パパの見た目は15歳〜童顔の大黒柱〜

スーパー・ストロング・マカロン

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二章 長女、秋奈を守れ!

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「由美子さんはありがとうございます。」

バスタオルを肩にかけて少しダボついたパジャマ姿で由美子がいる寝室に秋奈は入った。

「明日はちゃんと帰るんだよ。今夜だけだから。」

由美子の発言に動揺しつつも秋奈は返事をしなかった。

「あ~あ。その態度じゃずっとここに居座るつもり?
無理だからね!そのうち心配しているであろうアンタの親が警察に連絡するかもだし…あっ!そっか私が警察に連絡をすりゃいいんだった。」

由美子はベッドサイドでコードに繋いだまま充電しているスマホを手にした。

「お願いです。警察には連絡しないでください!」

顔を歪めた秋奈はベッドで寝そべる由美子の側まですっ飛んできた。

「じゃあ明日、朝イチでちゃんと帰るんだよ。いい?」

またしても秋奈は返事をしない。

「わかってんのかよ!?」

右手で秋奈の肩を強く掴み揺らした。

「はい…。」

「朝早いんだからもう寝な。」

秋奈はシングルベッドに腰をおろして、すぐ横になった。
由美子は瞬時に秋奈に背を向けた。
枕を秋奈に借した為、仕方なく肘枕をしている。

「少しだけ私の話を聞いてくれませんか?」

「彼氏と一悶着ひともんちゃくあったんだろ?
そんで、両親とは不仲。
以前、アンタを助けた私を頼りにネットで調べた情報を元に子生意気に家出をして、今じゃ私が借したパジャマを着て、図々しくも隣で寝ている。」

「彼氏と一悶着…教えていないのによくわかりましたね。」

「水槽から身を投げ出した金魚みたいな女の子は、だいたいこんな理由だ。
そんで自暴自棄になり、バカなオッサン達と付き合ってベロンベロンに身体中を舐められる。
いつしかそんな事にも慣れちゃって、平然とオッサン達に体を許す。
そんな末路。」

「そんなのイヤッ。気持ち悪い!」

「だったら、早く家族がいる自宅に帰れ。
そして今まで通り学校に通うんだ。」

「由美子さん一生のお願いです!
ここでずっと居させてもらえませんか?
私、アルバイトでもいいので。」

私の話を聞いてたぁ?
それ以上、舐めた事を言ったら次はないよ。」

スマホを秋奈に見せつける。
警察に通報するとの意思表示だと秋奈は受け止めた。

不運に見舞われたと思った由美子は怒りより、今後の自分の身に降りかかるトラブルを想像して恐怖を感じ始めた。

「私の店はガキを雇用できないの。
ウチの形態は単なるカフェ・バーじゃないからね。
アンタに話したってわかんないだろうから細かくは言わないけど、になれる物も販売しているんだ。
前もって言っておくけど、100だから、ご心配なく。」

豆電球の灯りもない暗闇のなかで秋奈は天井を見て、声を殺して泣いている。

「泣きたいのはこっちだってば!
ちょっぴり関わっただけなのに、いきなし転がり込んで来ちゃってさ。
家出したJKを泊まらせたのが男だったら条例だがなんだか知らんけど、アンタを泊まらせたのが原因で即アウトなんだよ?
いや、女の私だってアウトかもしんない。
なんのメリットもなく危ない目にあってんだ。
昨年オープンして今月で1周年!
ようやく努力の甲斐もあってか売り上げも安定してきたし、掃き溜めみたいな町だけど自分の店を持った夢を叶えて、忙しくても楽しくて充実した毎日を送ってんのに…あーもうこの子のせいで胃が痛いわ。
もしこんなんで私が…」

早口で不安を捲し立てる由美子と絶望している秋奈の耳にスマホの着信音が聞こえた。





























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