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二章 長女、秋奈を守れ!
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「秋奈に関する情報を提供してくれていただき感謝しているよ。
改めてお礼を言わせてほしい。
どうもありがとう。
しかしながら、無闇矢鱈に裸体を男達に見せるのはこれっきりにした方がいい。
大切なあなたの身体を安売りしてはいけないよ。
今後も裸体を気安く見せてしまえば、男達はあなたを性的な対象として、使い勝手のいいオモチャのように扱うだろう。
後で酷く傷つくのはあなた自身だ。
そして大切な身体を傷つけて、心まで蝕まれて堕ちていくのを知った時、嘆き悲しむ人はあなただけでは無いこともどうか忘れないでほしい。」
秒で既読は付いたが、すぐには返事はなかった。
グラスに入った氷が水の中で溶けだし、氷と氷の位置が変わってカランと音を立てた。
「ウン。
了解しました。
これからはバーゲンセールはしませーん。
ハルちゃんてウチの死んじゃったおじいちゃんみたいでちょっぴりウケたけど、ハルちゃんが悲しむのならオッパイも簡単に見せませんし開脚写真もNGにします!
これからはね、ママがしつこく前の彼氏にねだって買って貰っためっちゃ高いブランドのバッグみたいに高級路線の女になります!」
LINEのトークでハルちゃんが悲しむとの返答を貰った春彦は、すぐさま自分の胸に問いただした。
悲しい。
この子にもしもの事があったら悲しい。
胸も尻も身体は一般的な成人女性とは比べものにならないくらいスタイルが良い。
しかし致命的な事に同年代の子より思考が幼い。
きっと屈託のない顔で薄暗い部屋のベッドに寝転がってスマホを操作しているのだろう。
同じ歳の娘を持つ春彦は寂しげな表情を浮かべて、自身のスマホから秋奈のクラスメイトが送ってきた文章を読みつつ無意識に想像をしていた。
「あなたが誰かを好きになっても、何もかも全てを許し委ねてはいけないよ。
土足で踏み込まれてはいけない領域には、勇気を持って相手に伝えよう。
相手も本気であなたを好きであるなら、あなたの言葉の意味を真剣に考えて大切にしてくれるはずだ。
すぐに行動で示すだろう。
それが判断の基準になると私は思っている。」
「ちゃんと私にもわかったし、なんとなく前から気づいていたよー。
大丈夫!心配しないでね!ありがとハルじいちゃん。チュッ♡」
春彦は彼女が本当に理解をしてくれたか、理解をしてくれたとしても、今後の人生で活かす事もなく無用の長物となってしまうのではないかと不安になった。
「ハルちゃん?私、眠くなってきたから先に寝ちゃうからね。
秋奈さん、早く見つかるといいな。
ハルちゃんも人の心配ばかりしてないで、ちゃんとお家に帰るんだよ?
親に心配かけちゃダメなんだから。」
クスッと笑った42歳の童顔の男は、お休みなさいと送信した。
おそらくファミレスの店内で中学生のような顔の春彦を家庭がある42歳の2児の父親だとは誰も思いもしないであろう。
改めてお礼を言わせてほしい。
どうもありがとう。
しかしながら、無闇矢鱈に裸体を男達に見せるのはこれっきりにした方がいい。
大切なあなたの身体を安売りしてはいけないよ。
今後も裸体を気安く見せてしまえば、男達はあなたを性的な対象として、使い勝手のいいオモチャのように扱うだろう。
後で酷く傷つくのはあなた自身だ。
そして大切な身体を傷つけて、心まで蝕まれて堕ちていくのを知った時、嘆き悲しむ人はあなただけでは無いこともどうか忘れないでほしい。」
秒で既読は付いたが、すぐには返事はなかった。
グラスに入った氷が水の中で溶けだし、氷と氷の位置が変わってカランと音を立てた。
「ウン。
了解しました。
これからはバーゲンセールはしませーん。
ハルちゃんてウチの死んじゃったおじいちゃんみたいでちょっぴりウケたけど、ハルちゃんが悲しむのならオッパイも簡単に見せませんし開脚写真もNGにします!
これからはね、ママがしつこく前の彼氏にねだって買って貰っためっちゃ高いブランドのバッグみたいに高級路線の女になります!」
LINEのトークでハルちゃんが悲しむとの返答を貰った春彦は、すぐさま自分の胸に問いただした。
悲しい。
この子にもしもの事があったら悲しい。
胸も尻も身体は一般的な成人女性とは比べものにならないくらいスタイルが良い。
しかし致命的な事に同年代の子より思考が幼い。
きっと屈託のない顔で薄暗い部屋のベッドに寝転がってスマホを操作しているのだろう。
同じ歳の娘を持つ春彦は寂しげな表情を浮かべて、自身のスマホから秋奈のクラスメイトが送ってきた文章を読みつつ無意識に想像をしていた。
「あなたが誰かを好きになっても、何もかも全てを許し委ねてはいけないよ。
土足で踏み込まれてはいけない領域には、勇気を持って相手に伝えよう。
相手も本気であなたを好きであるなら、あなたの言葉の意味を真剣に考えて大切にしてくれるはずだ。
すぐに行動で示すだろう。
それが判断の基準になると私は思っている。」
「ちゃんと私にもわかったし、なんとなく前から気づいていたよー。
大丈夫!心配しないでね!ありがとハルじいちゃん。チュッ♡」
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「ハルちゃん?私、眠くなってきたから先に寝ちゃうからね。
秋奈さん、早く見つかるといいな。
ハルちゃんも人の心配ばかりしてないで、ちゃんとお家に帰るんだよ?
親に心配かけちゃダメなんだから。」
クスッと笑った42歳の童顔の男は、お休みなさいと送信した。
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