに襲われた街のようだ。
同時にパソコンもハンマーを持つ太い腕から力一杯に振り下ろされた。
外では赤モヒカンの仲間が険しい顔で女達に手招きしていた。
着替えを早く済ませた2名の女が白いキャラバンへ戸惑いながら向かう。
2名の女達が近づくと、すぐに黒いセーターを着た中年の男が車から飛び出して怒鳴り散らした。
「馬鹿野郎!キョウコ!心配かけさせやがって!」
「ごめんなさあい…。」
「俺と母さんはどんな気持ちでお前を2年間も探したかわかっとるんか!?」
キョウコは父親と見られる人物に激しく叱られていた。
しかし、抱き合う2人の顔にはどことなく安堵したような表情があった。
長らく行方不明だった娘と再会できたのだ。
少し遅れてやってきた2人目のアオイの前にはスーツ姿の彼氏が寂し気に立っていた。
「アオイちゃん…僕は何も言わない。
いきなり僕の前から消えた君を責めるつもりは毛頭ない。
君と、君とまたこうして再会できたのだから…。」
突然姿を消したアオイは今更ながら一条達の策略に騙された事に後悔をしており、彼氏の顔を見た瞬間に号泣している。
「僕も泣きたいけれど、泣いてたまるかって気分なんだ。
だってだよ?君が生きているってわかったのだから。
捜索している時、君が生きていさえすれば、僕は何もいらないって…生きていてくれるだけで良いんだって…考えていたのだからね。」
抱きついたアオイは彼氏の黒いスーツを涙で濡らした。
「感謝をしなければならない人達がいるんだよ。
再びこうして会えたのは「由美子さんと由美子さんのお兄さん》》のおかげだ。
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アオイの彼氏は優しく抱き寄せた。
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